大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

今日はvsゼスト。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百十五話 地上のエースの実力

ヒエンside

 

 

 

ゼスト・グランガイツ

 

 

 

時空管理局・首都防衛隊に所属するストライカー級の魔導師。

 

大柄の男性で、古代ベルカ式魔法を使う騎士であり、実力はオーバーSクラスに匹敵する程強い。

 

武器は槍型のアームドデバイスを使っており、確かデバイスの名前は無かったはずだ。

 

原作…

この場合はリリカルなのはStrikersになるのだが、リインフォース(ツヴァイ)とユニゾン状態のヴィータやシグナムとも互角に戦えるほどの強者だ。

 

さらに彼の『切り札』フルドライブを使うことによって、ユニゾン状態のヴィータを瞬殺し、ヴィータのデバイス:グラーフアイゼンを破壊するほどの圧倒的な力を発揮していた。

 

しかしそれと同時に自身への負担が非常に大きいため、頻繁に使う事は出来ないらしい。まさに文字通りの『切り札』である。

 

だがそれはとある事情により身体能力に制限が掛かっており、弱っていたからだ。()()()()()今、目の前にいる彼はそんなことはなさそうだ。

 

ちなみにStrikersの公式での強さは、なのは=フェイト=シグナム=ヴィータであり、機動六課は全員強さが均等化している。

 

なのでもしゼスト・グランガイツが1VS1で機動六課隊長陣と対決した場合、全員に勝てるかもしれない……と言われていたほどだ。

 

 

以上のことから踏まえても……

 

 

俺の目の前にいる男性…

 

 

ゼスト・グランガイツは作中屈指のトップレベルの強さを持つといっても過言ではないのだ。

 

 

「さて、準備はいいか少年?」

 

 

「はい…」

 

 

そして俺は目を閉じ精神を集中させる。

 

 

戦うための…あのモードへと切り替える。

 

 

 

ボゥ

 

 

 

俺の額に炎がつく。それに呼応するように両手のグローブにも炎が灯された。

 

 

そして俺は死ぬ気モードとなり構えた。

 

 

「ほう…」

 

 

すると俺の姿を見たゼストさんは少しだけ笑う。

 

 

「これは…思った以上に楽しめそうだ」

 

 

なんか最近…格上としか戦ってない気がするなぁorz

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

ゼストside

 

 

 

時空管理局・首都防衛隊ゼスト隊隊長:ゼスト・グランガイツ。

 

その強さはミッドチルダでは地上のエースと呼ばれるほどに有名である。

 

そんな彼がなぜ少年の認定試験の試験官として相手になっているかというと……

 

 

(レジアスから試験官をしてほしいと頼まれたときは驚いたが……)

 

 

己の友であるレジアス・ゲイズに頼まれたことに他ならない。

 

一方、ゼストの前方にいる額に炎を灯した黒スーツの少年は、威圧するかのような鋭い眼光でゼストを睨み付けていた。

 

 

「ほう…」

 

 

一目見たときは穏やかな雰囲気を持つ少年であったが、額に炎が灯った瞬間に雰囲気が一変した。

 

 

(この少年……相当な修羅場をくぐり抜けてきている)

 

 

少年は不思議な存在だった。

 

普通、強者と呼ばれる者は少なからず殺気というものを秘めている。しかし目の前にいる少年からはそんなものは()()()()()()()()()()

 

 

(いや…違う。微かに目の奥から闘争心のようなものを感じる…)

 

 

ゼストは油断なく無銘の槍を構える。ゼストの持つこの槍型のアームドデバイスに名はない。だがこの無銘の槍はゼストと共に長年歩んできた相棒だ。その相棒を構えながら彼は呟いた。

 

 

「これは…思った以上に楽しめそうだ」

 

 

そしてゼストは少年に向かって駆け出した。

 

 

 

ゼストside end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

戦いは唐突に始まった。

 

 

 

ゾクッ

 

 

 

一瞬、悪寒のようなものを感じた刹那…目の前に猛スピードで槍を突き刺すゼストさんの姿があった。

 

俺は咄嗟にブリッツアクションを発動させ、身体全体を加速させる。そして槍を体捌きでギリギリかわした。

 

 

 

ビリィ!!

 

 

 

俺の脇腹の黒スーツが少しだけ裂ける。

 

しかしゼストさんは槍を即座に引き戻し連続突きを放った。俺は継続してブリッツアクションを展開し、かわすことだけに集中する。当たりそうなものは槍の側面に手を沿えてギリギリ受け流す。

 

身体強化をかけているのかゼストさんの槍捌きがえげつないことになっている。真っ直ぐな槍がしなって見えるのだ。つい幻覚ではないかと疑う程である。

 

俺の頬に槍がかする。

 

たまらず炎熱疾走(フレアドライブ)を発動させ、俺は後ろへと下がった。

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

 

「俺の攻撃をここまでかわすか…」

 

 

(頭では分かっていたつもりだが……この人相当強い……!?)

 

 

俺は目の前の男を観察する。

 

相も変わらず油断なく構えている。

 

その身のこなしに隙は見当たらない。

 

だが先ほどの一瞬の攻防で分かった。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()

 

 

 

少なくとも俺がブリッツアクションでギリギリでかわしていたのに対し、ゼストさんには余裕があった。いやむしろ軽く流しているような気配すらあった。

 

この人は強い。

 

以前異世界で戦った黒化英霊のセイバーオルタ、バーサーカー並の迫力と力量をこの人からは感じる。もしこの人を英霊で例えるのであれば……間違いなくランサーだろう。

 

それに冷静に考えてみると、ここで死闘を演じるのであれば…俺は勝つために間違いなくフルドライブを発動させていたが…これは()()()()()()()()()()だ。

 

命をかける必要はない。

それにあれは文字通り俺の『切り札』なのだ。おいそれと使うのはダメな気がする。

 

それに感じるのだ。

 

 

何か()()()()()のようなものを……まるで凶悪な何かから()()()()()()()()()()()()()()()()()を……

 

 

超直感が少しだが警鐘を放っていた。

 

そこで俺は頭をブンブンと横に振る。

 

 

(いけない。今は試合中だ。集中するんだ!)

 

 

そして深呼吸した。

 

 

「スゥーハァー、スゥーハァー」

 

 

少し落ち着くことに成功する。

 

そして目の前の相手…ゼストさんを見る。

 

 

「落ち着いたか?」

 

 

「はい。なんとか」

 

 

「では、次は君から仕掛けてくるといい」

 

 

「いいんですか?」

 

 

「これは君の力を見る試験だ。構わん」

 

 

「分かりました」

 

 

という事で本人から許可が出たので、俺は遠慮なく遠距離から攻めてみることにする。

 

俺は炎の質を柔から剛に切り替え、射撃魔法を放った。

 

 

剛炎の銃弾(ブレイズバレット)verライフル!」

 

 

俺は自身の周囲に10個のスフィアを配置するとそれを高速で放った。

 

この二ヶ月の魔力運用と魔力操作の訓練で、多少なりとも射撃魔法の撃ち出すスピードも上がっている。

 

前後左右からスフィアを向かわせる。しかし、ゼストさんは槍を巧みに操り俺のスフィアを切り裂いていく。

 

だが…そううまくはいかない。

 

 

「!?」

 

 

すると減ったはずのスフィアの数が倍の20個程に増え、再度ゼストさんに襲いかかった。

 

ゼストさんは再び槍を振るう。

だがそのスフィアは槍の攻撃を受けるとスッと消えてしまった。

 

 

「幻影か…」

 

 

どうやら気付いたようだ。

 

 

偽物の銃弾(フェイクバレット)

 

 

俺はスフィアの幻影を操りつつ、本物のスフィアを操作していくが…ゼストさんには通用しない。

 

 

「幻影の中に本物が紛れているのなら……全部叩き潰せばいいだけのことだ」

 

 

そして巧みな槍捌きでスフィアを全部切り裂いてしまった。

 

 

しかし……

 

 

その動きが止まった一瞬を狙って、俺はゼストさんの後方から高速で迫っていた。

 

 

「甘い」

 

 

だが、ゼストさんはなんと後ろを見ずに槍を振るい俺へと攻撃した。しかし…

 

 

「これも幻影か…」

 

 

槍が直撃した瞬間、()()姿()()()()()

 

その直後……ゼストさんの回りから四人の俺が攻撃をしかける。

 

 

「面白い。だが………まだまだだ」

 

 

 

ズバアン!!!

 

 

 

山吹色の魔力の斬撃を食らった四人の俺が一気に消える。

 

 

 

そして……

 

 

 

「そこだ!」

 

 

 

ゼストさんの真上から奇襲をかけていた()()()()も槍を振るわれた。

 

 

(なんて人だ!?この二段重ねの奇襲を気配だけで察知しやがった!?)

 

 

「ちっ!形態変換(カンビオフォルマ) 攻撃形態(モードアタッコ) 死炎の手甲(ミテーナ・ディ・ヒート)!」

 

 

察知されたのは予想外だったが、予定通り俺は攻撃をした。

 

 

 

剛炎の加速(ブレイズアクセル)!」

 

 

 

ドオオオオォォォォンン!!!!!

 

 

 

手甲と槍が激突し、爆発が起こる。

 

 

「ふむ。よい攻撃だ」

 

 

だがゼストさんは変わらず健在であった。

 

俺は距離を起きつつ、スッと着地した。そしてゼストさんを睨み付ける。

 

 

(くそったれ…一応ジュエルシードの怪物や、執務官の砲撃魔法も真っ正面から打ち破れる出力で殴ったっていうのに……あれを受けて平然と立っていやがる…)

 

 

思えばプレシアの時もそうであった。

 

フルドライブじゃないとはいえ結構な出力で殴っていたのに、あの大魔導師も俺の攻撃を平然と受け止めていた。

 

どうやら魔力オーバーSランクを越える奴らは全員化け物らしい。

 

十全ともいえる魔力で俺の攻撃を易々と受け止めるのだから…。

 

 

(一応、プレシアと戦った時より俺も少しは強くなってるんだけどな…)

 

 

こうも平然と防がれることが続くと、自信を無くしてしまう。

 

 

「今度はこちらから行くぞ!」

 

 

 

ズバアン!

 

 

 

するとゼストさんが山吹色の魔力の斬撃を横一線に放ってきた。

 

俺は両手のグローブから炎を噴射させ、空中へと回避する。するとゼストさんも俺の後を追いかけてくる。そして今度は空中戦へと移行した。

 

 

 

 

 

 

ガキン!!

 

 

 

 

 

 

ガキン!!!!

 

 

 

 

 

 

ガキン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

拳と槍が空中で激突する。

 

オレンジと山吹色の魔力光が空中に幾度も交差する。

 

そして何度目かとなる激突を繰り返すが、オレンジの魔力光が後方へと弾き飛ばされる。

 

そして追撃とばかりに、山吹色の魔力光にオレンジの魔力光が地面へと吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

ボゴオオオオォォォォンンン!!!!!

 

 

 

 

 

 

「ぐふぅっ!?」

 

 

俺は勢いよく背中から地面に叩きつけられる。その衝撃で肺から空気が勢いよく、吐き出された。

 

だが俺はブリッツアクションで身体を加速させすぐに起き上がって移動する。

 

するとその直後…後方で爆発が起こる。

 

そしてすぐに体勢を整え、再び構えた。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

 

ザッザッザッ……

 

 

 

ゼストさんは無言でこちらへと歩いてくる。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

俺は息を整えながら考える。

 

戦ってみて分かった。

ベルカの騎士は常に正々堂々と戦い、真っ正面から相手を叩き潰す。

 

これが騎士の戦い方……

ヴィータやシグナム、そしてゼストさんといった古代ベルカ式の使い手。

 

隙のない……威力の高い圧倒的な攻撃で……相手を吹き飛ばす。その証拠に俺はボロボロにやられていた。

 

非殺傷設定で助かった。でなければ…またキズだらけになっていただろう。

 

反対に相手のゼストさんは無傷で息も乱していない。まだ余裕が感じられるほどだ。

 

 

(参ったな…。魔力強化の練度や戦闘の技術が違いすぎる。それだけじゃない…純粋な魔力量の差もここに来て…如実に現れている……)

 

 

俺の今の魔力ランクはAAA。

ジュエルシードとリンカーコアが融合したことにより魔力総量も増えた。

 

だがゼストさんはさらにその上をいく。

 

戦闘技術や魔力操作、魔力総量など全てが俺を上回っている。

 

セイバーオルタのように直感スキルで先回りされないだけ……まだマシといったところか。

 

ゼストさんの攻撃は超直感で察知できるので、なんとか致命傷は避けられているが……現状、不利な状況には代わりない。

 

 

「どうした少年…君の力はこんなものではないだろう?」

 

 

「好き勝手言ってくれますね…」

 

 

「君はまだ力を隠している。そうだろう?」

 

 

「それは貴方も同じでしょうゼスト・グランガイツ卿?」

 

 

「………」

 

 

「………」

 

 

俺達は互いに無言で睨み合う。

 

 

『あの……お二人とも?これは模擬戦ですので…』

 

 

 

ギロリ!!

 

 

 

俺とゼストさんの二人は空中モニターに現れた人を睨み付ける。そこには俺の筆記試験の試験官を勤めてくれたミルクさんが映っていた。

 

 

『あう……なんでも…ありません』

 

 

そしてミルクさんは半泣きになりながら、モニターを消した。

 

 

 

ザッザッザッ

 

 

 

ゼストさんは無言で近付いてくる。

 

 

「なぜ…その力を使わない?君ならそれを使えば俺を打倒することもできると思うが?」

 

 

「貴方の言いたいことは分かります。ですが…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「………」

 

 

「これは俺の実力を見るための試験でしょう?だったら…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それに…その力に頼ってばかりいてはダメなんです。だから貴方も力を使わないんじゃないんですか?」

 

 

「ふっ…考えることは同じなようだな」

 

 

「…みたいですね」

 

 

「だが…もう限界が近いんじゃないか?」

 

 

「まだまだですよ」

 

 

そしてさらにゼストさんは近付いてくる。

 

 

(そうだ…近付いてこい)

 

 

俺はジリジリと後ろに下がる。

 

そしてゼストさんがあるポイントを通過すると、俺の仕掛けた罠が発動した。

 

 

 

ジャラララ!!

 

 

 

「ぬ!?これは設置型バインド!?」

 

 

俺の仕掛けたトラップ、ディレイドバインドがゼストさんを拘束する。

 

俺はさらにリングバインド、チェーンバインドで多重に拘束する。

 

その間に俺は砲撃魔法の準備を始めた。

 

 

「オペレーションヒート」

 

 

俺は両手をクロスさせ、ワードを唱える。そして背中に炎の翼を広げ、右手を前方に突き出す。

 

すると俺の眼前に大きな魔方陣が現れる。

 

 

「考えたな。動きを止めて砲撃でしとめるか。だが……甘くみるなよ若造」

 

 

 

ピシピシ……ピキキキ…

 

 

 

「この程度の束縛なんぞっ……ぬうううううぅぅぅ!!!」

 

 

(な!?三重のバインドで拘束しているのに腕力で破壊しようとしている!?この人本当に人間か!?)

 

 

その間にもバインドは破壊されようとしていた。

 

まずい!?

このままではバインドが破壊されるのも時間の問題だ。

 

砲撃をチャージしている暇はない。

 

だからこのままぶっぱなす!!

 

 

 

「ヒート…バーナー!!」

 

 

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンンンン!!!!!!!!!

 

 

 

俺が砲撃を放つのとゼストさんが拘束を抜け出すのは、ほぼ同時であった。

 

 

そしてゼストさんは腕をクロスガードして防御の体勢を取る。

 

 

そのままオレンジの砲撃に飲み込まれた。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

第三者side

 

 

 

別室で二人の模擬戦を見ていたクロノ、リンディ、レティの三人は唖然としていた。

 

少年の相手は強い魔導師だと思っていたが、まさかその相手が地上のエースと呼ばれるゼスト・グランガイツだとは誰も予想していなかったらしい。

 

そして始まる模擬戦。

 

少年はなんとか善戦していたが、ゼストの圧倒的なパワーに押されていた。

 

クロノは少年とよく模擬戦をしていたため、少年のしつこさは身に染みて分かっていた。そのためか少年が押されている所を見るのは複雑な気分であった。

 

 

「さすがはゼスト・グランガイツといったところね」

 

 

リンディが分析する。

 

 

「ヒエン君もなんとか善戦しているみたいだけど…このままじゃ時間の問題ね…」

 

 

「ねぇリンディ?」

 

 

「どうしたのレティ?」

 

 

そのときレティが声をかける。

 

 

「クロノ君も忘れてるみたいだけど…これ()()()()よね?」

 

 

「「………あ」」

 

 

「やっぱり忘れてたのね…」

 

 

レティは手を額に当て、やれやれと首を振る。

 

 

「「め、めんぼくない(です)」」

 

 

この親子…大変優秀なのだが少し抜けている所があるのがタマにキズである。

 

 

「仕方ないわね。今、試験官に双方にやり過ぎないように注意するよう伝えるわね」

 

 

そしてレティは試験官に連絡し、戦っている二人に注意するように言った。

 

 

 

 

 

 

閑話休題(しばらくして)

 

 

 

 

 

 

「うぅ……すいません。レティ提督、注意できませんでした」

 

 

レティの前には項垂れているミルクの姿があった。レティはそれを見て呆れながらも慰める。

 

 

「大丈夫よメイジ准陸尉。二人には勝負が終わったあと、しっかりと反省してもらいましょう」

 

 

「すいません。ありがとうございます」

 

 

そしてミルクは二人が戦っている映像モニターに視線を向ける。そこには少年がゼストに砲撃を放っている姿が映っていた。

 

 

「それじゃグランガイツ部隊長への説教はよろしくお願いしますね。アルピーノ準陸尉、ナカジマ準陸尉」

 

 

「「はっ!お任せください!!」」

 

 

レティの前にはストレートヘアーの女性と、ポニーテールの女性がいた。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

ヒートバーナーがゼストさんを飲み込む。

 

だが俺は油断なく構えていた。

 

あれくらいで…あのゼスト・グランガイツがやられるはずがない。

 

そして前を見ていると…

 

 

(やっぱり来た!!)

 

 

猛スピードで槍を構えてこちらに突っ込んでくるゼストさんの姿があった。俺は右手のグローブをガントレットへと変えると、もう一度ブレイズアクセルを放つ。

 

 

「その技は一度見た!」

 

 

そして俺のガントレットと、ゼストさんの槍が再度激突する。

 

 

 

ガキイイイイィィィィンン!!!!!

 

 

 

だがパワー負けしたのは俺であった。

 

俺はそのまま後方へと吹き飛ばされ、仰向けに倒れる。

 

するとゼストさんが大きく跳躍し、槍でそのまま串刺しするかの如く一直線に降下してきた。

 

 

凍結の盾(フリーズシールド)ver重ねがけ(オーバーレイド)!」

 

 

俺は咄嗟に氷の盾をゼストさんと俺の間に五枚生み出す。

 

だが氷の盾は呆気なく破られていく。

 

その間に俺は転送魔法を発動させ、退避した。

 

直後…

 

先ほどまでいた俺の所に軽くクレーターができていた。

 

そして体勢を整えた俺はフェイク・シルエットで15人ほど幻影を生み出してから、ゼストさんへ突貫する。

 

 

「フェイク・シルエット……本当に多才だな。だが……その魔法には弱点が多い」

 

 

するとゼストさんは槍に山吹色の魔力を纏わせ、魔力の斬撃を連続で繰り出した。

 

 

「1つ、攻撃を受けるとすぐに消える」

 

 

一気に10人消えると、ゼストさんは一番後ろにいた()()()()に目を向けた。

 

 

「2つ、気配がない」

 

 

そして真っ直ぐこちらへと向かってきた。

 

 

「3つ、本体の人間には()()()()()()だ!!」

 

 

対抗するために俺も武器を生成する。

 

 

氷棒(グリスニングロッド)

 

 

「むん!」

 

 

俺は棒術で槍を受け止める……が圧倒的なパワーに弾き飛ばされる。

 

 

「ぐっ!?」

 

 

俺はなんとか体勢を整え、連続突きを放つ。

 

しかしゼストさんはデバイスを待機状態に戻すと、両手で俺の氷棒を受け止めた。

 

 

「なに!?」

 

 

そして圧倒的な腕力でそれを引き寄せ、俺の顔面をおもいっきり、殴り飛ばした。

 

 

「ぬん!!」

 

 

「ごはっ!?」

 

 

俺は壁際まで吹き飛ばされると、ズルズルと座り込んでしまう。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

ダメだ…

やっぱり実力差がありすぎて通常形態じゃ全く敵わない…。

 

俺は壁に手を当て、なんとか起き上がる。

 

 

「ふむ。その若さでここまで戦うか。だがもう限界が近いようだな」

 

 

「………」

 

 

「それでは少年……君の最大の一撃を放ってみるがいい」

 

 

「……いいんですか?」

 

 

「言っただろう。これは君の力を測る試験だ。俺は一切攻撃しない。安心して来るがいい」

 

 

「……分かりました」

 

 

随分、気前のいい人だな。

だったら今出せる全力のパワーでやってやる。

 

 

「……形態変化(カンビオフォルマ) 攻撃形態(モードアタッコ) 死炎の手甲(ミテーナ・ディ・ヒート)

 

 

そして俺は右手をガントレットへと変え、ゼストさんに突貫した。

 

 

「うおおおおおおおお!!いきます!!」

 

 

「こい!!」

 

 

そして右手にパワーを溜めて最大の一撃を放った。

 

 

 

大爆発の加速(ビッグバンアクセル)!!」

 

 

 

ドゴオオオオォォォォンンン!!!!!

 

 

 

俺のビッグバンアクセルがゼストさんの胸に炸裂した。勢いよく後方へと吹き飛んでいくゼストさん。

 

 

 

ズザザザザ!!!!!

 

 

 

「は、ははは……な、なんて人だよ」

 

 

だがゼストさんは少し顔をしかめながらも()()()()()()()()()()()

 

 

「ふむ。よい一撃だ。並の者なら確実に戦闘不能になっているな」

 

 

恐らく全魔力を防御に回したのだろう。

 

 

だがそれにしたって耐久力がおかしいと思う。

 

 

この人は本当に人間なのだろうか?

 

 

だがもう…正直限界だ。

 

 

ダメージが溜まってきたのか目も少しかすんできた。

 

 

これは……完全に完敗だな…。

 

 

「参った…参りました。降参です…」

 

 

「ふむ。中々に心踊る勝負だったぞ少年」

 

 

そして俺は手をあげて降参した。

 

こうして俺の模擬戦闘は終了するのだった。

 




とりあえずゼスト・グランガイツ卿は怪物です。

全盛期とかゼッテーヤベェヨあの人。

では、また(・∀・)ノ

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