外伝書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
「凄いっ!凄いよっ!!ヒエン君!!!」
なのはさんが目をキラキラさせながら、俺に話しかける。
テンション高ぇなおい。
なんというか、こちらの世界のなのはさんは、俺の世界のなのはよりも元気娘のような印象を受ける。
どう言えばいいだろうか?
心の底から楽しそうで、うきうきしているように見える……のかな?
無印やA’sを見ていた時は、良い子じゃなきゃいけないみたいな印象が強かったのだが、今はそんなしがらみから解放されたかのように感じる。
多分、戦技教導官がこの人に取って天職なのだろう。
彼女の興味を引く強さを持った俺がいる事で、このような楽しげな表情をしているのかもしれない。
……それはそれでなんとなくやりづらいが。
「それじゃ、これはどうかな?」
直後、俺は大きくバックステップを取った。
今さっき自分が立っていた場所にいくつもの射撃魔法が突き刺さる。
「ちっ!?」
俺は幻影魔法フェイクシルエットを使い、幻影三十五体を展開させる。
その中に紛れ込みながら、魔力弾から逃れる。
「ティアナと同じフェイクシルエット……!?随分、珍しい魔法を使うね!!」
だが、正確無比な弾道で幻影達がその数を減らされていく。
(ものの数秒で幻影が一気に二十体以上も!?どんな魔力コントロールしていやがる!?)
一瞬で三十発もの魔力弾が展開されたのだ。
それも、一つ一つが空間を踊るように飛び回っている。
俺の世界のなのはでも、まだここまでのコントロールは出来ない。
魔力コントロールの腕は、元の世界のなのはの数段上と見ていい。
そして全ての幻影が消され、このままでは分が悪いと判断した俺は四分身を使い、広域砲撃ヒートバーナーフルバーストを使わせて桜色の魔力弾をまとめて吹き飛ばす。
「幻影の次は分身……?面白い!面白いよ!!ヒエン君!!!」
何やらなのはさんのテンションがさらに上がっているが、構ってる暇はない。
俺は四分身に念話で攻撃を指示する。
四分身は両手のグローブに炎を灯して、なのはさんに近接戦闘を仕掛ける。
「一気に来たね!」
だがなのはさんはレイジングハートを駆使して、四分身の攻撃を受け流していく。
「ほっ!」
一対多にも慣れているのか、彼女はそのままバトンのようにレイジングハートをクルクルと回しながら、素早い身のこなしで四分身をいなす。
中には極小のシールドを数個展開させて、四分身の攻撃を同時に捌いていく。
普通、砲撃魔導師はこういった近接戦闘は苦手な者が多い。
実際に原作でも、小学生の頃のなのはは運動音痴だった事もあって、接近戦は苦手であった。
だからこそ、ここまで動けるようになってる事に純粋に驚いている。
こちらのフェイトに教わっていたのかもしれない。
すると、四分身が途端に動きを止める。
あれは……
「バインド!?」
「
攻撃を受けた時に、シールドに罠を仕掛けていたか。
そしてなのはさんが後退しながら飛び上がると、カートリッジを二つ消費し、砲撃を放とうとするが……
「今だ!」
分身四体を即座に消した。
「分身が消えたっ!?」
直後、俺は一瞬の隙を逃さず、なのはさんの四肢をチェーンバインドで拘束する。
「……やるね!」
なのはさんの動きを拘束した俺はそのまま右手を向けて砲撃魔法ヒートバーナーフルパワーを放つ。
「レイジングハート!」
《Protection EX.》
砲撃をキャンセルしたなのはさんは動けないまま、障壁を展開させる。
ぶつかり合うヒートバーナーフルパワーと、プロテクションEX。
だが……
「突破……出来ない!?」
硬い。
硬すぎる。
カートリッジ2つ分、強化されているのもあるとはいえ、ヒビすら入れる事が出来ない。
ならば……
「相棒!」
「ガゥ!ガァアアアアア!!」
俺は砲撃をキャンセルし、肩に現れた相棒に調和の咆哮を撃たせる。
すると、なのはさんの障壁から割れるような音が出ると、目を見開いて驚く彼女の姿があった。
相棒の調和の咆哮で、なのはさんの障壁を周囲の空気と調和させることで、その効果を無効化したのだ。
俺はそのまま猛スピードでなのはさんへと接近する。
そして篭手を手甲に変化させると、技を放った。
「
「きゃっ!?」
ドォオオオオオン!!!!!!
ビッグバンアクセルを食らったなのはさんが、一直線に吹き飛び壁に激突した。
「あいたたた……」
とりあえず様子見でビッグバンアクセルを放ったが、一応ダメージは入ってるようだ。
お腹をさすりなから、なのはさんがこちらへ戻ってくる。
っていうかあれで痛いですむって、やっぱり防御力ありすぎだろこの人。
「もう……乙女のお腹を殴るなんて駄目だよ〜?」
「すみません」
「でもまさか……一発もらう事になるとは思わなかったよ」
「油断大敵ですよ?」
「耳が痛いね」
そう言いつつも、なのはさんは
「私としてはこの時点で、君に合格を上げてもいいと思ってるんだけど……どうしようか?まだ続ける??一応、勝敗が決まるまで模擬戦は続けていいことになってるんだけど……」
「なのはさん……それ、分かってて言ってません?」
「確認だよ!か・く・に・ん!!今、私は試験官だからね。立場上、勝手に進める訳にはいかないんだよ」
「なるほど……それは勿論、続けるに決まってますよ」
模擬戦が始まる前は戦々恐々としてたが、始まってからなら別だ。
ここまで来て、勝敗をナアナアにするなんて冗談じゃない。
俺も
「そうこなくっちゃ!」
「ええ。白黒つけましょう」
そして、模擬戦を続ける事になった。
つまり、
「それじゃ、いくよ?」
今度はなのはさんが先に動いた。
「エクセリオン……バスター!」
《Excellion Buster.》
なのはさんは砲身を俺に向けて、カートリッジを一発リロードする。
瞬時にスフィアが形成された砲撃魔法があっという間に臨界点に達し、一気に膨れ上がると唸りを上げて撃ち放たれた。
「ヒートバーナー!」
俺も反撃として砲撃魔法ヒートバーナーを放つ。
人間一人、簡単に飲み込めるほど大口径の魔力砲撃が二人の間で衝突する。
豪快な音を立ててせめぎ合う俺達の砲撃。
互いに歯を食いしばって、相手の攻撃を抜かんとする。
だが、拮抗した時間はほんの僅かだった。
俺のオレンジの砲撃の先端を、桜色の砲撃が食い込み始めたのだ。
「くっ!?」
やはり駄目か!?
俺は咄嗟に砲撃を止めて、迫る桜色の砲撃を下からすくい上げるように、剛炎のアッパーカットで真上へと受け流す。
少しダメージを受けるものの、桜色の砲撃は天井に炸裂した瞬間に、大規模な爆発を引き起こした。
そこで、俺は新たな手で打って出ることに。
ここで手をこまねいていても、勝機はやってこない。
まともにやって敵わないならば、搦め手で攻めるだけだ。
「
俺はフェイクシルエットを使用して幻影を20体展開させると同時に、フェイクバレットで幻影の魔力弾を40発、本物の魔力弾を10発展開させる。
「ファイア!」
そして勢いよくスタートを切りながら、50発の魔力弾を放った。
それぞれの幻影は
俺は幻影に紛れて移動しながら、思考する。
なのはさんの射砲撃の適性は、俺よりも圧倒的に高い。
ここまで撃ち合って、全く競り合えていないのがいい証拠だ。
ならば、先程のように隙を作って一撃ぶち込むしかない。
「へぇ……面白いね!」
なのはさんが感心したような声を出す。
幻術の使い手はあまりいないのだろう。
こういった戦術を受ける事自体、初めてと見た。
いや、こちらの世界のティアナならば俺とよく似た戦術を使っててもおかしくないとは思うのだが……。
「だけど……まだまだ甘いよ!」
しかし、普通の魔導師ならともかく、相手は歴戦のエース。
対処は実に鮮やかだった。
「アクセルシューター……アラウンドシフト!」
なのはさんは、1発のアクセルシューターを展開させ、それに魔力を込めて膨張させると、勢いよく弾けさせた。
巨大化した魔力弾から、次々と数十発のアクセルシューターが全方面へと飛んでいく。
まさかの元の世界のなのはと同じ攻略法で幻影を破られるという。
だが、恐るべきは魔力弾の展開の早さと、その威力である。
俺の世界のなのはよりもさらに早いし、さらに破壊力もあるっていう。
幻影と魔力弾が次々と消えていく。
俺は死んだ目をしながら、その光景を見ていた。
「おわっ!?」
訂正。
アラウンドシフトをかわしつつ、死んだ目をしながらその光景を見ていた。
俺は戦々恐々しながら、思考する。
(ヤバイな……対応速度が尋常じゃないほどに早い……)
何がヤバイって、こっちが何かしたその直後には、もうその対応策を切り出してくるのだから、こちらとしては堪ったものではない。
つまり彼女に勝つには、攻め手を常に途切れさせず、なおかつその対応策に対応しながら、あの堅い防御を打ち抜く攻撃をせねばならないのだ。
それはもう右を向きながら左を見つつ、それと同時に、前と後ろも見ろと言われているようなものである。
(いや、本当、未来の魔王様どうなってんの?強すぎだろ??意味分からないんだけど???)
これ俺じゃなかったら、とっくに戦意喪失してるよ?
心、折れてるよ??
思わず投げやりになりつつも、勝つための思考だけは止めない。
とりあえず攻めの手を緩めてはいけない。
俺はグローブから炎を噴射し、真上へと飛ぶ。
そして丁度アラウンドシフトが収まったタイミングに合わせて収束させた炎を叩き込んだ。
「
十メートルの大きさにも及ぶ火球が爆発する。
だが、攻めはそこで終わりではない。
「ショートバーナー!」
両手から速射砲撃ショートバーナーを放つ。
放ちまくる。
「だだだだだだだっっっっっ!!!!」
グミ撃ちを繰り返す。
だが、返ってきたのは、幾度も敵を落として来た彼女の代名詞。
「ディバイーン、バスターッ!」
《Divine Buster.》
ドッ!と膨れ上がった桜色の光線がショートバーナーを一掃し、俺を押し潰さんと迫りくる。
ゾッとするようなピンクの壁を見ながら、俺は足下から炎を噴射させて、それを何とか回避する。
「あっぶねぇ!?かすった!?」
避けるのがあと一瞬遅かったら、吹き飛んでいた。
並の砲撃の威力ではない。
直撃していれば大ダメージ、防御が間に合っていたとしても地上に叩きす落とすくらいはされるだろう。
砲撃が収まると、なのはさんがゆっくりと宙に浮かんでくる。
どうしよう……。
この人、宙への上がり方ひとつで、凄いラスボスみたいな雰囲気醸し出してるんですけど?
気の所為でなければゴゴゴゴゴ……っていう片仮名文字まで背景で見えきたんですけど?
人って動作ひとつでここまで威圧感与えられるものなんですね……。
さっきから冷や汗止まらねぇもん……。
そんなんだから、白い魔王様って呼ばれるんだと思う……(白目。
見れば多少服に汚れはついているものの、ダメージを受けた素振りは一切見られない。
相変わらず、驚異的な防御力である。
(あれだけ撃って服に汚れだけ……か。いや、汚れがついてるだけ、まだマシか?リインフォースの時はそれすらなかった訳だし)
今も辛いけど、闇の書事件の時も中々に辛かったな、うん。
とまあ、過去の事は置いといて、今は目先の事を考えよう。
やはり彼女にダメージを与えるには、接近戦しかないようだ。
「
形態変化を用いて、両手の
完全近接戦闘用モードで、なのはさんを打倒する。
このままチマチマ撃ち合ってても、こちらが不利になるだけだ。
現在、俺達は空中にいる。
距離はおよそ二十メートル。
しばらく睨み合うが……
「はっ!」
今度は先に俺から仕掛けた。
グローブをブースターに、真正面から殴りかかる。
「
ガキイイイイィィィィンン!!!!!!
勿論、なのはさんはラウンドシールドで防ぐ。
いや、ラウンドシールドにしては少し小さい。
どちらかと言えば、俺のラウンドディフェンダーのようなピンポイントバリアみたいだ。
「やっぱり硬ぇ!?」
「防御力には自信あるからね!そう簡単には突破させないよ!!」
バーニングアクセルでも突破出来ない。
一応、発勁込みの一撃なんですけどね!
なら、これだ。
「……早いね」
俺は彼女の周りを狙いを定めさせないように動き回る。
そして隙を見つけては、何度も殴りかかる……が、その度に的確にピンポイントバリアで防がれる。
死角に回り込んでも、後ろに目があるのかと疑う程に、正確に防がれるのだ。
(というか、ほとんど経験から来る勘と、空間把握能力だけで回避してるな)
俺の超直感とは違う、なのはさんの正確無比な読み。
数多の戦闘経験と、自身の空間把握能力を駆使する事で、俺の攻撃をことごとく無効化する。
まるでカナの超慧眼だ。
俺の攻撃を感知してからの対応が早すぎるのだ。
「……君の動きのパターンは、大体分かってきたよ」
すると、今度はなのはさんが仕掛けてきた。
そのままレイジングハートの切先を向け、俺に偏差射撃を放つ。
「なにっ!?」
俺は細い光線が命中する寸前で、グローブの炎を微調整してギリギリかわした。
あろうことか彼女は、俺が移動するであろう場所を瞬時に見極め、射撃魔法を放ってきたのだ。
(ありえない!?まだ戦って五分も経ってないんだぞ!?たったそれだけの時間で、俺の移動パターンを見切ったってのか!?)
伝説のエースの手にかかれば、いくら高速で移動しようと、簡単に射撃を合わせることができるらしい。
だが、こちらとて遊んでいる訳では無い。
超直感を駆使して、俺はなんとか彼女に食い下がっていた。
行先を予測された射撃の弾幕を何とか掻い潜りながら、なのはさんの元へと一息で飛び込むが……
《Accel Fin.》
一瞬、手が届く距離まで詰め寄るものの、ひらりと宙に漂う羽のような軽やかさで離される。
そして、機雷のように魔力弾を置いていかれる。
俺は全くの容赦のなさに息を呑む。
機雷とされる魔力弾の数が多すぎるのだ。
その数、数十はあった。
いつか戦ったギル・グレアムの白銀の魔力刃の剣群並である。
「
俺は自身の上から円で囲むように炎を纏うと、魔力弾の機雷群に真正面から突っ込む。
【調和】の能力が付与されているこの炎の球体バリアなら、ある程度は防げるはず。
そして、なんとか魔力弾機雷群を突破するが……
「アクセルシューター……アバランチシフト!」
待ち受けていたのは、更なるアクセルシューターの弾幕であった。
「やべっ!?
これにはさすがにまずいと思った俺は、咄嗟に防御形態を取り、雪崩のようなアクセルシューターの弾幕を、調和の効果でなんとか無効化していた。
つーか、やっぱり容赦ねぇ!?
ってかこれ、認定試験で使う魔法の規模じゃないよね!?
そんなに負けたくないか!?
どこまで負けず嫌いなんだ、あの白い魔王様!?
「ヒート……」
俺は体力を消耗しながらもタイミングを計りながら、右手に炎パワーをチャージする。
狙いはアバランチシフトが終わる頃合い……。
「バースト……」
だが、それは彼女も同じなのか、レイジングハートの砲身にエネルギーを収束させていた。
俺が攻撃を受けていても、一切油断はしていないらしい。
本当にやりづらいな……。
そして全ての弾幕が終わると、互いに向き合って砲撃を放っていた。
「「スマッシャー!!」」
激突する俺のヒートスマッシャーと、なのはさんのバーストスマッシャー。
だが、徐々に押されていく。
「はぁあああああ!!」
俺は額の炎の炎圧を最大まで上げて、ヒートスマッシャーを強化する。
押される事は無くなり、むしろ押し返す。
しかし、相手は砲撃のエキスパート。
「レイジングハート、カートリッジロード!」
《Cartridge Load.》
レイジングハートからカートリッジが2本ロードされると、バーストスマッシャーの威力が跳ね上がる。
撃ち負けるのは、分かりきっている。
だが、
「
俺はなんとか耐えながら、頑強さを強化した炎分身を一体生み出す。
消費魔力は数倍になるので、そう何体も生み出せないが、ここぞという所で使う事で逆転の一手を生み出す。
分身は、なのはさんからは死角となる部分、俺の真下に現れ、右手に最大までエネルギーを込める。
いよいよ俺も耐えられなくなり、バーストスマッシャーをまともに食らってしまう。
食らう寸前にマルチラウンドバリアでダメージを軽減させるものの、そのまま壁まで吹き飛ばされてしまう。
「ぐああああっ!?だけどこれで……」
なのはさんのバーストスマッシャーが撃ち終わった一瞬、少し気が抜けた彼女の隙を見逃さず、分身は真正面に現れる。
そして必殺の集束打撃を放った。
「
「レイジングハート!」
《Protection.》
「これはちょっと……油断しちゃったかも……」
あの一瞬で反応したのはさすがだが、強化もされていないただの障壁では防ぐことが出来るはずもなく、なのはさんはソーラーアクセルを食らい、吹き飛んでいった。
ヒエンside end
◆◆◆
第三者side
少年となのはの模擬戦を観戦していた一同の殆どは開いた口が塞がらない思いだった。
「すごっ!?」
リオは一言、可愛らしい驚きのリアクションを取る。
だが、それは他の面々も同じであった。
「うん。あのなのはママと互角以上に戦ってる……。それに一撃入れるなんて……」
母の強さを身を持って知っているヴィヴィオは、大きな瞳をもっと大きく見開いていた。
アインハルトと、ミウラもその隣で同意とばかりにコクコクと頷いている。
しかし、コロナ一人だけは当然とばかりにいつもと同じ態度であった。
だが、その顔は少し誇らしげでもあった。
「ヒエンさんには超直感があるからね。なのはさんの攻撃もそれで避けてたんですよ」
「超直感?」
コロナの隣にいるユミナが首を傾げる。
コロナは説明する。
超直感とは少年曰く、別名『見透かす力』。
超直感は物事を感じ取ることに特化しており、戦闘になれば相手の動きを見切り、話をすれば相手が嘘をついてるかどうかも判断できる。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚いわゆる五感から得られる全ての情報を脳の中で統合し、第六感、すなわち直感として処理することによって、ある種の未来予知をも可能としているのだ。
「なるほどな……。だからなのはさんの攻撃にも、あれだけ対処出来るってのか」
ノーヴェも少年が、あのエースオブエースと渡り合う姿に感心している。
「お前ら、どっちが優勢だと思う?」
「なのはママかなぁ」
ノーヴェの質問にまずはヴィヴィオが答える。
それを皮切りに、コロナを除いた全員がなのはと答えた。
「コロナはどうだ?」
「……ヒエンさんです」
「ほお。どうしてそう思う?」
「私、ヒエンさんから特訓受けてるんですけど……あの人、基本的に同じ攻撃って通用しないんですよね」
コロナが思い出すのは今朝もやった少年との特訓。
「ヒエンさんと戦う場合は、常に新しい手を考えつつ、戦術が繋がるようにしないといけません。でないと、すぐに追い詰められちゃいます」
この一週間、コロナは常に理不尽な目に合ってきた。
ゴライアスを召喚した直後には首トンで気絶させられ、ならばと思いゴライアスは召喚せずに一部分だけを召喚するヴァンガードシフトと操作魔法を主軸に戦うものの、幻影で翻弄されて距離を詰められまたしても首トンで気絶させられてしまった。
そこから彼女は、どれだけ気絶させられたか分からない。
コロナは少年と毎日模擬戦をしているものの、未だに攻略の糸口を掴めずにいた。
しかし、彼との特訓のおかげで使用する魔法は多くなり、戦術の幅も広がっていた。
ちなみに少年の特訓方法、地獄のひたすら模擬戦の事を聞いた一同はドン引きしていた。
すると、ここで勝負が動く。
終始押されていた少年であったが、なんとなのはに一撃だけでなく、二撃目を当てたのだ。
「あれって集束打撃じゃ……」
ユミナが呟く。
ノーヴェの方へ向くと、彼女も驚いていた。
「ああ。砲撃を食らった一瞬の隙をつくために、予め分身に準備させてたんだろうな。でもまさか……自分自身を囮に使うとはなぁ……無茶な事するぜ、全く……」
模擬戦はここで終了するらしい。
結果は、両者引き分けによるドロー。
これ以上は、大変な事になるとのことで強制終了させられる事となった。
無事、嘱託魔導師になれた主人公。
だが、主人公のことを知ったなのはが放っておく訳もなく……。
では、またく(`・ω・´)