今日はちょっと短いです。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
俺がミッドチルダで最初に巻き込まれた銀行強盗事件から翌日……
あの事件は大きくニュースで取り上げられることとなった。
それはなぜか?
『独占スクープ!!ある一人の少年魔導師が華麗に事件を解決!?人質を速やかに逃がし、銀行強盗達を鮮やかに捕らえた少年の正体とは!?』
と新聞で報じられていたのだ。
まさに空いた口が塞がらないとはこのことである。
新聞を読み進めると、どうやら俺が救ったあの赤ん坊の母親が記者だったらしい。
俺に助けてもらったお礼を言いたかったらしく、地上本部に会いにいったらしいのだが、会えなかったそうだ。
それはそうだろう。
俺はまだ嘱託魔導師として
さすがに管理局のデータベースに登録していない魔導師を探すのは不可能に近い。
そこでその母親の人は考えた。
『そうだ。記事にすれば会えるかもしれない!!』と。
そこで勤めている新聞社ですぐに記事にし、覚えている限りのことを書いたらしい。
それを記事にした結果……
ミッドチルダのワイドショーでもさっそく取り上げられていた。地上本部にも『その謎の少年の詳細情報を求める』などの問い合わせが殺到したそうな……。
ナカジマ家のテレビでそのニュースを見ていた俺は思わず飲んでいたジュースを吹きそうになった。
ギンガの「これお兄ちゃんのことじゃないの?」と言われたとき、振り向くんじゃなかったと思いますたマル。
俺はすぐにこの新聞社に連絡した。
当たり前だ。
精神は小市民の俺である。
これ以上騒がれては精神的にくるものがあるのだ。胃が痛いのだよorz
するとすぐに記者と連絡をとることができた。
お礼を直接言いたいと言われた俺はすぐにそれを承諾。
だがそれを側で聞いていたクイントさんが電話を代わってほしいと告げる。
そしてなんと本日の午後に会うことに決まった。地上本部でもマスコミ各社には、また後日説明すると言っていることから対応を急いでいるようだ。
それとクイントさんから注意された。
それを側で聞いていたリニスはウンウンと頷いていた。ギンガ&スバルまで頷いていた。
どうやら俺は人をあまり疑うということをしないらしく、騙されないかと心配されているらしい。それは第三者から見たクイントさんや、まだ幼いギンガ&スバルからもそう見えるそうな。
さっきの電話でも…その人が提案するまま俺がウンウン頷いていたから見ていられなくなったとのこと。
俺は皆に聞いた。
「そんなに……騙されやすく見える?」
「「「「見える/ます」」」」
解せぬ。
そして午後…
昼ごはんをいただいてから、だいたい一時間が過ぎるとナカジマ家のインターホンが鳴り響いた。
ピンポーン
「あ、来たのかしら……はーい!」
クイントさんが玄関までパタパタと走っていく。
すると話し声が聞こえる。
そして二人分の足音が俺達のいるリビングまで近付いてきた。
一斉に見る俺達。
クイントさんの後ろにいる女性は一言でいえば美女であった。
鮮やかな長髪の黒髪で…ぽわわ~んとした効果音が聞こえてきそうな優しそうな表情をした女性であった。雰囲気的にはなのはの母親、桃子さんに似た感じだ。
そして出るところは出ている……というか男の夢がつまってる立派な物をお持ちであった。
すると突如、俺のお腹からチクリとした痛みがした。
「あだっ…」
「む~」
見ると側にいたギンガが俺のお腹を少しつねっていた。
ギンガは優しい女の子である。
実際には、そんないうほど痛くない。
俺は頬を膨らましているギンガをなんとか引き離し、相棒にギンガの相手を頼む。
すると女性は近寄っていたのか、俺の前で少し遠慮がちに立っていた。その手の中では赤ん坊が元気そうに笑っていた。
「初めましてユリナ・アンクレイブです。あなたが…あのときの」
「あ、はい。初めまして。オオゾラ・ヒエンです」
俺達は握手する。
しかしアンクレイブさんか。
どこかで聞いたことがあるような気がするんだが……気のせいだろうか?
「あのときは助けていただいて本当にありがとうございました。娘共々感謝してもしきれません」
ユリナさんは深々と頭を下げる。
俺は少し戸惑いながら返事をする。
「い、いえ…こちらこそもっと早い内にあいつらを拘束できれば良かったんですが…」
「そんなことはありません。貴方の勇気ある行動で私達は救われました」
「そ、そういってもらえると幸いです…」
俺は少し遠慮がちに答える。
今回はうまくいったが……次同じことが起こった場合、救い出せる自信がない。
あのときは偶々運が良かったからどうにかなったものの…次も同じ状況に陥れば死人が出てもおかしくはないのだ。
「それに…私は貴方に謝らなければなりません」
あー……もしかして…
「新聞に大々的に貴方のことを書いてしまいました。本当に申し訳ありませんでした」
やっぱりそのことか。
「でも…どうしても貴方に直接会ってお礼を申しあげたくて…」
「い、いえ。その…お気持ちだけで十分です。わざわざありがとうございました」
俺も頭を下げる。
でも、なんというかあれだな。
頭を何度も下げられると困るもんだな。
「できればその…何かお礼をしたいのですが……」
「お、お礼ですか…」
困ったな。
お礼なんて急に言われても正直困るのだが……あの時はギンガとスバルを助けるのと、なんとかしないとって思いで必死だっただけだし。
「だったらこういうのはどう?」
するとクイントさんが提案した。
俺達はその意外な提案に驚いた。
◆◆◆
ユリナさんからの
俺とリニスを見送るためにクイントさんとメガーヌさん、ギンガ&スバル、そしてユリナさんが来てくれた。ゼストさんとゲンヤさんは仕事のため来れないらしい。
「色々楽しかったわ」
「また来たら声かけてね」
クイントさんとメガーヌさんが声をかけてくれる。
「うぅ~また絶対に遊びにきてね…」
「帰っちゃやだ~」
ギンガ&スバルが泣きそうな顔をして見送ってくる。
そんな泣きそうな顔されてもまた近い内にくることになるのだが…
そして最後にユリナさんが声をかけてきた。
「ヒエン君…私が
「あー……俺も事情が事情ですし、ユリナさんなら信用できますので」
「分かりました。貴方のインタビュー…必ず良い記事にするから」
「き、期待してます」
俺はユリナさんの新聞社と専門契約を行った。より詳細に言えば
これはクイントさんが出した提案である。
俺がミッドチルダで
今回の銀行強盗事件で俺という魔導師はミッドチルダで注目されつつある。そこでユリナさんの新聞社だけに情報を占有させることで…俺自身の情報の出所をできるだけ制限させるのだ。
加えてクイントさんが俺が来年インターミドルに出てチャンピオンになることも目指していると伝えたら、ユリナさんは飛びついてきた。
だが今のところは名前は出さないようにだけお願いした。まだ世間に名前がバレる訳にはいかない。……少なくとも年末までは。
「それじゃ皆さん、お世話になりました」
「ありがとうございました」
俺とリニスは頭を下げる。
「「またねー」」
「また遊びにきなさい」
「今度は私の家にも遊びにきてね」
「お元気で」
ギンガ&スバル、クイントさん、メガーヌさん、ユリナさんが手を振る。
俺達は手を振りながら、ミッドチルダを後にするのだった。
こうして俺の二泊三日のミッドチルダの認定試験&旅行は終わりを告げた。
その後、一瞬でアースラについた。
なんかこう……旅の余韻とかに無性に浸りたくなったのは言うまでもない。
とりあえず今回も伏線を入れてみたり。
次回こそ約一ヶ月後に時間とびます。
では、また(・∀・)ノ