大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

書けたから投稿しやす。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百二十三話 ティーダ・ランスター

ヒエンside

 

 

 

早いもので俺が嘱託魔導師となってから約一ヶ月の時が過ぎた。

 

クロノから一週間に一度、多くても二度程、俺に依頼が回されてくる。といってもそんなに難しいものではない。

 

アースラから無人世界の生態調査の手伝いや、ミッドチルダの地上本部の助っ人、はたまたクロノの助手として別世界に同行して事件の聞き込み調査などを行っている。

 

こないだはアースラにてリンディさんと、エイミィの書類作成を手伝っていた。

 

あれ?

これ…ていよく使われてるんじゃね?

 

まあいいか…。

 

その関係でたまにミッドチルダに行くときはナカジマ家にお邪魔していたりする。ギンガ&スバルも俺に会うのを楽しみにしてくれているらしく、訪れる際には翠屋のシュークリームをお土産に持っていっている。

 

遂に翠屋が異世界に進出した決定的瞬間でもあった。

 

そうそう…。

地上本部ではクイントさんや、メガーヌさんにも結構お世話になっている。

 

地上本部に助っ人として手伝いに行った時に、二人があまりの書類の多さでグロッキーになっているときに手伝いを申し出たら、まるで救世主がきたかのような顔をされた。

 

アースラで鍛えられた俺の速読魔法と読書魔法が火を吹いた。

 

そしてなんとか二時間くらいで書類を終わらせた後、お礼として二人と模擬戦をすることになった。

 

うん。

おかしくない?

 

もう一度言おう。

おかしくない?

 

なんで模擬戦やねん。

 

理由を聞いてみると、クイントさんとメガーヌさんにリニスから連絡があり「機会があれば模擬戦をしてあげてください」と頼まれていたらしい。

 

おのれリニス!

余計なことをををををを!!

 

おかけで二人はやる気マンマンだし、ストレスが溜まっていたのか目も据わってるし。

 

観念してやりましたとも。

 

俺対クイントさん&メガーヌさんやりましたとも。

 

結果だけいえば……負けたぜorz

 

以前戦った漆黒兄弟(ブラックブラザーズ)なんて目じゃないほどのコンビーネーションを見せられた。

 

近接戦闘はクイントさんが担当し、遠距離からの支援・バックアップはメガーヌさんが担当する。

 

想像してほしい。

近接戦闘のエキスパートが一撃で鉄をも砕く攻撃をしつつ、同時に遠距離のエキスパートが使う射撃や砲撃の雨を浴びせられる怖さを((((;゜Д゜)))

 

こっちも抵抗したよ?

 

かなり抵抗したよ?

 

幻影や、分身、炎や氷など思い付く限りの手を尽くしたよ?

 

フェイク・シルエットで二人を惑わせ時間を稼ぎつつ、その中に実体を持った分身を混ぜて個別撃破を狙ったり…

 

高速移動や捕縛魔法でメガーヌさんを拘束してから、クイントさんの撃破を狙い砲撃をぶちこんだり…

 

白煙を使って視界を奪いつつ氷の動物軍団や武器集団をぶつけたり、大きな氷の塊をぶつけたり、巨大な炎をぶつけたり……etc

 

だが幻影と分身は射撃の雨で消滅させられ、高速移動からの奇襲は気配で察知され、捕縛魔法からの砲撃魔法のコンボも殴り飛ばされたり、同じく砲撃で相殺されたりした。

 

他の攻撃も見事なコンビネーションで防がれる。

 

クイントさん&メガーヌさんも俺が思った以上に対応するため、途中からマジになっていたらしい。

 

そしてついに追い詰められた俺は、メガーヌさんに拘束されてからのクイントさんの超ド級パンチのコンボを食らい沈められたという訳である。

 

AAの陸戦魔導師…しかもエース級の魔導師コンビを同時に相手するとかそれなんて無理ゲー……orz

 

その後、気絶した俺は医務室のベッドで目を覚ました。そしてお見舞いに来ていた二人に謝られた。どうやらゼストさんにかなり絞られたらしい。俺から言わせればゼストさんも大概なのだが……これは言わない方がいいだろう。

 

だがこの模擬戦のおかげでゼスト隊の他の人達とも話す機会ができた。どうやら俺とクイントさん&メガーヌさんの模擬戦は注目されていたらしく、地上本部でも話題になっていたそうな。

 

まぁ、話せる人が増えれば…俺も地上本部には来やすくなるしな。

 

そういえば…あの銀行強盗事件にて注目されていた俺の情報は、徹底的に制限されることで、ミッドチルダの大規模なチャットサイト:ミッドちゃんねるでは一種の都市伝説みたいな扱いになっているらしい。

 

曰く……『黒スーツの亡霊』が手から炎を出し犯人達を焼き殺したとか。

 

ツッコミどころが満載過ぎてどこからツッコメばいいか分からないorz

 

っていうかあながち間違ってねえし!!

 

 

 

 

 

 

そんな俺は今……時空管理局の本局へとやって来ていた。なぜ俺がそんなところにいるかというと、それはクロノに頼まれたからだ。

 

昨日の夜に急にクロノから通信が来て、航空武装隊から派遣されてやってくる人物と共にコンビを組んで任務についてほしいという依頼があったのだ。

 

予定が空いていた俺はそれをOKし、アースラの転送装置でやってきたという訳だ。

 

ちなみに詳しい依頼内容はその人物から聞いてくれと言われたので、内容は知らない。

 

 

「あなたがオオゾラ・ヒエン魔導師でしょうか?」

 

 

「あ、はい。自分がそうです」

 

 

そこにはイケメンがいた。白に少し青色が混ざったジャケットを羽織った青年がいた。背は高く、明るい茶髪をしていた。中性的な顔立ちであり柔らかそうな雰囲気を纏っていた。

 

この人が航空武装隊の人だろうか?

 

航空武装隊とは「空隊」とも呼ばれ、時空管理局本局直属の部隊である。「本局航空隊」とも呼ばれている。

 

少数精鋭の実力者だけが選ばれる危険度の高い部署でもある。要はエリート部隊だ。

 

 

「はじめまして。首都航空隊より参りました、ティーダ・ランスター二等空尉です!本日の合同任務よろしくお願い致します!!」

 

 

え?マジで?

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

本日の俺の相方となる青年ティーダ・ランスター。

 

 

『Strikers』に登場するティアナの兄であり、親代わりとして幼い彼女を育てている。両親共に亡くしており、妹を育てるために必死に働いている。

 

『Strikers』第8話にてティーダのことは少し語られている。

 

劇中では、首都航空隊所属の一等空尉で執務官を目指している将来有望のエリート魔導師であると語られていた。

 

しかしティアナが10歳の時に彼は21歳という若さで殉職している。

 

彼の亡くなった原因は、逃走した違法魔導師の追跡・捕縛であったのだが……対象の魔導師との交戦に敗れてしまい殉職してしまった。

 

その際……彼の上司と思われる男から違法魔導師を捕縛出来なかったことを非難され、その死は不名誉で無意味だったと侮辱されることになる。

 

そのことが原因でティアナは心に大きな傷を負ってしまい、過剰に力を求める原因となってしまう。

 

そのせいで『Strikers』ではティアナがある問題を起こしてしまうのだが…それはまた別の時にでも語ろう。

 

 

 

「へぇ。じゃあヒエンが嘱託魔導師になったのは最近なんだな」

 

 

「まあ…一ヶ月前になったばかりのぺーぺーだな」

 

 

ティーダの現在の年齢は17歳である。俺と同い年であるためお互いにタメ口で話している。

 

 

「なあティーダ」

 

 

「なんだ?」

 

 

「今日の任務内容知ってるか?俺、本局の入り口で待ってればいいとしか言われてないんだよ」

 

 

「安心しろ。クロノ執務官からちゃんと話は聞いてる」

 

 

「そうか」

 

 

まあ、あのチビッ子執務官も忙しいからな。大変なんだろう。

 

そういえば、フェイトも俺と同じく約一週間前に嘱託魔導師に無事なれたそうな。今はクロノの助手として積極的に手伝っているらしい。良かった良かった。

 

 

「今日の任務内容は違法魔導師の捕縛だ」

 

 

「違法魔導師?」

 

 

え?フラグ?さっき考えてたから?

 

 

「ああ。そいつの名前はミラー、ミラー・テットナー。【幻夢(げんむ)】と呼ばれる幻術使いだ」

 

 

「幻術使い?」

 

 

なんだその物凄く強そうな奴は…

 

 

「ミラーはAAA(トリプルエー)の魔力ランクを持ち、あらゆるタイプの幻術を使って人を惑わせる。人の心を覗き洗脳して操る『洗脳(トランス)』、相手に幻覚を見せ支配する『支配(ジャック)』。そしてこれが奴を【幻夢(げんむ)】と言わしめる結界魔法『幻夢(ヴィジョン)』。この結界に捕らわれたが最後、あらゆる夢を見せられ、魅いられ、抜け出せなくなると言われている。さっき言ってた『洗脳(トランス)』と『支配(ジャック)』を合わせ持った質の悪い魔法だ」

 

 

え?

なにその月読もどき?

しかも夢見せるって闇の書じゃねえんだから…

 

 

「そいつが第3管理世界 『ヴァイゼン』で目撃された」

 

 

「ちょ、ちょっと待て…話を聞く限りそいつ物凄く強いんじゃないのか?」

 

 

「ああ。広域次元犯罪者にも登録されてる」

 

 

「はあ!?」

 

 

俺は驚き、つい本局のロビーにてデカイ声を出してしまった。

 

っていうか広域次元犯罪者ってあのマッドでサイエンティストな科学者と同じじゃねえか!?

 

 

「そんな奴を相手にたった二人で挑むってのか!?」

 

 

「逆だよヒエン。こいつが相手だからこそ二人で挑むんだ。考えてもみろ。ミラーは洗脳して操ることができるんだぞ?部隊を組んで大人数で挑んだところで、同士討ちさせられるのは目に見えてる」

 

 

「まあ理屈は分からんでもないが……ってそれなら尚更ちょっと待て。なんでそんな重要な任務に()()()()()()?こういっちゃなんだが一ヶ月前に嘱託魔導師になったばかりの新人だぞこのやろう」

 

 

おお……今さら気付いたがやっぱりおかしいって。なんで広域次元犯罪者なんて大物に一ヶ月しかやっていない嘱託魔導師をぶつけるんだ。

 

 

「そりゃそれに見合った実力があると判断されたから俺達が選ばれたんだ」

 

 

「………マジ?」

 

 

「残念ながらマジだな。それにヒエンのことは首都航空隊でも噂になってるからな。今日は当てにしてるぜ【氷凍炎焔(アイスフレイム)】殿?」

 

 

「は?」

 

 

え?

ちょっと待て……何か中二病チックな名前が聞こえたのですが。

 

 

「ティーダ……氷凍炎焔(アイスフレイム)ってなんだ一体?」

 

 

「知らねぇのか?お前の二つ名だよ」

 

 

「のおおおおおお!!!!????」

 

 

俺は両手で顔を隠し思わずのけ反る。

 

なんだよ!?

アイスフレイムって!?

しかもツナの能力から自分の名前決めたから、妙に合ってて笑うに笑えねぇよ!?

 

俺の隣にいるティーダは俺の反応がおかしいのかクックックと笑っていた。

 

失敬だぞウラァ(# ゜Д゜)

 

 

「まぁ、そんなことは置いといて……今からヴァイゼンに向かうぞ」

 

 

「サラッと受け流しやがったなこのやろう」

 

 

「まあまあ…任務が終わったらなんか奢ってやるから」

 

 

ティーダは俺の肩に手をポンと置きながら慰めてくる。ただその顔はかなり笑っていたが。

 

殴っていいかなコイツ。

 

そんなこんなで俺達は第三管理世界『ヴァイゼン』へと向かうことになった。

 




次回は、いよいよヴァイゼンへと足を踏み入れる。

では、また(・∀・)ノ

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