大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

今回はミラーの能力に迫る。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百二十六話 ミラーの能力の秘密

ヒエンside

 

 

 

いきなり目の前が真っ暗になった。

 

先程まで俺はミラーと戦っていたはずだ。

 

だが周りを見渡しても暗い世界が続いているだけだった。

 

 

(なんだ?一体何がどうなってる?)

 

 

俺が戸惑っていると……

 

 

「ククククク……気分はどうだい管理局の魔導師?」

 

 

後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきたので俺は振り向いた。

 

 

「ミラー……」

 

 

そこにはミラーがいた。

 

奴は俺の周りを歩きながら話し始める。

 

 

「君は現在、私に捕らわれている」

 

 

「どういうことだ?」

 

 

「君も管理局の魔導師なら聞いたことがあるだろう?私の能力について」

 

 

「『支配(ジャック)』か…」

 

 

「ご名答」

 

 

奴は楽しそうに話す。

 

その楽しそうな顔が実に腹立たしい。

 

 

「君は今、私によって幻覚を見ている状態だ。つまり君にとってこの状況は……私に命を握られているといっても過言ではない」

 

 

奴の『支配(ジャック)』は相手に幻覚を見せ支配するというものだ。

 

 

そもそも幻覚には色々と種類がある。

 

 

聴こえるはずのない音や声が聴こえる幻聴(げんちょう)

 

実在しないものが見える幻視(げんし)

 

感覚や記憶から臭いが再現される幻嗅(げんきゅう)

 

変な味を感じるようになる幻味(げんみ)

 

存在しない手足が依然そこに存在するかのように感じる幻影肢(げんえいし)……などがある。

 

 

つまり幻覚とは聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚のいわゆる五感が実際には感覚的刺激や対象がないのに、あるように知覚することを言うのだ。

 

そしてこの状況を分かりやすくいえば……

 

俺は今、ミラーによって五感を支配され人質にされているようなものだった。

 

 

「ククククク……無様だなあ管理局の魔導師。私をぶっ飛ばすと言っておきながら、幻覚に捕らわれているのだから」

 

 

「…………」

 

 

「しかし……どうしてくれようか?あれだけ私を侮辱してくれたんだ。君を今からどのように痛め付けようかと考えると……とてもワクワクしてくるよ」

 

 

「…………」

 

 

「そうだなあ~。土下座して必死に謝って命乞いでもすれば……命を助けてやることは考えてやろう。まぁ、考えるだけだがねぇ~」

 

 

「…………」

 

 

「ククククク。ビビって声も出せなくなったかね?クククククククククク」

 

 

ミラーは静かに笑う。

 

だがその顔は実に楽しそうである。

 

思わず俺は奴にポツリと呟いた。

 

 

「……哀れだな」

 

 

「なんだと……?」

 

 

ミラーはさっきまで笑っていた表情をやめ、目を細めてこちらを見た。

 

 

「哀れな奴だなお前」

 

 

俺は少し冷めた目で奴を見ていた。

 

 

「……またその目だ」

 

 

「…………」

 

 

「私はお前のその目が気に入らない。まるで見下すような……バカにするような目で私を見やがって!!」

 

 

見下す?

バカにする?

 

 

「勘違いするなよミラー・テットナー。お前ごとき……」

 

 

自分勝手な妄想で人を殺し、自分勝手な妄想で己の行為を正当化しようとするこんな奴……

 

 

「バカにする価値すらない」

 

 

「なあ……に……いぃ」

 

 

「それと勘違いしているようだから教えてやるよ。お前はもう勝った気でいるようだが……どうしてお前の相手に俺が選ばれたか……それを今から教えてやる」

 

 

そして俺は心の中にいる相棒に合図を出した。

 

 

『相棒……俺に向けて調和の咆哮』

 

 

『ガウ!ガアアアアア!!!!!』

 

 

そして周りの黒い景色が途端に崩壊していった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

俺は意識を取り戻し覚醒させる。

 

目の前には……俺の頭に手を置き、驚いている奴の姿があった。

 

 

「ば、バカな!?私の『支配(ジャック)』を自力で解いたというのか!?」

 

 

俺は奴の手を掴み、拘束する。

 

 

「捕まえたぞ……」

 

 

「く……は、離せえぇ!!!」

 

 

ミラーは背中から無数の白い槍を出し、俺に向けて突き刺す。

 

 

 

ブスッ!

 

 

 

白い槍が次々と俺に刺さる。

 

()()()()()()()()()ことから物理的なダメージはない。

 

だが頭の中に直接声が聴こえた。

 

 

「『ハナセエェ……イマスグソノテヲハナセエェェェェ!!!!!』」

 

 

まるで底冷えするような声が聞こえ、意識を塗り替えられるような感覚に陥る。

 

 

『ガァアアアア!!!!!』

 

 

「はっ!?」

 

 

俺は再び意識を取り戻す。

 

心の中にいる相棒の調和の咆哮のおかげで、洗脳されるような感覚を打ち消すことができた。

 

 

(今のが『洗脳(トランス)』……恐ろしい能力だな)

 

 

まるで自分の意識が上書きされるような……まるで頭の中に聴こえてくる声が正しいかのように思えた。

 

 

「『洗脳(トランス)』まで!?なんなんだ!?なんなんだお前は!?」

 

 

「お前の能力は俺には効かないぞ」

 

 

そして俺はティーダに念話で合図を出そうとしたが……ミラーは拳に白い魔力を込め、俺に連打をあびせかけた。

 

 

「ぐっ!?」

 

 

腹を連打された俺は思わず手を離してしまい、膝をつく。

 

 

(か、身体が……重い……。しまった……調和の咆哮を使いすぎたか……)

 

 

「ハハハハ……どうした管理局の魔導師?とても辛そうじゃないか?ふん!!」

 

 

「ごはっ!?」

 

 

足に白い魔力を収束させた蹴りをくらった俺は5mほど吹き飛ぶ。

 

俺は足がふらつきながらもなんとか起き上がる。

 

そしてこちらをニヤニヤ笑いながら近付いてくる……ミラーをにらみつける。

 

俺は少しでも体力を回復させるため、時間稼ぎで奴に話しかけた。

 

 

「お前の能力は見切ったぞミラー」

 

 

 

ピタリ

 

 

 

ミラーは立ち止まる。

 

俺は言葉を続ける。

 

 

「お前の力は『相手に幻覚を見せる能力』だろう」

 

 

「ほう。どうしてそう思った?」

 

 

「まず疑問に感じたのは……お前の多すぎる幻影の人数だ。お前の魔力ランクはAAA(トリプルエー)だと聞いている。だが……お前が出した幻影の人数は、明らかに数百人はいた。あれだけの人数を一気に出すんだ。いくらAAA(トリプルエー)といえど()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

俺は続ける。

 

 

「だがお前が魔力切れを起こす気配は一切なかった。だとすれば……お前は()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()

 

 

「…………」

 

 

「そしてそれを確信したのが……お前が俺に『洗脳(トランス)』と『支配(ジャック)』を使ったときだ」

 

 

「…………」

 

 

そして俺は奴に核心をぶつける。

 

 

 

 

 

 

「お前……それらの能力を同時に使うことはできないんだろ?」

 

 

 

 

 

 

俺は言葉を続ける。

 

 

「恐らく……お前の力の根本である『幻覚を見せる能力』はかなりシビアなんだろう。その強力な能力を使うには厳しい条件や制限が存在すると見える。例えば……能力を使用するときはお前が直接相手に触れてないと使えない……とかな」

 

 

「…………」

 

 

「だからこその『洗脳(トランス)』と『支配(ジャック)』なんだろ?強力な力を分けることでお前は能力を使用できていたんだ。今思えば……どちらの能力も使用するとき、俺に直接触れていたからな

 

 

先ほど奴が俺に『洗脳(トランス)』を使用したときは白い槍を俺に刺し、『支配(ジャック)』を使用したときも大鎌を俺の首にかすらせた

 

数百人の幻影を出したときも、ワザワザ魔力弾で攻撃してきたのだ。あのとき……『洗脳(トランス)』や『支配(ジャック)』を使っていれば楽に勝てていたかもしれないのに。

 

だが奴はそれをしなかった

 

いや、できなかったんだ

 

だとすればこれらのことから言えることはひとつ。

 

 

 

 

 

 

「お前は『幻覚を見せる能力』を使用しているとき、他の能力は一切使えない。『洗脳(トランス)』を使っているときは『支配(ジャック)』を使えない。ならばその逆も同じ。そして数百人の幻影を出しているときは、それらの能力も使えない!!」

 

 

 

 

 

 

そして俺は奴に告げた。

 

 

 

 

 

 

「諦めろミラー・テットナー。種さえ分かれば簡単だ。お前の能力は……もう俺には通用しない」

 

 

 

 

 

 

だが俺の言葉をミラーは……

 

 

 

 

 

 

「すごい……すごいよ管理局の魔導師」

 

 

 

 

 

 

笑いながら聞いていた。

 

 

「何がおかしい?」

 

 

俺は奴に話しかける。

 

 

「いや、私の能力をそこまで見破ったのは君が初めてだからさ。だからこうして敬意を称えているんだよ」

 

 

奴は言葉を続ける。

 

 

「だがひとつだけ間違っているよ管理局の魔導師。私は能力を同時に使えない訳じゃない。使()()()()()()()

 

 

「どういうことだ?」

 

 

「君の予想は8割は当たっているよ。ああそうだ。私は相手に能力を使用するとき、直接触れることでしか効果を発動させることはできない。だが……それと()()()()()()使()()()()使()()()()()()()()()()()()?」

 

 

そうか……。

俺は勘違いをしていた。

 

 

「世間では私の呼び名の元となっている『幻夢(ヴィジョン)』は特殊な結界魔法と思われているようだが……厳密には魔法ではない。私が『洗脳(トランス)』と『支配(ジャック)』を()()()使()()()()()()

 

 

こいつは能力が別々に使えないだけであって……同時に使えない訳じゃなかったんだ……

 

 

「さて、今から見せてあげよう管理局の魔導師。君が言う『幻覚を見せる能力』、それを私は総じて『幻夢(ヴィジョン)』と呼んでいたのだが……どうやら世間では勘違いされていたようだね。まぁ、今はそんなことどうでもいいか」

 

 

奴は手を広げながら狂気を帯びたような笑顔で言った。

 

 

「さぁ、その力の真価を今から君に見せてあげよう」

 

 

そしてミラーの『幻夢(ヴィジョン)』が発動した。

 




次回、vs広域次元犯罪者決着編。

果たして勝てるのか?

では、また(・∀・)ノ

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