とりあえず続き。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
「これ、良かったら食べて」
「あ、ありがとうございます」
俺は今、ある植物園にお邪魔していた。
その園長である
すると突然、俺の頭の上にいた相棒と抱いていた久遠がサッと反応し、机の上に置かれていた大福二つを凄まじい速さで食べだした。
ちなみにその大福は俺が食べようと思っていたものなのだが……俺の右手は悲しく宙をさまよっていたorz
「あの……お二人さん。それ、俺がいただいたものなのですが……」
すると二匹はこちらを一瞥すると……
「ガゥ♪」
「くぅ~♪」
実に幸せそうな顔で鳴きやがった。
「うん。そんな幸せそうな顔で鳴かれたら何も言える訳ないよね!?」
そして俺はガクリと
「ふふふ。まだまだたくさんあるから」
「すいません……催促したみたいで」
「いいえ……でもその子達、貴方によくなついてるのね」
「どうなんでしょう?からかわれてるだけなんじゃないでしょうかね。……そこんとこどうなのよお二人さん?」
「ガゥ~」
「くぅ~」
二匹はこちらを見て嬉しそうに一声鳴いた気がする。
それを見た俺はウンと頷き、呟いた。
「わからん」
「「「だあああーーっっっ!?」」」
すると側で俺達のやり取りを見ていた三人の少女がなぜかこけていた。
ナイスリアクション。
いやだって相棒は思念で言ってこなかったし、久遠は小狐モードだから言葉は理解できなかったのですよ。
「ヒッツと久遠、ヒエンさんのこと大好きだって言ってるですぅ」
「二匹ともめちゃくちゃ信頼してるみたいですぅ」
「とっても仲良さげでしゅ~」
するとぬいぐるみのような妖精三匹が話しかけてきた。
「言葉わかるのかね君達?」
「僕達もう友達ですぅ」
「あ、そうなんだ。仲良くしてやってくれ」
「合点ですぅ!!」
あっはっはっはっと俺達が和やかに会話していると……
「あの!さっきから無性に気になって気になって仕方ないんですけど!!」
すると青髪の少女が声をあげた。
「結局!!そこにいる私達を助けてくれた謎の黒スーツのお兄さんはどこの誰なんっしゅか!?」
「「「「………………」」」」
それを聞いた俺と妖精君達三人は……顔を見合わせ……
「「「「おお……すっかり忘れてた……(ですぅ)/(でしゅ)」」」」
互いに納得していた。
「って……なんじゃそりゃー!?」
「あはははは……あのお兄さん……シプレ達とすっかり意気投合してます」
「ああ~、あの子達いいな~……かわいいよ~触りたいよ~」
と三者三様のリアクションをとっていた。
◆◆◆
そして大福を食べ終わった俺は少女達三人と向かい合っていた。側では薫子さんがこちらを興味ありありといった感じで見ている。
少女達三人もいかにも聞きたいことがあります!!といった雰囲気を醸し出しており、こちらをジーっと見つめていた。
やべぇよ……。
かなりやりづらいんですけど((((;゜Д゜)))
俺が内心戸惑っていることなど露知らず、頭の上では相棒がグデーっとしており、膝の上では久遠が丸くなって眠っている。
お前ら……
関わる気まるでゼロじゃねえかorz
「あの!」
するとどこか赤を基調にしたツーサイドテールの少女が頭を下げてきた。
「まずはお礼を言わせてください!危ないところを助けていただいて……本当にありがとうございました!!」
「「ありがとうございました!!」」
赤い少女に続いて……青髪の少女、茶髪の少女も頭を下げてきた。そして俺はというと……
「いや、俺的には困っている人がいたら助けるのは当たり前というか……それが俺の仕事っていう面もあったし……」
すると赤髪の少女はこちらをキョトンと見て……
「仕事……ですか?」
「うん」
俺は頷く。
間違ったことは言っていない。
たとえ嘱託魔導師といえど、一応俺も時空管理局に所属する身である。
基本的には次元世界の崩壊を招きかねないロストロギアや、違法魔導師の捕縛などの危険性の高いものを最優先で対処するのだ。
他にも一般人が巻き込まれないようにしたり、捜索や、傷の治療などその仕事は多岐にわたる。
「それであの……私達お兄さんにお聞きしたいことがあってですね……」
「ああ。俺が何者か聞きたいんだろ?」
すると俺の言葉に多少驚きながらも頷く赤髪の少女。
「ふふふ。それじゃあ互いに自己紹介したらどうかしら?」
「そうですね!」
薫子さんの提案にのる赤髪の少女。
「まずは私からですね。私は
「次は私!つぼみの親友の
「次は僕ですね。初めまして、
茶髪の男装少女、
そして俺も自己紹介しようとしたとき……
「じゃあ次は俺……「次は僕達が自己紹介するですぅ~」……どうぞ」
妖精君達が名乗りをあげた。
俺が言おうとしていたことに気付いていたつぼみは苦笑いしていた。
「わたしはつぼみをサポートするこころの大樹の妖精のシプレですぅ」
「同じくえりかをサポートするこころの大樹の妖精のコフレですぅ」
シプレとコフレ。
緑色と白色を基調にした小さな妖精である。
シプレは女の子であり頭にピンク色の髪飾りをつけ、コフレは男の子で青色の髪飾りをつけていた。
「ボクはいちゅきのパートナーのポプリでしゅ~」
ポプリはオレンジと白を基調にしたどこか幼い赤ちゃんを思わせる妖精の男の子であった。
「あのときは助けてくれてありがとうでしゅ~」
すると俺に近寄りお辞儀してきた。
「ああ、気にするな。なんかヤバそうだったから乱入しただけだし」
「それにしてもヒエン強かったでしゅ。あのダークプリキュアとも互角に戦ってたでしゅ~」
するとポプリの言葉で俺は空気が変わったことを察知する。
「そうよ!お兄さん!!」
「はい!?」
するとえりかが大声をあげる。
「お兄さん何者なの!?あのダークプリキュアと普通に戦えてたし!!お兄さんもプリキュアなの!?」
「落ち着いてくださいえりか!」
うん(゜-゜)(。_。)
少し落ち着こうか。
君、何気に恐ろしいこと言ってるからね?
俺がプリキュアなんぞ名乗ってみろ。
全国の大きなお友達から反感を買うどころか……視聴率駄々下がりだわΣ(゜Д゜)
「と、とりあえず……軽く自己紹介させてもらってもいいだろうか?」
「は、はい!」
するとつぼみがえりかを落ち着かせ、話を促してくれた。
「えー、俺の名はヒエン。大空氷炎だ。風芽丘学園に通っている高校二年生だ」
「「「風芽丘学園?」」」
「聞いたことのない高校名ね」
やはり皆、聞き覚えがないのか首を傾げている。
だがまだ確証には至らない。
「あの……
「薫子でいいわよヒエン君。ここは
「ありがとうございます。
やはり聞いたことがない。
「あの薫子さんもうひとついいですか?」
「ええ、いいわよ?」
皆は、俺が真剣な顔をして話しているのを察したのか黙っていた。
「○○県にある海鳴市という地名に聞き覚えはありますか?」
「海鳴市?○○県に海鳴市なんてあったかしら?」
薫子さんはつぼみ達に聞く。
「いえ、私は聞いたことがありません」
「わ、私は地理は、あんまり得意じゃないし……」
「いえ、僕も○○県でそのような地名は聞いたことがありません」
つぼみ、えりか、いつきの三人が答える。
ああ……
もうこれほぼ確定的なんだが……最後の質問だ。
「最後にひとつだけ。今日は
「えーと……今日は20XX年07月15日よ?」
「そうですか……」
最後の確認だ。
俺はポケットから携帯を取り出そうとしたが……
「あ、そういえば携帯……部屋に置いたままだった……」
突然、光に包まれたからな。
そのまま置いてきてしまったらしい。
「あの良ければ私の携帯を使われますか?」
「へ?いいのか?」
するとつぼみがピンク色の可愛らしい携帯を渡してくる。
「はい」
「ありがとう」
俺はつぼみから携帯を借り、ある言葉を入力する。そして検索をかけた。
検索結果が終わりそれを見ると、俺の予想通りの結果が出た。
「はぁ~~~。予想通りか」
俺は額を机にゴンと打ち付ける。
すると頭の上にいた相棒がその勢いでつぼみの所へと吹き飛んでしまう。つぼみは見事相棒をキャッチする。
「ガゥ!」
「あ、ごめん相棒」
すると相棒はつぼみの頭の上にそのまま登った。
「あの……大丈夫ですか?」
「ああ、ごめん。少し予想が当たって驚いただけだから」
「?何を調べたんです?」
「これ」
俺はつぼみに携帯の画面を見えるように返す。
三人はその携帯を覗きこむように見た。
そこにはこう書かれていた。
【○○県 海鳴市 風芽丘学園 該当件数 0件】
「「「えええぇぇぇーー!!??」」」
それを見た三人は驚くのだった。
◆◆◆
「ど、どどどど……どういうこと!?」
えりかが狼狽する。
「お、おおおおおおお落ち着いてくださいえりか!!」
「つぼみもえりかも、落ちついて!!」
慌てる二人をいつきが抑える。
「あー……皆、一応検討はついてるんだ」
「「「へ?」」」
「ヒエン君には、原因が分かっているの?」
薫子さんが確認する。
「はい。さっきの
「そう。説明してもらっても大丈夫?」
「はい。ですが……今から話す内容は皆さんにとって、かなり
俺は静かに話す。
「ええ、分かったわ」
「わ、わかりました」
「な、なんかワクワクしてきたかも……」
「ぼ、僕も柄にもなく緊張してきたよ……」
皆が興味ありげに見てきた。
「ふぅ……」
少し緊張するな。
でもここで焦っても仕方がない。
ゆっくり話していこう。
「結論からいいます。俺はこの
「「「………………」」」
「……」
「「「え……」」」
俺は念話で相棒に耳を抑えるように指示を出したあと、寝ている久遠の耳を塞ぐ。
「「「えーーーーーーーーーーーっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!????」」」
植物園に大きな驚きの声が響くのだった。
そして俺はまずは自分のことを説明した。
俺は魔導師と呼ばれる存在であり、魔法の力を扱うこと。
時空管理局という組織に所属し、嘱託魔導師として働いていること。
その組織は主に次元世界ミッドチルダと呼ばれる世界を中心に活動しており、他の次元世界の守護を目的としていること。
その任務は主にロストロギアと呼ばれる……進化しすぎた技術や科学が世界を滅ぼしてしまうほどの取り残された危険な遺産を回収すること。
広域次元犯罪者と呼ばれる犯罪を犯す違法魔導師の捕縛、違法研究の捜査や……
戦闘が起こったときの一般人の避難や保護、迷子の捜索や、傷の治療などその仕事は多岐にわたることを説明した。
そして俺はこことは違う第97管理外世界『地球』で高校に行きながら、嘱託魔導師として働いていることを説明した。
それらを十分ほどで説明し終わる。
チラリと前を見ると三人ともポカーンとしたような顔でこちらを見ていた。
「おーい……大丈夫かー?」
俺は三人の前に手を振る。
「「「…………」」」
ダメだ。
リアル返事がない屍のようだ状態である。
俺は薫子さんに視線を向ける。
薫子さんも少なからず驚いているようだ。
(やっぱり刺激が強すぎたか?)
でもまだこんなの序の口なんだが……。
「驚いたわ。並行世界の地球からやってきたってことでもビックリなのに……時空管理局なんて……。どういう感じなの?」
「あー……簡単に言えば警察、軍隊、裁判所の三つが一つになった組織と思ってもらえれば大丈夫かと」
「若いのに大したものねぇ。そこで働いているんでしょ?」
「あ、はい。バイトみたいなものです」
「ご両親は知っているの?」
「あー……いや両親にはその……魔法が使えること自体まだ言っていないといいますか……言うタイミングがないといいますか……」
「どういうこと?」
「俺の両親、父母ともに外国で働いてまして。二年ほど会ってなくて……」
「そうだったの……」
「いえ別に全然不満とかはありませんよ?周りの人は良い人ばかりですし、お金も必ず毎月振り込んでくれますし、電話だってタマにしますし」
「そう。良いご両親なのね」
「はい」
薫子さんが優しげな視線で俺を見てくる。
この感じがおばあちゃんなんだろうか?
「そういえばこっちの世界に来るきっかけは分かったの?」
「あ、はい。実はですね……家でテレビ見てたら……この赤い宝石が光って……気付いたらこころの大樹でしたっけ?その側にいたんですよ」
そして俺は空中に魔法陣を発動させ、
「こころの大樹の側にですか!?」
すると復活したつぼみがいつの間にか俺の目の前にいた。
「そのときにダークプリキュアだったか。あの黒ずくめの女性とかち合ったってとこ」
「え!?じゃああのとき……来たばかりだったんですか!?」
「うん」
俺があっさり答えるとなぜか頭を抱えるつぼみ。
どうしたよ?
「ヒエンさんは……いえ、なんでもありません」
「あのつぼみさん?途中で話を切られると無性に気になるのですが」
「いえ……気にしないでください」
「おいなぜ目をそらす?」
「強く生きてください」
「どういう意味だこのやろう」
「そのままの意味です!!」
「なんでキレてんの!?」
とりあえずなぜか頭を抱えているつぼみをなんとかなだめる俺であった。
なのはの映画いよいよ明日ですね。
楽しみだウラァー(゜▽゜*)
次回は少し遅れます。
では、また(・∀・)ノ