大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続きかけたので投稿。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百三十二話 心の花を守る伝説の戦士Ⅳ

ヒエンside

 

 

 

「これが私達『プリキュア』と『砂漠の使徒』についての全てです」

 

 

「なるほど」

 

 

俺は今、三人から現在の状況について聞いていた。

 

この世界は『ハートキャッチプリキュア!』の元となる並行世界である。

 

ここで簡単にハートキャッチプリキュアのストーリーを説明すると、宇宙からの侵略者『砂漠の使徒』から人々の心の花、その元となるこころの大樹(たいじゅ)を守るために戦うつぼみ達『プリキュア』の物語である。

 

プリキュア達の敵対勢力『砂漠の使徒』。

 

この組織は砂漠の王であるデューンと呼ばれる人物が率いている勢力である。

 

元々『砂漠の使徒』は銀河系の遥か彼方からやってきた流浪の民である。その目的は、自分たちに最適な砂漠の環境を造るため、高い科学力を駆使してあらゆる星の資源を吸い尽くすことだ。

 

簡単に言えば、『ドラゴ○ボール』に出てくるフ○ーザ軍団のようなものである。

 

現在は地球と人類の心の砂漠化を目論んでおり、人間の「こころの花」を枯らし、「こころの大樹」を枯らすことを目的としている。

 

つまりこころの大樹を枯らされてしまえば地球が滅亡するのだ。

 

そしてそれを阻止しようとしている『プリキュア』を目の敵にしており、排除することを念頭に置いている。

 

『プリキュア』と『砂漠の使徒』の戦いは約400年前から続いている。

 

歴史の分岐点となる重要な部分では必ずといっていいほど『砂漠の使徒』が絡んでおり、影で暗躍していた。

 

だが50年前にキュアフラワー:つぼみの祖母である薫子さんに敗れたために一度、退けられている。だが、『砂漠の使徒』は徐々に組織としての力を取り戻しており、新たにサバーク博士やダークプリキュアという新戦力を投入してきたのだ。

 

さらに『プリキュア』の敵となる組織、『砂漠の使徒』には三幹部と呼ばれる奴らが存在する。

 

 

サソリーナ

 

 

 

クモジャキー

 

 

 

コブラージャ

 

 

 

それぞれ砂漠を生きる生き物を特徴とした敵幹部である。

 

幹部であるだけにその単体の戦闘能力も高い。

 

だが奴らにはもっと厄介な能力が存在する。

 

それが人々の「こころの花」を取りだし、「デザトリアン」として誕生させて暴れさせる能力である。

 

誕生させると様々な超能力をもつデザトリアンが生まれるのでなかなかに厄介な能力である。

 

 

現在の時系列としては、丁度3人目のプリキュア:キュアサンシャインが入ってきて間もないところであるらしい。

 

原作知識でいえば、丁度24話くらいからだった気がする。

 

ここらへんから本格的にバトルが激化してくるので、俺としてはどうやって関わっていくか考えている次第である。

 

恐らくだが『砂漠の使徒』を倒すことができれば……俺は元の世界に帰れると思う……。

 

こちらの世界に来ることになったあの()()()()

 

現時点では俺に力を貸してくれといった謎の声の女性の思惑は分からないが……できることをやっていくしかない。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「あ、そうだ」

 

 

話を丁度聞き終わったのを見計らって俺は再び魔法陣を展開させ、中からある物を出す。

 

 

「ヒエンさん、それなんですか?何か良い匂いがするんですけど」

 

 

「俺がバイトしてるお店のシュークリームとコーヒー。これでも雑誌に載るほどおいしいんだ」

 

 

つぼみが興味津々に聞いてくるので俺は答えながら翠屋のシュークリームとコーヒーを出す。

 

 

「あ、紙コップ切らしてるわね」

 

 

すると薫子さんが紙コップを切らしていることに気付く。

 

 

「あ、それなら大丈夫です」

 

 

俺は机に手をかざす。

 

 

炎の物(ファイアオブジェクト)

 

 

すると小さな炎の塊が5つ出ると白い紙コップになった。

 

それを見たつぼみ達の顔が輝く。

 

 

「い、今、何もないところから紙コップが!?」

 

 

「すごい!すごい!」

 

 

「他には……他には何ができるんですか!?」

 

 

三人が一気に近付いてくる。俺はそれに少し引きながらも答える。

 

 

「えーっと、さ、さすがになんでもはできないが……たいていのことはできると思う」

 

 

そして俺はフェイク・シルエットを発動させ、つぼみ、えりか、いつき、薫子さん、シプレ、コフレ、ポプリの幻影を出す。

 

 

「わ、私です!?」

 

「わ、わたしだ!?」

 

「僕だ……」

 

「すごいわね」

 

「私もいるですぅ」

 

「僕もですぅ」

 

「ポプリもでしゅ」

 

 

そして俺は目を閉じ幻影達を操る。

 

それぞれの前にいき話をさせ、挨拶させてから消した。

 

 

「今のはフェイク・シルエットっていって幻影を出す魔法だな」

 

 

「す、すごいです!ヒエンさん!もっと魔法について教えて下さい!!」

 

 

「お、おう。教えるからまずは落ち着こうか?シュークリームとコーヒーでも食べながら」

 

 

そしてとりあえず全員落ち着かせ、まずは翠屋のシュークリームとコーヒーを食べてもらう。

 

しかし、シュークリームとコーヒーが美味しすぎます!!と、はしゃぐつぼみ達を落ち着かせるのに三十分を要した。

 

世界を超えても、おいしいと人々を感動させるシュークリームとコーヒーを作った高町夫妻に俺は戦慄を覚えたのだったorz

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「…………とりあえず魔法や、デバイスの基礎知識についてはこんなもんかな」

 

 

とりあえず魔法についての基礎知識、デバイスなどの簡単な説明を行った。約一名頭から湯気が出ていたが。

 

 

「ほへぇ~」

 

 

「あ、頭いたいっしゅ……」

 

 

「なんというか近代的なんですね」

 

 

「そうだな。いつきの言ってることはある意味正しい。魔導師は魔法を使うとき、さっき話したデバイス、つまり魔法使いの杖のようなものを使用する。このデバイスの中にあらかじめ術式を入れておくことで術を短縮して使える。例えば……」

 

 

俺は射撃魔法シュートバレットを発動させる。

 

俺の手の平にオレンジの魔力弾が現れる。そしてそれらを縦横無尽に植物園の中を動かす。

 

 

「このように発動させ、自由に動かすことができる。さらに訓練すれば……」

 

 

俺は死ぬ気モードになり、魔力弾を10個に増やしさらに操る。妖精達が追いかけすぎて目を回していた。

 

そして俺は死ぬ気モードを解除し、説明を続ける。

 

 

「自由に高速で操ることも可能になる。基本的に魔導師は、これらの魔法を戦いの中で行わなきゃいけないから、高度な戦略と高速思考が必要になる。それが魔導師に必要な必須技能・高速並列思考、マルチタスクだ」

 

 

「マルチタスクって確か複数のことを同時にこなすことですよね?」

 

 

つぼみが質問してくる。

 

 

「ああ。そのマルチタスクをひたすら鍛えることで魔法の安定感、高速化を磨くんだ。俺の知り合いにわずか9歳でデバイスを使用せずに魔法を使う子がいるんだが、その子はマルチタスクがやたらと速い。

 

その子にとっちゃ魔法を同時に使用するなんていうのは朝飯前なんだ。ちなみにその子は考古学者だ。俗にいう天才ってやつだな」

 

 

「9歳で……こ、考古学者……」

 

 

「す、すごい……」

 

 

「まぁ、魔導師といっても色んな奴らがいる。補助や後方支援の結界魔導師、空を自由に飛び敵を補足する空戦魔導師、地上から敵を追い込む陸戦魔導師など……様々だな」

 

 

俺はコーヒーを一口飲む。

 

 

「そういえばヒエンさんのデバイスはなんなんですか?」

 

 

するといつきが質問をしてくる。

 

 

「そういえば紹介してなかったっけ?丁度いいや。おーい相棒?」

 

 

「ガゥ」

 

 

するとつぼみの頭の上にいた相棒が俺の頭の上に飛び移る。

 

 

「こいつが俺のデバイス兼相棒のヒート・スピリッツ、ヒッツだ」

 

 

「ガゥ!」

 

 

相棒は挨拶をする。

 

 

「え、えーー!?ヒッツちゃんがデバイスなんですかー!?」

 

 

「こいつは少し特別でな。さっき説明したユニゾンデバイスみたいなもんだ」

 

 

「意思を持ったデバイス……でしたっけ?」

 

 

「ああ。あとは……久遠、ちょっといいか?皆に自己紹介してくれ」

 

 

「くぅ」

 

 

すると久遠はポンと、いつもの巫女服に金髪の耳と尻尾を生やした子供形態になる。

 

三人は目を見開いて驚いている。

 

薫子さんも少し驚いている。

 

 

「くおん……よろしく……」

 

 

久遠はペコリと頭を下げる。

 

 

「偉いぞ」

 

 

俺は久遠の頭を優しく撫でる。

 

すると久遠は目を細め気持ち良さそうな表情となる。

 

 

「「「はう!!!???」」」

 

 

するとつぼみ、えりか、いつきの三人は途端に胸を押さえつけた。

 

恐らく久遠の純粋な可愛さにやられたのだろう。

 

俺は久遠について軽く説明する。

 

 

「この子は妖狐っていって妖怪なんだけど……優しい子なんだ。ちょっと人見知りなところがあるけど、仲良くしてやってほしい」

 

 

「くぅ……よろしく……おねがいします……」

 

 

久遠が再度お辞儀する。

 

 

「よ、よろしくお願いします!!」

 

「よろしくっしゅ!!」

 

「よろしくね!!」

 

 

さすが久遠。

女性陣に人気である。

 

 

「はぁ~」

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

俺は息をはく。

 

少し疲れた。

 

魔法の説明ってできるだけ噛み砕いて分かりやすくしないと難しいからな。なかなか疲れるのである。

 

シュークリームを食べながらボーッとする。そしてある重大なことに気付く。

 

 

「あ」

 

 

「どうかしましたか?」

 

 

そして俺は途端に顔を青くさせた。

 

 

「そ、そういえば……住むところどうしよう!?いやまて、それ以前に戸籍とかねぇじゃん!!お金は……ダメだ。財布は部屋に置きっぱなしだった。っていうか世界自体が違うんだからどっちにしろお金使えねぇじゃん!!」

 

 

「落ち着いてくださいヒエンさん!」

 

 

俺が声をあげて慌ててると相棒が空中にモニターをつけて、あることをし始めた。

 

皆はいきなり空中にモニターが現れたことに驚いている。

 

モニターには何やら細かい数字や英語などが猛スピードで羅列されていき、そして『Complete』の文字が打たれた。

 

俺は震える声で聞く。

 

 

「おい相棒……一応聞くが何が『完了』したんだ?」

 

 

「ガゥガゥ~」

 

 

「あの……」

 

 

「こ、戸籍を偽造しただと!?」

 

 

「ガゥ~」

 

 

「もしもし~?」

 

 

すると俺の戸籍情報と思われるモニターが現れる。

 

 

「相棒!キーボード!!」

 

 

「ちょっと~??」

 

 

俺はすぐに透明なキーボードを出してもらうとそれを操り、ある情報を出していく。

 

空中モニターに希望ヶ花市のホームページを出し、そこから相棒がハッキングしたと思われるところから侵入し、確かめる。そして()()()()()()()()()()()()()を発見した。

 

 

「ほ、本当に偽造している……だと……?」

 

 

「ガゥガゥ~」

 

 

「いや、ほめてほめて~じゃないから。しかもバレないようにうまい具合に帳じり合わせしてるし」

 

 

「……あのー」

 

 

どうやら俺は通信教育で高校卒業資格を持っていることになっているらしい。

 

両親は外国で働いていることになっている。

 

 

「ガゥ!」

 

 

「気にするなって?いやまあ、そうだけどさ」

 

 

「…………お二人ともー??」

 

 

「ガゥガゥ」

 

 

「バレなきゃ犯罪じゃない?まぁ、そういわれればそうか。今は緊急事態だし仕方ないか……」

 

 

「…………聞こえてませんかー?」

 

 

「ガゥ!」

 

 

「そうだよな。バレなきゃ犯罪じゃないしな。気にするだけ損か。はっはっはっ(゜▽゜*)」

 

 

「…………シカトですか。そうですか」

 

 

そして俺達は意気揚々と笑っていた。

 

だがそこで俺は肩をトントンと叩かれたので振り向く。

 

そこには良い笑顔をしているつぼみがいた。

 

だが気のせいでなければ目が笑っていなかった。

 

俺は顔をひきつらせながら聞く。

 

 

「あれ?もしかしてつぼみさん……全部聞いてました?」

 

 

「それはもうバッチリと♪というかさっきまで話してたじゃないですか♪この距離で気付かない方がどうかしてると思います♪」

 

 

「で、ですよねぇ~」

 

 

俺は某ニューハーフタレントの持ちネタをパクりつつ冷や汗をかきながら、明るく言う。

 

 

でもねつぼみさん……

 

 

「ヒエンさんの立場は理解しているつもりです。いきなり見ず知らずの世界に来て戸籍もない、家もないとくれば焦る気持ちも分かります。そして私達も貴方には助けられた恩があるので喜んで協力しようと()()()()()()。ですが……」

 

 

気のせいでなければ……目のハイライトちょっと消えてない?((((;゜Д゜)))

 

 

「いくら緊急事態といえど目の前で平然と犯罪行為を行って……あまつさえ気にしないとは二人して一体何を考えているんですか?これで戸籍情報ができたのは良かったです。実に喜ばしいことです。ですがヒエンさんはヒッツちゃんの相棒ですよね?だったらせめて気にすることはしないといけないのではないですか?仮にも時空管理局という組織に籍を置いてるんですよね?それを笑いながら気にしないとは人としてどうなのですか?」

 

 

「どうもすいませんでしたー!!」

 

 

俺は即座に土下座を慣行。

 

今のつぼみからは、魔王モードのなのはと同じくらいの覇気を感じる。

 

あれなのか?

やはり物語の女の子主人公というのは魔王みたいな覇気を纏っているのがデフォなのか?

 

というかあなた原作じゃそんなキャラじゃなかったよね!?

 

 

「とりあえずヒエンさん……行くところがないならウチに来て下さい」

 

 

「え?いや遠慮……」

 

 

「ウチに来て下さい」

 

 

「いやだから遠慮……」

 

 

「ウチに来て下さい」

 

 

「お世話になります」

 

 

そして俺は花咲家にお世話になることが決定したのだった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「ウチは花屋なので、ヒエンさんには私自ら……花の素晴らしさを教えます!なので覚悟しておいてください!!」

 

 

「え?いや俺、花興味ないんだけど……」

 

 

「しっかりと叩き込んであげます!!」

 

 

「いや、だから興味ない……」

 

 

「言い訳は聞きません!!」

 

 

「ちょっとは聞いてください」

 

 

「さぁ、行きますよ!!」

 

 

「キャーΣ(゜Д゜)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、いつものつぼみじゃ……ないっしゅ」

 

 

「す、すごい迫力だったね……」

 

 

「あらあら……あの人見知りのつぼみが……少し面白くなってきたわねぇ。とりあえずウチに急遽一人住み込みで働く子が増えたと連絡を入れておきましょうか」

 

 

 

その日花咲家では、つぼみがボーイフレンドを連れてきたと騒動になったのは言うまでもない。

 

その日、つぼみは自分の取った行動により悶絶して眠れなくなり、翌朝寝不足になるのは当然の帰結であった。

 




次回からストーリーに絡めるところは積極的に絡んでいきます。

では、また(・∀・)ノ

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