大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

かけたので投稿しやす。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百三十三話 心の花を守る伝説の戦士Ⅴ

ヒエンside

 

 

 

「どうもありがとうございました~」

 

 

俺は頭を下げ、お客さんを見送る。

 

 

「ヒエン君、もうお昼だから先にごはん食べちゃって~」

 

 

「はい。了解です」

 

 

俺は裏の休憩スペースにいく。

 

するとそこには薫子さんが座っていた。

 

薫子さんは俺に気付くと声をかけてくる。

 

 

「あら、お昼休憩?」

 

 

「はい。お客さんも良い感じで落ち着いてきましたので」

 

 

「ふふっ。そう。お昼ごはんはそこに置いてあるから食べてね」

 

 

「あ、はい。いただきます」

 

 

見ると机の上にオムレツがサランラップにかけて置いてあった。俺は緑のエプロンを外して傍に置く。

 

そしてイスに座り手を合わせた。

 

 

「いただきます」

 

 

オムレツをいただく。

 

冷めていたがそれを抜いても美味しかった。

 

バリうめぇっす。

 

 

「あなたがここに来てからもうすぐ一週間になるけど、ここの生活にはもう慣れた?」

 

 

「あ、はい。皆さんとても親切にしてくださいますので」

 

 

「それは良かったわ。それにしても、初日から思っていたのだけど、働き慣れてるのね」

 

 

「はい。向こうの世界にいたときも喫茶店でバイトしてましたので。接客業にはある程度慣れてます」

 

 

「息子達も新戦力が増えたっていって喜んでたわ」

 

 

「いえ。花咲家の皆さんにはお世話になりっぱなしなので、これくらいは……」

 

 

「優しいのね」

 

 

「……そうですかね?」

 

 

「ええ、そうよ。あの人見知りのつぼみが初対面であんなに話せるんだもの。自信を持って」

 

 

「はあ。あ、ありがとうございます」

 

 

そして俺はオムレツを食べ続ける。

 

すると薫子さんがおもむろに立ち上がった。

 

 

「それじゃ私は植物園にいってくるわね。気が向いたら遊びに来てちょうだい」

 

 

「はい。ぜひいかせていただきます」

 

 

そして薫子さんは外へと出ていった。

 

数分後……俺は食べ終わったので軽く水洗いしてから皿をつけた。

 

そして再びイスに座り、ボーッと天井を見上げていた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

俺がこの世界に来てから一週間の月日が過ぎた。

 

現在俺は、つぼみの実家である『花咲フラワーショップ』にて住み込みで働かせてもらっている。

 

言うなれば居候である。

 

つぼみの父親にしてこの店の店長である花咲(はなさき)陽一(よういち)さん。

 

つぼみの母親である花咲(はなさき)みずきさん。

 

そしてつぼみの祖母であり、植物園の園長である花咲(はなさき)薫子(かおるこ)さんには大変お世話になっている。

 

だが初日にここに連れて来られたときは大変だった。

 

それはもう大変だった。

 

つぼみに連れて来られた当初、俺は拐われるようにお店に連れてこられた。

 

そう。

つぼみと()()()()()()()()……来てしまったのだ。

 

当然、お店に入った瞬間にその光景は見られてしまう訳で……そのときの陽一さんとみずきさんの空いた口が塞がらないような表情は今でも覚えている。

 

 

 

文字通り……空気が凍ったのだ。

 

 

 

つぼみと手を繋いだ俺。

 

見ようによっては、俺とつぼみが付き合ってると思われなくもないわけで……。

 

そのとき夫婦揃ってこういった。

 

 

 

「「つ、つぼみが……つぼみが……ボーイフレンドを連れて帰って来たあああああああああああああ!!!!????」」

 

 

 

その言葉を聞いたつぼみは現状をようやく理解し、頬を一瞬で真っ赤にさせ、「ち、違うんですうううぅぅぅ!!!」と言いながら自分の部屋の中へと一目散に入っていった。

 

うん。

つぼみさんや……

恥ずかしいのはとても分かるよ。

 

だがなつぼみよ……

 

あの場で一人にするのはダメだと思うんだorz

 

薫子さんから事情説明の電話がかかってくるまで三分程気まずい空気が流れた場面を……俺は永遠に忘れないだろう。

 

 

(あのときは大変だったなあ……)

 

 

俺は思わず遠い目をしながら植物園へと向かっていた。

 

そのあとなんだかんだで状況を理解した陽一さんとみずきさんは、俺の住み込みを了承してくれた。

 

これも薫子さんのおかげである。

 

薫子さんの用意した理由が俺は植物の勉強をするために薫子さんを頼ってきた遠い親戚……ということになっているらしい。

 

植物園でつぼみと出会ったことから連れてこられた……となったのだ。

 

 

「ふぅ……」

 

 

俺はため息をつきながら歩く。

 

お店が午後六時に終わったため俺は今、植物園へと向かっていた。

 

一応、私服として白いワイシャツに黒いズボンをはいている。薫子さんが着替えがいるだろうということで私服をいくつか買ってくれたのだ。

 

本当に頭が上がらない。

 

そんなこんなで植物園へとたどり着く。

 

そして扉をあけると、中には色とりどりの植物があった。夕日が射し込むのでとても情景的な景色であった。

 

俺は中に入り、キョロキョロと周りを見る。

 

薫子さんはどうやらいないようだ。

 

中を歩いていると、植物園の端の方に巨大な着ぐるみのような物体を発見した。

 

 

(あれ?あの物体はもしかして…… )

 

 

俺はゆっくりと巨大な物体に近付いていく。

 

身長は約3mくらいだろうか?

 

大柄でキョロっとした目と厚い唇があり、小さな耳と頭部の捻れた一本角があった。

 

身体は緑色の厚い毛に覆われており、胸の真ん中に大きなピンク色のハートマークがあった。

 

その物体は俺の接近に気付くと、身体をこちらに向けジーっと観察してきた。

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

(どうみてもコッペ様です。本当にありがとうございます)

 

 

つぼみ達からコッペ様のことは事前に聞いている。

 

 

ここでコッペ様について説明しよう。

 

 

コッペ様は薫子さんがプリキュアだった時代……キュアフラワーだった頃にサポートしていたパートナーの妖精である。

 

妖精達の間では憧れの存在であり、『伝説の妖精』として語られている。

 

言葉を発することはなく、リアクションもほとんど取らない。

 

しかし侮ることなかれ……

 

この妖精様、実は滅茶苦茶強い。

 

怪力で敵をなぎ払い、格闘戦闘もべらぼうに強い。

 

原作45話にて『砂漠の使徒』のボス、デューンが薫子さんを襲うのだが、そのデューンに怒り、襲いかかるほど。最終決戦でプリキュアと共に肉弾戦でタメを張れるほどに頑丈でもある。

 

特殊能力として気配を消す結界も出せる。

 

噂によると身体の中には異空間があり、その中にはプリキュアや妖精たちを癒やす事ができる温泉があるそうな。

 

 

俺はコッペ様をじっと見つめる。

 

だが見れば見るほど思う。

 

 

(あた○ん家のお母さんにそっくりだ……)

 

 

とりあえず挨拶することにする。

 

 

「えっと……は、初めまして。皆さんから聞いてると思いますが、並行世界の地球からきた魔導師の……お、大空氷炎と申します。よろしくお願いします」

 

 

俺は頭を下げる。

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

反応はない。

 

しかし俺を観察することはやめない。

 

 

(や、やりづれえええぇぇぇ!!!!)

 

 

気まずくなった俺は頭を上げ、逃げることにする。

 

 

「薫子さんも居ないようなので……すいません。俺はこれで失礼します。さ、さようなら~」

 

 

そしてそそくさと逃げる。

 

すると植物園の入り口で眼鏡をかけた薄い紫色のストレートヘアーの女性とすれ違う。

 

俺と女性の視線が一瞬交差した。

 

だが俺は気にせず、そのまま植物園を後にした。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

(あのとき……すれ違った女性は……まさかな)

 

 

俺は今、希望ヶ花駅に来ていた。

 

一度つぼみ、えりか、いつきに希望ヶ花市を案内されて以降、この駅前にはよく来る。

 

希望ヶ花市は海鳴市とよく似ている。

 

まず自然が豊かで、駅前にも店が豊富にある。そして側に海もある。

 

俺にとっては、とても過ごしやすい町だ。

 

俺は駅前のベンチに座り空を見上げる。

 

外はまだ夕日がさしておりまだ明るい。

 

そうそう。

現在、つぼみ達は夏休みを利用してファッション部の合宿にいっている。

 

時系列としては丁度25話、26話の内容に当たる。

 

内容としては確か25話がつぼみ達が合宿を楽しんでいるところに丁度三幹部と鉢合わせ……

 

26話では確かファッション部のある女子生徒が、いつきと友達になりたいという思いをクモジャキーに利用される内容だったはずだ。

 

俺はその合宿に相棒と久遠の二匹も連れていってもらえるように頼んだ。

 

二匹の気分転換というのもあるが、つぼみ達と仲良くなってもらうという狙いもある。

 

だが真の狙いは別にある。

 

それは三幹部、そしてプリキュアの戦闘データをとってもらうためだ。

 

ここから『プリキュア』vs『砂漠の使徒』の戦いは激化していく。

 

俺も恐らく三幹部やデザトリアンと戦うことがあるかもしれない。であれば、相手の戦闘データがあれば対策を練られる。

 

相手の戦い方、能力、考え方、クセなどデータがあればあるほど……こちらが有利になっていく。

 

それにつぼみ達の戦い方が分かれば、コンビネーションもうまくいくはずだ。

 

 

(まぁ、今は一番注意すべき相手は……ダークプリキュアなんだがな……)

 

 

ダークプリキュアは……

 

 

 

奴だけは要注意だ。

 

 

 

はっきり言って今のつぼみ達では……ダークプリキュアには勝てない。

 

 

 

まず戦闘力が違いすぎる。

 

 

 

つぼみ達が努力し、経験して強くなっていく秀才型なら……奴はダークプリキュアは……まさしく才能だけで強くなる天才型だ。

 

 

 

一度、戦ってみて分かった。

 

 

 

あれは努力や経験で得た強さではない。

 

 

 

完全に己のセンス、才能によるものである。

 

 

 

完璧に自分の力を理解しているからこそできる芸当である。

 

 

 

奴は戦えば闘うほど強くなっていく。

 

 

 

(今度会ったら……フルドライブで挑まないと勝てないかもしれないな)

 

 

 

俺……思いっきりあいつ怒らせてるし。

 

 

 

時計を見ると既に十五分ほど経っていた。

 

 

 

そしてそろそろ帰ろうとすると……

 

 

 

 

 

 

「見つけたぞ」

 

 

 

 

 

 

聞き覚えのある声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

ドクンッ!!

 

 

 

 

 

 

心臓の鼓動が突然速くなった気がした。

 

 

 

 

 

 

「サバーク博士はお前を危険視している」

 

 

 

 

 

 

俺は声のする方を向く。

 

 

 

 

 

 

「突如現れ……この私を策に嵌めたのだからな」

 

 

 

 

 

 

そこには黒色の服装の女性がいた。

 

 

 

 

 

 

「それに貴様には聞きたいことが山ほどある」

 

 

 

 

 

 

背中から片翼の黒い翼を広げる女性がいた。

 

 

 

 

 

 

「悪いが貴様のようなイレギュラーには……」

 

 

 

 

 

 

その女性は俺がこの世界に来たときに戦った相手だった。

 

 

 

 

 

 

「早々に退場してもらおう」

 

 

 

 

 

 

ダークプリキュアが俺の前に現れた。

 




次回は再びvsダークプリキュア。

さてどうなるのか。

では、また(・∀・)ノ

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