大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

できたので投稿。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百三十七話 心の花を守る伝説の戦士Ⅸ

ヒエンside

 

 

 

「ごめんくださーい」

 

 

そんな声が聞こえた。

 

皆で玄関に様子を見に行くと、みつる少年がいた。

 

つぼみがみつる少年に話しかける。

 

 

「みつる君?」

 

 

「お、おう」

 

 

「どうしたの?」

 

 

「お、俺これから午後の稽古があるんだけどさ……もう遅いしさ……」

 

 

「うん?」

 

 

みつる少年は、やや緊張しながら話す。

 

 

「あの……その……こないだ山の中を走ってたらラベンダー畑を見つけたんだ」

 

 

「えぇ!?」

 

 

その言葉につぼみは驚く。

 

 

「お前……花……好きだったろ?だから教えてやろうと思って」

 

 

みつる少年の言葉に、えりかといつきが反応する。

 

 

「そのラベンダー畑ってもしかして」

 

 

「空さんの?」

 

 

「………」

 

 

つぼみは、みつる少年に話す。

 

 

「みつる君!案内してもらっていいですか!?」

 

 

みつる少年は笑顔で答えてくれた。

 

 

「ああ」

 

 

そして俺達はそのラベンダー畑に向かうことになった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

俺達は山道を歩きながら話す。

 

 

「この先の峠を越えたところだ」

 

 

すると後ろから叫び声が聞こえた。

 

 

「う……うわあぁぁぁ!!」

 

 

「おっと……大丈夫か?」

 

 

「あ、はい……ありがとうございますいつき」

 

 

どうやらこけそうになったつぼみを、いつきが支えたらしい。

 

その光景を、みつる少年は複雑そうな表情で見ている。

 

 

「一応念のために言っておくが……いつきはああ見えて女の子だからな?」

 

 

「わ、分かってるよ!」

 

 

「欠片もそんな風に見えない件について」

 

 

「分かってるって言ってるだろ!俺、先に行ってる!!」

 

 

「みつる君!」

 

 

つぼみが声をかけるが、みつる少年は先に走り去ってしまった。

 

 

「はぁ……とりあえず先に追いかけてます!」

 

 

とりあえず俺は先に行ったみつる少年を追いかけるのだった。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

第三者side

 

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……くそっ!!」

 

 

みつるは先にいくらか走り、そして立ち止まり懐からあるものを取り出した。

 

 

「はぁ……ラベンダー畑をきっかけに返そうと思ってたけど……俺、ちゃんと返せるのかなあ……」

 

 

みつるが手に持っていたのは()()()()()であった。

 

みつるが今日、花咲家を訪れたのはつぼみにこの()()()()()を返そうと思っていたからだ。

 

そのとき……

 

 

 

『あらぁ?』

 

 

 

みつるの脳内に声が直接響くような感覚があった。

 

 

「ん?」

 

 

 

ヒュン!

 

 

 

するとみつるの目の前に、突然中東風の衣装のようなものを纏っている女性が現れる。首には黄色の短いマントを羽織っている。

 

 

「うわ!?変な人!?」

 

 

みつるは急に現れた女性に警戒する。

 

だが女性は関係ないとばかりに行動する。女性の目が金色に光る。女性の目にはラベンダーが映っていた。

 

丁度みつるの胸の辺りに

 

 

「悩める少年のこころの花……いい感じに(しお)れてるわ~」

 

 

そして女性は唱える。

 

 

「こころの花よ!出てきてぇ!!」

 

 

「う、うわあぁぁぁ!!!!???」

 

 

すると突如、みつるは光りだし()()()()へと姿が変わってしまった。

 

その中にはラベンダーがあった。

 

 

「デザトリアンのお出ましよおおおぉぉぉ!!」

 

 

女性はこころの花と呼ばれる紫の結晶と、落ちていた木箱を合わせる。

 

すると金色の閃光に包まれ、それは姿を現した。

 

女性の後方に突如、箱型の大きな怪物が現れた。

 

それはデザトリアンと呼ばれる怪物であった。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

ドシイイイィィン!!!!

 

 

 

前方から地響きのような音が聞こえた。

 

俺は直ぐ様走るスピードをあげる。

 

そして走った先には……

 

 

「なっ!?」

 

 

そこには褐色の女性と怪物がいた。

 

怪物は大きく跳躍すると、俺の後方へと高く跳んでいった。

 

すると褐色の女性が俺に気付く。

 

 

「あら?なにあんた?」

 

 

その女性の近くには紫の水晶が落ちていた。

 

俺はすぐに魔力強化で視力を強化する。

 

その中にはなんと、()()()()()()()()()()()

 

それを確認した俺は直ぐ様、目の前にいる女を捕縛魔法で拘束した。

 

 

「な、なによこれ!?」

 

 

そして俺はブリッツアクションを使い、その水晶を回収した。

 

 

「「「ヒエンーー!!!」」」

 

 

すると妖精三人組が現れる。

 

そして俺の持つ水晶に気付く。

 

 

「みつる君がデザトリアンにされたですぅ!?」

 

 

俺はシプレにそれを渡す。

 

 

「シプレ達はこれを持ってつぼみ達にこのことを知らせろ。俺はあいつをどうにかする」

 

 

俺は目の前にいる褐色の女性をにらみつける。

 

 

「一人で大丈夫なんですぅ!?」

 

 

「ああ、大丈夫だ。だから早くいけ。時間がないんだろ?」

 

 

「「「わ、わかったですぅ!(でしゅ!)」」」

 

 

妖精達三匹を後方へと逃がす。

 

すると丁度、褐色の女性が捕縛から逃れたところであった。

 

 

「セットアップ:スピリットフォームrev1(リヴィジョンワン)

 

 

そして俺はセットアップを済ませ、同時に死ぬ気モードとなった。

 

女性は俺の様子を見て眉をひそめる。

 

 

「ん?額の炎に……黒スーツ……あぁ!あんたがサバーク様の言ってた魔導師の男!?」

 

 

「そういうあんたは砂漠の使徒の大幹部、サソリーナ……だろ?」

 

 

俺の言葉にサソリーナが不敵に笑う。

 

 

「あらぁ~私のことは既に知っていたのねぇ~」

 

 

「ああ。これから戦うかもしれない相手の情報収集は基本だ」

 

 

そして俺は構える。

 

 

「悪いがプリキュアの邪魔はさせないぞ。あんたはここで仕留める」

 

 

「ふん。言ってくれるわねぇ。少し力があるからって……あんまり大幹部をなめるんじゃないわよおぉぉ!!」

 

 

そして俺達も激突した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

サソリーナ

 

 

 

砂漠の使徒の三幹部の一人。

 

主な戦闘方法はその長い髪を自在に伸縮させ、ムチ状の武器に使用したり、相手を拘束したりする。

 

髪の先端部の針には猛毒が内包されており、攻撃する際に使用することがある。

 

以前、つぼみ達が行ったファッション部の合宿で対決した際、キュアサンシャインと戦っていた。

 

相棒が撮ってくれた戦闘映像では、サソリーナ自体も格闘は行っていた。

 

俺が分析するに、現時点でのプリキュアと三幹部のパワーバランスは個人戦闘に限れば拮抗しているように思える。

 

 

 

「はぁあああ!」

 

 

サソリーナがこちらに突っ込んで拳を放ってきた。

 

俺は冷静にそれを化剄で受け流していく。

 

連続パンチや蹴りなどが放たれるが超直感で感知しかわしていく。

 

そして分析していく。

 

 

(攻撃のスピードやパワーは明らかに……人間の出せる限界を軽く超えている……)

 

 

そして俺もカウンターで拳を繰り出すが簡単に受け止められる。

 

 

 

バシン!

 

 

 

「甘いわぁ!!」

 

 

そして強烈な前蹴りが放たれるがクロスガードで受け止める。

 

 

 

ドゴン!

 

 

 

数メートル後ろに吹き飛ぶ。

 

 

「そこおぉ!!」

 

 

するとサソリーナは自身の髪を自在に操り、ムチのようにしならせこちらへ放ってきた。

 

俺は両手のグローブに炎を灯し前に噴射することで後ろへと下がっていく。

 

するとサソリーナも猛スピードでこちらに追随してきた。

 

そして左右の髪を操り、二本のムチで挟むように攻撃してくる。

 

俺はブリッツアクションを発動させ、その場から消えるように離脱する。そしてサソリーナの上に回り込むと、オレンジの砲撃をお見舞いした。

 

 

「ちっ!?」

 

 

サソリーナは舌打ちをするとその場から消えるように離脱する。

 

そして再び俺の前に現れ、拳を繰り出す。

 

俺もグローブに炎を灯し、拳を放つ。

 

 

 

ドゴオオオォォォォンン!!!!!

 

 

 

俺とサソリーナの拳が激突する。

 

今度はこちらから攻撃する。

 

 

火炎の乱打(フレイムラッシュ)!」

 

 

連続で炎の連打を放つが、サソリーナも同じように拳を放ち相殺させた。俺は今度は回転するように横蹴りを放った。

 

 

火炎の爆撃(フレイムブラスト)!」

 

 

だが炎を纏った蹴りはガードされる。

 

 

「ふっ!かかったわねぇ!!」

 

 

「なに!?」

 

 

俺はすぐに離れようとしたがそれは叶わなかった。いつの間にか俺の右足にサソリーナの髪が巻かれていたからだ。

 

俺はブンブンと勢いよく振り回され、地面へと投げ飛ばされた。

 

 

 

ドヒュン!!

 

 

 

俺は地面に激突する前に、炎を逆噴射して落下スピードを抑え、無事に着地することに成功する。

 

そしてすぐにその場から離脱する。

 

 

 

ヒュヒュヒュ!!!

 

 

 

サソリーナの髪が槍のようにこちらに放たれたからだ。

 

 

「ヒエンさん!!」

 

 

そのとき声が聞こえた。

 

 

俺が目を向けるとそこには木箱のデザトリアンと戦っているブロッサム、サンシャイン、そしてなぜか爆睡して眠っているマリンの姿があった。

 

 

「『花咲……俺は……』」

 

 

「みつる君……」

 

 

そのときデザトリアンが話す。

 

いや、あれはみつる少年か。

 

そのとき……

 

 

「はいはい。つまんない話はそこまでよおぉ~」

 

 

サソリーナが木の上に姿を現す。

 

 

「そいつと戦いながら話は聞いてたけど……要するにウジウジ悩んだけどオルゴールを渡せなかったってだけのことでしょ?ダメな奴よ~」

 

 

俺はその発言を聞いたとき、既に砲撃を放っていた。

 

 

 

ドゴオオオォォォォンン!!!!!

 

 

 

「!?」

 

 

サソリーナは間一髪かわす。

というか、あいつ俺と戦っているにも関わらずにデザトリアンの声が聞こえていたのか。それだけでも人間を越えている。

 

 

「ちょ、ちょっと危ないじゃないのよ!!」

 

 

「黙れ。あの子はダメな奴なんかじゃない」

 

 

「そうです!みつる君はダメなんかじゃありません!!」

 

 

俺の言葉にブロッサムが合わせる。

 

 

「人は悩みながら成長していくんです!そんな心を利用して……デザトリアンにするなんて……」

 

 

そしてブロッサムは、己の武器であるブロッサムタクトを構えた。

 

 

 

 

 

 

「私、堪忍袋の緒が切れました!!」

 

 

 

 

 

 

「はっ!」

 

 

そしてブロッサムは華麗に踊るようにタクトを振り、ピンク色のエネルギーをタクトの先端に収束させる。

 

 

 

「花よ輝け!プリキュア・ピンクフォルテウェイブ!!」

 

 

 

ピンクの花の形をしたエネルギー弾が勢いよく木箱のデザトリアンに放たれる。

 

そして見事直撃した。

 

その直後……デザトリアンの背後に大きな桜の花びらが投影される。

 

 

「はぁあああああ!!!!!」

 

 

するとブロッサムはタクトの中心にあるドームを回転させる。

 

 

(あれは……あのドームを回転させて力を送っているのか?)

 

 

おそらくあれで力を送り込み、デザトリアンを直接浄化していると思われる。

 

 

「ぽわわわわああ~~」

 

 

そしてデザトリアンは浄化され、消滅していった。

 

 

 

 

 

 

デザトリアンは消滅し、元のオルゴールに戻った。

 

 

「ふん!次は必ず倒してやるわよおぉ!!」

 

 

そしてサソリーナが姿を消そうとしたとき……俺に目を向けた。

 

 

「魔導師のあんた!いいこと教えてあげるわぁ!!」

 

 

「なんだ?」

 

 

俺は少し警戒しながら話を聞く。

 

 

「あんた、こないだダークプリキュアから襲撃を受けて、見事退けたみたいだけど……あまりいい気にならないことねえぇ」

 

 

「…………」

 

 

「サバーク博士やダークプリキュアはあんたのことをかなり警戒しているみたいだけど……あんたはプリキュアのついでに、か・な・ら・ず!!私が倒してあげるわあぁ!!!!」

 

 

そう言ってサソリーナは姿を消した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

見事デザトリアンからみつる少年を解放した俺達はその足で、目的地のラベンダー畑を目指した。

 

気絶しているみつる少年は俺がおぶっている。

 

目的地には意外とすぐにたどり着いた。

 

そして……

 

俺達はその美しい光景に目を奪われた。

 

 

「「「「「………………」」」」」

 

 

辺り一面にラベンダー畑が咲き誇っていた。

 

 

言葉が出てこなかった。

 

 

美しい……。

 

 

その一言に限った。

 

 

俺はみつる少年をゆっくり下ろすと、隣にいたつぼみにあるお願いをする。

 

 

「つぼみ」

 

 

「はい?」

 

 

「みつる少年に膝枕してやってくれ」

 

 

「…………はい?」

 

 

つぼみが首を傾げる。

 

 

「ほら、つぼみが無くしたと思ってたオルゴールもみつる少年が取っててくれたし、薫子さんが気になっていたラベンダー畑もみつる少年が見つけてくれた。それにデザトリアンにされても頑張ってたし……そのご褒美ということで」

 

 

「は、はあ。私の膝なんかでよろしければ……」

 

 

そしてつぼみは地面に正座し、みつる少年の頭を自身の膝に乗せた。

 

それを見た俺は満足したように下がる。

 

するとエリカが側によってきた。

 

 

「ねぇねぇヒエンさん?どうしてつぼみに膝枕させたの?」

 

 

「そりゃ、みつる少年はつぼみと薫子さんの恩人だからな。これくらいのお礼はあってもいいだろ?」

 

 

「…………本音は?」

 

 

「目を覚ましてからの、慌てた姿がとても見たいです」

 

 

「ぷっ。あははははは」

 

 

するとエリカが笑いだした。

 

 

「確かに!」

 

 

「だろ?」

 

 

「それが目的なんですか……」

 

 

側で俺達の話を聞いていたいつきが呆れていた。

 

俺達はしばらく談笑していたが……

 

 

「うっ……」

 

 

みつる少年が目を覚ました。

 

ジーッと見つめるつぼみと目が合うみつる少年。

 

 

「気が付きましたか?」

 

 

「花咲……」

 

 

まだぼんやりしていて事態が飲み込めていないようである。

 

だが段々と理解できてきたのか、その顔が沸騰したヤカンのように真っ赤になった。

 

 

「う、うわあぁ!?」

 

 

そして飛びずさった。

 

 

「フハハハハ。作戦成功(゜▽゜*)」

 

 

すると頭の上にいる久遠からペシペシ叩かれる。

 

なんでやねん。

 

 

「ここね?みつる君の言ってたラベンダー畑……」

 

 

すると薫子さんがみつる少年に話しかける。

 

 

「きれいですね……」

 

 

つぼみが、みつる少年の隣に立つ。

 

 

「…………」

 

 

だがみつる少年は、隣に立つつぼみに見惚れて何も言わない。

 

 

「そこは君の方がかわいいよ……とか言わないと。なあ久遠」(小声)

 

 

「くぅ~」

 

 

俺は久遠に小声で話しかける。久遠も『そうだねぇ』みたいな反応をする。

 

そしてみつる少年はやがて決意したような表情となった。

 

 

「は、花咲!これ!!」

 

 

みつる少年の手にはオルゴールがあった。

 

 

「引っ越しの車に落ちてたのを拾ってくれてたんですね」

 

 

「え?どうしてそれを?」

 

 

「まあまあ……いいじゃない」

 

 

驚くみつる少年を皆で生暖かく見守る。

 

 

「みつる君!ありがとうございます!!」

 

 

そしてオルゴールを持つみつる少年の手と、つぼみの手がわずかに触れる。

 

 

「あ……は、はな……さき……」

 

 

そしてみつる少年は、ジッと見つめるつぼみから視線を少し離しながらも何かを話そうとする。

 

 

「みつる君?」

 

 

つぼみはキョトンとした表情でそのまま見つめる。

 

 

「お、おれ……お……おれ!」

 

 

「ん?」

 

 

みつる少年は顔から冷や汗を流す。見間違えでなければ半泣きになりそうにも見える。

 

 

そのとき……

 

 

タイミングを見計らったようにオルゴールが鳴り響いた。

 

 

「♪~~♪~~♪」

 

 

優しい音色が聴こえる。

 

 

「はぁ……」

 

 

そのとき薫子さんから少しため息がはかれた。気のせいでなければ目が潤んでるようにも見える。

 

恐らく空さんの事を思い出しているのだろう。

 

 

「そうだ……さっきは何を?」

 

 

「いや……いいんだ。なぁ花咲」

 

 

そしてみつる少年は背をむけながら話す。

 

 

「?」

 

 

つぼみは首を傾げる。

 

みつる少年は振り返る。……その顔からは少し涙が流れていた。

 

そして泣きながら言った。

 

 

「また!会えるよな!!」

 

 

つぼみは少し驚きながらも……笑顔で答えた。

 

 

「ふふ。もちろんです!!」

 

 

二人は楽しそうに笑いあっていた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

(これで良かったのかもな……)

 

 

俺はその様子を少し離れたところで三匹の妖精と久遠とで眺めていた。

 

隙を見計らってちょっと離れたのだ。

 

 

「ラベンダーの花言葉は『わたしは待っています』ですぅ」

 

 

「つぼみにも、みつる君の想いが伝わったみたいですぅ」

 

 

シプレとコフレが話している。

 

そういえばラベンダーの花言葉ってそんな意味だったか。

 

するとシプレがブルブルと震えだす。

 

 

「どうしたシプレ?トイレか?」

 

 

「こころの種が生まれそうですぅ!!」

 

 

「はい?」

 

 

シプレのブローチが金色に光だす。

 

 

「はっ!プリプリプリ……プリリリーン」

 

 

するとシプレのお尻から紫色の種が産み出された。

 

そしてコフレがココロポットというこころの種を保管するところに入れた。

 

 

「これでまた少しこころの大樹が元気になったですぅ」

 

 

二匹は満足そうに言うが俺は別のことを考えていた。

 

 

(え?こころの種ってやっぱり妖精のお尻から出てくるの?え、それってつまり……)

 

 

「くぅ!!」

 

 

すると俺の邪な考えが伝わったのか頭の上にいる久遠からペシペシと叩かれる。

 

 

「う、うむ。すまん」

 

 

「くぅ」

 

 

『分かればよろしい』みたいな反応で久遠は叩くのをやめる。

 

そして俺は久遠を頭の上に、妖精三匹を肩に乗せつぼみ達のところへと戻っていく。

 

みつる少年は結局……つぼみに想いを伝えなかった。

 

なぜ彼がそんな選択をしたのかは分からないが……

 

彼自身がそう決めたのだから他人の俺がどうこう言う権利はない。

 

 

(わたしは待っています……か)

 

 

俺がその場へ戻ると、薫子さんがラベンダー畑をじっと見つめていた。

 

薫子さんは俺の姿に気付くとジッと指を差す。

 

そこにいたのは大きく手を振る皆の姿だった。

 

俺と薫子さんは笑いながら合流したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の午後……

 

 

俺達は花咲家にて夕食を取っていた。

 

すると向かい側にいるつぼみが話しかけてきた。

 

 

「そういえばヒエンさん……」

 

 

「うん?どうしたー?」

 

 

俺はコロッケをムシャムシャと食べながら話す。

 

 

「サソリーナが言ってたことは本当ですか?」

 

 

「うん?サソリーナ?」

 

 

俺は前を見た。

 

しかしすぐに逃げたくなった。

 

なぜなら……

 

 

 

 

 

 

「ダークプリキュアから襲撃を受けたって聞きましたけど……本当なんですか?」

 

 

 

 

 

 

つぼみさんの目のハイライトが消えていたのだからorz

 

 

「あー!そういえばそんなこと言ってたっしゅ!!」

 

 

「そういえば……言ってたね」

 

 

えりかと、いつきも思い出したのか声を荒げる。

 

 

「そういえば……」

 

 

薫子さんが話す。

 

 

「つぼみ達が合宿行ってるころかしら?珍しくコッペが海の方をずっと見てたのよ?

 

 

「…………」

 

 

「そういえば……ヒエン君もあのとき珍しく帰りが遅かったわね

 

 

「…………」

 

 

 

え?

なにこの四面楚歌?

 

俺はなんとか話す。

 

 

「あははは。そんなのサソリーナの勘違いに決まってるじゃないですか……」

 

 

「ホントですか?」

 

 

「ホントホント」

 

 

「じゃあ、あれはなんですか?』

 

 

「え?あれ?」

 

 

そこに映っていたのはダークプリキュアと俺が海で戦う戦闘映像であった。

 

 

「Oh……」

 

 

「ガゥ」

 

 

AIBOーーーーーーー!!!!!!!

 

 

「ヒエンさん……どうしてウソなんてついたんですか?」

 

 

「えっと……男のプライド?」

 

 

「私、堪忍袋の緒が切れました」

 

 

「え、いやいつも結構な頻度で切れてる……」

 

 

「今日は今週分の課題……一緒に勉強しましょうね♪」

 

 

「え?いや今週の課題はもう終わって……」

 

 

「ウソ……つきましたよね?」(ニッコリ)

 

 

「どうもすいませんでした」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すっかり尻に敷かれてるっしゅ」

 

 

「あははは。でもつぼみ楽しそうだよ?」

 

 

「彼が来てから楽しいわねぇ~」

 

 

その日、俺は0時までにはつぼみの出した花の課題を終わらせたのだった。

 




次回は少し時間飛ぶかも。

では、また(・∀・)ノ

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