大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

今日から八月ですね。

夏真っ盛りですね。まさにダイエット日和である。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百四十二話 心の花を守る伝説の戦士XIV

第三者side

 

 

 

「この公園全部!はるか達のお家だよおぉ!!」

 

 

「広いでしゅ~!すごいでしゅ~!!」

 

 

少女はるかと、妖精ポプリは公園の中を元気に走り回っていた。

 

 

冷水機の前では……

 

 

「水でしゅ~」

 

 

「ここは台所~」

 

 

 

ブランコの前では……

 

 

「このブランコ、はるかのお部屋~」

 

 

「じゃあ隣はポプリのお部屋でしゅ~」

 

 

 

鉄棒の前では……

 

 

「これはなんでしゅか~?」

 

 

「これは洗濯物干すところ~」

 

 

 

滑り台の前では……

 

 

「ここは二人のベッドね~」

 

 

「でしゅ~」

 

 

 

「「あははははは!!!!」」

 

 

二人は楽しそうに笑い合う。

 

 

 

しかし……

 

 

 

ゴロゴロ……

 

 

 

ゴロゴロ……

 

 

 

突如、晴れていた天気が曇り始めた。

 

 

 

「あ……」

 

 

 

一雨降ることを察したはるかは、ポプリを抱いて土管の中へと避難した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザーザー……

 

 

 

ザーザー……

 

 

 

「ポプリー!ポプリー!」

 

 

激しく雨が降る中、いつきはポプリを必死に探し回っていた。

 

 

「「いつきー!!」」

 

 

「つぼみ!えりか!」

 

 

そのとき前方から二人が走ってくる。

 

 

「見つかった!?」

 

 

「まだです……」

 

 

「そうか……はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

いつきは息を切らせていた。

 

学校が終わってからかれこれ一時間は走りっぱなしだったのだ。

 

 

「いつき……ずぶ濡れ……」

 

 

「はぁ……はぁ……僕のせいだ。僕がもっとポプリの気持ちを考えてあげてたら……」

 

 

「いつき……」

 

 

つぼみと、えりかは心苦しそうにいつきを見る。

 

 

「私達もう一度、植物園の周りを探してみるよ!!」

 

 

「すまない。僕はもう少しこの辺りを探してみるよ!!」

 

 

そしていつきは走っていく。

 

 

「いつき!傘ーーーーーっっ!!!!」

 

 

えりかの声は既に聞こえていないのか、いつきは目もくれずあっという間に走り去ってしまった。

 

 

「いつき……」

 

 

つぼみはポツリと呟き、いつきの背中を心配げに見つめていた。

 

 

(ポプリ……ポプリ……)

 

 

いつきはポプリがいそうなところを、がむしゃらに走って探し回るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃……

 

月影ゆりは同じクラスの親友……来海(くるみ)ももかが傘を持っていなかったため、家まで送っていた。

 

 

「ごめんねゆり……送ってもらっちゃって」

 

 

「いいのよ。貴方が風邪を引くとたくさんの人が困るでしょ?」

 

 

「ありがとう。じゃあ、また明日ね!」

 

 

「ええ」

 

 

ゆりはももかが家の中に入るのを見送った後、(きびす)を返す。

 

そして帰り道であるいつもの公園に差し掛かったころ……

 

 

「雨やまないね……」

 

 

「でしゅ……」

 

 

小さな声が聞こえた。

 

 

(あら?)

 

 

耳を澄ませると……黄色い土管から話し声が聞こえてきた。

 

 

「ポプリ!公園に住むんだから雨のお風呂に入ろっか!!」

 

 

「冷たいお風呂は、や~でしゅ……」

 

 

「うん……はるかも……」

 

 

ゆりは静かに黄色い土管へと近付いていく。

 

 

 

スタスタスタ……

 

 

 

土管の中に入っているはるかはその足音に気付く。

 

 

「あ、お母さんだ!」

 

 

そして意気揚々と土管から覗いたが……

 

 

「おかあ……」

 

 

別人だと気付き、顔を俯かせた。

 

 

「はっ!ゆりしゃん!!」

 

 

そしてはるかに抱えられているポプリも様子を見に来たゆりに気付いたのだった。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

雨が降るなか俺は未だにサーチャーで探していた。

 

探し始めて一時間ほどが経ったが……未だにポプリは見つけ出せていない。

 

途中で雨が降ってきたので、防御結界魔法ラウンドガーターでガードしながら探す。

 

そしてさらに探すこと十五分……遂にサーチャーに反応があった。

 

 

「!?」

 

 

俺はすぐにキーボードを出し、モニターに出す。

 

 

「見つけた!」

 

 

「「ほんとですぅ!?」」

 

 

「ああ。どうやら誰か一緒にいるようだ。えーっと……幼稚園児の女の子に……メガネをかけた女性と一緒だな」

 

 

そう言いながらシプレとコフレにも見せた。

 

 

「「キュアムーンライトと一緒ですぅ!!」」

 

 

「はい?」

 

 

え?マジで??

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

第三者side

 

 

 

「そう……。だからあなた達は家出したの……」

 

 

その頃、ゆりは二人から話を聞いていた。

 

 

「うん……」

 

 

「でしゅ……」

 

 

ゆりは優しい表情をしながら二人に話す。

 

 

「ふふ。でもポプリ、一人で出歩くのは良くないわ……」

 

 

「ふ~?」

 

 

ゆりの言葉にポプリは首を傾げる。

 

 

「だってあなた……はるかちゃんに見つかってしまってるじゃない」

 

 

「ぶぅ~はるかは良い子だからいいんでしゅ~」

 

 

「じゃあもし悪い子に見つかってたらどうするつもりだったの?」

 

 

「ぷぅ~」

 

 

ポプリはゆりの質問に答えられず、拗ねてしまう。

 

 

「はるかちゃん?」

 

 

「うん?」

 

 

ゆりは今度ははるかに話しかける。

 

 

「あなたのお父さんとお母さんも忙しいと思うけど、あなたのことをどうでもいいなんて思ってないと思うわよ?」

 

 

「そうかな……」

 

 

「ええ」

 

 

ゆりは優しげに笑う。そのとき……

 

 

「ゆりしゃんに何が分かるでしゅか!!」

 

 

ポプリがゆりに吠える。ポプリにとってはゆりは今回の事に関しては全く関係がない。なので吠えたのだが……

 

 

「分かるわ……」

 

 

ゆりの()()()()()()()()()()()に言葉が続かなかった。

 

 

「「え……」」

 

 

「あなた達がいなくなると……凄く悲しむ人達がいる……」

 

 

「「…………」」

 

 

しばらく沈黙が場を支配したが、ゆりは二人に優しく笑いかけ言った。

 

 

「帰りましょう」

 

 

「うん……」

 

 

「はいでしゅ……」

 

 

二人はゆりの傘の中に大人しく入ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃……

 

希望ヶ花市の()()()()()、白衣を着た青髪の男が立っていた。

 

 

「はぁ~……いつもなら忌々しい雨も今日ばかりはありがたい。ボクの悲しみを洗い流してくれる……」

 

 

その男は自分に酔っていた。

 

その男が愛するものは美しさであった。

 

男の名はコブラージャ。

 

砂漠の使徒の最後の三幹部の一人にして大幹部。

 

今日はこの男がプリキュアを倒すためにやってきた。だが少々……機嫌が悪いようだ。

 

 

「ボクの化粧品を捨てるとは……あの赤髪の野蛮人め!美しさの欠片もない!!」

 

 

どうやらクモジャキーに、彼が大切にしていた化粧品を捨てられたらしい。

 

 

「はるかー!はるかー!!」

 

 

そのとき女性の声が聞こえた。

 

 

「あ?」

 

 

「はるかー!はるかー!!」

 

 

「あれは?」

 

 

コブラージャはメガネ型の双眼鏡を取り出すと女性のこころの花を覗いた。

 

コブラージャの目には、バーベナが映っていた。そのこころの花は少しだけ枯れていた。

 

 

「ふっ」

 

 

それを見たコブラージャは不敵に笑ったのだった。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

俺達は橋の側にある河川敷の上を飛んでいた。

 

シプレ&コフレ曰く、「ポプリがキュアムーンライトと一緒にいるですぅ!!」と言っていたので時間短縮のために空から向かっていた。

 

ちなみに二匹には炎の物(ファイアオブジェクト)で出した超ミニサイズのカッパを着せている。さすがに濡れたまま行かせるのは気が引けるし、風邪を引かれても困るからだ。

 

一応、念のために二匹の上に縮小サイズの防御結界魔法ラウンドガーターをさらに傘代わりにしている。

 

ちなみに久遠は俺の頭の上に乗っており、こちらも傘がわりにラウンドガーターをかけている。

 

俺はバリアジャケットに変身しているため問題ない。バリアジャケットは魔力攻撃や衝撃、熱変化などある程度環境にも対応するようにできている。

 

 

「はるかー!!はるかー!!」

 

 

すると突然、女性の声が聞こえた。

 

下を見ると娘を探しているのだろうか?必死に叫ぶ女性の姿があった。

 

さらにその前の方には、傘を持って小さな幼稚園児くらいの女の子と歩いている学生服の女性に気付く。

 

その女性はメガネをかけており、少し薄い紫色のストレートヘアーの女性だった。

 

 

「「ムーンライトですぅ」」

 

 

「あの人か」

 

 

俺達は上空から静かに近付いていく。

 

すると会話らしきものが聞こえた。

 

 

「お母さん……」

 

 

「迎えに来てくれたのね」

 

 

どうやら幼稚園児の女の子がはるかという少女らしい。するとはるかちゃんは女性の制服をキュッと掴む。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「お母さん……怒るもん」

 

 

すると会話終了のタイミングを見計らって二匹が声をかける。なんて空気の読める妖精なんだろうか?

 

 

「「ポプリ~」」

 

 

「シプレ!コフレ!あ、ヒエンも一緒でしゅ!」

 

 

二匹はメガネの女性の前にいく。

 

俺は少し離れた距離で降りる。

 

メガネの女性はこちらを一瞬驚いた様に見たのも束の間、観察するかのようにジーっと見てくる。

 

はい。

物凄くやりづらいですorz

 

 

「良かったですぅ。ポプリがムーンライトと一緒にいるところを見たときは安心したですぅ。ムーンライトが見つけてくれたですぅ?」

 

 

「偶然ね」

 

 

「「ありがとうですぅ!!」」

 

 

とりあえず俺は話が落ち着くまで黙っておくことにする。

 

 

「いちゅきは……いちゅきはどこでしゅか!?」

 

 

「あ、いつき達は学校に行ったですぅ」

 

 

「コフレ達が代わりにポプリ達のこと探してたですぅ」

 

 

「そうでしゅか……」

 

 

ポプリは少し落ち込んだ表情をする。

本心としてはいつきに見つけてほしかったのだろう。

 

だがいつきのことだ。

今頃、必死になって探し回っている頃だろう。

 

そのとき……

 

 

 

「な、なんですかあなた!?」

 

 

 

そんな声が聞こえた。

 

 

「「へ??」」

 

 

シプレ&コフレがつい声を出す。俺も釣られて見ると二人の男女が話していた。だが様子がおかしい。

 

 

「悲しみに(しお)れるこころの花……今のボクにピッタリだよ!」

 

 

「「コブラージャですぅ!!」」

 

 

シプレ&コフレが手をバタバタさせながら慌てる。

 

待て……

コブラージャだと?

だとすれば!?

 

 

「こころの花よ!出てくるがいい!!」

 

 

「キャアアアアアアア!!!!!!」

 

 

コブラージャは能力を発動させると女性は光りに包まれる。そして女性の身体が()()()()()へと変化する。

 

そして結晶の下についている()()()()()を弾き飛ばすとコブラージャは結晶を掲げた。

 

 

「デザトリアンの!お出ましだ!!」

 

 

すると電柱型の巨大デザトリアンが生み出された。

 

 

「『デンチュウ~~!!』」

 

 

「ちぃ……つぼみ達もいないこんなときに!?」

 

 

そして俺が飛び出そうとすると……

 

 

「そこのあなた!一緒に来なさい!!」

 

 

「え、いや俺は……」

 

 

「いいから来なさい!!」

 

 

「はい……」

 

 

そしてメガネの女性は、はるかちゃんを抱えると逆方向へと物凄いスピードで走り出す。

 

おいおい……はるかちゃんを抱えてるのにすげぇな。

 

50m走……6秒は楽にいけるんじゃないか?

 

 

「お母さん……お母さん……」

 

 

はるかちゃんが泣きながらデザトリアンにされたお母さんに手を伸ばす。だが……今は逃げるのが先決だ。

 

一般人がいるこの状況では撤退する方が正しい。

 

 

「『デンチュウ~!!』」

 

 

しかし電柱型デザトリアンは俺達の前に跳躍して回り込んできた。

 

うん。

分かってた。

 

なので俺は即座に行動した。

 

 

形態変化(カンビオフォルマ) 攻撃形態(モードアタッコ) 死炎の手甲(ミテーナ・ディ・ヒート)!」

 

 

そして死ぬ気モードになり炎の質を剛へと切り替え、技を放った。

 

 

剛炎の加速(ブレイズアクセル)!!」

 

 

 

ドゴオオオオォォォンン!!!!!!

 

 

 

そして俺は勢いよく電柱型デザトリアンを殴り飛ばした。デザトリアンは後方へと吹き飛んでいく。

 

 

「ヒエンさん!」

 

 

するとそこにいつきがやってきた。

 

恐らくこの近辺を探し回っていたんだろう。

 

 

「いつきか……そこにポプリがいるって……今はそんな場合じゃない!?」

 

 

俺は指示を出す。

 

 

「いつき!あとそこのメガネ文系女子!下に回り込め!あいつの相手は俺がする!!」

 

 

「は、はい」

 

 

「え、ええ」

 

 

二人は河川敷に降り、橋の下へと避難した。

 

そこにシプレ&コフレが寄ってくる。

 

 

「一人で大丈夫ですぅ?」

 

 

「ああ、大丈夫だ。シプレとコフレは、つぼみとえりかを呼んできてくれ。二人とも植物園の近くにいるはずだ。こっちに来るときにサーチャーに反応があったから確かだ」

 

 

「「合点ですぅ!!」」

 

 

二匹は植物園の方角へと飛んで行った。

 

 

「久遠は……」

 

 

「くぅ!!」

 

 

久遠は俺の頭から離れないといった意思表示を見せる。

 

 

「そうか。じゃあこれだけ言っとくぞ。振り落とされるなよ!!」

 

 

そして俺は両手のグローブから炎を噴射し、目の前のデザトリアンに突撃した。

 




次回は電柱型デザトリアンと対決。

では、また(・∀・)ノ

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