書けたので投稿。
最後は流れである人と戦うことに。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
第三者side
ゆり、いつきは橋の下へと避難していた。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
いつきは壁に手をつきながら息を切らせていた。
(いちゅき……びしょ濡れでしゅ。もしかして……ポプリを探してたせいで……)
そのときいつきの視線がポプリに向いた。
「う……」
ポプリは怒られると思い、恐怖から目を閉じた。
だが感じられた感触は……抱き締められる感触であった。
「ポプリ……無事で良かった……」
「いちゅき……」
「僕がもっとポプリの気持ちを真剣に考えてあげなくちゃいけなかった……ごめんね……」
「うぅ……いちゅき……ごめんなしゃいでしゅ~~……えーん!!」
いつきの言葉にポプリは泣き出してしまった。
ポプリはいつきが自分のことを嫌っていると勘違いしていたのだが……ここでようやくその誤解が解けたのだった。
抱き締め合う二人。
妖精二匹はそれを嬉しそうに見ており、少女はるかは少し羨ましそうにその光景を見ていた。
だが一人だけ……厳しい視線でそれを見ている人物がいた。
「そう……あなたがポプリのパートナー……第三のプリキュアなのね……」
キュアムーンライト……月影ゆりであった。
いつきはゆりの視線に気付く。
「あなたは……?」
「ゆりしゃんは……キュアムーンライトでしゅ」
そこでポプリがいつきに説明する。
「あなたが……キュアムーンライト!?」
いつきは驚くが、ゆりは厳しい視線をやめない。
「あなたは今……一歩間違っていればパートナーの妖精を失うところだったのよ」
「あぁ……」
いつきは事の重大さにようやく気がついた。
先程でもデザトリアンの攻撃でポプリがやられていてもおかしくなかったのだ。
「それを忘れないで」
「はい……!」
ドゴオオオオォォォォンン!!!!!!
そのとき爆音が響いた。
二人は音がした方に目を向ける。
そこには電柱型デザトリアンと
第三者side end
◆◆◆
ヒエンside
俺は目の前の電柱型デザトリアンの後ろから回り込み、もう一発、
あまり前の方に殴ると、橋があるため人が通る可能性がある。下は河川敷になっているため、人はいない。
デザトリアンを倒すには丁度いい。
「『デンチュウ~~!!』」
俺は
デザトリアンは起き上がると、連続パンチを放ってくる。
俺は両手にラウンドシールドを展開させると、その拳をシールドで受け流す。
そして頭の上にいる久遠に指示を出す。
今なら雨が降っているため、電気も通りやすいはず!!
「久遠!あいつに
「くぅ!くおおおおおおん!!」
久遠は身体から青白い電撃をスパークさせると、それをデザトリアンへと放った。
「『デン……チュウ』」
デザトリアンはそれをくらうが耐える。そして両手を合わせ巨大なハンマーのようなものに変形させた。
「はぁ!?電柱に変形機能なんてあるのかよ!?」
俺は
「くぅ……」
「大丈夫か久遠!?」
だが頭の上にいる久遠が少し辛そうに鳴いていることから、高速で動くのはやめた方が良さそうだ。
考えてみればそうか。
高速で動くということはそれだけ強大なGがかかる。
小さな身体の久遠には相当な負荷がかかる。
「『デンチュウ~~!!』」
するとデザトリアンは大きく跳躍しながら、全長10mはあろうかという巨大なハンマーを振り下ろそうとしていた。
ええい!
こうなったら練習してたあれを使うしかない!
巨大モンスターには巨大モンスターだ!!
俺は地面に手をついてある魔法を使った。
「こい!!
イメージするのは、『リリカルなのはvivid』に出てくるコロナ・ティミルが使う魔法、ゴーレム
ゴゴゴゴゴゴ………………
地面から約10mはあろうかというゴライアスに似た……巨大な氷のゴーレムが俺と久遠を守るように現れた。
そしてデザトリアンのハンマーを巨大な氷の腕で受け止める。
ドシイイイイィィィィンン!!!!!!
日曜日の朝8:30から少女達が戦うアニメとは思えないほどの超暑苦しい展開であるが……こちとら必死に戦っているのだ。泣き言を言っている暇はない。
「よし!いけゴライアイス!!」
ゴライアイスはデザトリアンに殴りかかる。ちなみに名前の由来は氷で作ったゴライアスだからゴライアイスである。
ドゴオン!!
ドゴオン!!!!
ドゴオン!!!!!!
両者は激しく殴り合うが、パワーとスピードではデザトリアンの方が上なのか徐々にゴライアイスが押されていく。
くそ!
やはり初めて作ったから所々作りが甘いか!?
俺は逆転するために起死回生の一手を打った。
これぞ男の……いや漢のロマン!!
「ゴライアイス!ロケットパンーーチ!!」
ゴライアイスの右腕がグルグルと回り始め勢いよく発射した。
ドオオオオオォォォォ!!!!!!
そしてデザトリアンに直撃した。
勢いよくデザトリアンを押していくが……なんと真っ正面から受け止めたのだ。
俺は追加攻撃を放った。
「ゴライアイス!もう一発ロケットパンチ!!」
今度は左腕がグルグルと回り、再度デザトリアンへと放つ。
そしてゴライアイスの両腕が直撃したのだが……デザトリアンの目が突如赤く光った。
すると急にパワーが増しゴライアイスの両腕を砕いてしまったのだ。
「なにっ!?」
そしてデザトリアンは四足歩行で勢いよくこちらへ来ると、両腕の失ったゴライアイスを粉々に砕いてしまった。
そして俺と久遠を視界に入れると巨大な拳を放とうとしてきた。
俺はかわそうとしたが…………
「はぁああああああ!!!!!!」
変身を終えたサンシャインがデザトリアンに飛び蹴りをかました。
そして華麗に着地するとこちらに目を向けた。
「遅くなってすみません」
「もういいのか?」
「はい!」
すると……
「『デンチュウ~~!!!!!!』」
デザトリアンが四足歩行で速いスピードでこちらへ向かっていた。
「いきます!」
それを見たサンシャインも真っ直ぐにデザトリアンへと向かっていく。
二人は一気に100mくらい跳躍すると、激しい空中格闘戦を繰り広げる。
サンシャインはデザトリアンが放つパンチやキックを受け流しつつ、強烈な攻撃を放つ。
そして両手に金色のエネルギーを収束させると、さらに破壊力をあげた攻撃を繰り出す。
ドドドドドドッッッッッッ!!!!!!
デザトリアンの腹に残像に見えるようなスピードで連撃を放つ。
改めてみるが……
プリキュアの力は凄まじい……。
確かにプリキュアのパワーや、スピード、ディフェンス能力などはすごい。
だが真に凄まじい理由は他にある。
それがプリキュアの変身能力の根底、【能力の向上&強化】である。
武道をやっているいつきはともかく……つぼみや、えりかは恐らくケンカすら一度もしたことがないだろう。
だがこの二人はプリキュアとして戦えている。
普通に戦えている。
俺達魔法を使う魔導師でもある程度、
これは俺の推測になるのだが……
プリキュアに変身すると強化されるのはパワーや、スピード、ディフェンス能力だけでなく、戦闘感覚やセンスなども同時に強化されるのだろう。
つまりプリキュアに変身して戦っている少女達は、己の内に秘められた能力や、才能を限界以上に解放して戦っているのかもしれない。
変身すると全ての能力が向上するのは分かるのだが……まさか戦う感覚まで上がるとは凄まじいものがある。
「はぁああああああ!!!!」
サンシャインは両足に金色のエネルギーを収束させ、斬撃の如く放った。
「『デ、デンチュウ~』」
デザトリアンはダメージを受けたのか苦しそうにしている。だが……
「はっ!?」
サンシャインに顔を近づけると、目から赤いビームを放った。
「うわあぁ!?」
ドボオオオオォォォンン!!!!!!
赤いビームを食らったサンシャインは川へと吹き飛ばされる。
するとデザトリアンは真っ直ぐに向かっていった。
「ちっ!?久遠少しスピードあげるぞ!!」
「くぅ!!」
それを見た俺は高速移動魔法ソニックムーブを使用する。
久遠には悪いが、今は緊急事態なのだ。
そして先回りすることに成功した俺は即座に魔法を使用する。
「零地点突破・ファーストエディション……
俺は後ろにいるポプリ、はるかちゃん、メガネ文系女子を守るために氷のドームを形成する。そしてひたすら魔力で強化する。
「おおおおおおお!!!!!!」
「『デンチュウ~~!!!!!!』」
ドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴンドゴン!!!!!!!!!!!!
強力なデザトリアンの拳が放たれる。
そしていつまで経っても割れないことから、再びデザトリアンの目に赤いビームが収束される。
それを見た俺はさらに魔力を送り氷を強化していく。
そして赤いビームが放たれようとしたとき……
ドゴオオオオォォォォンン!!!!!!
デザトリアンは
そこにはデザトリアンに飛び蹴りをかました……ブロッサムとマリンの姿があった。
「や、やっと来たのか……」
俺はその姿を見た途端に気が抜け、座り込んでしまう。それと同時に
「ブロッサム!マリン!」
すると川に落とされたサンシャインがこちらへと合流した。
「遅れてすみません」
「ポプリも見つかったんだね」
「ありがとう。あとはデザトリアンを浄化するだけ」
「やるっしゅ!」
そして三人はデザトリアンが落ちた方を見る。
もう三人揃ったし……俺頑張る必要ないよね?
休んで良いよね??
「『ハルカ~~ハルカ~~ドコニイルノオオオオ』」
すると突如、雄叫びをあげながら、デザトリアンが川から飛び出してきた。
「お母さん!お母さん!!」
その様子を見たはるかちゃんが近寄ろうとするが、メガネ文系女子が行かさないようにしっかり抱き締めている。
「あのデザトリアンはあの子の……」
サンシャインが二人に伝える。
「お母さん!……おかあ……さん!!」
「大丈夫よはるかちゃん。プリキュアが必ず助けてくれるわ」
必ず助けてくれるわっていうけど……そんな威圧感バリバリでいってたら……正直脅迫してるようにしか見えないんですけど((((;゜Д゜)))
俺がそんな風に思いながらメガネ文系女子をチラリと一瞥すると……
ギロリ!!
すぐに視線を反らした。
怖いなんてもんじゃない。
逆らってはいけないオーラが半端ないorz
そしてサンシャインがまずは突っ込んでいく。そして前方にひまわり型のシールドを展開させた。
「サンフラワー・イージス!」
そしてそのまま突っ込み、デザトリアンの姿勢を崩す。その間にブロッサムとマリンの二人が攻撃する。
「プリキュア・ダブルパーンチ!!」
二人のパンチが直撃し、デザトリアンが倒れる。三人はその間に追い討ちをかける。
「サンシャイン・フラッシュ!」
「マリン・シュート!」
「ブロッサム・シャワー!」
サンシャインは手から光の
マリンは手から水の塊を無数に放ち……
ブロッサムは手から無数の桜の花弁を放った。
三人の同時攻撃が炸裂し、デザトリアンは再び川へと吹き飛んだ。
「やったーー!!」
マリンがガッツポーズする。
ばか野郎!
人はそれをフラグと呼ぶんだ!!
「『デンチュウ~~!!』」
するとデザトリアンが再び飛び上がり、両手を変形させハンマーをプリキュアに振り下ろした。
ドゴオオオオォォォォンン!!!!!!
プリキュアは真っ正面からそれを受け止める。
だが三人共に厳しい表情であった。
マリンなんぞ顔を赤くさせてる表情が若干ひょっとこに見えてくるほどである。
これはベストショット決定だな!Σp[【◎】]ω・´)
そのとき……
「あぁ……なんて醜い光景だ……たかが子供がいなくなって
なんか青髪で白衣着た変なのが来たんですけど……
もしかしてあいつがコブラージャか?
「たかが……ですって!?」
サンシャインが反応する。
「だってそうだろう?だいたいそんな大切なものなら……どうして自分の傍にずっと置いていないのさ?」
まあ確かに奴の言い分も分からんでもないが……
「違うでしゅ!」
「あん?」
「「ポプリ~~!!??」」
そのときポプリが飛び出し、サンシャインの傍へと行く。
「ずっと傍にいることと、大切にしておくことは違うでしゅ!」
「ポプリ……」
「いちゅきはポプリを大切に想ってくれてるでしゅ!!」
ポプリは力一杯、コブラージャへ大声で言った。
「学校に行ったって……どこに行ったって……ポプリのことを想ってくれてるでしゅ!!」
「そうだよ……。たとえ少しの時間離れていたって……ポプリを大切に想う気持ちに変わりはない!!」
サンシャインは、はるかちゃんのお母さんが入った水晶に目を向ける。
「こころの花を奪われたはるかちゃんのお母さんも同じ……はるかちゃんを誰よりも大切に想っている!!」
「くだらん。やれ!デザトリアン!!」
「『デン!!チュウ!!!!』」
デザトリアンはパワーをさらに込める。
だがプリキュアも負けてはいなかった。
「プリキュアー!!!!」
「「「インパクトー!!!!!!」」」
「でしゅー!!!!」
三人とポプリのパワーが混じり合い相乗効果を生み、ついにデザトリアンのハンマーを粉々に破壊した。
「なにっ!?」
「『デ~~ン~~チュウ~~』」
やっべー……
プリキュアマジッパネエスorz
「人が人を想う気持ちはとても大切なの」
そしてサンシャインはコブラージャに向けて言った。
「コブラージャ……あなたのその心の闇、私の光で照らしてみせる!」
するとサンシャインは胸のブローチから金色のタンバリンを取り出した。
「集まれ花のパワー!シャイニータンバリン!!」
サンシャインはタンバリンを構えた。
「はっ!!」
そしてタンバリンを巧みに操り、ひまわり型のエネルギー光弾を自身の周囲に集めていく。
「花よ舞い踊れ!プリキュア・ゴールドフォルテバースト!!」
ひまわり型のエネルギー光弾が鎖状に放たれ、デザトリアンに直撃した。
その直後……デザトリアンの背後に大きなひまわりが投影される。
「はぁあああああ!!!!!」
サンシャインはタンバリンをぐるぐると回転させる。
「ぽわわわわああ~~」
そして電柱型のデザトリアンは浄化され、消滅した。
それを確認したコブラージャは撤退していった。
「これだから……お手入れなしで外出するのはイヤなんだ」
いや、それ勝負と関係ないよね?
◆◆◆
そして決着がついたと同時に雨は止んだ。
本音を言えば、もっと早く止んでほしかったが。
「お母さん……」
「はるか!?……はるか」
はるかちゃんのお母さんが、はるかちゃんを見つけると涙を流しながら抱き締めた。
「良かった……無事で良かった……」
「お母さん……おかあさん……ごめんなさ~~い……」
はるかちゃんも涙を流しながら抱きついた。
うむ。
やはり子供には母親が一番である。
しかしあの年代の子を見ると、なのはとフェイトを思い出す。二人とも意外と泣き虫で甘えん坊だからなぁ。
「バーベナの花言葉は『家族の幸福』です。はるかちゃんもポプリも仲直りできて良かったですね?」
「はいでしゅ!」
そして例の如くシプレが震えだす。
「こころの種が生まれそうですぅ!!」
シプレのブローチが金色に光だす。
「はっ!プリプリプリ……プリリリーン」
するとシプレのお尻から紫色の種が産み出された。
そしてつぼみがココロポットに入れた。
「これでまた少しこころの大樹が元気になったですぅ」
二匹は満足そうに言うが俺は別のことを考えていた。
(やっぱりこころの種って妖精のお尻から出てくるのか。うんやっぱりそれって……)
「くぅー!!」
そして例のごとく久遠に肉球でペシペシされる。
「ポプリ……特訓するでしゅ!」
「「「え???」」」
「ポプリもぬいぐるみの特訓して、一緒に学校いくでしゅ!!」
「なるほど~」
「シプレ達が教えるですぅ」
「こうですぅ」
ボー…………
シプレ&コフレはひたすらボーっとしている。そしてポプリも真似を始めた。
「こうでしゅか~?」
「そうですぅ~そのままがまんするですぅ~」
「あ、もとにもどったらだめですぅ」
「ずっとは難しいでしゅ~」
「二人ともお願いしますね」
皆が楽しそうに会話している。
すると俺の頭の上にいる久遠がピクリと反応する。
久遠の視線の先を俺も追いかけると……
橋の上にシプレ達が言っていたキュアムーンライト……月影ゆり……メガネ文系女子がいた。
メガネ文系女子はこちらを一瞥すると、スッと歩いていく。
俺はその後を追いかけた。
「おーい!待ってくれそこのメガネ文系女子ー!!」
スタスタスタ………
だが関係ないとばかりに前を歩いていく。
あれ?
聞こえてないのかな??
「おーい!そこのメガネ文系女子ーー!!」
スタスタスタ………
「おーーい!!そこの釣り目で性格キツそうだけど意外と優しげなメガネ文系女子ーー!!!!」
クスクスクス……
すると俺の声が意外とデカイのか周りの歩いてる人達がクスクスと小さく笑い始める。
「おーい!そろそろ恥ずかしくなってきたんで気付いてもらえると嬉しいんですけど……そこの釣り目のメガネ文系…………「いい加減黙りなさい……」……はい。すいません」
あれ?
さっきまで10m前歩いてなかったっけ?
少し視線を外しただけで……もう目の前にいたんですけどどどどど((((;゜Д゜)))
俺はとりあえず頭に乗っている久遠を降ろす。
「それで何か用かしら?」
「あ、すまんメガネ文系女子」
すると目の前の女子はため息をつく。
「さっきからそのメガネ文系女子?やめてくれないかしら」
「え?いやだって名前知らないし……」
「はぁ。ゆり……
「お、おう。ヒエン、大空氷炎だ。よろしく月影」
「よろしく。で、なんの用かしら?」
「あ、これ渡そうと思って」
すると俺は
「これは?」
うん?
気付いてないのか?
「自分の身体見てみろ」
月影は言われて自分の身体を見る。
そして
「状況理解できたか?」
月影はコクリと頷き、いそいそと黒いジャケットを着た。
そう。
先程まで雨が降っていたのだ。
そして彼女は雨にぬられていたのだ……
後は分かるだろう。
服が透けていたのだ。
「…………見たの?」
「…………見てません」
「ウソおっしゃい。それに気付いたからわざわざこれを届けにきたのでしょう?」
「あ、はい。だが安心しろ月影。全然太ってる様に見えないし、キレイだったぞ?」
「…………」
すると強烈な回し蹴りが俺に放たれた。
「あぶな!?」
俺は首のスウェーでギリギリかわす。
「…………」
「ちょ……ちょっ……ま」
そして連続で強力な蹴りが繰り出される。
俺は条件反射で死ぬ気化し、攻撃を捌いていく。
「あの月影さん!?そんなに動くと……スカートの中……見え……るん……ですけど!?」
そして蹴りをしゃがんでかわしたとき……
ファサア~
「あ……白……」
「!!!???」
すると超直感が反応する。
俺はすぐにその場から飛び退く。その直後……
ブオン!!!!
風切り音が凄まじい正拳突きが放たれた。
俺はそれを見たとき……頬から冷や汗が流れた。
一介の女子高生が出せる正拳突きの音じゃないんですけどおおおぉぉ!!!!
や、やべぇよ。
しかもこの体術レベル……リニス……美由希さん…………いや下手したらそれ以上の使い手なんだがorz
月影は山突きを繰り出してきた。
「ちょっ……おま……それケンカで使うレベルの技じゃないから!?」
「…………」
顔と腹を同時に殴られそうになった俺は、それをなんとか両手で受け止める。
と同時に月影は横蹴りを放つ。
俺はそれを膝でガードした後、月影の腕を取ると一本背負いをお見舞いする。
だが月影はアクロバティックな動きで姿勢を正したあと、弾丸の如く突きを放ってきた。
俺はそれを化剄でなんとか受け流していく。そしてカウンターの掌底を放つが……かわされる。
すると月影は右手と左手を丸め
「ちょ、ちょっと月影さん?
「大丈夫よ……。あなたの意識を速やかに奪うだけだから……」
指先の鍛錬をしていないと、指先を痛めるだけなのだが、鍛えると空手で行われる通常の突きや、パンチよりも力を一点に集中させることが出来る。
そのため、みぞおちや脇腹、のどや目など、急所を攻撃すると非常に大きなダメージを与えることが出来る危険な技である。
「つまりそれだけ本気だと……」
「ええそうよ!私はあなたの記憶を必ず消す!!」
うおおお……
気持ちは分かるがなんでプリキュアとこんな命をかけたような死闘をせねばならんのだー!!Σ(゜Д゜)
「うおおお!すげぇ勝負だー!!」
「ストリートファイトだー!!」
「すげぇ初めて見た!!」
「なんだなんだ?痴情のもつれか?」
しかもなんかギャラリーまで出来てきたんですけど!?
「いくわ!!」
シュン!!!!
月影が残像をも見えるようなスピードで貫手の連撃を放ってきた。
(うおおお!集中しろ!相手の動きを感じ取れ!相手の意識してない所……
「おおおおお!!!!!」
俺は月影の目を真っ直ぐ見ながら、攻撃が来るところ……場所を感じ取る。
攻撃が来そうなところは化剄で受け流し、かわしきれないものは身体の内功で弾いて我慢する。
そして攻撃を凌いだあと……チャンスを見出だした。
(ここだ!)
そしてカウンターをいれようとしたとき……
「な、なにやってるんですか!?いつき!!」
「うん!!」
俺の腕をいつきが止めた。
ちょ、ちょっと待て……今止めたら!?
ズドン!!!!
「ゲフッ!」
もの凄い衝撃が俺の腹に響いた。
ドサッ……
チーン……
そして俺は気絶したのだった。
主人公に平穏は訪れない。
では、また(・∀・)ノ