大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

今回はプリキュアパレスにいよいよ行くことに。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百五十話 心の花を守る伝説の戦士XXII

第三者side

 

 

 

「ふっ!」

 

 

「はっ!」

 

 

「やぁ!」

 

 

ハートキャッチプリキュアの三名は惑星城と呼ばれる城で砂漠の使徒の兵士スナッキー軍団と戦っていた。

 

 

「サンシャイン・ダイナマイト!」

 

 

サンシャインが金色のエネルギーを収束させ、爆発させる。

 

するとスナッキーの数が減っていく。

 

 

「「「はぁ……はぁ……はぁ……」」」

 

 

だがまだまだ敵の数が多すぎるのかブロッサム達は徐々に疲れを見せ始める。

 

 

(なが)きに渡りて幾人ものプリキュア達が我が前に立ちはだかってきたが……今日が最後だ」

 

 

すると惑星城の上に一人の緑髪の青年が現れた。

 

そして赤黒いエネルギーを収束させるとブロッサム達に放った。

 

 

 

ドオオオオォォォォンン!!!!!

 

 

 

「「「キャアアアアア!!??」」」

 

 

 

凄まじい威力なのか三人の変身が同時に解除されるほどのダメージを受けてしまう。

 

 

「全てのこころの花は枯れ、こころの大樹は最早ない」

 

 

緑髪の青年の言葉に息を飲むつぼみ達。

 

 

「地球はこのデューンの物だ。アッハッハッハッハッハ!!ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!」

 

 

するとデューンの後方にある青く美しい星……地球がベージュ色に染まっていく。すなわち()()()が完了した。

 

つぼみ達はそれを見て涙を流すことしかできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つぼみ……つぼみ……」

 

 

「おばあちゃん?おばあちゃん?」

 

 

「…………は!?」

 

 

つぼみの祖母、花咲薫子はつぼみの呼び声で目を覚ました。

 

彼女が目を開けると、こちらを心配そうに見つめる少女つぼみと、そのパートナーシプレが傍にいた。

 

 

「どうしたんですか?悪い夢でも見たんですか?」

 

 

「大丈夫よ。つぼみの顔見てたら忘れちゃった」

 

 

「えへへ」

 

 

薫子はつぼみの頭を優しく撫でる。

 

 

「ちっちゃかったつぼみがこんなに大きくなって……」

 

 

「はい!」

 

 

「うふふ」

 

 

そして薫子はいつも肌身離さず持っている()()()()()()()を無意識に握りしめていた。

 

そして今日も夜が更けていく。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

俺は今日、午後から植物園へと足を伸ばしていた。

 

なんでも薫子さんから植物園の手伝いをしてほしいと頼まれたからだ。

 

そして植物園に向かうと、つぼみ達がお茶会を開いていた。

 

 

「「「チューチューチュー」」」

 

 

妖精トリオは机の上で何やら飲み物を飲んでいた。

 

俺は中に入って薫子さんに挨拶する。

 

 

「どうも」

 

 

「あ、来たわね。ここに座って?」

 

 

「はい。失礼します」

 

 

俺は席に案内されたので座る。

 

そして側にいるつぼみ達に視線を向けると、植物園のマスコットと化しているコッペ様にもたれかかっていた。

 

おい?

いいのか?

伝説の妖精様だぞ?

 

 

「はぁ……コッペ様」

 

 

「コッペ様」

 

 

「コッペ様~」

 

 

ダメだ。

完全にマッタリしている。

 

 

「ふふっ」

 

 

薫子さんはそんな三人の様子を見ながら優しく笑っている。

 

 

「どうしたの?皆、お疲れみたいだけど」

 

 

「そうなんですよ……」

 

 

「実はこの前……新しいデザトリアンと戦ったとき……」

 

 

そこでいつきは以前サソリーナと戦ったときのことを話した。……そこらへんは既に薫子さんに報告済みだということは黙っておこう。

 

 

「一応勝ったんですけど……結構ヤバかったんですよねぇ」

 

 

ダークブレスレットか。

 

あれは厄介だ。

 

ハートキャッチプリキュアの原作でも三幹部が使っていたパワーアップアイテム。

 

デザトリアンの力を強めるだけでなく、奴等の戦闘能力の強化まで使える万能アイテムなのだ。

 

なにその便利アイテム。

俺もほしい。超ほしい。

 

 

「それで皆と話し合ってたんです。私達も力をつけないと……って」

 

 

「それでキュアフラワーが昔凄い力を手に入れたって聞いたのを思い出したですぅ!」

 

 

「その人の持ってる可能性や力を無限に高める凄い物があるって!!」

 

 

「そんな良い物があるなら早く言うでしゅう~!!」

 

 

妖精トリオがテンション高めに薫子さんに言う。

 

元気だなお前達。

 

 

「で!それってどこにあるんですか!?」

 

 

えりかもテンションをあげて薫子さんに聞く。

 

えりかも元気だな。

 

 

「今の貴方達には早いわ……ハートキャッチミラージュは……」

 

 

薫子さんは神妙な顔でそう言った。

 

そして俺は紅茶をいただきながら話を聞いていた。そして思った。

 

 

(俺……いなくてよくね?)

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

そして場所を代えて俺達は近くの河川敷に来ていた。

 

なんだか若干シリアスな空気が流れてるっぽいので俺は黙っておく。

 

 

「ハートキャッチミラージュ……」

 

 

そして薫子さんはハートキャッチミラージュについて話し始めた。

 

そのとき薫子さんはつけている()()()()()()()を無意識に握りしめていることに俺は気付いた。

 

 

(あれが例のペンダントか)

 

 

「プリキュアに無限の力を与えてくれる神秘のアイテムよ」

 

 

「「「おぉー」」」

 

 

「私は五十年前、砂漠の王デューンと対決したわ……キュアフラワーとして」

 

 

キュアフラワー

 

薫子さんが五十年前に一人でプリキュアとして戦っていた戦士としての名前。

 

 

「私は最後の力でハートキャッチミラージュを使った。かろうじてデューンと引き分けに持ち込めたけど……限界を越えた力のせいでキュアフラワーに変身出来なくなってしまった。私は貴方達の成長を見守りたいの。()()()()()

 

 

俺達は薫子さんの話を黙って聞いていた。

 

つまり彼女はこう言いたいのだ。

 

 

『貴方達にハートキャッチミラージュはまだ早い』

 

 

つぼみ達はプリキュアになってまだ約半年程だ。ずっと戦士として戦ってきた薫子さんから見ればまだまだ甘いのだろう。

 

だが今は、そんな悠長なことを言っている場合ではない。

 

あと三ヶ月もすればデューンが攻めてくる。

 

時間がないのだ。

 

だが俺が言う前につぼみが言った。

 

 

「そんなの……おばあちゃんらしくありません!!」

 

 

「え?」

 

 

「何事も諦めたら終わりだって……いつも励ましてくれたじゃないですか!」

 

 

つぼみは続ける。

 

 

「生意気な事言ってごめんなさい。でも私達真剣なんです!!」

 

 

「今、僕達がデザトリアンに負けることがあれば皆の心を守れない……」

 

 

「チャレンジさせてください!可愛い子には旅をさせよ……でしょ!」

 

 

つぼみ、いつき、えりかが自分の想いを伝える。この子達はこの子達でしっかり考えているのだ。

 

というか俺としてはえりかがことわざを知っていたことに内心感動してるまである。

 

後で俺お手製の翠屋のシュークリームをあげよう。まだ桃子さんのシュークリームには程遠いけどorz

 

 

「おばあちゃん!ハートキャッチミラージュはどうすれば手に入るんですか?」

 

 

「……はぁ」

 

 

そして薫子さんが話そうとしたとき……

 

 

「プリキュアパレスよ」

 

 

凛とした一人の女性の声が響いた。

 

 

「月影……」

 

 

声のする方に目を向けると月影がそこにいた。

 

というかお前いつからそこにいた?

 

 

「力を失ったキュアフラワーは、プリキュアの城……プリキュアパレスにハートキャッチミラージュを納めたのよ。……そうですよね薫子さん?」

 

 

「プリキュア……パレス?」

 

 

つぼみが呟く。

 

 

「ゆりちゃん……」

 

 

「砂漠の使徒は力を増しています。ハートキャッチミラージュを手に入れて備えておいた方がいいと思います」

 

 

「プリキュアパレス!そこにいけばいいんですね?」

 

 

「どこにあるんですか?」

 

 

えりかといつきが薫子さんに詰め寄る。

 

 

「いけば手に入る訳じゃないの。大変な試練が待っているわ」

 

 

「僕達はどんな試練も受ける覚悟です!」

 

 

「ドンと来いです!」

 

 

いつきは真剣に伝え、えりかは自分の胸を勢いよく叩いた。痛かったのか顔をしかめていたが。

 

 

「…………」

 

 

「おばあちゃん……私、もうちっちゃかったつぼみじゃないんです」

 

 

そうだね。

魔王みたいな覇気も使えるし、迫力も尋常じゃないもんね……なんて言ったらまた説教されるだろうから今は言わないでおく。

 

 

「…………分かったわ。プリキュアパレスに連れていきましょう」

 

 

「「「わあ!!!!」」」

 

 

薫子さんは皆の熱意に折れたのかプリキュアパレスに案内してくれることになった。

 

三人は嬉しそうに喜んでいた。

 

そんな中、俺は月影の側にいき話しかけた。

 

 

「薫子さんに呼ばれたのか?」

 

 

「ええ。貴方もでしょ?」

 

 

「ああ。だけど俺はプリキュアじゃないんだが……」

 

 

「貴方も事情を知る一人として身内に含まれているのよ。それに魔法なんて不思議な力を使ってるじゃない」

 

 

「知ってたのか?」

 

 

「薫子さんが教えてくれたわ」

 

 

「そうか」

 

 

「そろそろ移動するみたい。行きましょう」

 

 

「ああ」

 

 

なんというかこいつ……本当に落ち着いてて大人っぽいな。

 

同じ同級生のメガネポジションの美由希さんとはえらい違いだ。

 

そんなことを考えながら俺は皆の後を追った。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

そして戻ってきました植物園。

 

植物園の奥の奥……さらに奥にひとつの大樹があった。

 

そこに扉のような物が設置されていた。

 

 

「植物園にこんな所が!?」

 

 

えりかが驚く。

 

普通驚くよね。

 

俺だって驚く。

 

恐らく、普段は見えないようにコッペ様が結界を構築しているのだろう。

 

 

「ゆりさんも一緒に来てくれませんか?」

 

 

「え?」

 

 

するとつぼみが月影に声をかける。

 

側にいた俺は月影の背中をポンと押す。

 

 

「ほれ」

 

 

「ちょ、ちょっと……」

 

 

「見ていてほしいんですゆりさんに!」

 

 

つぼみはじっと月影の顔を見る。

 

 

「後輩からのお願いだぞ。プリキュアとしては月影が先輩なんだろ?だったら見るくらい別に良いんじゃないのか?というか初めからそのつもりで()()()()()()()()?」

 

 

「はぁ。分かったわ」

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

すると薫子さんがポプリに声をかける。

 

 

「ポプリ」

 

 

「にゅ?」

 

 

「あなた……種を持っているでしょう?」

 

 

「これでしゅか?」

 

 

するとポプリは自分のかばんからオレンジの種を出す。

 

 

「それがプリキュアパレスへの扉を開く鍵よ。あの穴に種を入れなさい」

 

 

扉には小さな丸い(くぼ)みがあった。丁度ポプリの持っている種の大きさだ。

 

 

「はいでしゅ!」

 

 

 

カチン

 

 

 

キイイイイイイインン………………

 

 

 

すると扉が静かに開いた。

 

 

「「「わぁあああ!!!!!!」」」

 

 

そして皆が入ろうとしたとき俺は声をかけた。

 

 

「ちょっといいですか?」

 

 

すると皆がこちらを向く。

 

 

「あの……俺はプリキュアじゃないんですが、入ったらまずいのでは?」

 

 

するとつぼみが言ってきた。

 

 

「何を言ってるんですか!ヒエンさんは一緒に戦う仲間じゃないですか!!」

 

 

「いや……だがプリキュアパレスだろ?名前からしても無関係な人間が入っちゃまずいだろうよ」

 

 

「そんなことありません!ね?おばあちゃん!」

 

 

すると薫子さんが話す。

 

 

「問題ないわ。貴方も身内だもの」

 

 

「は、はあ」

 

 

そんな曖昧な理由でいいのだろうか。

 

とりあえず許可が出たので入る。

 

扉の中は綺麗な泉の上にいくつかの石段があった。

 

周りには薄いピンク色、青色、黄色、緑色といった光がポワポワと浮かび上がっていた。

 

俺達は石段を渡り、祭壇のような物に近づく。

 

地面には魔法陣のような物が書かれていた。

 

ポプリが祭壇にオレンジの種を再度はめると魔法陣が作動する。

 

 

「いってきます」

 

 

つぼみが薫子さんに言った。

 

そして俺達は光に包まれ転移した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

転移すると周りは霧だらけだった。

 

そして霧が晴れると……

 

 

「あれ!」

 

 

えりかが指を差したその先には大きな城があった。

 

うん。

どう見ても某ディズ○ーのお城にしか見えない件について。

 

 

「あれがプリキュアパレスよ。さぁ、用意を!」

 

 

「「「はい!!!」」」

 

 

三人とも月影の言葉で変身アイテムであるココロパフュームを構え、準備を完了させる。

 

というかいつの間にか月影がリーダー的な位置にいるのね。

 

 

「「「プリキュアの種いくですぅ(しゅ~)」」」

 

 

するとシプレ、コフレ、ポプリはそれぞれピンク色、水色、金色の種を生み出し、自分達のパートナーへと渡す。

 

それを受け取ったつぼみ、えりか、いつきは光のワンピースに包まれる。そしてそれぞれのこころの種をココロパフュームに装填(そうてん)した。

 

 

「「「プリキュア・オープンマイハート!」」」

 

 

そして、つぼみとえりかはココロパフュームを互いに吹きかけ、いつきも自身の身体に吹きかけていく。

 

そして三人とも自身のイメージカラーとなりつつあるミニスカートのワンピースを身に纏うと、勢い良く名乗った。

 

 

「大地に咲く一輪の花、キュアブロッサム!」

 

 

「海風に揺れる一輪の花、キュアマリン!」

 

 

「陽の光浴びる一輪の花、キュアサンシャイン!」

 

 

 

「「「ハートキャッチプリキュア!」」」

 

 

そしてつぼみ達は変身を完了させる。

 

準備ができた俺達はプリキュアパレスへと向かったのだった。

 




次回は試練編。

では、また(・∀・)ノ

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