大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

今回は主人公を呼んだ人、そしてその人の秘密も明らかに。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百五十三話 心の花を守る伝説の戦士XXV

ヒエンside

 

 

 

灼熱の加速(バーニングアクセル)!!」

 

 

ビッグバンアクセルよりも濃い炎のエネルギーがコッペ様に炸裂する。

 

コッペ様はそのまま壁まで吹き飛んでいく。拘束していた氷もあっという間に溶けた。

 

 

 

ドガアアアアァァァァンン!!!!!!

 

 

 

煙が晴れるとグッタリして倒れているコッペ様の姿があった。

 

 

「はぁ……はぁ……か、勝った……」

 

 

それを見届けた俺は死ぬ気モードを解いてドッと座り込む。

 

 

「ヒエンさん!大丈夫ですか!?」

 

 

すると決着がついたと分かったのかブロッサム達が近寄ってきた。

 

 

「あ、ああ」

 

 

俺はなんとか答える。

 

やはり激しい戦いの後に死ぬ気モードを解くと、ドッと疲れが押し寄せる。それと同時に封時結界も解け、荒れていた城の景色も元に戻った。

 

するとコッペ様の変身も自動的に解け、いつものキグルミ形態に戻った。

 

コッペ様はのそりと起き上がり、こちらをジーッと見つめる。そして静かに近付いてくると俺の頭をポンポンと撫でた。

 

そして薫子さんの側にのそのそと戻っていった。

 

 

「…………これは認めてもらえた……ということなんだろうか」

 

 

「そうね。少なくともコッペは満足していると思うわ」

 

 

薫子さんが笑顔で言ってくる。

 

というよりコッペ様……もう普通に動いてるんだけど?これは突っ込まない方がいいんだろうか?

 

そして五分程休んだ後……

 

 

 

「ポプリ、種を貸してちょうだい?」

 

 

「はいでしゅ」

 

 

薫子さんがポプリに種を渡すよう指示を出す。

 

種ってあれか?

ここに来る前に使ってたオレンジの種か?

 

薫子さんはそれを手の平に乗せて皆に見せる。

 

 

「皆、手を重ねて」

 

 

「「「うん」」」

 

 

三人が手を重ねる。

 

 

「ゆりちゃんも」

 

 

「え?」

 

 

月影も戸惑いながらも手を重ねる。

 

 

「ヒエン君も」

 

 

「え?俺もですか?」

 

 

俺は戸惑う。

 

いや、男としては嬉しいものがあるのだが女の子の手の上に自分の手を重ねるというのは少し……いやかなり緊張するものがあるのですが……

 

 

「さあ」

 

 

「は、はあ」

 

 

薫子さんに言われ、ふらつく身体をなんとか我慢しつつ、手を重ねる。バリアジャケットは解除してないので籠手のままである。

 

汗をかいてるから仕方ないのである。

 

 

 

パアアアアアアア………………

 

 

 

すると種が金色に光り出し、種の形がオレンジ色から金色に変わったのだ。

 

 

「種の形が!?」

 

 

「試練を乗り越えた証よ?」

 

 

俺も試練を乗り越えたということでいいのだろうか?

 

正直、格上と戦うのはいつも通りなので試練という感覚がイマイチピンと来ない。

 

すると部屋の奥にある扉が小さく光っているのに気付く。

 

皆でその扉の前までいくと小さな丸い(くぼ)みがあった。

 

 

「種をここに」

 

 

「はい」

 

 

ブロッサムが(くぼ)みに金色の種をはめる。

 

すると扉が開き、先へ進む階段が現れた。

 

皆でそれを登っていくと、綺麗な祭壇のような所に出た。周りにはプリキュアの少女と思われる銅像がいくつもあった。見えるだけでも20~30個はあった。

 

上を見ると解放感のある突き抜けの窓からこころの大樹の姿が見えた。すると大樹は光り出す。

 

 

『新たなプリキュア達よ……よくぞ試練を乗り越えました』

 

 

すると一人の女性の声が聞こえた。

 

そして俺は()()()()()()()()に驚いていた。

 

 

(この声はあのときの!?)

 

 

そう。

俺がこの世界に来るきっかけとなったあのときの女性の声だ。

 

 

「えっと……どなたですか?」

 

 

「歴代プリキュアの意志が語りかけているのよ?」

 

 

『プリキュア達よ……世界の生きとし生ける者達を……皆の心の花を……守って下さい』

 

 

すると目の前の祭壇に光が注ぎ、ある物が置かれていた。

 

 

『ハートキャッチミラージュ……貴方達に授けます』

 

 

「「「ありがとうございます」」」

 

 

祭壇の上にはプリキュアのパワーを引き出すとされるハートキャッチミラージュが置いてあった。

 

パッと見ただけでは小さな化粧台に鏡がついたようにしか見えないが。

 

ブロッサムはそれを手に取る。

 

 

「これであたし達、強くなれるね」

 

 

「ひょっとしたら……ゆりさんもプリキュアになれるかもしれません」

 

 

「え?」

 

 

「ミラージュは可能性を無限に高める物って聞いて思ったんです」

 

 

「これを手に入れれば、ゆりさんもまたプリキュアになれるんじゃないかって……」

 

 

「あ……」

 

 

プリキュア三人の提案に驚く月影。

 

だが俺の目から見た彼女の表情には、どこか諦観のようなものが感じられた気がした。

 

 

「コッペ……五十年前は私と貴方だけだった。でも今は違う。大丈夫ね……皆が力を合わせればきっと……」

 

 

「…………」

 

 

薫子さんがコッペ様に聞かせるように語っていた。その表情はどこか憑き物がとれたかのような安心したような表情であった。

 

そんな皆のやり取りを一人離れた所で見ていた俺は……ふと上を見上げる。

 

こころの大樹が俺達を優しく見守っていた。

 

すると……

 

 

『魔導師ヒエン……挨拶が遅れて申し訳ありません』

 

 

頭の中に直接語りかけてくる声があった。

 

これは先程の女性か。

 

 

『まずは謝罪をさせてください……貴方を半ば無理矢理この世界に連れてきたこと……本当に申し訳ありませんでした』

 

 

『ということはあれか。あんたが俺をこの世界に連れてきた……ということで合ってるのか?』

 

 

『…………はい。私が貴方をこの世界に連れてきました』

 

 

『……まあ過ぎたことを言っても仕方ないし、あまり気にしてないよ。それに俺の仕事は人助けのようなものだし。あのときは()()()()だったんだろ?』

 

 

『……さすがですね。気付いていたのですか?』

 

 

『まあ……あれだけピンポイントなタイミングならな』

 

 

俺がこの世界に来たタイミングが()()()()()

 

なぜならダークプリキュアがこころの大樹に攻めてきたと()()()()にこの世界に来たのだから。

 

 

『私は()()()()()をずっと感知していました。それこそ貴方が生まれた瞬間から……』

 

 

『は?』

 

 

ちょっと待って?

今とても聞き流せない言葉が聞こえたんですけど?

 

 

『ちょ、ちょっと待て。一体全体どういうことだ?いや、そもそも住んでる世界が違うのに……存在を感知できるなんて……そんな馬鹿げたことができる訳ないだろう?』

 

 

その理論で言えば俺だって、他の世界の人間の存在を感知できたっておかしくない。

 

 

『私は既に人を越えた存在です。こころの大樹の力と合わせれば不可能ではないのですよ?それに後輩がどんな人物なのかもずっと気になっていましたし

 

 

『え?』

 

 

なんだかさらに聞き逃せない言葉が聞こえてきたんですけど!?Σ(゜Д゜)

 

 

『かつて私も貴方と()()()()だったということですよヒエン』

 

 

『ちょ……ちょっと待て!?あ、あんたまさか俺と同じ……【転生者】だったのか!?』

 

 

『そうですよ?ですが私自身は元は一般人なので……貴方のように原作知識など持ってはいませんでしたが。この世界に生まれてからは、プリキュアとして仲間達と共に砂漠の使徒とずっと戦っていました』

 

 

『うん、まぁ色々突っ込みたいところが多々あるけどちょっと待とうか。なぜ俺が原作知識を持っていると知っている!?』

 

 

『私も【転生者】だったのでその手の知識は神様から知らされているので知っていますよ?勿論、並行世界の秘密なども知っています。それに貴方のこともグラフ様に聞いていましたし』

 

 

『はぇ?』

 

 

なんでそこで神様の名前が出てくるのか。

 

 

『貴方があの世界から消失するとグラフ様、エル様、アラン様が大層慌ててらっしゃったみたいで……その事情説明に私が天界まで行ってきまして……かなり怒られてしまいました……』

 

 

気のせいかかなり落ち込んでいるように思われる。でもこの人の自業自得だし……

 

 

『今はグラフ様達も仕事に追われていてフォローすることができないそうなので……私が貴方のバックアップをしっかりするようにと言われました』

 

 

『ヘエェ。ソウナンダー』

 

 

今、気付いたがこの人……

かなり天然なんだろうと思われる。

 

 

『なあ?今気付いたんだが……どうやって俺をこの世界に呼んだんだ?』

 

 

『はい。貴方が持っているあの赤い石を媒介に……プリズムフラワーの力でこの世界へと呼びました』

 

 

『プリズムフラワー?ああ……オールスターズの映画でやってたやつか』

 

 

プリズムフラワーとは【プリキュアオールスターズDX3】で出てくる物語の根幹を担う物である。

 

 

『オールスターズ?というのは良く分かりませんが、その力で貴方を呼んだのは確かです。本来なら貴方に事情を説明してから来てもらうのが筋だったのですが……』

 

 

『ああ、うん。それはもういいよ。ただ確認したいことがいくつかある』

 

 

『なんでしょう?』

 

 

『まず一つ目……砂漠の使徒を倒せば俺は元の世界に戻れるのか?そして二つ目……あっちの世界では時間はどうなってる?』

 

 

一番気になるのは、時間に関してである。

 

俺がこの世界に来てから既に約一ヶ月半の月日が経っている。

 

うん。

下手したら行方不明で事件になっててもおかしくない気がする。

 

 

『一つ目に質問に関してですが……貴方が望むのであればいつでも元の世界に返すことは可能です。二つ目に関しては……時間はこの世界と同じように進んでいます。ですが……貴方が過ぎ去ってから数分後に返すことも可能です。プリズムフラワーにはそれを可能にする力があります』

 

 

『そうか……』

 

 

戻ることはいつでも可能らしい。

 

そして数分後に戻ることもできるそうだ。

 

だったら……俺のやることはもう決まってるか。

 

 

『ですが……無理を承知でお願いします。貴方の力を貸してください』

 

 

『いいぞ』

 

 

『貴方が渋る気持ちも分かります…………ってはい?』

 

 

うん?

聞こえなかったのか?

 

 

『いいぞ』

 

 

『…………』

 

 

あの、黙られると妙に沈黙が痛いのですが。

 

すると数秒後、女性が話し始めた。

 

 

『あの……こちらから頼んだ手前、言うのもなんですが……もう少し悩まないのですか?』

 

 

『え?だっていつでも戻れるんだろ?だったら大丈夫だろ。それにここまで関わったんだ。途中で投げ出して元の世界に戻ったら、それこそ気になって仕方ない』

 

 

『グラフ様が言ってた通り相当なお人好しの様ですね』

 

 

『そんな褒めるなよ(゜▽゜*)』

 

 

『別に褒めた訳ではないのですが……いえ、なんでもありません。ですが一つだけ忠告を。貴方のことはずっと見ていましたが……貴方は私から見てもトラブルに巻き込まれ過ぎです。それも異常なまでに。何度ハラハラしながら見ていたか……この世界に呼んだ私が言えた義理ではありませんが、ご自愛下さい』

 

 

『お、おう』

 

 

【転生者】の先輩から見ても……俺はやはりトラブルに愛されてる様である。

 

やべぇ。

全然嬉しくねぇorz

 

そういえば気になっていたことがもう一つあった。

 

 

『あの……あんたの名前はなんていうんだ?』

 

 

『あ、申し遅れました。私はキュアアンジェです』

 

 

え?

キュアアンジェ?

 

 

『それってもしかして初代プリキュアって言われてた……』

 

 

『そうですね。砂漠の使徒と戦い始めたプリキュアという意味では……私が初代プリキュアでしょうか』

 

 

『マジっすか』

 

 

まさかの初代プリキュアが転生者で俺の先輩だった件について((((;゜Д゜)))

 

これは言葉遣いも変えた方がいいだろう。

 

 

『じゃあこれからよろしくお願いしますアンジェ先輩』

 

 

『先輩……ですか?』

 

 

『うん。転生者の先輩だから、アンジェ先輩』

 

 

『先輩……いい響きです。バックアップは任せなさい後輩!!』

 

 

なんかこの人急に元気になったんですけど。

 

 

『よ、よろしくお願いします』

 

 

そして俺がアンジェ先輩と話していた頃、ブロッサム達が話し終わったのか声をかけてきた。

 

 

「帰りましょうヒエンさん!」

 

 

「ん?あ、ああ」

 

 

とりあえず俺は帰る旨をアンジェ先輩に伝える。

 

 

『アンジェ先輩、とりあえず今日はもう帰ります』

 

 

『分かりました。お気をつけて』

 

 

そして俺達はプリキュアパレスを後にしたのだった。

 




次回からいよいよ後半戦に入っていくぜ!!

では、また(・∀・)ノ

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