大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

なんか今日はやけに筆が進むので投稿。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百五十四話 心の花を守る伝説の戦士XXVI

第三者side

 

 

 

プリキュアパレスから戻ってから数時間後……

 

月影ゆりは植物園からの帰り道で通る橋の上で、半分に欠けてしまったプリキュアの種を見つめていた。

 

そして先程までの……あるやり取りを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

『ハートキャッチミラージュ!これがあれば私達最強だよねー!!』

 

 

プリキュアパレスからの帰り道、マリンははしゃいでいた。はしゃぎすぎて橋から落ちかけたが。

 

 

『もう~マリンったら。おばあちゃん、ハートキャッチミラージュには他にどんな力があるんですか?』

 

 

マリンに呆れていたブロッサムであったがミラージュのことが気になったのか、薫子に聞き始めた。

 

 

『こころの大樹までワープしたり、人の心の花を見ることもできるのよ』

 

 

『へぇ~』

 

 

薫子の説明にブロッサムが感心する。

 

 

『でも私達、ゆりさんのおかげでハートキャッチミラージュを手に入れられたんだよね』

 

 

そのときサンシャインの言葉に他の二人も同意し、ゆりにお礼を言った。

 

 

『『『ゆりさん!ありがとうございます!!』』』

 

 

『あ……私は……私はたいしたことしてないわ』

 

 

三人のお礼の言葉にどこか戸惑うような表情を見せるゆり。

 

 

『貴方達は仲間という固い絆で試練を乗り越えたのよ……一人で戦っていた私と違ってね……』

 

 

『ゆりさん……あ!』

 

 

そのときブロッサムは何かを思い付いたのか薫子に話しかけた。

 

 

『おばあちゃん!ミラージュでゆりさんをプリキュアに出来ないんですか!?』

 

 

『それは……』

 

 

ブロッサムの質問にさすがの薫子も戸惑うが……

 

 

『なれるわけがないわ!!』

 

 

ゆりの拒絶する声が響いた。

 

 

『ゆりちゃん……』

 

 

『……ミラージュで私の心の花を見てごらんなさい!』

 

 

ブロッサムは言われた通り、ハートキャッチミラージュをゆりの前に持っていく。

 

そしてミラージュを操作しながらゆりの心の花を覗いた。

 

 

『……あぁ!?』

 

 

すると彼女の心の花であるユリの花が枯れていた。

 

 

『これで分かったでしょ?私はもうプリキュアにはなれないのよ!』

 

 

 

 

 

 

ゆりは自身のプリキュアの種をギュッと握る。

 

彼女の目からは大粒の涙が流れていた。

 

 

「…………んっ……コロン……ごめんなさい……」

 

 

そして目を閉じながら……かつてのパートナーであった妖精のコロンの事を思い出していた。

 

だからこそ彼女は気付かなかった。

 

プリキュアの種が光りながら()()していたことに。

 

 

 

 

 

 

『ムーンライト……泣かないで……ムーンライト……もうすぐまた君に会えるから……』

 

 

 

 

 

 

そしてそのゆりの様子を……プリキュアの種を介して見ている存在も彼女の身を案じていたのだった。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

プリキュアパレスから戻った後、俺達は再び植物園に戻ってきていた。

 

先程別れた月影のことを薫子さんに聞くためだ。

 

あのときは……からかえる雰囲気でもなかったからな。

 

さすがの俺でも空気を読んで自重するのである。

 

俺は植物園の待機室で話を聞く。

 

 

「ゆりちゃんがプリキュアになったのは……彼女のお父さんが失踪したすぐ後だったわ」

 

 

「失踪?」

 

 

薫子さんの言葉にいつきが疑問の声をあげる。

 

 

「植物学者でこころの大樹を探してる内にフランスで消息を絶ってしまったの。そしてこころの大樹に選ばれたゆりちゃんは妖精のコロンに励まされ、お父さんがいなくなった悲しみを乗り越えて……キュアムーンライトとして、砂漠の使徒に立ち向かっていったわ」

 

 

するとコフレとシプレも話し出した。

 

 

「コロンはとっても優しい僕らの先輩だったですぅ」

 

 

「そうですぅ。コロンさえ……コロンさえ生きていれば……ムーンライトはダークプリキュアに負けなかったですぅ!!」

 

 

そしてコフレとシプレは話した。

 

ダークプリキュアがこころの大樹を破壊しにきたとき、月影はムーンライトとしてもちろん戦った。

 

ダークプリキュアとは拮抗していたが、そこにサバーク博士が現れたことで事態は一変する。

 

一瞬の隙をつかれ攻撃を受けたムーンライトは、ダークプリキュアに吹き飛ばされてしまう。

 

そしてその隙を狙ったサバーク博士がムーンライトに向かってエネルギー弾を発射したそうだ。

 

ムーンライトにエネルギー弾が当たると思われた瞬間……コロンがその攻撃からムーンライトを庇った。

 

だが妖精の小さな身体で砂漠の使徒の幹部クラスの攻撃をもちろん耐えられる訳がなく……コロンは消滅してしまった。

 

その消滅の仕方も……闇のエネルギーを直接食らったからか身体全体が黒くなってから灰のようになってしまったそうだ。

 

最後にコロンはムーンライトにこう言ったそうだ。

 

 

『良かった……君が無事で……さようなら……ムーンライト……』

 

 

最後まで自身のパートナーの身を案じた心優しき妖精だったのだ。

 

 

「うっ……うっ……コロンはムーンライトを守って……」

 

 

「「「「「………………」」」」」

 

 

シプレの鳴き声が部屋の中に響く。

 

あらかじめ知識としては知っていたが……やはりその場にいたシプレとコフレから直接話を聞くと……とてもじゃないがやりきれない思いでいっぱいになる。

 

 

「…………うん!」

 

 

そのときえりかが突如立ち上がり、部屋から出ていった。

 

 

「えりか!どこにいくんですか!?」

 

 

つぼみが後を追いかける。

 

 

「ゆりさんの所!行って……励ましてあげるんだ!だって!ゆりさん可哀想じゃない!!」

 

 

えりかは涙を流しながら吠えるように言った。

 

 

「えりか……うん!!」

 

 

そしてつぼみ達は月影の所へと向かうために走り出した。

 

 

「行くみたいですよ?」

 

 

「心配だし……私達も行きましょうか?」

 

 

「了解です」

 

 

そして俺と薫子さんもつぼみ達の後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆりさーーーん!!」

 

 

俺達が後を追いかけると既にえりかが月影に抱きついていた。

 

 

「ど、どうしたの!?」

 

 

「いいんです!私の胸で泣いてください!!」

 

 

「え!?」

 

 

おい。

主語を入れんか主語を。

 

あの冷静沈着な月影が目を丸くしているぞ?

 

だいたいえりかよ……お前さんの胸……泣ける程サイズないじゃない(゜-゜)

 

 

「ゆりさん!」

 

 

そのときつぼみが声をかける。

 

 

「コロンのこと……聞きました。ゆりさんの悲しい思い出を……」

 

 

「あ……」

 

 

「あたし達……ゆりさんの心の花を蘇らせたいんです!もう一度!!」

 

 

「僕達に……ゆりさんの心の力にならせて下さい!!」

 

 

えりか、いつきの言葉を聞き、月影はフッと笑って言った。

 

 

「貴方達って本当お節介ね……」

 

 

「「「えへへ」」」

 

 

俺と薫子さんはその様子を離れた所から見ていた。

 

そして俺は思ったことを薫子さんに言った。

 

 

「本当お節介ね……ってあやつも人のこと言えないと思うのですが」

 

 

「そうねぇ。でもそれがあの子の良いところなのよ?」

 

 

「そうですね」

 

 

そして少女達の笑い声が住宅街に小さく響くのだった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

翌日……

 

俺は植物園の手伝いに来ていた。

 

どうやら植物園の職員さんが体調を崩してしまったそうで、しばらくはこっちを手伝ってほしいと薫子さんに頼まれたのだ。

 

俺が植物園の花に水をやっていると、コッペ様が普段にも増してボーッとしていた。

 

 

「…………」

 

 

「コッペ様……お疲れみたいですぅ」

 

 

「大丈夫ですぅ?」

 

 

コフレとシプレが心配そうにコッペ様の周りを飛ぶ。

 

 

「プリキュアとヒエン君と本気で戦って疲れちゃったのねぇ……」

 

 

「ホントスイマセンデシタ」

 

 

俺は即座にコッペ様に謝る。

 

だけどしゃーないんや!!

 

コッペ様が思ってた以上に強かったから手加減なんてする余裕欠片もなかったんや!!

 

俺の言葉に薫子さんが苦笑する。

 

 

「コッペも分かっててやったから大丈夫よ」

 

 

「そうですかね?今度お詫びとしてコッペパン持ってきます」

 

 

「コッペパンね……」

 

 

薫子さんがさらに苦笑するが……いい考えじゃない?コッペ様にコッペパン。

 

 

「「コッペ様のパンがあるですかヒエン!?」」

 

 

するとシプレ&コフレが興味津々で聞いてくる。

 

 

「ああ。甘くて美味しいぞ~。幾つか種類もあるから今度買ってきてやるよ」

 

 

「「わぁああ!ありがとうですぅ!!」」

 

 

シプレ&コフレが顔に抱きついてくる。

 

無性に暑苦しいザマスorz

 

 

 

ポオオオオオ………………

 

 

 

するとコッペ様の胸のハートが突如金色に光り出す。

 

それを見た俺は焦りだす。

 

 

「え!?えっえっえっ!?コッペ様だからコッペパンという安易な発想がダメだったのか!?それともコッペ様を少しからかおうと思ってたのがバレてお怒りになられたのか!?」

 

 

「ヒエン落ち着くですぅ!この光は別の理由ですぅ!!」

 

 

するとコフレはコッペ様のお腹の中からココロポットを取り出す。

 

 

「やっぱり!!ポプリが生まれた時と同じですぅ!!」

 

 

「そうなのか?」

 

 

「はいですぅ!!」

 

 

ポプリが生まれた時と同じというのが良く分からないが……

 

もしかしたらこころの大樹になにか変化があったのかもしれない。

 

時系列でいえば……そろそろコロンが出てくる時期だ。恐らくそれだと思われる。

 

 

「シプレ……ハートキャッチミラージュを」

 

 

「はいですぅ!!」

 

 

薫子さんはシプレにハートキャッチミラージュを取りに行くように伝える。

 

俺はココロポットに目を向ける。

 

中はこころの種が満タンに埋まっていた。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

第三者side

 

 

 

その頃、つぼみ達は放課後にゆりを呼び出してある物を見せていた。

 

 

「私のために……これを?」

 

 

それらはつぼみ達がゆりのために書いたファッションショーのための新しい服のデザインである。

 

 

「はい。ファッションショーに着て出てもらいたくて」

 

 

「ゆりさんに【新しい私】を見つけてほしいんです!」

 

 

「【新しい私】?」

 

 

「チェンジです!ファッションには女の子を輝かせる魔法がありますから!!」

 

 

いつき、えりか、つぼみがゆりに説明する。

 

 

「ゆりさんの心が輝けば、コロンも絶対喜んでくれると思います!!」

 

 

ゆりは少し目を潤ませながら……気丈に振る舞う。

 

 

「…………そうかしら?」

 

 

そのとき……

 

 

「「「つぼみ~えりか~いつき~」」」

 

 

妖精トリオが空を飛んで来たのか四人の前に現れる。

 

その際にポプリだけ着地に失敗して地面に激突してしまったが……。

 

 

「うぅ……」

 

 

「ポプリ!よしよし……」

 

 

結構痛かった様である。

 

気を取り直してシプレが事情を説明する。

 

 

「つぼみ、おばあちゃんがゆりさんをすぐに連れて来るようにって言ってるですぅ!!」

 

 

「え?」

 

 

そして四人はひとまず植物園へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂漠の使徒の支部にて……

 

ダークプリキュアはある人物の元へと急いでいた。

 

 

「どうしたダークプリキュア?」

 

 

ダークプリキュアは上官であるサバーク博士の前に来ると(ひざまず)く。

 

 

「はっ!サバーク博士……これを……」

 

 

「これは?」

 

 

ダークプリキュアの手の中にはゆりの半分に欠けたプリキュアの種があった。それは光を帯びていた。

 

 

「キュアムーンライト……いや、月影ゆりの身に異変が起きているのかもしれません」

 

 

「そうか。何か面倒な事が起こっても厄介だ。ダークプリキュア……月影ゆりの様子を見てこい。だが……何もなければ大人しく戻ってこい」

 

 

「はっ!仰せのままに」

 

 

そしてダークプリキュアは光の反応がある場所……希望ヶ花市の植物園へと向かった。

 




いよいよキュアムーンライトが復活だ!
そしてそのパートナーも……もしかしたら……

では、また(・∀・)ノ

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