大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうもΣ(゚Д゚)

外伝書けたで候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


Featuring ViVid Strike!⑩

ヒエンside

 

 

 

「ヒエヤン、時間あるならでええんやけど、そこでちょっと組手でもせえへん?」

 

 

ジークがそんな事を言い出した。

 

 

「時間なら別に大丈夫だが……またなんで俺と組手なんだ?」

 

 

「そんなん決まっとるやん。強そうな相手がおったら戦ってみたいと思わん?」

 

 

「さいですか……」

 

 

どこの戦闘民族かな?

 

そして、俺とジークは広場のような所で向かい合う。

 

ジークはワクワクしているのか、楽しそうな表情をしている。

 

この表情、別人だけどつい数週間前の認定試験でも見たなぁ……(白目。

 

 

 

ジークリンデ・エレミア

 

 

 

DSAAインターミドル世界代表戦優勝の経歴を持つ少女であり、試合で未だ無敗を誇る最強の女子チャンピオンでもある。

 

それ故、多くの競技選手が彼女を目標にしており、その強さに憧れを抱いている。

 

しかし、かなりの恥ずかしがり屋であり、目立つのは嫌だからか、何時もフードを被っており、顔を隠している。

 

髪型は黒い髪のツインテールで、関西弁の様な口調で話す。

 

決まった住居はなく、基本は野宿やテント泊で生活している。

 

ある意味、最近の俺と同じ生活スタイルであった。

 

そんな彼女の使用する魔法は、ベルカ式の派生型であるエレミアン・クラッツ式。

 

古代ベルカ時代に存在したエレミアの一族の末裔であり、黒のエレミアの後継者として少なくとも500年分の戦闘記憶・経験だけを受け継いでおり、それに裏付けされた高い戦闘力の持ち主でもある。

 

格闘から光弾射撃、投げ、関節技まで様々な技術で戦う通常モード、先祖より受け継いだ【鉄腕】による強力な打撃の全力モードを使い分ける。

 

さらに命の危険を感じた時に発動する【エレミアの神髄】モードは、他の何者も寄せ付けない圧倒的な力を振るうために、大変危険でもある。

 

この状態に入るとほぼ無意識で戦う為、今でもほとんど使いこなせていない。 

 

またクラッシュエミュレートの設定を通り越す人体を破壊できる威力のイレイザー級魔法を伴った打撃を繰り出すことで、相手を大怪我させてしまうために、彼女にとってはトラウマ級のスキルでもある。

 

小さい頃はこの力を全く制御できず、破壊の限りを尽くしてしまったために、かなり塞ぎこんでいたようだ。

 

つまり、彼女のポテンシャルの高さは闇の書事件時のリインフォースにも全く引けを取っていないのだ。

 

 

「それじゃ、準備しよか〜……武装」

 

 

ジークは一言呟くと、黒ジャージ姿に変わる。

 

 

「セットアップ」

 

 

俺もセットアップし、同じく黒ジャージへと変わる。

 

 

「お〜お揃いやね、ヒエヤン」

 

 

「黒いジャージはよく着てるからな」

 

 

さっそく俺は死ぬ気化して、目の前のジークを観察する。

 

 

(構えはオーソドックスな型……か?どんな攻撃でも対応出来るようにしているのか??)

 

 

俺も前羽の構えで迎え撃つ。

 

つーか、この世界に来てから組手やらスパーリング、模擬戦ばっかりしてる気がするなぁ。

 

 

「相棒……合図頼む」

 

 

「ガァウ」

 

 

「お、可愛いライオンさんや」

 

 

「俺のデバイスだ」

 

 

俺達は構えつつ、軽口を叩く。

 

相棒がゴングの映像を空中モニターに展開させると、ゴングの音を鳴らした。

 

 

 

カァーン!!!!!!

 

 

 

ゴングが鳴った。

 

 

「じゃあ……いくで!」

 

 

さっそくジークが仕掛けてきた。 

 

早い……が、ヴィヴィオ達と日々スパーリングをしているからか、この程度の速度なら問題なく対処出来る。

 

鋭い突きではあるが、俺は手刀受けで容易くそれを受け流す。

 

ジークは続けて素早い連撃を繰り出してくるが、その全てを受け流していく。

 

 

「はっ!」

 

 

ジークの攻撃直後を狙って、こちらも攻撃するが上手く受け止められる。

 

 

「おりゃ!」

 

 

「ぬっ!?」

 

 

ジークはそのまま片手で俺を投げ飛ばすが、咄嗟に着地することで事なきを得る。

 

お返しとばかりにこちらも柔術の小手返しをお見舞いするが……

 

 

「甘いで!」

 

 

すかさずジークも体勢を立て直して着地する……が、俺はその隙を狙って下段回し蹴りを放つ。

 

 

「無駄や!」

 

 

ジークはそれも見切っているのか、後退する事で上手くかわした。

 

俺は好機と見て、攻めに移る。

 

飛び後ろ回し蹴りで攻めるが、ジークにしゃがんでかわされる。

 

そこから互いの蹴り技の応酬が繰り出される。

 

 

 

ガッ!ヒュンッ!!

 

 

 

ガッ!ヒュンッ!!

 

 

 

ガッ!ヒュンッ!!

 

 

 

俺の蹴りとジークの蹴りが互いにぶつかり合う音と、繰り出す音が周囲に響く。

 

俺達は超至近距離で互いに攻撃を仕掛ける。

 

蹴りをかわすと突きを放ち、その突きを防ぐと腕を取って投げ技を繰り出す。

 

互いの陣地を占領するように、攻守を入れ換えていく。

 

ヴィヴィオの時とは、また違った種類の戦いだ。

 

あの時はヴィヴィオが速い突き技中心に攻め込んできたため、それに対応するようにこちらも素早い連撃で対応していた。

 

だが、今回はジークが特定の技に頼らない総合選手のため、ヴィヴィオとはまた違ったやり辛さがある。

 

隙あらば関節技をかけてこようとするので、空手、柔術の技中心になんとか捌いていく。

 

そして互いの攻撃に段々慣れてきたからか、繰り返される攻防もより高度な物へとなっていく。

 

 

(やり辛い……)

 

 

ジークの拳や蹴りを受け流し、はたき落としながら、時折カウンターを狙って攻めるが、下手に攻めると投げ技からの関節技が待っているため、容易に仕掛けられない。

 

それとジークの戦闘スタイルが、ある意味リニスと似ているのも問題だった。

 

俺の戦闘スタイルは、太極拳を中心に空手や柔術、中国拳法、ムエタイなどの多種多様な技を使いながらも、基本は防御からのカウンターで攻めていくスタイルである。

 

ジークはというと、エレミアの技中心に攻めてくるスタイルであるが、ストライクアーツや春光拳、カイザーアーツや天瞳流の技をも、意外なタイミングで使ってくる。

 

リニスも様々な武術を習得しており、相手やその場の状況によって、戦闘スタイルを変えてくるので大変やり辛いのだ。

 

要は二人とも先の先、俺は後の先を得意としている。

 

攻めを得意としているリニスといつも組手をしていた影響か、正反対の防御主体の戦闘スタイルになるのも無理はないだろう。

 

あとは俺が不器用というのも大きい。

 

リニスは器用になんでも卒なくこなし、多くの事に手を出せるが、俺はそこまでする余裕はない。

 

その違いもあるだろう。

 

 

(でもまあ、そのおかげで二年間みっちり基礎修行させられた訳だけど……)

 

 

ある意味、俺が不器用だからこそ、俺に合う技を教えるために、様々な武術に手を出したのかもしれない。

 

ああ見えて、完璧主義だからなぁ。

 

と、まあ考え事はここまでにしてそろそろ終わらせようか。

 

超直感の恩恵か、しばらく戦えばジークの攻撃パターンもなんとなく分かるようになってきた。

 

そしてジークが突きを放ってきたとき、俺は勝負に出た。

 

太極拳秘伝の歩法、円地を使用してジークの背後へと回り込む。

 

 

「消えたっ!?」

 

 

この技を使用すると、初見の者は俺が突如消えたと錯覚する。

 

太極拳の真髄は円を描く事にある。

 

相手を中心に円を描くように、地を移動することで、円地と呼ばれるようになったのだ。

 

そして俺はその流れのまま、ジークの首元へ手刀を叩き込もうとしたとき……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「っ!?」

 

 

俺は咄嗟に後退する。

 

 

 

ブオンッ!!!!!!

 

 

 

物凄い風切り音と共に、俺の目の前を黒い魔力を纏った裏拳が通過した。

 

俺の頬に一筋の冷や汗が流れる。

 

 

「まさかこれが噂に聞いていた……エレミアの神髄……」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

何よりも目が据わっている。

 

今の彼女からは、感情らしさが微塵も伝わってこない。

 

言うなれば、まるで機械のような人間と相対しているかのような気分だ。

 

 

「なるほど……これは確かに……世界チャンピオンだ」

 

 

()()()()()()

 

恐らく、俺の先程の攻撃に危機を感じた彼女が無意識にエレミアの神髄を発動させたのだろう。

 

 

(どうすればいい……?)

 

 

何よりもまずいのがあの両手に付与されている黒い魔力。

 

密度の濃さが半端ではないのだ。

 

以前戦ったなのはさんの魔力弾程ではないものの、あれはかするだけでも大ダメージになる。

 

俺は額に炎を灯し、死ぬ気化から死ぬ気モードへと切り替える。

 

超直感の感覚を最大まで引き上げ、ジークの一挙手一投足を見逃さまいと神経を研ぎ澄ませる。

 

その時、ジークが仕掛けてきた。

 

弾丸の如く、こちらへと突っ込む。

 

こちらも両手に死ぬ気の炎を纏わせ、拳をぶつけ合わせようとしたとき……

 

 

 

 

 

 

「落ち着きなさい!ジーク!!」

 

 

「貴方も止まりなさい!!」

 

 

 

 

 

 

ジークの魔力拳を金髪の長髪美女が斧槍で受け止め、俺の拳を茶髪のショートカット美女がトンファーのような物で受け止めた。

 

 

 

ゴッ!!!!!!

 

 

 

直後、俺達を中心に衝撃波のような物が起きるが、ジークの動きが止まり、彼女の目に光が戻る。

 

 

「ヴィク……ター?」

 

 

「ええ、私よ……ジーク」

 

 

「もしかしてウチ……またやってしもたん……?」

 

 

「大丈夫よ。誰も怪我なんてしていないから」

 

 

泣きそうになるジークを、ヴィクターと呼ばれた美女は安心させるように笑いかける。

 

その姿を見た俺は気が抜けたのか、その場に座り込んでしまった。

 

 

「は、はぁ〜……」

 

 

それと同時に死ぬ気モードまで解けてしまった。

 

茶髪ショートカット美女が俺へと話しかける。

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

「だ、大丈夫です。安心して腰が抜けただけです」

 

 

「それは大丈夫じゃないと思いますが……」

 

 

そこはツッコむのは野暮よ。

 

 

『さすが雷帝様とシスターシャッハ!』

 

 

『エレミア様と、あの方の間に入って双方共に止めるなんて……凄いです!!』

 

 

『びっくりしました!!』

 

 

周りを見渡すと多くのシスター達がこちらを見ていた。

 

 

「え……いつの間にこんなに人が……」

 

 

「気付いていなかったのですか?」

 

 

「あ、はい。お恥ずかしながら……」

 

 

「貴方達が組手を始めた時から、何人か見ていたのですよ。そこからどんどんと見学する者が増えていったのです」

 

 

「全然気付かなかった……」

 

 

「それだけ組手に集中していたのでしょう。それにしてもあのジークリンデ選手と互角どころか、エレミアの神髄状態にまで持ち込むとは……驚きましたよ、ヒエン・オオゾラさん」

 

 

「アハハハハ……」

 

 

もはや笑うしか出来なかった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

あの後、駆けつけてくれた金髪長髪美女、ヴィクトーリア・ダールグリュン、通称ヴィクターと、茶髪ショートカット美女、シャッハ・ヌエラさん、通称シスターシャッハのおかげで俺とジークは怪我をすることなく、組手を終える事が出来た。

 

組手を終えた後、ジークが俺に謝り倒してきたが俺は気にするなと言ってジークを許した。

 

まあ、大変な目にあったのは事実であるが、ジークも無意識であったとはいえワザとではなかったし、不幸中の幸いにも誰も怪我をしていない。

 

ジークは未だに気にしてそうだったが、彼女の精神ケアはヴィクターに任せておいた。

 

ちなみにヴィクターと呼んでいるのは、彼女が許可してくれたからである。

 

俺とジークが話していると、『わたくしとも普通に話して下さいな』と言われたのだ。

 

俺と彼女達の年が近い事もあって、すぐに仲良くなる事が出来た。

 

そして俺は彼女達と一旦別れると、シスターシャッハに連れられて騎士カリムの元へと来ていた。

 

 

「初めまして、ヒエン・オオゾラさん。私はカリム。カリム・グラシアです。どうぞよろしくお願いしますね」

 

 

「は、初めまして。ヒエン・オオゾラです。よろしくお願いします」

 

 

俺は目の前の金髪長髪美人、騎士カリムに頭を下げる。

 

この御方、外見は俺とそう変わらない年齢に見えるが、現在のなのはさん達の年齢から考えると、恐らくは三十代前後と思われる。

 

騎士カリムはStrikerSから初登場し、はやてのお姉さん的存在として描かれており、はやてが機動六課を設立する際にも後見人の一人として力を貸している。

 

そんな彼女は、聖王教会の最高責任者にして騎士でもあり、時空管理局少将でもある。

 

古代ベルカ式魔法の継承者で、【預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)】という稀少技能(レアスキル)も持っている。

 

このレアスキルは年に一度、詩文形式の預言書を書き出せるというものなのだが、解読難度が高い古代ベルカ文字のために、様々な解釈ができてしまう上に、よく当たる占い程度な的中度なので利便性の高いものではない。

 

しかし、StrikerSの数年前から極めて不穏な内容が書かれるようになったため、それに立ち向かうべくはやて達と対策に動いていた。

 

それが機動六課の立ち上げ理由でもある。

 

ちなみにその時の預言がこれだ。

 

 

 

【古い結晶と無限の欲望が集い交わる地、死せる王の下、聖地よりかの翼が蘇る。死者達が踊り、なかつ大地の法の塔は虚しく焼け落ち、それを先駆けに数多の海を守る法の船も砕け落ちる。】

 

 

 

うん。

 

不穏しかないね。

 

あとこの預言の言葉を分かりやすく言い換えると……

 

 

○古い結晶 → レリック

 

○無限の欲望が集い交わる地 → ジェイル・スカリエッティ

 

○死せる王 → ヴィヴィオ

 

○かの翼 → 聖王のゆりかご

 

○死者達 → ゼストさん達及びナンバーズ

 

○大地の法の塔 → 時空管理局地上本部

 

○数多の海を守る法の船 → 時空管理局時空航行船

 

 

……を、それぞれ指していると思われる。

 

今思うと、機動六課立ち上がってなかったら、ミッドチルダは相当大変な事になっていたのではないだろうか?

 

原作のはやて達、マジグッジョブである。

 

そして話に戻るが、騎士カリムが俺に会いたがっていた理由も、俺を示した預言にあるのではないかと俺は睨んでいる。

 

 

「いきなり呼び出してごめんなさいね?でも、貴方に直接会って話さなければならない事があったから」

 

 

「い、いえ、滅相もありません……。それで、自分に話したい事とは一体何なのでしょうか?」

 

 

俺は少し緊張しながら話す。

 

ちょっと喉カラカラになってきたぞ……。

 

 

「そうですね。まずは私の能力について説明をしましょうか」

 

 

そして騎士カリムは自身の能力について簡単に説明する。

 

【預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)】について。

 

年に一度、預言書を書き出すこと。

 

しかし、古代ベルカ文字で書かれているために解読に時間がかかること。

 

預言と言っても、よく当たる占い程度の的中率なので利便性の高いものではないこと。

 

だが、二年前から気になる文言が書かれ始め、その文言が俺に該当するかもしれない事を教えてくれた。

 

そして、肝心の内容がこれだ。

 

 

 

【外なる世界より、覚悟の炎を宿し異邦の魂、この地に現れん。世界を殺す毒、名を持たず、静かに広がる。七つの影を操り、世界を歪ませし時、破滅が訪れん。未来が折れる時、異界より来たる炎は、そこに在る。】

 

 

 

内容を見た時、俺は我が目を疑った。

 

 

「なっ……これはっ!?」

 

 

明らかに俺と思わしき記載がされていたのだ。

 

俺の反応を見て、騎士カリムとシスターシャッハはどこか確信を得たかのような表情をするが、俺はそれどころではなかった。

 

俺は騎士カリムから見せられた預言書を、隅から隅まで目を通す。

 

 

(『覚悟の炎を宿し異邦の魂』は……明らかに俺の事だ。だが今、特に気になるのはこの二つ……『世界を殺す毒』に『七つの影』……もし俺の予想が正しければこの二つは……)

 

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみません。少しだけ考えを整理する時間を下さい」

 

 

「ええ。ゆっくりとで大丈夫ですよ」

 

 

俺は案内された聖王教会本部の執務室のソファにて、紙を見ながら考えをまとめる。

 

 

(問題はこれからどう動くかだ……)

 

 

「紅茶です。落ち着きますよ」

 

 

「……ありがとうございます」

 

 

シスターシャッハが紅茶を入れてくれたので、それを少し口に含む。

 

 

「美味しい」

 

 

紅茶を机に置くと、アゴに手を添えて考える。

 

俺はこの文言のひとつ、『世界を殺す毒』という言葉に聞き覚えがあった。

 

 

(世界を殺す毒……まさかあのウイルスの事か?)

 

 

エクリプスウイルス。

 

魔法戦記リリカルなのはForceで初登場する言葉だ。

 

又の名をECウイルスと呼ばれ、EC兵器と呼ばれる【ディバイダー】や【リアクター】と共に生み出された人工ウイルスであり、感染すると全てを壊したくなるほどの強烈な破壊と殺戮の衝動をもたらし、その身体を強制的に作り変え、兵器と化す危険なウイルスである。

 

主な感染源は【リアクター】で、通常は【リアクター】との接触で感染するが、ウイルスを意図的に散布して感染させる方法もある。

 

ただし、感染すれば誰でも能力を得られるというわけではなく、ウイルスに適合できなかったものは即座に死亡する。

 

適合率が非常に低く、街一つを丸ごと感染させても適合者が一人出るか出ないかのレベルなのだ。

 

だが、これに適合できた者は【EC因子適合者(エクリプスドライバー)】となり、EC兵器を手にすることで世界を殺せる毒となれるのだ。

 

圧倒的な生存能力を得て、ほぼ不死身に思われる感染者だが、唯一の弱点は頭部、厳密には脳を破壊されると確実に死亡するとされている。

 

ちなみに【ディバイダー】はデバイス、【リアクター】はユニゾンデバイスのように覚えると分かりやすい。

 

 

(俺達を襲撃した男……広域次元犯罪者、ガナン・バーン。奴は俺達を待ち伏せし、真実の鏡を確保しようとしてきた)

 

 

新暦66年9月5日、俺達はロストロギア、真実の鏡の回収任務へと赴いていた。

 

真実の鏡は、とある無人世界の未開拓の遺跡に封印されていたロストロギアで、無限書庫にあった書物による情報によれば、『もう一つの世界』、『別の時間軸・空間への扉』を意味しており、多くの調査員や探検家、トレジャーハンターなどが挑んで神隠しにあったと言われている。

 

危険なロストロギアの調査ということもあり、魔導師で研究者、大魔導師と呼ばれるプレシアの頭脳が必要であると上は判断したのか、それぞれ陸海空から選抜された魔導師をプレシアの護衛として任務に当てた。

 

陸からは、ゼストさんとクイントさん。

 

海からは、俺とリニス。

 

空からは、ティーダが抜擢された。

 

そしてプレシアの動きを抑制、制限させる目的があるのか嘱託になったばかりのアリシアの同行も命じてきたのだ。

 

そこで俺達は、リインフォースに頼んでアリシアの補助とサポートのためについてきてもらったのだ。

 

こうして始まった合計八人からなるロストロギアの回収任務であったのだが、ここからが大変だった。

 

遺跡にたどり着き、仕掛けられていたトラップを退き、なんとか真実の鏡にたどり着いたのも束の間、黒刀を持った男、ガナンの襲撃を受けた。

 

ガジェット・ドローンと呼ばれる機械兵器の軍団を引き連れて……。

 

勿論、俺達は応戦する。

 

奴らはアンチマギリングフィールド、通称AMFを使って魔法発動の阻害をしてきたが、そこは俺の能力で無効化した。

 

調和の咆哮で中和し、AMFの発動を妨害したのだ。

 

そしてその隙をついて、歴戦の魔導師達がガジェットをあっという間に倒した。

 

俺達は奴に投降を呼びかけたが、ガナンは諦めなかった。

 

懐から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と、仕掛けてきたのだ。

 

なんと俺達の()()()()()()()()()()()()()()()()

 

その直後、台座に置いてあった真実の鏡が突如光を発し……

 

 

(今に至る……と。もしかしたら、俺以外の皆はあのとき拘束されたのかもしれない)

 

 

それに恐らくガナンの奴は、エクリプスドライバーかもしれない。

 

そもそもエクリプスに感染した者は、リアクターを用いてリアクトすると、自身の戦闘能力を飛躍的に高めることが出来る。

 

また、感染者の皮膚には刺青のような紋様が現れ、それは感染の進行と共により大きく広がり濃くなっていく。

 

進行は【感染・発症・適合・病化】のプロセスで行われる。

 

感染が進行するにつれて身体能力や肉体再生能力も飛躍的に上昇し、怪力を発揮するようになったり、どんな大怪我を負っても短時間で治癒されるようになる。

 

病化にまで到った感染者は、様々な特殊能力が発揮される。

 

奴の病化は、影を操る能力で間違いないだろう。

 

だとしたら、この預言書に書かれている世界を殺す毒と、七つの影の辻褄も合うのだ。

 

実際に原作であるForceでも、エクリプスドライバーになった犯罪者が何年も前から裏の世界で暗躍しているみたいな説明や猫写はあった気がするし。

 

そうなると、リニス達は奴の手の中にあると見ていいだろう。

 

預言によれば、奴はこの世界を手中に収めるために暗躍し、そして全ての準備が整ったとき、リニス達を使って動き出すのだろう。

 

そこで、俺はリニス達を助けるためにガナンの前に立ちはだかるってところか。

 

 

(これは既に俺一人でどうこう出来るレベルを超えているな……)

 

 

俺は決意する。

 

 

(皆に話そう……俺が何者で、どこから来たのか)

 

 

俺は再度紅茶を口にすると、勢いよく飲みほした。

 

 

「紅茶ありがとうございます。とても美味しかったです」

 

 

「そう。気分は落ち着きましたか?」

 

 

騎士カリムが優しく笑いかける。

 

彼女の笑顔を見ていると、どこか安心するような気がした。

 

 

「はい。おかげで考えもまとまりました。そのうえで、お二人にお話したい事があります」

 

 

俺の言葉に二人は真剣な表情をする。

 

 

「俺の様子からお二人はもう察しがついてると思いますが……結論からいいます」

 

 

この世界を守るため、そしてリニス達を助けるために動き出そう。

 

 

「俺はこの世界の人間ではありません。もうひとつのミッドチルダ……並行世界の、それも過去のミッドチルダからやってきました」

 

 

そのためにも、まずはこの二人の協力を是が非でも取り付けねば。

 

そして、騎士カリムとシスターシャッハに自身の出自について語り始めた。




皆さん、メリークリスマス!

では、またく(`・ω・´)
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