甲子園見応えありますね。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
「キュアムーンライトが……」
「「復活したですぅ!!/復活したでしゅ~!!」」
変身を完了させた月影を見て妖精達は喜ぶ。
「「キュアムーンライト……」」
「ゆりさんはついにキュアムーンライトに変身できたんだ……」
ブロッサムとマリンもその後ろ姿に見惚れ、サンシャインも嬉しそうにしていた。
そして俺も一言……小声でポツリと呟いた。
「綺麗だな」
ピクリ……
その言葉が聞こえたのかムーンライトが少し反応したように思えた。いや、さすがに考えすぎか。
「ヒエンさん……」
するとブロッサムが何やらジト目でこちらを睨んできていた。気になった俺は声をかける。
「どうした?」
「……なんでもありません」
なんだろう?
どこか機嫌が悪そうに見えるのは気のせいだろうか?
「よ、妖精もいないくせに……なぜプリキュアになれたのだ!?」
するとダークプリキュアがどこか動揺したようにムーンライトに聞いていた。
「あのときコロンの肉体は滅んだけど……その魂はこころの大樹に守られていたのよ……」
そしてムーンライトはココロポットの
そこには修復されたプリキュアの種が
ダークプリキュアは左手を見る。
その手の中にはムーンライトの半分に割れたプリキュアの種があった。
「あ、あのとき……」
そのときダークプリキュアの脳裏にムーンライトとの戦いのシーンが思い出された。
こころの大樹での戦いにて
『ダークフォルテウェイブ!……ふっ!!』
ダークプリキュアは変身が解除されたゆりに向かってダークタクトを向けた。
『く!?』
ゆりはプリキュアの種を構えてシールドを展開する。
ドドドドドドドッッッッ!!!!!!
『どけっ!!』
『妖精達よ!私の代わりを……探して!!』
ゆりは後ろにいる妖精達が逃げる時間を稼ぐために攻撃に耐える。だが……
ピキピキ……パリン……
ゆりのプリキュアの種が攻撃に耐えきれずに割れてしまう。そして……
ドガアアアァァァァァンン!!!!!!
強烈な爆発が起こる。
だが煙が晴れる頃には……ゆりもこころの大樹も
ゆりが爆発に巻き込まれたその瞬間、コッペがこころの大樹とゆりを守っていたのだ。
そしてダークプリキュアの足元には、ゆりのプリキュアの種だけが残ったのだった。
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「やはり……あのとき……お前を仕留めるべきだった!!」
そしてダークプリキュアは真っ直ぐにムーンライトへと突っ込む。
「ふっ!!」
「…………」
ダークプリキュアが強力な格闘攻撃を繰り出すが、ムーンライトは完璧にそれらをいなす。
(あいつ……変身は久し振りなはずなのに、あのダークプリキュアと真っ正面から渡り合ってる)
改めて俺はキュアムーンライト……月影ゆりのスペックの高さに驚く。
しかし……気のせいでなければどこかダークプリキュアが直情的になっている気がする。攻撃も俺の時とは違い、大振りで単調になっている。
「おのれぇ!!」
するとダークプリキュアは赤黒いエネルギー弾を生み出すと、ムーンライトへとぶつけた。
ドオン!!
強烈な爆発が起こる。
「「「ああ!?」」」
ブロッサム、マリン、サンシャインは心配そうに見ているが……俺は大して心配していなかった。
「ふふふ……」
ダークプリキュアが得意気に笑っているが……
「……なに!?」
そのとき煙が晴れる。
そこには……思った通り無事なムーンライトがいた。
ダークプリキュアが攻撃した瞬間、
そしてムーンライトはガードを解きながら、ダークプリキュアに告げた。
「全ての心が満ちるまで……私は戦い続ける!」
ムーンライトとダークプリキュアの本格的な戦いが幕を上げた。
◆◆◆
ムーンライトとダークプリキュアは睨み合う。
だが俺には懸念すべき問題があった。
それは原作よりもパワーアップしたダークプリキュアの存在だ。
恐らく……奴がパワーアップを果たした要因は俺を必要以上に敵視していたことから、それが何らかのトリガーになったと思われる。
正直今、ダークプリキュアとまともに戦えるのはムーンライトだけだ。
俺はダメージと疲労で身体が満足に動かないし、ブロッサム達では戦闘力に差がありすぎる。
ここは彼女に頑張ってもらうしかない。
(とは言っても……少しでも動けるようになるように既にフィジカルヒール使ってるけど)
俺は回復しながら戦いをジッと見守る。
「コロンを失ったあのときとは違う。はぁあああ……たあ!!」
ムーンライトはダークプリキュアに強烈なパンチを浴びせる。
「く!?」
そこから連続攻撃を繰り出す。
余程強烈な攻撃なのかこちらまで打撃音が聞こえるほどだ。
耐えきれないと判断したのかダークプリキュアは一度大きく後退する。
「はぁあああ!!……はあ!!」
そして赤黒いエネルギー弾を放った。
「ムーンライト・リフレクション」
それを見たムーンライトは左右の掌から小型の銀白色の光る円盤を二枚展開する。
そしてエネルギー弾を円盤で跳ね返した。
ダークプリキュアは咄嗟にかわすがムーンライトはもう一枚
「なに……ぐわ!?」
その攻撃で吹き飛んだダークプリキュアがムーンライトの二段蹴りで大きく吹き飛ぶ。
「があ!?」
そして近くの湖の水面を大きく跳ねると噴水の上に落ちていった。
ヒュン!
すると噴水に落ちる直前のダークプリキュアをキャッチした男がいた。
「よっと……」
そしてその側には見覚えのある奴らがいた。
(そういえば原作でも
「サソリーナ……クモジャキー……コブラージャ……」
三人に気付いたダークプリキュアは怒鳴る。
「お前達!?なぜここに!?」
「サバーク様の命令で様子を見にきたのよおぉ~」
サソリーナが答える。
「キュアムーンライトが復活するとは……面白くなってきたぜよ」
「ムーンライトは私が仕留める!お前達は手出しするな!!」
クモジャキーの言葉にダークプリキュアは反論する。よっぽどムーンライトに固執しているとみえる。
「そうはいきませんよ。ムーンライトには僕らもだあ~いぶ痛い目に合っていますからね」
するとコブラージャがテレポートで岸の上に上がるとブロマイドを五枚取り出す。
「ふん!」
そして勢いよくムーンライトへ投げつけた。しかし……
パパパパパッッッッ!!!!
ムーンライトはそれらを意にも介さず全て片手ではたき落とした。
「「「!?」」」
かの三幹部もムーンライトの迫力に押されている。
今のコブラージャが投げたブロマイド……プロ野球選手が投げるボールよりも圧倒的に速かったはずなのに……ムーンライトは全て片手で振り払ったのだ。
(さ、さすが歴代最強と言われていたプリキュア……迫力が凄まじい……)
俺の前世の世界では賛否両論別れていたが……歴代最強のプリキュアは、キュアムーンライトという意見が比較的多かった。
後ろで見ている俺もその迫力の強さに若干震えている((((;゜Д゜)))
「今のは挨拶だよ」
するとコブラージャが不敵に笑う。
そして右手を勢いよく
「ダークブレスレット!!」
するとコブラージャの右手に紫の結晶がついた黒い手袋が装着される。
その瞬間、コブラージャ自身の力が跳ね上がった。
そして再び右手をかざすと、ブロマイドが奴の絵柄からJOKERと書かれたピエロの絵柄に変わる。
それを勢いよくムーンライトへ投げつけた。
「ふん!」
するとブロマイドは黒いエネルギー弾に変わる。そして一度収縮すると、拡散弾のように放たれた。
「ふっ!!」
ムーンライトは黒いエネルギー弾をはたき落としていく。だが……
ドオン!!
「く……」
いくつか食らい後方へと吹き飛ばされる。
俺は丁度こちらに吹き飛んできたムーンライトを受け止めると、ラウンドシールドを前方に展開する。
すると黒い拡散弾は消滅した。
「ムーンライト!ヒエンさん!!」
そのとき俺達を庇うようにブロッサム達が前に躍り出た。
「コブラージャ!邪魔をするな!!」
そのとき後方で様子を見ていたダークプリキュアがこちらへ攻めてくる。
「邪魔だ!はぁああ!!」
すぐにブロッサム、サンシャイン、マリンが前へと出るがダークプリキュアに吹き飛ばされる。
「「「きゃあああ!?」」」
そしてターゲットをこちらに代えると突っ込んできた。
「ちぃ!?」
俺はすぐに
「逃がすものか!」
すると連続で赤黒いエネルギー弾を投げつけてくるが俺は動きを見切り、かわしていく。
「逃がさないよ!」
だが今度は援護するかのようにコブラージャがブロマイドを何枚も投げ付け、拡散弾を放ってきた。
かわせないと判断した俺は飛翔魔法で飛んで回避する。
「くらえ!」
「な、いつの間に!?」
だがいつの間にか俺の後方にダークプリキュアが回り込んでいた。
そして俺に強烈なパンチを放とうとしたとき……
ガシン!!!!
抱えていたはずのムーンライトがそのパンチを受け止めていた。
「す、すまん助かった」
「それはこちらのセリフよ。貴方はあの子達のフォローをお願い。私はダークプリキュアと決着をつけるわ!!」
するとムーンライトはダークプリキュアと空中戦闘を繰り広げながら近くの小学校へと移動していった。
俺はチラリとブロッサム達の方を見る。
だがまだ起き上がれる程、体力が回復していなさそうだった。
だとすれば今俺ができることは……
(時間稼ぎ!!)
俺はひとまずこちらの様子を見ていたサソリーナ、クモジャキーを三重捕縛魔法で拘束する。
「これは……またあの男ねえぇ!?」
「こんなもので!!」
そして続いて側にいたコブラージャに狙いを定め速射砲撃を放った。
「ショートバーナー!!」
するとコブラージャもブロマイドを投げつけ、ショートバーナーを相殺する。
だが俺の方が威力は大きかったのかいくつかコブラージャへと向かうが……
「ふん……」
片手ではたき落とした。
俺はそれを見つつ地面へとゆっくり降りる。
すると奴は笑いながら話しかけてきた。
「君が噂の魔導師君かい?ん~前に少し見たことはあったけど……いいねぇ。その額の炎……実にいい。その炎は美しい。美しい君には僕と戦う権利がある」
「そういえば……あんたとこうやって
俺の目の前にいる青髪の長髪男……コブラージャに目を向ける。
戦闘力はダークプリキュア程ではないものの……ダークブレスレットでパワーアップしているため油断はできない。
それに昨日のコッペ様や、先程のダークプリキュアとの戦いで俺はかなり体力を消耗している。
フィジカルヒールである程度回復し、動けるようになったとはいえ……油断すれば負けてしまうだろう。
なら勝負をかけるなら短期決戦でいくしかない。
俺は体力の消費をできるだけ抑えるため、炎の質を剛から柔に切り替えた。
「君とは一度戦ってみたかったんだ。じゃあ……いくよ!」
奴はブロマイドを両手に構えてこちらを見る。俺も対抗して両手のグローブの炎を燃え上がらせる。
「悪いが早目に勝負を決めさせてもらう!」
そして互いに激突した。
俺は再び速射砲を放つ。
「ショートバーナー!!」
「それはもう見切ったよ!!」
するとコブラージャは高速で動き直射砲をかわし、再びブロマイドを投げつけてきた。
俺はブロマイドをかわすと、両手の炎のブースタで接近する。
そして炎の拳を叩き込む。
「
「速いねぇ!!」
奴の頬に炎の拳がかする。
俺はさらに連打を浴びせかける。
「
だが全て紙一重でかわされていく。
(これじゃ埒が明かない!!だったら……)
俺はブリッツアクションを発動させ、奴の後ろに回り込む。そして形態変化を使い、グローブをガントレットへと変える。
そしてコブラージャにビッグバンアクセルを放とうとしたとき……
「やらせないわよおぉぉ~!!」
右手をサソリーナの髪で拘束された。
「なに!?」
(こいつ……もう拘束から逃れたのか!?)
サソリーナの右手にはダークブレスレットがついていた。どうやらパワーアップして拘束を破壊したらしい。さらに……
「俺も忘れてもらっては困るぜよ魔導師!!」
クモジャキーがいつのまにか俺の懐に潜り込んでいた。
「くそ!」
「ビックバン・クモジャキー・サマーウェーブクラッシャー・スペシャルウウゥゥゥ!!」
「
俺は急遽ファーストエディションで作った氷の盾で受け止める……がクモジャキーのパンチで氷の盾ごと吹き飛ばされた。
「ぐっ!?」
そして木に激突しかけたとき……
ガシン!!!!
「大丈夫ですか!?」
援護に来てくれたブロッサムが受け止めてくれた。
「さ、サンキュー……ブロッサム」
「いえ……あとは私達に任せてヒエンさんは休んでいて下さい。とても辛そうです……」
「わ、悪い……」
ブロッサムが俺を優しく木の側に下ろした。
どうやら先日のコッペ様との戦いの疲労が思っていた以上に蓄積していたらしい。
正直かなりフラフラだ。
「あいつらの相手は任せて!!」
「私達が相手よ!!」
そしてマリン、サンシャインが続いて俺の目の前に現れる。
だがブロッサムはムーンライトが心配なのか、彼女が向かった方向をジッと見ていた。
俺は彼女を励ますように言った。
「あいつなら大丈夫さ。かなり強いからな。なんせ身に染みて分かってるし」
ええ本当に……
一度戦ったことがあるから良く分かる。
あの強さはヤバすぎるorz
「だから今は……この場を乗り切ることだけ考えよう」
「ヒエンさん……はい!」
そして彼女は前を向いて三幹部に力強く言った。
「私達が相手です!!」
プリキュア対三幹部の直接対決が始まろうとしていた。
次回プリキュア対三幹部全面対決!!
では、また(・∀・)ノ