大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

最近ケータイを新しく変えたんだ。
そして意気揚々とFate/goをしようと思ったら悲劇が起こったんだ。

引き継ぎすんの忘れてたorz

また最初から越さないといけないっていう。さようならジャンヌ姉妹。さようならヘラクレス。さようなら頼光姉さん。さようなら義経。さようならマシュマロ。

尚、これが俺のベストメンバーでした。

だって無課金だったんで。

というわけで最初からやり直してます。だがイリヤがガチャで当たったからイリヤ中心にレベルあげてる模様。わが軍の最高レベル60です。

はぁ( ´Д`)


説明回……長すぎたんで分けます。

後編1。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百六十三話 心の花を守る伝説の戦士XXXV

ヒエンside

 

 

 

「……ジュエルシードを手に入れた経緯はこういった背景にある。後にこの事件はプレシア・テスタロッサのイニシャルからPT事件と呼ばれることになった」

 

 

「PT事件……ですか」

 

 

俺の言葉をつぼみが聞き返す。

 

 

「でもあれだよね。私達の見てるアニメじゃ仲の良い親子って感じだったのに……」

 

 

えりかが言っているのはこの世界で放送されているINNOCENTのことだろう。INNOCENTではフェイトやアリシアはプレシアと幸せに暮らしている。

 

 

「まぁ、並行世界だからな。テスタロッサ家が元から幸せに暮らしてる世界もあってもおかしくない。それに……俺の世界のフェイトやアリシアも、プレシアと直に暮らせるようになるはずさ。本当ならプレシアは数百年の幽閉になってもおかしくないらしいんだが……」

 

 

「す、数百年!?」

 

 

えりかが驚いたような声をあげる。まぁ、普通なら出られないようなものだしな。

 

 

「だが裁判でもフェイトは言い方は悪いがプレシアに利用されていただけだし、プレシアも今回のことは罪を全面的に認めて反省の態度を見せている。

 

そしてPT事件を起こすことになった過程……つまりプレシア自身の証言から過去に携わった実験や、アリシアが過去に合った事故についても言及は行われたからな。

 

それらも踏まえて管理局の仕事に従事すれば、裁判でも有利になるだろうし、罪もかなり減刑されると思う。この女は研究者としてはかなり優秀な部類に入る。数年もすれば……出られるはずさ。管理局も親子を引き離す程、非情な組織じゃないよ」

 

 

俺はプレシアが映ってるモニターを見る。さらにPT事件で関わった映像を出す。

 

 

「プレシアは……この女は……ヒュドラの実験事故でアリシアを失ったとき、世界が変わってしまった。体調を崩し、病気になっても執念で生き続けた。この女の二十年は娘を蘇らせること……それだけが全てだったんだ」

 

 

俺は続いてカプセルで眠っているアリシアの画像を出す。

 

 

「プロジェクトF……正式名称プロジェクト・フェイト。プレシアはアリシアの蘇生が不可能だと判断して、アリシアのクローンを生み出した。それがフェイトだ」

 

 

俺はフェイトの画像を出す。

 

 

「だが母親は生み出した娘を認めたくなくて拒絶し……生み出された娘は母親に認めてもらいたくて必死に頑張る。だがプレシアは……こいつは……フェイトのことを決して認めようとはしなかった。フェイトのことを使い捨ての道具としてしか見ていなかったんだ」

 

 

続いてアルフ、リニス、フェイト三人映っている画像を出す。

 

 

「でも皮肉なことに……アリシアが事故に合わなければフェイトが生まれてくることはなかった。存在することもなかった」

 

 

俺はアリシアとフェイトの画像を見つめる。

 

 

「確かにプレシアの気持ちも分からんでもない。大切な娘が亡くなったら悲しいだろうさ。でも……いくら認めたくないからといって……この女がフェイトにやったことは決して許されることじゃない」

 

 

俺はプレシアがフェイトを拒絶したときのことを思い出しながら話す。

 

 

「俺はプレシアがフェイトを拒絶したことがどうしても許せなかった。どうしても納得できなかった。だからあいつを一発殴りにいこうと思った。あいつを止めようと思った。だから俺は時の庭園に向かった。それにあのままじっとしてたら……きっと後悔してただろうし。

 

まぁ、最終的にはアリシアも無事元気良くなってプレシアも病気は治った。フェイトとプレシアのギクシャクしてた親子間もリニスやアリシアのおかげでなんとかなった。

 

これで全部丸く収まったって訳だ。俺から話せる内容は以上だ」

 

 

「「「「「…………」」」」」

 

 

皆がこちらを複雑そうに見ている。

 

するとある人が話し始めた。

 

 

『ではヒエン……貴方が異世界に巻き込まれたあのときの事も話してしまいましょう』

 

 

「……やっぱり?」

 

 

『ここまできたら全て話してしまいなさい。そうすれば貴方が気にすることはもう何もないでしょう?』

 

 

「…………」

 

 

すると俺とアンジェ先輩の話してる内容にえりかがいち早く反応した。

 

 

「まだ何かあるの!?」

 

 

「おいなぜワクワクした目でこちらを見る?」

 

 

えりかが目を輝かせて俺の方を見る。

 

すると隣にいたつぼみもこちらを見る。

 

 

「教えて下さいヒエンさん!私、ヒエンさんのこと知りたいです!!」

 

 

つぼみさん?

それ純粋な男の子だったら勘違いしちゃうセリフだからね?

 

 

「ボクもです!」

 

 

「……正直私も気になるわね」

 

 

「お前達もか」

 

 

いつきと月影まで乗ってきた。

お前達は公園にやってくる紙芝居を毎週楽しみにしている子供か?

 

俺は薫子さんの方を向く。

 

薫子さんは苦笑いしながらこちらを見ていた。

 

その隣にはコッペ様までいた。さらにその頭の上には久遠までいた。

 

結局全員かい。

 

というか久遠……お前いつからコッペ様の頭の上にいた?

 

 

『皆、知りたいみたいですね』

 

 

「そうみたいですね……」

 

 

俺は諦めてモニターを出し、話し始めた。

 

そこにはなのはとフェイトと共闘して戦っている()()()()()()()が映っていた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「あー、じゃあ今から話す訳だがそこの中学生三人組……そんなに面白い話じゃないからな」

 

 

 

ワクワク……ワクワク……

 

 

 

そういった効果音が聞こえてきそうな目でこちらを見つめる中学生三人組とそのパートナーの妖精トリオがいた。

 

俺はあるモニターを出す。

 

 

「これはフェイトちゃんが7個のジュエルシードを発動させたときに攻撃された……」

 

 

モニターには俺がなのはとフェイトを庇ったときの映像が映っていた。

 

 

「ああ。このときお前達には意図的に話さなかったことがある」

 

 

「意図的に……ですか?」

 

 

「話すと確実に混乱するから伏せてた。ぶっちゃけると、このとき俺達三人異世界に飛ばされてました」

 

 

「「「え?」」」

 

 

そして俺は黒いワームホールに吸い込まれたときの映像を出す。

 

 

「す、吸い込まれたーーー!?」

 

 

えりかがリアクション芸人張りのリアクションを取る。

 

さすがです。

 

 

そこから俺は話し始めた。

 

 

突如黒いワームホールに巻き込まれ、空間を漂う岩の残骸とビルやマンションといった建造物が蔓延(はびこ)る世界に飛ばされたこと……

 

そしてなのは、フェイトとバラバラに飛ばされたとき俺は以前戦ったジュエルシードの思念体に襲われた映像を見せながら話す。

 

 

「そこからどうなったんですか?」

 

 

いつきが聞いてくる。

 

 

「サーチャーを飛ばして周囲の状況確認をしてたんだ」

 

 

「サーチャー……ですか?」

 

 

つぼみが聞いてくる。

 

 

「「前にポプリを探すときに使ったやつですぅ!!」」

 

 

するとシプレ&コフレが元気良く答えた。

 

 

「シプレとコフレは覚えてたか。えーと探索魔法っていってな?サーチャー……つまり監視カメラみたいな光の球をいくつも飛ばして周囲の状況の確認をしてたんだ。それで十五分くらいかかって、フェイトを見つけた。そしてこのとき、既にフェイトはこの空間の出口を探し出してたんだ」

 

 

そこからの出来事を見せる。

 

 

『なんであの時計塔を攻撃してたんだ?』

 

 

『……ヒエンはここがどういった空間か検討はついてる?』

 

 

『?いや、サッパリ…』

 

 

このときはサッパリ分からなかったんだよなあ。

 

 

『この空間では全体的に流動がよく起こってるんだ』

 

 

「流動?」

 

 

そのときえりかが首を傾げる。

 

 

「いいですかえりか?流動というのは物が流れて動くことをいいます。例えば……流動食とか聞いたことありませんか?」

 

 

「あ!病院で出るごはん!」

 

 

「はい。そのごはんです。流動食は消化に良いので病院の食事としては最適です。噛まなくても消化によいので……と話が脱線しましたね。つまり流動とは、物が流れる様を指します」

 

 

「おおーなるほど。さすがつぼみ先生~」

 

 

「えっへん」

 

 

「話続けるぞー」

 

 

えりかとつぼみのやり取りをスルーしつつ、映像の続きを流す。

 

フェイトはバルディッシュでそこらへんの瓦礫を指す。

 

瓦礫はゆっくり動いていた。

 

 

『動いてるな』

 

 

『今度はあっち』

 

 

指された方を見るとそこにはマンションのような建物がゆっくりと動いていた。

 

 

『ああ』

 

 

今度はビルのような建物を指した。そこも例に漏れずゆっくりと動いていた。

 

 

『あっちもね』

 

 

『確かに』

 

 

するとフェイトは今度は時計塔を指す。

 

 

『あの時計塔を見て何か気付くことはない?』

 

 

『うん?』

 

 

俺は時計塔をよく見る。

 

そしてふと気付く。

 

 

『あれ?あの時計塔だけ動いてなくないか?』

 

 

『うん正解。恐らくあの時計塔がこの空間の中心点。その証拠にあの塔には高度な防護壁が張ってあった』

 

 

『なるほど。要はあの時計塔さえ破壊できればこの空間から出られるかもしれないと』

 

 

『うん。そういうこと』

 

 

フェイトの冷静な分析力を見てつぼみ達が驚く。

 

 

「この子は天才だからな。大人顔負けの冷静な判断力に洞察力。正直、フェイトがこの空間の出口と思われる時計塔を見つけてくれてなかったら、色々ヤバかった」

 

 

そして次のモニター映像に映る。そこにはなのはと共闘する二人の魔法少女が映っていた。

 

 

「その後、無事フェイトと合流した俺は爆発音が聞こえたからすぐに向かったんだ。するとそこにいたのはなのはと……」

 

 

そこに映っていたのは俺達と共闘し、黒化英霊を倒すのに力を貸してくれた魔法少女……

 

 

「別世界の魔法少女……イリヤとミユだ」

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「べ、別世界の……」

 

 

「魔法少女ー!?」

 

 

つぼみとえりかが驚く。

 

 

「ああ。こっちのピンク服の子がイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。紫の服の子がミユ・エーデルフェルト。そしてイリヤの相棒のマジカルルビーと、ミユの相棒のマジカルサファイアだ。ちなみにルビーとサファイアは姉妹のステッキだ」

 

 

「ステッキに姉妹なんてあるのね」

 

 

「うわああ。かわいいなぁ。なのはちゃんとフェイトちゃんも可愛いけど、この二人もかわいいなあ~」

 

 

月影といつきが反応する。

 

というかいつきに至っては暴走しているまである。

 

 

「それで色々と情報交換した結果、俺達の住む世界とはそれぞれ別世界出身だということが判明した。そして協力してこの世界から脱出しようとしたんだが……突然ある奴らに襲われたんだ」

 

 

そして俺はその映像を見せる。

 

 

 

『皆、伏せろ!!零地点突破・ファーストエディション……吹雪の城壁(ブリザードランパード)!!』

 

 

画面の俺は大きな氷の城壁を作る。

 

 

その直後…

 

 

 

ドガアアァァン!!!!

 

 

 

頭上から幾つもの光が降り注ぐ。

 

 

『な、なになに!?』

 

 

『!?』

 

 

『な…なんなの!?』

 

 

『これは!?』

 

 

イリヤ、ミユ、なのは、フェイトは驚きながらもすぐに自分の相方を構える。

 

凄まじい爆撃に氷の城壁が揺れる。

 

そして2分ほど経って爆撃が終わる。

 

すると空一面に魔法陣がいくつもあり、その魔法陣の中心に黒いフードを被った人物が一名いた。

 

 

『そ、そんな…どうして?クラスカードならここにあるのに!?』

 

 

そんななかイリヤがあるカードを取りだし、慌てたように大きな声をあげる。

 

 

『どうして…どうしてキャスターがあそこにいるの!?』

 

 

『キャスター?』

 

 

イリヤの発言になのはが反応する。

 

 

『うん。サーヴァントっていうんだけどね……私達はこのクラスカードを集めるためにサーヴァント:キャスターと戦って封印することに成功したんだ。だけど…』

 

 

『なぜかあそこにいる……ということですね』

 

 

イリヤはキャスターと書かれたクラスカードを皆に見せ簡単に説明する。

 

 

《気を付けてください皆さん。あの者は英霊と呼ばれる存在で凄まじい力を有しています》

 

 

サファイアも捕捉説明した。

 

俺はここで映像を止める。

 

 

「ここで俺達は英霊と呼ばれる奴らから襲撃を受けた」

 

 

そして俺達がキャスターと戦う映像を見せる。

 

俺が指示を出しながらなのは、フェイト、イリヤ、ミユの四人が射撃魔法で攻撃していくが円形の障壁によって防がれる。

 

だがフェイトの魔力刃をかわして防いだことから、そこから突破口を見つけた俺達によってキャスターはやられてしまった。

 

そして続いて俺達はアサシンからの襲撃を受ける。なんと既に包囲されていたのだ。

 

100人のアサシンに囲まれた俺は咄嗟にチェーンバインドで四人を縛って一括(ひとくく)りにした後、ジョジョ張りに逃げた。

 

その後、なんやかんやありながらもアサシンは無事倒された。

 

まぁ、アサシンだし……。

 

是非もなしだし省略しても別に問題ないよね!!

 

後、女性陣からはアサシンを倒すときのパンツのくだりを見られたとき、冷ややかな視線をいただいた。ちょっとだけゾクゾクした。俺はM属性なのだろうか?

 

その後、俺とルビー&サファイアの作戦会議を皆に見てもらう。

 

 

『とりあえずキャスター、アサシンと呼ばれる奴らと戦ったわけだが…』

 

 

《はい。恐らく次のサーヴァントが襲撃にきてもおかしくないと思われます》(サファイア)

 

 

『なぁ、気になってたんだがそのサーヴァントっていうのは一体なんなんだ?』

 

 

《そうですね。簡単に言うとサーヴァントとは、英雄が死後、人々に祀り上げられ英霊化したものを魔術師が使い魔として現世に召喚したものを言います》(ルビー)

 

 

『ふーん。使い魔ねぇ』

 

 

「いやどう考えても使い魔ってレベルの敵じゃないっしょ!!」

 

 

ここでえりかからツッコミが入る。

 

 

「まぁルビーとサファイアの情報に寄れば俺達が戦ったのは英雄が具現化したような敵だったからな。さっきの戦ったキャスター、アサシンの正体も分かってるし」

 

 

「え!?誰なの!?」

 

 

「皆、たぶん聞いたことあると思うぞ。キャスターはかつて【裏切りの魔女】と呼ばれた女魔法使い『メディア』、アサシンが【山の翁】と呼ばれた暗殺者『ハサン・サッバーハ』だ」

 

 

Fate信者なめるなよ?

誰と戦ったかなんぞ一瞬で分かるわー!!!!Σ(゜Д゜)

 

ちなみに俺が一番好きなサーヴァントはジャンヌ・ダルクである。前世でハマってたゲームFate/goではルーラーとアヴェンジャーのジャンヌ姉妹には大変お世話になりました。

 

 

「どちらも大物じゃないの……」

 

 

月影がため息をつく。

 

 

「そうなんですか?」

 

 

「ええ。どちらも歴史では有名よ?」

 

 

えりかの質問に月影が答える。

 

俺は映像を続ける。

 

 

『そういえばクラスカードはどうなるんだ?確かイリヤが言ってたよな?キャスターを封印したって。あれって直接英霊を封印してるのか?』

 

 

《いえ厳密には違います。そもそも英霊とは、偉業を成した英雄が死語に『英霊の座』と呼ばれる高次の場所へと迎えられる存在のことを言います。そうして英霊と成った者はそれぞれが力の肖像たる武装を持っており、通常の武具を越えた奇跡を成す強力な兵器…『宝具』を使用するのです》(ルビー)

 

 

『宝具…』

 

 

《クラスカードは、いわゆる通行証なのです》(サファイア)

 

 

『通行証?』

 

 

《はい。英霊の座への間接参照アクセス。クラスに応じた英霊の"力の一端"を写しとり自身の存在へ"上書き"することで疑似召喚する。つまり…英霊になる。それがクラスカードの本当の力なのです》(サファイア)

 

 

『要はあれか?直接英霊を封印してるわけじゃなくてその英霊の力を引き出すってやつか?』

 

 

《はい。まぁ、敵として具現化しているので直接封印すると言う点でいえば間違ってはいませんがねー》(ルビー)

 

 

「クラスカードと呼ばれる物に英霊という存在……貴方とんでもない敵と戦ってたのね」

 

 

「まあな。ただルビーとサファイアは黒化英霊って言ってたけど」

 

 

そこで俺はさらに続きを見せる。

 

それはライダーからの襲撃を受けたときの映像だ。ライダーは既に宝具を発動させており、その影響かこちらの攻撃もかき消されるといったハプニングまであった始末である。

 

ドラクエでいえば序盤……いや戦う前からボスが必殺技を使ってくるようなものである。開幕ブッパですらなかった。

 

そう考えるとずるい。

 

しかし色々追い詰められた俺達であったが策を講じてなんとかライダーを撃破することに成功した。

 

俺が囮になりライダーの動きを止めた後、合流したなのは、フェイト、イリヤでさらに拘束し、ミユの攻撃で決めたのだ。

 

ライダーを拘束しているときの映像をつぼみ達に見せたとき、ライダーの発する扇情的&妖艶的な雰囲気に全員顔を赤くさせていたが。

 

ふっ。

まだまだ子供よのう(゜▽゜*)

 

 

「あのヒエンさん……このペガサスに乗ってる方は誰なんですか?」

 

 

「ああ、ゴルゴン三姉妹の末っ子メドゥーサだ」

 

 

「メ、メドゥーサですか!?」

 

 

つぼみが驚く。

 

 

「ああ、どうやら英霊というのは反英雄……つまり怪物も含まれるらしい」

 

 

とはいっても実質俺が戦ったのは、黒化英霊であるため本来のスペックより幾分か弱体化していたのだが。

 

そして俺は映像を続けて見せる。

 

 

「で俺達はしばらく休息を取ってから出口となる時計塔に向かったんだが……そこにはある二人組が待ち構えていたんだ」

 

 

俺達を最も苦しめた二人組のサーヴァント……

 

 

「バーサーカーとセイバーだ」

 

 

映像からも見て分かる二人の圧倒的なプレッシャーに妖精達も怯え、久遠もガタガタと震えていた。中学生組もゴクリと唾を飲み込んだ。

 

 

「ヒエン……あの二人組は何者なんだい?」

 

 

するとコロンが俺に聞いてくる。

 

 

「どちらも大物だ。黒い剣を構えているのがセイバー。奴の宝具は聖剣約束された勝利の剣(エクスカリバー)。円卓の騎士、【騎士王】『アーサー・ペンドラゴン』。そしてバーサーカーはギリシャ神話の【大英雄】『ヘラクレス』だ」

 

 

「アーサー・ペンドラゴンにヘラクレス……」

 

 

「エ、エクスカリバーって……わ、私でも聞いたことあるっしゅ」

 

 

「ヘラクレスって本当にいたんだ……」

 

 

「貴方……こんなのと戦ってよく生きてるわね……」

 

 

プリキュア四人が驚いている。

 

あと安心しろ月影。

俺もそう思ってる。

 

むしろ本来より弱体化していたとはいえ、それを倒した魔法少女四人組に俺は脱帽しています。

 

 

「ヒエンさん……なのはちゃん達は大丈夫だったんですか?」

 

 

するとつぼみが質問してくる。

 

 

「うん?どういうことだ?」

 

 

「……こんなにも迫力がある二人組……特にヘラクレスさんを見たら……私なら怖くて震えてしまいます」

 

 

「まぁ、こいつ見た感じ身長2m50cmはあるからな」

 

 

つぼみの心配する気持ちも分かる。

 

実際にこの二人の迫力に魔法少女四人組も少し気後れしていたし。

 

 

「もちろん少し……じゃないな。大分怖かったと思う。だけどそんなことも言ってられる状況じゃなかったからな。身体的なスペックでいえば二人ともダークプリキュアと同等かそれ以上の強さだったし」

 

 

いやマジで。

今ならあのときより戦えるとは思うが……

 

バーサーカーには終始押されてたし、セイバーオルタと一対一で戦ったときも分身と力を合わせて四人がかりでやっとキズをつけた程度だったし。

 

 

「だからまあ……俺なりに慰めてみたらなんとか持ち直したけど」

 

 

『貴方の言葉は私も聞いていましたが良き言葉でしたよ?』

 

 

「聞いてたんですか……」

 

 

『当たり前でしょう。正直心配で気が気じゃありませんでしたよ』

 

 

「す、すいません」

 

 

あれ?

なんで俺怒られてんの?

っていうかアンジェ先輩俺のこと見すぎでしょう。俺のこと好きなの?

 

俺がそんなことを考えているとこの天然先輩プリキュアは余計なことを言ってしまった。

 

 

『皆にも貴方の言葉を聞かせてあげましょう』

 

 

「却下で」

 

 

『なぜですか!?』

 

 

「なんであんなこっぱずかしいセリフを見せなきゃいけないんですか」

 

 

それこそ黒歴史じゃないか。

 

 

「私聞きたいです!」

 

 

「却下で」

 

 

「私も聞きたい!」

 

 

「却下」

 

 

「ボクも聞きたいです!!」

 

 

「だから却下だって」

 

 

中学生三人組が何度も言ってくる。

 

 

「じゃあジャンケンでいいんじゃないの?貴方が勝ったら聞かせずに、負けたら聞かせる」

 

 

「それそれ!それでいいっしゅ!!」

 

 

月影の提案にえりかが乗る。

 

 

「まあそういうことなら……」

 

 

そして俺は渋々えりかとジャンケンをすることに。公平を期っするために一回勝負だ。

 

負けるわけにはいかない。

 

 

「「最初はグー!ジャンケン……ポン!!」」

 

 

勝負の結果…………

 

 

 

負けましたorz

 

 

 

俺の至高のパーが負けた。

 

 

 

敗者は勝者に従って黙って流した。

 

 

『皆、落ち着け』

 

 

『『『『………』』』』

 

 

『お前達が焦るのも分かる。不安になるのも分かる。ハッキリいってあいつらは強い』

 

 

画面の俺は語りかけるように話す。

 

 

『だからこそ落ち着け。冷静になれ。落ち着いて周りを見ろ』

 

 

彼女達を見渡す。

 

 

『あいつらは確かに強大だ。まともに一対一で戦えばこちらが勝つことは不可能に近いだろう』

 

 

そしてひとりひとりの目を見てしっかりと話す。

 

 

『だが……あいつらにはなくて俺達にはあるものがある。それは仲間だ』

 

 

なのはを見る。

 

 

『仲間がいれば、不安で押し潰されそうになっても一緒に乗り越えられる』

 

 

フェイトを見る。

 

 

『仲間がいれば、焦って周りが見えなくなってても一緒に支えてやれる』

 

 

イリヤを見る。

 

 

『仲間がいれば、相手がどんなやつでも勇気が湧いてくる』

 

 

ミユを見る。

 

 

『仲間がいれば、 怖くても一緒に戦うことができる』

 

 

一度目を閉じて深呼吸して……再び目を開けた。

 

 

『だからあいつら英雄に見せてやろう。人間の力を。仲間の力を。だからこの戦い……………皆で絶対に勝とう!!』

 

 

すると皆が俺の両手を握ってきた。

 

 

『うん!絶対に勝とうね!』

 

『勝つ』

 

『絶対勝ちましょう!』

 

『勝って帰ります』

 

 

なのは、フェイト、イリヤ、ミユがそれぞれ返事を返す。その目に不安や焦燥などは既になかった。

 

 

「「「「…………」」」」

 

 

周囲から生温かい視線が俺へと注がれる。

 

俺は無我の境地でさらに続きを流した。

 

そこからは俺達対バーサーカーの戦いが流れる。

 

序盤は圧倒的なスピードとパワーで攻められたがなのは&フェイト、イリヤ&ミユのコンビ達に空から攻めさせ、俺は地上からバーサーカーを攻める。

 

途中いい感じで押してたように見えたが、追い詰められたのはここからだった。

 

空中にいたなのは達がバーサーカーに吹き飛ばされたのだ。

 

そこからバーサーカーの猛攻撃が俺を襲う。

 

バーサーカーは圧倒的なスピードでこちらを攻めてくる。俺は攻撃を全て紙一重で受け流してかわしていく。

 

だが攻撃のリズムを変えられた俺はバーサーカーの巨大な拳を食らいそうになる。だがそこで予想外なことが起こる。

 

なんとセイバーがバーサーカーの攻撃から俺を守ったのだ。

 

そこからセイバーがバーサーカーを吹き飛ばし、宝具の約束された勝利の剣(エクスカリバーモルガン)を放つとバーサーカーがその場から消え去る。

 

そしてしばらく睨み合っていたのだが、戦線復帰してきたなのは達と戦おうとしたとき……ビルの下から消え去ったはずのバーサーカーが現れた。

 

俺達は前にセイバー、後ろにバーサーカーと挟み撃ちにされてしまう。

 

それに危機を感じた俺はセイバーと一騎討ちをするためにその場から離脱した。

 

そして始まる魔法少女四人組対バーサーカーの戦い。

 

バーサーカーも圧倒的な身体能力で攻撃を仕掛けていたが、()()()()()()()()普段より倍の力を発揮していた魔法少女組も負けてはいなかった。

 

コンビネーションを駆使してそれぞれの魔法でバーサーカーを追い詰めていく。

 

そしてなのはとフェイトが最大砲撃でバーサーカーの動きを止めた後、イリヤとミユが並列限定展開(パラレルインクールド)で20本の約束の勝利の剣(エクスカリバー)を展開した。

 

その光を浴びたバーサーカーは静かに消滅していった。

 

バーサーカーの消滅を見たつぼみ達は驚いていた。

 

 

「た、倒してしまいました……」

 

 

「すごいねあの子達……」

 

 

うん。

それはマジで思います。

 

まあバーサーカーは12回倒さないといけなかったからな。それに一度食らった攻撃は効きづらくなるという鬼畜仕様。

 

蘇生能力がある上に、効きづらくなるとかチートを通り越して……もはや無理ゲーである。

 

だが魔法少女四人組はそんなバーサーカーに見事勝利を収めた。画面の中の彼女達は嬉しそうに笑っていた。本当にとんでもない子達である。

 

続いて俺とセイバーの戦いが始まる。

 

俺の炎の拳とセイバーの黒き聖剣がぶつかり合う。だがパワーは圧倒的にセイバーの方が上であり、俺は終始押されていた。

 

ならば遠距離からと射撃魔法で攻めていたが、セイバーの操る黒い魔力の霧によって阻まれる。

 

奴は霧をうまく操るのだ。

 

剣に纏わせると斬撃を放ち、足下に纏わせると跳躍移動をし、魔力をジェット噴射で放つと高速移動を可能とする。円周上に放つと盾のように操り身を守るのだ。

 

魔力を全身に纏わせると圧倒的なパワーを得ることもできる。

 

まさに最強の剣士であった。

 

案の定、俺の攻撃はことごとく防がれ、起死回生で使ったブリッツアクションの攻撃もかわされる。

 

そしてその攻撃直後の硬直を狙われた俺は、背中から思いっきり斬りつけられ、ビルまで吹き飛ばされてしまった。

 

俺が斬りつけられたとき皆が顔をしかめる。

 

中学生組は泣きそうな表情になり、唯一の高校生の月影は厳しい表情で映像を見ていた。

 

その後、戦意喪失しそうになった俺だがなんとか持ち直す。

 

そして一人で攻めても勝ち目がないと見た俺は分身三人を生み出し、四人でセイバーへと攻めた。

 

セイバー個人の能力は俺より上だ。

 

パワーもスピードも奴には敵わない。頼りになる超直感も奴の直感スキルに敵わない。奴は常に俺の先を読んでいた。

 

だが分身達と奮闘の末、セイバーに大爆発の加速(ビッグバンアクセル)を食らわせることができた。

 

しかし……それが奴を本気にさせてしまった。

 

聖剣に魔力を収束させていたのだ。

 

それを見た俺も対抗するため準備を始める。

 

そして互いに準備を完了させた俺達は己の最大攻撃を放った。

 

激突するヒートバーナーフルパワーとエクスカリバーモルガン。

 

最初は拮抗していたが徐々に俺が押され始める。

 

そして追い詰められ……

 

もうダメだと諦めたとき、バーサーカーを倒した魔法少女組が加勢に入ってくれた。

 

四人の魔力援助を受けた俺のヒートバーナーは飛躍的に威力をあげ、セイバーのエクスカリバーモルガンをすぐに押し返した。

 

その威力は俺の今の最大砲撃ヒートバーナー超爆発最大出力(ハイパーイクスプロージョンフルパワー)よりもあった。

 

四人の魔力援助を受けたオレンジの砲撃の威力はかなりえげつないことになっていたらしい。

 

だがこうして俺は皆のおかげでセイバーを打倒することに成功したのだった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「ってな具合でなんとか異世界から脱出することに成功したんだ」

 

 

そして俺は皆に話を終えていた。

 

セイバーを倒し終えてからのイリヤ達とのやり取りも皆ほっこりしながら見ていた。

 

途中俺に対してサファイアからのお説教があったが、プリキュア達には呆れた目で見られただけだった。

 

どうやら全員慣れてきたらしい。

 

そして目的の時計塔を破壊すると、中からある二人組が出てきた。

 

それこそが俺がこんな目に合う元凶を作った二人組である。

 

遠坂凛(とおさかりん)とルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの二人だ。

 

プリキュアの面々は、あの空間を作ったのが自分達とそう年も変わらない()()()()()()()だということを聞いて驚愕していたのは良き思い出である。

 

まぁ、帰ってからいきなり目の前にプレシアが映ったときは思わず突っ込まれたが。

 

しかし言いたい。

 

これに関しては俺は悪くない。

 

欠片も悪くない。

 

むしろ世界が悪い。

 

 

はぁ( ´Д`)

 

 

冗談はさておき、今思えばどれもギリギリの戦いであった。

 

少なくとも俺一人だけでは乗り越えられる戦いではなかった。

 

毎度の如くギリギリな綱渡りである。

 

しかし俺達は乗り切った。

 

だから今回の砂漠の使徒との戦いも……俺的にはなんとかなると思っている次第である。

 

 

「はふぅ~」

 

 

そして今回の話を終えた俺は紅茶をいただいていた。他の皆も休憩中である。

 

 

「くぅ」

 

 

そのとき久遠が近寄ってきた。そしてボフンと巫女形態になり、話しかけてきた。

 

 

「ヒエン……せなかおもいっきりきられてた」

 

 

「ぶっ!?」

 

 

久遠のいきなりの言葉に俺は紅茶を吹きそうになる。

 

 

「くおん……あのはなし、しらない」

 

 

「いやまあそりゃ、言ってないし」

 

 

「ヒエン……またオオケガしてた。いたくなかった?」

 

 

すると久遠が泣きそうな顔でこちらを見ていた。

 

 

「う……」

 

 

なぜ幼女に泣かれるとこんなにも罪悪感が半端ないのかorz

 

 

「そ、それは……痛いといえば痛かった」

 

 

「くぅ……」

 

 

すると久遠が突然抱きついてきた。

 

心なしかその身体は少し震えていた。

 

 

「おいおい……どうした久遠?」

 

 

「むちゃダメ。()()()()みたいなむちゃ……ダメ……」

 

 

「あのとき?」

 

 

『ヒエン……久遠は神社での戦いのときのことを言っているのでは?』

 

 

「ああ……祟り狐のときの。っていうかアンジェ先輩はそのときのこともご存知なんですね……」

 

 

『前にも言ったはずですよ?貴方のことはずっと見ていましたから』

 

 

「それ聞きようによってはストーカーと取られなくもありませんが」

 

 

『失敬な!?誰がストーカーですか!?私はいつもトラブルに巻き込まれる貴方が心配で見守っていただけです!!』

 

 

「さいですか」

 

 

俺は久遠の頭を撫でながらアンジェ先輩と話していた。

 

すると側にいたつぼみが話しかけてきた。

 

 

「あの……ヒエンさんとキュアアンジェさんの関係も気になるのですが……久遠ちゃんの言ってたあのときというのが個人的にはものすごく気になるのですが……」

 

 

「あー……なんと言ったものか」

 

 

あのときのことはハッキリ言えば久遠自身の過去も含まれてくるので一概に俺自身の判断だけで話せるものではない。

 

というか本当に久遠のことはそこらの人に話せる過去ではない。まぁ、久遠自身が話してもいいというのならやぶさかではないのだが。

 

 

「久遠……お前さんのこと皆に話しても大丈夫か?」

 

 

「くぅ……つぼみたちなら……いい」

 

 

「そうか」

 

 

俺は久遠の頭を撫でつつ、つぼみと向き合う。

 

 

「久遠の許可が出たから話すが……ハッキリ言うぞ。生半可な覚悟で聞けるような内容じゃない。下手をすればトラウマになってもおかしくないレベルの内容だ」

 

 

「トラウマ……ですか?」

 

 

「普通に人の生死も関わっているからな」

 

 

俺のその言葉は予想外だったのかビクリと身体を震わせるつぼみ。

 

 

「まぁ、そこらへんは他の皆と話し合って決めてくれ。それだけ……久遠の過去は簡単に話せる内容じゃないからな」

 

 

すると俺とつぼみの言葉を聞いていた他の面々も神妙な顔でこちらを見ていた。

 

そんな微妙な空気の中、俺は冷めた紅茶を飲むのだった。

 




次回は祟り狐復活編の説明回。

当初の予定じゃこの小説の完結予定話数200話だったんだと話してみたり。余裕で越すね!!

では、また(・∀・)ノ

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