大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

とりあえず書けた。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百六十八話 心の花を守る伝説の戦士XL

第三者side

 

 

 

美翔舞(みしょうまい)は一人明堂学園中等部へと足を伸ばしていた。なぜ彼女が一人で行動しているかというと、友人の九条ひかりの弟、九条ひかるを探すためだ。

 

ひかりの話によれば彼女が少し目を離した瞬間に、ひかるはいなくなったらしい。

 

ひかるは5歳の小さな金髪の男の子だ。

 

舞はそれだけ目立つ容姿ならばすぐに見つかるだろうと思っていたのだが、探し始めて数分……それらしき少年は未だに見つからない。

 

そして彼女はキョロキョロと周りを見渡しながら探していると、ある貼り紙を見つける。

 

 

「美術部?」

 

 

そこは美術部であった。

どうやら展示会を開いているらしい。

 

舞は美術部に所属している。

 

他校の美術部を見る機会などなかった舞は、少し気になってしまい、その部屋にフラッと入ってしまう。

 

中には色とりどりの絵が置いてあった。どれもクオリティーが高い絵ばかりであり、ついついじっくりと観賞してしまう。

 

そして部屋の中を見回っていると、ある看板に気付く。そこにはこう書かれていた。

 

 

『ハートキャッチプリキュア!新刊発売!!』

 

 

舞はその看板を見て少し笑ってしまう。

 

 

(つぼみさんとえりかさん……マンガになってるんだ)

 

 

舞はつぼみとえりかのハートキャッチプリキュアの()()と面識がある。

 

二人とはフェアリーパークという遊園地でレインボージュエルを守るために一緒に共闘した仲間である。

 

そのことを思い出した舞は、そのマンガに少し興味が湧く。そして新刊をもらうために列に並んだ。

 

プリキュアの衣装にコスプレした美術部部員?の女子生徒にマンガを貰った舞は、さっそく読み始める。

 

 

「おもしろい……それにこの絵……かなりうまい」

 

 

舞もスケッチで絵をよく書くため分かるのだが、絵というのは簡単ではない。

 

似顔絵一つ書くだけでも顔の形、鼻の大きさ、目の距離など……気を付けて書かなければならないことが多い。

 

絵を書くという行為は、思った以上に集中力や忍耐力がいるのだ。

 

そしてマンガを読んでいて、舞は新たに気付いたことがある。

 

 

「プリキュア……三人に増えたんだ」

 

 

ハートキャッチプリキュアのメンバーがもう一人増えていたのだ。

 

そして舞は全てページを読み終える。

 

そのときようやく本来の目的を思い出す。

 

 

(い、いけない!ひかる君を探してたんだった!!)

 

 

そして本来の目的を思い出した舞は、再度ひかるを探そうと、まずは美術室を見渡す。すると……それらしき金髪の少年を発見する。

 

 

(あ、あの子……もしかして)

 

 

しかし……その金髪の幼い少年は黒髪の高校生と思われる男性に肩車されていた。それだけでなく少年の両肩には、小さなライオン?と、小狐が乗っていた。

 

そして男性の方は、美術部の部員と思われる男子生徒と大きな声で話していた。

 

 

『あの……俺に絵の指導をしてもらえませんか!?』

 

 

『はい?指導?』

 

 

『無茶なことを言っているのは分かってます。ですがヒエンさんは俺にはない技術を持ってるんです。滑らかなペンタッチ……柔らかなキャラクターの表情……リアリティーが増している文字や背景の見事な使い方……貴方は俺が持っていないテクニックを持ってるんです!!』

 

 

『ま、まあ俺なんかで良ければ……ただ絵の書き方の指導なんてしたことないから……正直よく分からんぞ?』

 

 

『大丈夫です。そこらへんは俺に任せてください!!』

 

 

『そ、そうか。まあ、これからよろしく頼むよ』

 

 

『よろしくお願いします!師匠!!』

 

 

『任せろ番少年!俺が持つテクニック全てお前に叩き込んでやる!!安心してついてこい弟子よ!!!!』

 

 

『はい!お供します師匠!!』

 

 

先程までどうみても渋っていたのに、男子生徒に師匠と呼ばれてから男性は急にテンションをあげて仲良くなっていた。

 

どうやら師匠と呼ばれたことが相当嬉しかったらしい。あっという間に男子生徒と意気投合していた。

 

男性の上にいる金髪の少年もそのやり取りを見て面白かったのか、楽しそうに笑っていた。

 

 

(ちょ、ちょっと変わった人なのかな?)

 

 

周りのお客さんも舞と同じ事を思ったのか、男性と男子生徒のやり取りを見て苦笑いしていた。

 

そして男性も注目されていることに気付いたのか周りに頭を下げていた。

 

その間、舞はというと男性に声をかけようかずっと悩んでいた。もしかしたらあの金髪の幼い少年が、ひかるかもしれないからだ。

 

しかし舞自身、そこまでアクティブではないため知らない男性に声をかけるというのは、彼女にとって必要以上にハードルが高かった。

 

天真爛漫(てんしんらんまん)な彼女の相方ならば別であろうが。

 

 

(ど、どうしよう……)

 

 

舞がソワソワしながら考えていると、男性と男子生徒の話し声が聞こえてきた。

 

 

 

『なあ番少年……少し聞きたいことがあるんだが』

 

 

『はい。なんでしょう?』

 

 

『実はこの子……ひかる君って言って、お姉さんとはぐれちゃったみたいなんだけどさ。高等部にある総合受付にいけばなんとかしてくれるかな?』

 

 

『はい。確か生徒会が対応しているはずなので、放送室で呼び掛けてくれるはずです』

 

 

 

(え……うそ)

 

 

舞はその会話を聞いて、思わず数秒間フリーズしてしまった。

 

あの少年が探していたひかる君らしい。

 

そこで舞はやっと再起動する。

 

男性は既に部屋の出口へと向かっていた。

 

それを見た舞は男性に向かって小走りで近寄る。

 

 

「あ、あの!」

 

 

そして気付けば肩を叩いて男性に声をかけていた。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

「あ、あの!」

 

 

俺は肩をポンと叩かれたので後ろを向く。

 

そこには黒みがかった髪のお団子ヘアーの女の子がいた。

 

その子は一言で言えば美少女といっても過言ではなかった。

 

女の子の服装はブラウスの上に長袖シャツを着ており、下は青色のジーパンであった。

 

とりあえず俺は反応する。

 

 

「はい?」

 

 

「あの……その子のこと……なんですけど」

 

 

その子?

ひかる君のことだろうか?

 

あ、もしかして……

 

 

「ひかる君のお姉さん?」

 

 

「い、いえ違います。友達が弟のひかる君とはぐれたと言っていたので、もしかしたらと思いまして」

 

 

「なるほど。()(つか)えなければ、その友達の名前を教えてもらっても大丈夫です?」

 

 

「あ、はい。大丈夫です。()()()()()さんです」

 

 

「…………え?」

 

 

今なんて?

 

 

「も、申し訳ない。もう一度言ってもらっても?」

 

 

「はい。()()()()()さんです」

 

 

「ナ、ナルホド」

 

 

聞き間違いじゃなかったorz

 

え、ちょっと待って?

お姉さんが九条ひかりさんだとしたら、この弟と思われるひかる君は……もしかして……いや待て……まだひかる君に確認を取っていない。

 

まだそうだと決まったわけじゃない!!

 

 

「なぁ、ひかる君。お姉さんの名前って九条ひかりさん?」

 

 

コクリ

 

 

しっかりと頷いたorz

 

 

「じゃ、じゃあ、ひかる君の名前って九条ひかるで合ってる?」

 

 

コクリ

 

 

再度頷いたorz

 

 

ということはこの子はプリキュアの関係者!?

 

いや待て……

同じ名前の人なんてこの地球上に何人いると思ってる?

 

もしかしたら他の県、他の国にひかり、ひかるの名をもつ九条姉弟(くじょうきょうだい)がいるかもしれないじゃないか!!

 

と、とりあえず確かめるためにもこの女の子に連絡をとってもらおう。

 

 

「あ、申し訳ない。その九条ひかりさんに連絡とってもらってもいいかな?ひかる君を保護してますって伝えないと」

 

 

「はい。分かりました」

 

 

するとお団子ヘアーの女の子はケータイを取り出し、ひかりさんという少女に電話をかけ始めた。

 

 

 

 

 

 

閑話休題(待つこと数分後)……

 

 

 

 

 

 

俺達が美術室の前で待っていると……

 

 

「舞さーーん!!」

 

 

「ひかりさんー!ここよーー!!」

 

 

前から金髪の三つ編みの女の子が走ってきた。

 

俺はその様子を内心複雑な気分で見ていた。

 

 

(金髪の三つ編みに……ひかりという少女……そしてこのお団子ヘアーの女の子……聞き間違いでなければこの子は今、舞と呼ばれていた……)

 

 

うん(゜-゜)(。_。)

 

俺の予想が外れてなければ……この子達……初代と二代目プリキュアの女の子ですやん。

 

そして合流してきた金髪の少女九条ひかりさんは、俺の頭の上に乗っているひかる君を見ると……少し泣きそうになりながら近寄ってきた。

 

俺はひかる君をソッと地面に下ろす。ついでに両肩に乗っている小動物を回収することも忘れない。

 

 

「ガゥ」

 

「くー」

 

 

はいはい。抗議はあとね。

 

 

「ひかる!」

 

 

ひかりさんはギュッとひかる君を抱き締める。無事で安心したのか少し涙を流していた。

 

 

「もう……心配……したんだから……」

 

 

「…………ごめんなさい」

 

 

ひかる君は小さな声で謝る。

 

見ると少し泣いていた。

 

お姉さんと無事合流できたから安心したのかもしれない。

 

 

「とりあえず無事合流できて良かった」

 

 

「そうですね」

 

 

俺の呟きに隣にいたお団子ヘアーの女の子、舞さんが答えた。

 

俺達は数分ほどその様子を見守るのだった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「あの、本当にありがとうございました!!」

 

 

「いいよいいよ。困ったときはお互い様だし」

 

 

俺は今、ひかりさんにお礼を言われていた。

 

 

「それでもです。お兄さんのおかげでひかるは無事でした。本当にありがとうございました」

 

 

「…………ありがとう」

 

 

ひかりさんと、ひかる君が頭を下げる。ただそう何度も自分より年下の子達の頭を下げさせるのは、客観的に見てあまり良く映らない気がする。

 

少なくとも周りに人が多いため目立っているのは確かだ。ここはあれだ。スピードワゴンはクールに去るぜ理論でいくしかない。

 

 

「そんな大それたことしてないよ。ただ、この子がベンチで一人で座ってるのが心配になったから一緒にいただけだし……でも、お姉さんと無事合流できて良かったなひかる君」

 

 

俺は頭を下げるひかる君の前に軽く座り、その頭を軽く撫でた。

 

 

コクリ

 

 

ひかる君は静かに頷いた。

 

 

「じゃあ俺はもういくよ」

 

 

「え?あの、お礼がまだ……」

 

 

「別にそういうのが目的でしたわけでもないし、気にしないでくれ。その気持ちだけで十分だ。じゃあ、またな」

 

 

そして俺は、彼女達に後ろ姿を見せながら去っていく。片手をあげながら。

 

ふっ。

オオゾラヒエンはクールに去るぜ。

 

やべぇ。

今の俺、チョーかっこよくね?(゜▽゜*)

 

それに人生で一度はやってみたいシチュエーションできたし。俺のテンションは内心うなぎ登りである。

 

だが周囲にそんなクールな姿を見せてはいたが、俺の両肩に乗っている小動物二匹は、俺の思考回路が分かっているのか俺を呆れたような目で見ていた。

 

相棒は分かるけどなんで久遠までそんな目してるん?

 

すると相棒から思念が届く。

 

ファッ!?

なんやて!?

 

そのとき相棒から衝撃的な事実を聞く。

 

なんと相棒が久遠にもパスのようなものをつなげているらしく、久遠にも精神リンクで俺が感じている感情が駄々漏れなそうな。

 

え?

なにそれ?

初耳なんですけど?

 

さらに相棒から思念が飛んでくる。

 

なんと久遠自身がそれを望んだらしく、それを汲み取った相棒が、リニスのような使い魔の位置でいつのまにか俺と久遠を契約させていたらしい。

 

つまり現在、久遠は正式に俺の使い魔となっている。

 

え?

ちょっと待とうか君達?

一言だけ言わせてもらっていい?

 

 

 

なに勝手にやってるん?

 

 

 

それにそもそも使い魔になるなら一番先に相談しないといけない人がここいるよね?

 

え?

事後承諾でいけると思った?

 

バカ野郎!

自慢じゃないが使い魔はもう十分足りてるんだよ!!

 

猫の家庭教師に、小ライオン五匹ときて、今度は狐巫女だと!?どんだけバリエーションに富んでると思ってんだ!?

 

それにお前ら……久遠の飼い主である那美さんに許可とってねえじゃん!!

 

それなら大丈夫?

兼用でやるから?

 

え?

使い魔って兼用できんの?

 

と俺が相棒と久遠と念話(契約したことにより久遠も使えるようになった)で話していると……

 

 

「ん?」

 

 

何やら引っ張られる感覚が……

 

なんぞ?と思いつつ後ろを見てみると腰にひかる君が抱きついていた。

 

 

「ひかる君?」

 

 

ひかる君が俺をジーッと見つめる。そのとき……

 

 

「ひかる!」

 

 

ひかりさんと舞さんの二人もこちらへやってきていた。

 

 

「あれ?」

 

 

「す、すいません。この子ったら……お兄さんと離れたくないみたいで」

 

 

「え?マジで?」

 

 

俺は確認する意味も込めてひかる君を見ると、彼はコクリと頷いた。

 

 

「あはははは……すっかりなつかれちゃってますね」

 

 

舞さんが苦笑いしながらこちらを見ていた。

 

 

「あの……ひかるもこうしているので、出来ればお礼をさせていただきたいんですが……あ、もちろんご予定があるのなら、そちらを優先してもらって大丈夫です。無理を言っているのは分かっていますので」

 

 

「いや今のところ、これといって特に予定とかはないけど……」

 

 

俺はPHSを取り出し時間を確認する。

 

時刻は13:30となっていた。

 

確かつぼみから16:30までには家庭科室に来てくれと言われたのでそれまでなら大丈夫だ。

 

 

「お、お兄さんが良ければ、そ、その……これから……わ、私達と……お、お茶でもしませんか?この中学にいる友人のクラスが……喫茶店を開いてるらしいんです」

 

 

「あ、はい」

 

 

ひかりさんは少し顔を赤くさせながら言ってきた。

 

その表情を見た俺は思わずOKしてしまった。

 

こうして俺は彼女達と行動することになった。

 

しかし……この時点で気付くべきであった。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はある喫茶店にいた。

 

そして冷や汗をかきまくっていた。

 

 

「はいコーヒーどうぞヒエンさん……」

 

 

「あ、ありがとうございますつぼみさん……」

 

 

今俺は、ひかりさん、舞さん、ひかる君と一緒につぼみのクラスの()()()に再度来ていた。

 

どうしてこうなった?

 




次回、若干修羅場。

では、また(・∀・)ノ

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