続き書けたので投稿。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
学園祭から五日が過ぎた。
あれから穏やかな時間を過ごしている。
あのつぼみとゆりによる説教によって……いやそれ以前に俺という存在自体がオールスターズの面々にはしっかりと記憶に残った様である。
あ、そうそう。
舞&ひかり、そしてそれぞれのリーダー四人組とメル友になりました。
特に舞&ひかりとはほぼ毎日メールをしている。だが最近の女子中学生のメールの仕方は華やかなのか俺は返信一つするだけでも四苦八苦している。なんとか顔文字を駆使して返している状態である。
二人からぜひ機会があったら私達の町に遊びに来て下さい!と言われたので近いうちに遊びに行こうと思う。
そんな俺は今、花屋の手伝いを終わらせ植物園の手伝いに向かっていた。
外は青空で良い天気である。
ゴゴゴゴゴゴゴ………………
「うん?」
しかし、どこからか急に地響きのような音が聞こえてきた。一瞬つぼみを怒らせたかと身構えたがどうも物理的な揺れのようだ。
「なんだ?」
そして俺は音がすると思われるところを見ると目を見開いた。
「隕石?」
ドゴオオオオオォォォンン!!!!!!
隕石らしきものは植物園の近くの広場に落ちた。
そして凄まじい光と衝撃が俺を襲う……がなんとかこらえた。
『ガゥ!』
「分かってる!」
そして胸騒ぎがした俺はすぐにその場所へと向かった。
◆◆◆
隕石らしきものが落ちたと思われる場所に向かうと、そこには巨大なクレーターが出来ていた。するといきなりクレーターから20mはあろう巨大な怪物が現れた。
そいつは全身が真っ黒でガッシリとした身体……まるで悪魔を体現したかのような巨体であった。
『ガゥガゥ!』
「ああ、このタイミングで宇宙からやってくるということは……恐らくこいつがデザートデビルだ」
デザートデビル
惑星城から発射され、星を砂漠にするという目的のために砂漠の種から生みだされた怪物だ。
毎回ハートキャッチプリキュアのOPに出てはやられているのだが、実際は違う。こいつは身体もでかく、スタミナもありタフネス、そのうえ再生能力もあるという正真正銘の怪物だ。
その強さはデザトリアンと比べる間でもない。プリキュア達でも恐らく力を合わせなければ勝てないほどの強敵である。
「セットアップ、スピリットフォーム
元々ヤバイ相手なので様子見なんてせずに最初から全開でいく。
「『ウォオオオオオ!!!!』」
デザートデビルが俺の存在に気付くと目を光らせる。そしてなんと目からビームを放ったのだ。
「!?」
俺はそれを両手のブースターで素早くかわすと、形態変化を使い、奴の顔にビッグバンアクセルを放った。
「『ウォオ!?』」
デザートデビルは光線を放ちながら仰向けに倒れる。
「たたみかける!」
そして俺は両手をあげて巨大な炎の塊を生み出し、倒れているデザートデビルに放った。
「
ドガァアアアアアアン!!!!!!
フレイムキャノンが直撃する。
だが……
「『ウォオオオオオ!!!!』」
デザートデビルは普通に起き上がった。
特に効いてはいなさそうだった。
こいつを倒すには少なくともヒートバーナー
それに奴がビームで放った攻撃箇所を見ると、その箇所だけ草花が枯れ、砂漠化していた。
恐らくあれを食らえばただでは済むまい。
「『ウォオオオオオ!!!!』」
すると奴は起き上がり、こちらに強力な拳の連撃を放つ。俺はそれを最低限の動きだけでかわすとチェーンバインドで両方の拳を拘束する。
そして奴の横に回り込み上半身全体を破壊するように砲撃を放つ。
「ヒートバーナーフルパワー!」
右手を向け巨大砲撃を放ち、デザートデビルの上半身を破壊することに成功する。
「オペレーションヒート」
そしてそのまま最大砲撃を放つ準備をしようとするが……
「『ウォオオオオオ!!!!』」
「なに!?」
上半身はすぐに再生され、新たに腰から蛇のような六本の触手が生え、俺を襲ってきた。
「ちっ!?」
俺は準備をやめて、飛翔魔法で回避する。
砲撃を放つにはまずあの六本の蛇の触手をなんとかしなければならないようだ。
(面倒な……)
そのとき……
「ヒエンさん!」
タイミング良くつぼみ達が現れた。
ヒエンside end
◆◆◆
第三者side
その日つぼみ達は学校が早目に終わったので植物園に集まっていた。
「それで……今日はなんの集まりなの?」
ゆりは紅茶を飲みながらつぼみ達に話しかける。
「学園祭も大成功に終わったので今日は皆で楽しく過ごしたいなって思ったんです」
つぼみがゆりに説明する。
数日間あった学園祭も無事終了し、その片付けも今日終了したのだ。そのため学校の授業も早目に終わったため、つぼみ達は植物園でお茶会を開こうということになったのだ。
「なるほどね。タマにはそういうのもいいかな」
ゆりは静かに告げる。
ゆり自身も後輩達と過ごすこの穏やかな時間は嫌いではなかった。
「あ!見てくださいゆりさん!コスモスが花を咲かせました!!」
「うん。とってもきれいね」
植物園に植えたコスモスの花が綺麗に咲いている。そのとき、いつきが黄色い小さな花を見つける。
「あ!この花かわいい」
「それはイエローキューピットです」
「うんうん!」
するとえりかが突然頷き出す。
「内気だったつぼみもチェンジしたし、いつきも好きな物に素直になれたし、ゆりさんのこころの花も咲いたし、コロンも復活したし、ヒエンさんは……いつも通りだし!お姉さんは嬉しいよぉ~」
「ぶぅ~」
「えりか上から目線ですぅ」
「それにお姉さんじゃないですぅ」
「皆、容赦ないねえ」
妖精トリオのえりかへの評価にコロンは苦笑いする。だがえりか自身は特に気にしていないようだ。さすが鋼のようなメンタルを持つ女の子である。
「と・に・か・く!砂漠の使徒がどんなに汚い手を使ってきても!私達が力を合わせれば……ぜったい!ぜえぇぇっったいい!だいじょうぶだよ!!」
「うん!」「はい!」
えりかの言葉にいつきと、つぼみは元気よく頷いた。
だが一人だけ頷けない人物がいた。
「本当にそうかしら……」
ゆりである。
「「「「「え?」」」」」
ゆりは紅茶を一口飲みながらじっと目をつむる。そして口を開いた。
「それにしても……今日は遅いわね彼」
「あ、そうですね。いつもならもう来てる時間帯なのに……」
カタカタカタカタ
そのとき植物園全体が僅かに揺れる。
「皆!大変よ!!」
「おばあちゃん?」
すると薫子が勢いよく扉を開いて入ってきた。そのとき……
ゴゴゴゴゴゴゴ…………
空から赤色の光が植物園の上を通過した。そして勢いよく地面に着弾し、爆発が起こった。
ドガァアアアアアアン!!!!!!
爆発の衝撃で植物園が揺れる。紅茶のカップもいくつか割れてしまった。
「おばあちゃん!」
「……うん。頼んだわよ皆!」
「「「「うん!!」」」」
そしてただ事ではないと感じたのか全員で隕石の落ちた場へと向かった。
四人が現場へ向かうと……
「ヒエンさん!」
既に来ていた少年が20m級の怪物と戦っていた。
「なんであの人はいつも私達より先に戦ってるの!?」
えりかが吼えるように言うが仕方がない。そういう星の元に生まれてきたのだ。
「っていうかあれってデザトリアン!?」
「いいえ。デザトリアンは人の弱くなったこころの花を利用したもの。あれは一体?」
すると怪物は少年に向けて目からビームを放つ。少年はビームを避けるとお返しとばかりにオレンジの砲撃を放つ。
だが両手でガードされたため大して効いていなかった。
さらに怪物はビームを放っていく。
そのビームが地面に当たり、花が枯れた。
「あ、花が!?」
「もしかしてこの町を砂漠に変えるつもり!?」
「そうはさせません!皆さん変身です!!」
そしてつぼみ達は変身アイテムであるココロパフュームとココロポットを構える。
「「「プリキュアの種いくですぅ(しゅ~)」」」
するとシプレ、コフレ、ポプリはそれぞれピンク色、水色、金色の種を生み出し、自分達のパートナーへと渡す。そしてゆりの持つプリキュアの種も修復されていく。
そしてつぼみ、えりか、いつき、ゆりは光のワンピースに包まれ、それぞれのこころの種を
「「「「プリキュア・オープンマイハート!」」」」
つぼみ、えりかはココロパフュームを互いに吹きかけ、いつきも自身の身体に吹きかけていく。ゆりも舞うように光を纏う。
そして四人とも自身の色をモチーフにしたワンピースを身に纏うと、勢い良く名乗った。
「大地に咲く一輪の花、キュアブロッサム!」
「海風に揺れる一輪の花、キュアマリン!」
「陽の光浴びる一輪の花、キュアサンシャイン!」
「月光に冴える一輪の花、キュアムーンライト!」
「「「「ハートキャッチプリキュア!」」」」
四人は変身を完了させ、怪物に向かっていった。
第三者side end
◆◆◆
ヒエンside
「皆!こいつは…………ってあぶね!?」
俺は六本の蛇の触手をリングバインドで拘束しながら、その周りを飛び回る。
そして変身を完了させたブロッサム、マリンが立ち向かう。
「「はぁああああ!!」」
だが彼女達の攻撃はうまく防がれ逆に吹き飛ばされる。やはりデザトリアンと戦闘力が違いすぎる。耐久力もケタ違いだ。
「フッ!!」
俺は再び奴の顔面にビッグバンアクセルを放ち、仰向けに倒した。
そしてその間にブロッサム達と合流する。
「戦ってみて分かったが、デザトリアンとは戦闘力がケタ違いだ。並の攻撃じゃ効かない上に再生能力まである」
「再生能力……」
「厄介ね……」
俺の言葉にサンシャインとムーンライトが反応する。だが手がないわけじゃない。
「一人じゃ無理でも四人ならいけるんじゃないか?」
「そうね。それしかもう手はないわ。皆、四人でフォルテウェイブよ」
「「「うん!!」」」
「じゃあ時間稼ぎしてくる。とどめは皆でよろしく」
「任せなさい」
「よし!行くか!!」
俺はデザートデビルの周りを猛スピードで飛び回り、炎の竜巻を起こした。
「
炎の竜巻で視界が塞がれたのかデザートデビルは攻撃を適当に繰り出す。
その間にブロッサム達は準備を進めていく。
「「「「集まれ花のパワー!」」」」
「ブロッサムタクト!」
「マリンタクト!」
「シャイニータンバリン!」
「ムーンタクト!」
四人共にエネルギーを収束させる。
「「「「プリキュア……」」」」
「ピンクフォルテウェイブ!」
「ブルーフォルテウェイブ!」
「ゴールドフォルテバースト!」
「シルバーフォルテウェイブ!」
そして勢いよく撃ち出した。
3つのフォルテウェイブが並ぶ。そしてゴールドフォルテバーストがそれらを包むように一つになった。
ドオン!!!!
デザートデビルに4つの攻撃が直撃する。
そしてその後ろに桜、コスモス、ヒマワリ、ユリが投影される。
「「「「はぁああああ!!!!」」」」
四人は武器を回転させる。
「『ウォオオオオオ~~』」
そして浄化の攻撃を受けながらデザートデビルは消滅していった。
◆◆◆
デザートデビルが消滅したはいいもののアンテナのような妙な形をしたものが後に残された。
「なんですかこれは?」
「やっつけたんじゃないの?」
するとアンテナらしきものが突如光だし、声が聞こえてきた。
『我が名はデューン……砂漠の王』
(この声の主が……)
「砂漠の……王?」
「ってことはこいつが悪の大ボスってわけ?」
『こざかしきプリキュア共よ。お前達が如何なる努力をしようとも私を止めることはできない。見るがいい……』
するとアンテナらしきものがさらに光を帯びてある映像を映し出した。そこには大きな遺跡のような城が宇宙空間を飛んでいた。
「薫子さんから聞いたことがある。名前は確か……『惑星城』」
(あれが惑星城……城の面積だけでも東京ドーム以上はあるんじゃないのか?)
それだけ大きく見えた。
すると惑星城から何か巨大な種のようなものが、背後に映っている緑の惑星に撃ち出された。
そして撃ち出されてから数秒後……その緑の惑星は一瞬で砂漠と化した。
(あれは……さっき落ちてきた隕石と同じものか?)
「星が……」
『その星の全ての緑を枯れさせる砂漠の種……デザートデビルだ』
(やはりか……)
「砂漠の種……」
「デザートデビル……」
ムーンライトとサンシャインが言葉を繰り返す。
『君達にもプレゼントしよう』
そして惑星城から一つの巨大な種が宇宙空間に撃ち出された。
『直に地球へ到達する。そして全ての緑を枯らし、全ての人間のこころの花を枯らし、こころの大樹をも枯らしてくれる』
デューンがこちらに宣戦布告するように告げる。
だがこちらも黙ってはいなかった。
「そんなことは決してさせません!」
「そうだよ!」
「こころの大樹も、皆のこころの花も守ってみせる!」
ブロッサム、マリン、サンシャインが大声で反論した。
『では、お前達がいかにデザートデビルと戦うかじっくり試させてもらおう。フハハハハハ……ハッハッハッ!!!!』
デューンの笑い声と一緒にアンテナらしきものも消え去った。
ひとまず俺達は植物園へと戻り対策を練ることになった。
そんななか俺は思念でアンジェ先輩に話しかけていた。
『聞いてましたかアンジェ先輩……いやキュアアンジェ?』
『ええ、しっかりと』
『デューンの奴が来るまでもう時間がありません。急いで対策を取らなければ……』
『何か策があるのですか?』
『ええ。とりあえず奴の狙いを防ぐくらいには……』
『聞かせてもらっても?』
『もちろん。これからお話しします。デューンの対策について』
そして俺達は密かに話し合いを始めた。
次回はデザートデビル対策に再びプリキュアパレスにレッツラゴー。主人公はデューン対策に奔走します。
では、また(・∀・)ノ