いよいよパワーアップだー。
ここまでくるのにコラボ49話もかかってしまった。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
ひとまず植物園に戻ったつぼみ達は再びプリキュアパレスへと向かった。
今よりさらにパワーアップするために最後の試練を受けにいったのだ。薫子さん曰くその試練を乗り越えたときプリキュアはさらなる高みにいけるらしい。
その試練を乗り越えると四人はパワーアップできるはずだ。
ハートキャッチプリキュアの強化形態……スーパーシルエットへと。
そんななか俺は一人別行動を取っていた。
ハートキャッチミラージュの力でこころの大樹まで飛ばしてもらったのだ。
ザァアアアアア…………
こころの大樹の葉が風で揺れる。
さっそく俺は準備を始める。
『貴方の策を聞きましたが……本当にそんなことが可能なのですか?』
「普通は無理でしょうね。少なくとも今の俺の力だけでは……」
『ではどうするのですか?』
「簡単な話です。
『持ってくる?』
「まあ見ててください。少し時間がかかりますが……」
そして俺は準備に取りかかった。
ヒエンside end
◆◆◆
第三者side
その頃つぼみ達はプリキュアパレスにて最後の試練に臨んでいた。
プリキュアパレスへと向かう光に包まれた瞬間、つぼみ達はそれぞれバラバラに不思議な世界へと飛ばされていた。
そこに突然、自分達にそっくりな姿をした戦士が現れる。
最後の試練の内容とは、自分自身の影と戦うことだったのだ。その影は自分達の持っている暗い心の象徴ミラージュであった。
マリンはお姉さんであるももかに対してのコンプレックス、サンシャインは今まで無理矢理抑えていた自分の気持ち、ムーンライトはコロンを失ってしまった悲しみの心が具現化したのだ。
自分達の影に戸惑いながらも、強い心でプリキュア達はミラージュを乗り越えていく。この試練をクリアするには過去の自分を認め、受け止めることが必要だったのだ。
マリン、サンシャイン、ムーンライトの三人は影の心を受け止め、ひとつに戻った。
そして最後の試練を乗り越えた三人はプリキュアパレスに戻った。すると最後の試練を乗り越えた証に自分達の石像が飾られる。
お互いが無事であったことを喜ぶマリン、サンシャイン、ムーンライト。しかしただ一人……ブロッサムだけが未だに戻っていなかった。
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「『ハッ!』」
「ああっ!」
ブロッサムはブロッサムミラージュに吹き飛ばされる。
ミラージュの姿はブロッサムを少し大人にしたような姿だ。
少し濃い赤いロングヘアーの髪、黒いボンテージ風のスーツの上に、白いトレンチコートを羽織っている。
「『あなたが変わることはできないわ』」
ミラージュはブロッサムへと告げる。
「『シャイで引っ込み思案な私にサヨナラしない限り……』」
「私は……私は変わるんです!」
ブロッサムが接近戦を挑むがミラージュに見切られているのかアッサリとかわされてしまう。そしてカウンターをもらってしまった。
「ああっ!?」
「『ハッ!!』」
再び吹き飛ぶブロッサム。二人の力の差は歴然であった。どこか迷いながら戦うブロッサム。冷静沈着な動きで迷いのないミラージュ。どちらが強いかなど明白であった。
「『シャイで引っ込み思案ですぐに人に頼ってしまう……それが本当の私なのよ』
「私は……確かに前の私はそうでした。でも!私は本当にチェンジしたんです!!」
「『いいえ。今も変わってないわ』」
「え…………そ、そんなこと……」
ブロッサムの言葉を否定するミラージュ。ブロッサムは少し気圧されるがすぐに言い返す。
「わ、私は、わたしは変わったんです!!」
「『そして……それはプリキュアになっても変わらない』」
するといつの間にかブロッサムの後ろに回り込み、彼女の耳元で
「!?」
ブロッサムは咄嗟に距離をとる。
「『貴方は私を見なくていい……貴方は私から逃げてもいい……そして貴方は……弱い自分に立ち向かうことをやめて……そのまま変わらないでいてもいい』」
ミラージュは言葉を続ける。
「『自分が弱いのは、自分のせいじゃないと……人に甘え続けて!』」
そしてミラージュは赤い斬撃を振るう。
縦一線に振るわれたそれをブロッサムは食らってしまった。
「ああ!?」
そして倒れてしまう。
「『もう……私との戦いは諦めなさい。自分は変われないと認めるのよ!』」
「私は……」
「『大丈夫。お父さんやお母さん、皆もそのままの私を認めてくれるわ。変身しなくても、戦わなくても、皆優しくしてくれるわ』」
どこか優しげに甘美に聞こえる言葉。だがミラージュは安易にこう言っているのだ。『諦めなさい。貴方は変われない……』と。
「『ね?』」
ミラージュ自身はどこか確信しているかのように告げる。それはブロッサムが変われるとは微塵も思っていないことを示していた。
だが……人というのはいつでも変われる可能性を秘めている。人は成長する生き物だ。いつまでも変わらないなんてことは……
人はいつだって成長できる機会を持っている。
例えば周りの人物の影響を受けたり……
目標とする人物ができたり……
世界というのはそんな新しい自分を探せる機会がある可能性に満ち溢れている。
そして彼女は……ブロッサムはその可能性をしっかりとモノにしていた。
「それじゃ……ダメなんです」
そしてミラージュにハッキリと否定の言葉を伝える。
「『…………』」
「私は……シャイで引っ込み思案な私がただ嫌なだけでした。ただ、自分が嫌いなだけだったんです」
「『…………』」
「だけど私は皆に出会いました」
ブロッサムは思い出すように話す。
「強くて優しい私の仲間……私は皆の事が大好きなんです。私は皆がいたから頑張れるんです」
「『フッ!!』」
するとミラージュは攻撃をしかける。まるでブロッサムの言葉を聞きたくないといわんばかりに。
「私は!」
そしてブロッサムもミラージュの攻撃をかわしながら言葉を続ける。
「
思い出すのはある少年が言ってくれた言葉。
『別にゆっくりでいいんだ。焦る必要なんてない。
その言葉はつぼみにとって衝撃的であった。
少しずつ変わっていけばいい。
あのとき変わらなければならないと焦っていたつぼみにとって、そんな少年の言葉は励みとなっていた。
「新しい自分を……自分で作っていけそうな気がします」
「『フッ!ハッ!』」
再び攻めるミラージュ。ブロッサムはその攻撃を紙一重で全てかわす。
「貴方はちょっと前の私です」
「『…………』」
「新しく自分を変えていくことに臆病だった私なんです。私、変わります。チェンジ……するんです」
「『もうシャイで引っ込み思案な私は……いらないのね』」
そして二人は……
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その頃……
プリキュアパレスではブロッサムの帰りを皆が待っていた。
「ブロッサム遅いですぅ」
シプレは少しいじけながら待つ。
試練はプリキュア一人で受けなければいけないため、パートナーの妖精といえど一緒にはいけないのだ。
そんなときムーンライトは薫子に話しかけていた。
「この試練……乗り越えられなければブロッサムはどうなります?」
「……何も変わらないだけよ」
そして薫子は語った。
「ハートキャッチミラージュが与える試練は
誰も本当の自分を知るのは不安だわ。弱かったり、ちっぽけだったり、くだらなかったりしたら悲しくなる。
でも誰でも変わることはできるの。本当の自分から逃げないで、本当の自分を知るの。
それが自分の望まない姿でも受け止めなくちゃいけない。そして自分で考えるの。何をしたいのか、何をすればいいのかを。皆、悩み苦しんで絶望から光を見つけて……希望を繋げてきたのよ」
薫子は台の上にあるハートキャッチミラージュに触れる。
「今度はつぼみの番。自分との戦いを乗り越えられるのは……自分だけ。つぼみが自分の心で自分の心を成長させなくちゃいけないのよ」
そんな薫子の言葉に一人と一匹が反応した。
「「チョーーーー心配!!(ですぅ!!)」」
マリンとシプレだ。
「ブロッサムは弱虫で!頼りなくて!最初は最弱のプリキュアとか言われちゃうし!それにそれに……」
「引っ込み思案ですぅ!!」
「私達がいないとダメダメなんだから!!」
そんな二人を安心させるようにサンシャインが笑顔でいった。
「
「「ううぅぅ……」」
マリンとシプレはそれでも心配なのか泣きそうな表情になっていた。
「ブロッサム!頑張ってねええぇぇ!!私達がここで応援してるからねえぇぇぇ!!!!」
「「がんばれですううぅぅ!!!!」」
今、残っている皆にできることは仲間を信じて待つことだけだ。
だがそんな彼女達に着々と脅威は近付きつつあった。
第三者side end
◆◆◆
ヒエンside
「だあ!きっつ!!」
『…………本当に大丈夫ですか?』
「は、はい。相棒の補助もあるおかげでなんとか……」
自分から言い出した手前投げ出すのはダメな気がする。
『む……』
そんなときアンジェ先輩が何やら反応する。
「どうしました?」
『どうやらマリンにサンシャイン、ムーンライトは試練を無事乗り越えた様です』
「そうですか」
ということはミラージュを受け入れることができたのか。
『しかしブロッサムだけがまだ戻ってきていないようです』
「そうですか……」
だが俺はさほど心配していない。あの子はシャイで内気で引っ込み思案だが、いざというときは一歩踏み出せる勇気を持つ女の子だ。
だから、俺は俺で今自分のできることをやらなければ。
「相棒……後、どれくらいで完成しそうだ?」
『ガゥ~』
「あと二時間か……魔力持ちそうにないんだけど」
『ガゥガゥ!!』
「ひねりだせってか。このドSめ」
『ガゥガゥガゥガゥ!!』
「へいへい。頑張りますよ……ってこの気配は!?」
(この嫌な感じ……まさかもう来たのか!?)
するとここに来る前に見た隕石がプリキュアパレスのすぐ側へと落ちてきた。
そしてそれは形をもって巨大化した。
「『ウォオオオオオ!!!!』」
プリキュアパレスの全長は目測で約50mほどある。
デザートデビルの大きさはその約2倍はあった。最初に戦ったデザートデビルのおよそ5倍……つまり100mはあった。
『デザートデビル……』
「アンジェ先輩も過去に戦ったことが?」
『はい。あそこまで大きくはありませんでしたが……ですがこれだけは言えます。普通の攻撃ではまず倒せません』
「それだけ強いということですよね……」
俺も一度戦ったが普通の攻撃では倒せなかった。
それにあの規模のデザートデビルを俺が倒そうとするのであれば……
だが俺はブレイカーは未だに修得までは至っていない。
(これは……あの新武装を使うしかないか?)
一応、
だが問題がある。
その攻撃を一度も試したことがないのだ。
「『ウォオオオオオ!!!!』」
すると巨大なデザートデビルの周りを飛ぶ三つの光の影が見えた。マリン、サンシャイン、ムーンライトだ。
『ヒエン……今のあの子達ではあのデザートデビルを倒すことはできません。加勢にいかないのですか?』
「すいません。加勢に行きたいのは山々なんですが今はこころの大樹から離れられないので無理なんです」
『あのデザートデビルの狙いは明白です。ハートキャッチミラージュの破壊です。今、ミラージュを破壊されてしまえばデューンを打倒することができなくなってしまいます』
「大丈夫ですよ。あの三人を見る限り城を守るように戦っていますし。それに四人揃えば……ブロッサムが来ればきっと大丈夫なはずです」
ブロッサムが来れば、スーパーシルエットになりさえすれば……あの巨大なデザートデビルを倒せるはずだ。
だから俺は俺で……やれることをやらなければならない。
「続けるぞ相棒」
『ガゥ!!』
そして今は皆が乗り切ってくれると信じて俺は作業を続けた。
ヒエンside end
◆◆◆
第三者side
惑星城から砂漠の種デザートデビルを放った少年のような風貌の男が地球を眺めていた。
「砂漠の種よ……デザートデビルよ。ハートキャッチミラージュの力が発動する前に破壊するのだ」
砂漠の王……デューンが眺めていた。
「キュアフラワー……五十年前、ハートキャッチミラージュで奪われた僕の力……返してもらうよ」
そしてニヤリと笑いながら……ゆっくりと……まるで語りかけるように言った。
「君のことだから僕が近くにいるのを感じているだろうね……」
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そしてキュアフラワーこと薫子もデューンの存在を感知していた。
「皆!デザートデビルがここに来るわ!!」
「「「え!?」」」
マリンが唖然としたように呟く。
「まだブロッサムの最後の試練が終わってないのに……」
そして三人はひどまず外へと出ていく。
すると丁度隕石が爆発し、全長100mはあるデザートデビルが姿を現した。
「『ウォオオオオオオオオ!!!!』」
「大きい……」
三人はその大きさに圧倒されていた。
そしてデザートデビルはプリキュアパレスへと攻撃を開始した。
「デザートデビルの狙いはハートキャッチミラージュの破壊よ」
「あんなのどうすれば……」
するとマリンが動き出した。
「大丈夫だよ!ブロッサムが戻ってくる前にあんなのちゃちゃ~っとやっつけちゃおう!いくよコフレ!!」
「はいですぅ!!」
そしていの一番に飛び出しデザートデビルへと飛んでいく。
「私達もいきましょう。いくわよコロン」
「了解!!」
そしてそのあとに続いてムーンライト、サンシャインも空を飛んでデザートデビルに向かった。
三人の姿を確認したデザートデビルは攻撃をしかける。強大な拳が三人へと向かうが三人はそれをかわす。
そしてマリンが両手に青いエネルギー収束させ技を放った。
「おりゃあああ!マリンインパクト!」
デザートデビルは少し吹き飛ぶが、蛇の触手から熱線攻撃を放つ。
「よっしゃ!ん?」
そしてマリンに当たる……と思われたとき横から現れたサンシャインのおかげでかわすことに成功する。
しかしその熱線攻撃はプリキュアパレスに直撃し、城が少し破壊されてしまう。
続いて第二射が放たれようとしたとき……
「ふっ!!」
ムーンライトが蛇の触手の頭を咄嗟に蹴り、暴発させた。
「皆!プリキュアパレスを守るように戦うのよ!!」
そしてムーンタクトを構え蛇の触手に攻撃を放った。
「花よ輝け!プリキュア・シルバーフォルテウェイブ!」
シルバーフォルテウェイブは見事直撃する。だがたいして効いてはいなかった。前に戦ったデザートデビルとサイズが違いすぎるのだ。
大きいというのはそれだけで武器になる。分かりやすく言えばアリ対ゾウのようなものだろうか。
アリがいくら技を極めようとゾウには決して勝てない。技を当ててもゾウには蚊ほども効かないからだ。絶対的に威力が足りないのだ。
そしてデザートデビルは狙いをかえ拳で城を破壊しようと試みる。それを察したサンシャインは巨大なヒマワリ状の盾サンフラワー・イージスを展開する。
「『ウォオオオオオ!!!!』」
「くっ!?」
限界まで強化し耐えるが次第に追い詰められていく。そして六つの蛇の触手による熱線攻撃でサンフラワー・イージスは完全に破壊されてしまう。
「「ああ!?」」
そしてその衝撃で城の壁に叩きつけられるマリンとサンシャイン。
「私達……最後の試練でパワーアップしたんじゃなかったの?」
圧倒的な相手に弱音を吐き出すマリン。だがそんなマリンを叱咤する者がいた。
「弱音を吐くのはやめなさい」
ムーンライトだ。
「『ウォオオオオオオオオ!!!!』」
デザートデビルは雄叫びをあげる。
ムーンライトは不敵に笑いながら言った。
「やはり皆の力が一つにならないと勝てないみたいね」
そして再びデザートデビルに立ち向かう。
残された二人はムーンライトの後ろ姿を見ながら気合いを入れた。
「ブロッサムが来るまで頑張ろう!!」
サンシャインはマリンを鼓舞して立ち向かい……
「……コフレ!もう一頑張りするよ!!」
「合点ですぅ!!」
気を持ち直したマリンも再び立ち向かっていった。
そして……
それを城の頂上で見ていた
「シプレ!私達も行きますよ!!」
「はいですぅ!!」
シプレはマント姿に変化し、ピンク色の少女に空を飛ぶ力を与える。そして少女はマントを翻してデザートデビルに攻撃を放った。
「花よ輝け!プリキュア・ピンクフォルテウェイブ!」
ピンク色の花がデザートデビルの顔に直撃した。
そしてその攻撃を放った張本人ブロッサムは皆に優しく笑いながら言った。
「お待たせしました!」
三人はそれをどこか安心したように出迎える。
「遅いわよ」
「いいってことよ!」
「さぁ、皆揃ったところでデザートデビルをやっつけましょう!!」
そしてサンシャインの言葉を皮切りにプリキュアの総攻撃が始まる。
「『ウォオオオオオ!!!!』」
するとデザートデビルはムーンライトに狙いを定め六つの触手を向かわせる。
「…………」
ムーンライトはそれを高速飛行でかわしていく。
「ムーンライト……前からも来るよ!」
「了解!!」
コロンの指示でかわす。その間にプリキュア達は総攻撃を開始する。
「花よ
「花よ輝け!プリキュア・ピンクフォルテウェイブ!」
「花よ輝け!プリキュア・シルバーフォルテウェイブ!」
三つのフォルテウェイブがデザートデビルに直撃する。その間にサンシャインが正面へと回り込む。
「花よ舞い踊れ!プリキュア・ゴールドフォルテバースト!」
そしてゴールドフォルテバーストにてデザートデビルの姿勢を崩すことに成功する。
「フォルテッシモよ」
「はい!」
その間にサンシャインとムーンライトはフォルテッシモで攻めていく。
「「プリキュア・フローラルパワーフォルテッシモ!!」」
金色と銀色の光を纏いながらデザートデビルへと向かっていく。その様子をマリンは羨ましそうに見ていた。
「いいなあ~、ムーンライトとフォルテッシモ!」
それをブロッサムが慰めながら声をかける。
「まぁまぁマリン。それより……私達も!」
「フォルテッシモ!する!?」
「しましょう!!」
「よおーし!いくぞー!!」
「おー!!」
そして二人はタクトを構え振るう。
「「集まれ二つの花の力よ!プリキュア・フローラルパワーフォルテッシモ!!」」
ピンク色と青色のエネルギーを纏いながらデザートデビルに突っ込んでいく。
銀色、金色、ピンク色、青色の光がデザートデビルの周りを飛びながら攻撃を仕掛ける。
そして身体を突き抜けると爆発を起こした。
だがデザートデビルの身体はすぐに再生してしまう。
それを見たブロッサム達はハートキャッチミラージュを転送させ、構えた。
「「今こそ!プリキュアの新しい力を試すときですぅ!!」」
「パワーアップの種でしゅぅ!!」
「しっかりやりたまえ君達」
妖精の激励を受けながらブロッサムはパワーアップの種を受けとる。
「皆!いきますよ!!」
そしてハートキャッチミラージュに装填した。
四人のプリキュアは、祈り始める。
「「「「鏡よ鏡、プリキュアに力を!!」」」」
そして全員の姿が白色の衣装に変わり、羽衣を身に着けたような姿へと変わっていく。
白の長手袋を装着し、ティアラとイヤリングを装着している。 全体的に白色をメインとしたコスチュームへと変わり、背中にハートの虹色オーラが出現していた。
その姿はまるで天女のようであった。
「「「「世界に輝く一面の花、ハートキャッチプリキュア!スーパーシルエット!!」」」」
続けて四人はそのままハートキャッチミラージュを上へと放つ。
「「「「花よ、咲き誇れ!プリキュア!ハートキャッチオーケストラ!!」」」」
四人の呼びかけに応えるように、目を閉じた巨大な女神のシルエットが姿を現わす。
そして四人の叫びに呼応するように巨大な女神のシルエットから、デザートデビル目掛けてエネルギーが凝縮された愛の拳が振り下ろされた。
「「「「ハアアァァ!!!!」」」」
四人が叫びながらタクト、タンバリンを回し、デザートデビルを浄化させていく。
「『ウォオオオオオ~~』」
そしてデザートデビルは浄化され、静かに消滅していった。
第三者side end
◆◆◆
ヒエンside
( ゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
(;゚Д゚) …!?
「…………夢じゃない」
俺はデザートデビルが消滅させられていく映像を見ていたのだが一言だけ言いたい。
女神様……マジッパネェッス((((;゜Д゜)))
100mはあろうデザートデビルがまるで赤子に見えた。
あの女神様については前世でも色々憶測で語られていた。
驚くことなかれ。
あの女神様の全長……約3000mはあると言われていた。
そして浄化するときの手段がまさかの鉄拳制裁である。当時の視聴者も驚いたことだろう。俺だって今この瞬間かなり驚いている。
まさに愛の拳である。
あと見間違えでなければ、拳にオープンフィンガーグローブが装着されていた。
結論から言うと……メガミサマコワイ。
『無事デザートデビルは浄化されたようですね』
「ソウデスネ」
すると映像から彼女達の話し声が聞こえてきた。
『最後の試練を乗り越えて気付いたことがあるわ』
ムーンライトは言う。
『砂漠の使徒を倒すにはプリキュアがただ力を合わすだけじゃダメ。ひとりひとりが成長し、自立して、そのうえで力を合わせないと』
ブロッサムが答える。
『そのために私達は自分自身と向き合わなければならなかったんですね』
サンシャインが気付く。
『そしてそれはただ戦うといったことではなかった』
マリンが知る。
『自分の嫌だった部分も受け入れて一緒に成長することだったんだよね』
四人は青空を眺めていた。
その顔は清々しいほど綺麗で……美しかった。
四人は成長した。
自分自身の嫌な部分から目をそらさずにしっかりと受け入れた。
だからこそスーパーシルエットになることができた。
これで四人はプリキュアとしても、一人の人間としても成長することができた。
「はぁ。俺も頑張らないとな」
そして俺も作業を続けた。
ヒエンside end
◆◆◆
第三者side
つぼみは一人試練を乗り越えた証の石像を眺めながら自分の、あのときのミラージュとのやり取りを思い出していた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄
「『もうシャイで引っ込み思案な私は……いらないのね』」
「いいえ……」
ブロッサムは悲しそうな表情をするミラージュを抱き締める。
「
その言葉を聞いたミラージュは嬉しそうに目を閉じ……ブロッサムと一つになったのだった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄
「つぼみ~さっさとこころの大樹にいくよ~!」
「はあ~い!!」
そしてつぼみ達は一人秘密で作業をしているであろう少年の元へと向かった。
その顔は少しどこか迷いが吹っ切れたようにスッキリとしていた。
ハートキャッチオーケストラは筆者の中では一番印象に残っている技の一つです。
次回はさようならサソリーナ。また会う日までみたいな展開です。
では、また(・∀・)ノ