今回からA's編後編始まります。
そしてこれを期に主人公が使っていた形態変化をイタリア語に統一しました。
ヒート・ガントレット→ミテーナ・ディ・ヒート
ヒート・マント→マンテッロ・ディ・ヒート
に変わります……というより全話変えました。
こっちの方がなんかカッコいい。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
第百九十話 ただいま!と思ったらいきなりの……
ヒエンside
魔法少女リリカルなのはA`s
このA`sのストーリーは、無印で起こった事件……PT事件(プレシア・テスタロッサ事件)からおよそ半年後の12月におこる『闇の書』を巡る戦いが主な内容となる。
A`sは、テレビ版と映画版の二つが存在するのだが、どちらもストーリーの始まりは新暦65年12月2日、なのはにヴォルケンリッターの一人ヴィーターが奇襲を仕掛けるところから始まっている。
だがテレビ版と映画版では、『闇の書』に関わってくる細部が所々変わっているため、
だがしかし……現在、そんな悠長なことを言っている場合ではなさそうだ。
「な……あれは!?」
俺は自分の目を疑った。
ハートキャッチプリキュアの並行世界から帰って来て、久しぶりに会う妹分達は……傷だらけで倒れていた。
なのはとフェイトの前には、よく知っている女性二名が立っていた。
(ヴィータにシグナム……)
八神はやての家族にして、彼女を守護する騎士達。
俺は彼女達を良く知っている。
いや、ほんの数ヶ月前まで(この世界の時間軸で言えば)友人付き合いをしていたといっても過言ではない。
彼女達は黒い魔導書『闇の書』をもってなのはとフェイトのリンカーコアから、魔力
「!?…………落ち着け」
その光景を見たとき、今すぐにでも殴り込みにいきたかったが、むやみやたらに突っ込んでも事態がややこしくなるだけだ。
ひとまず俺は頭の上で不安そうにしている久遠をソッと下ろす。
そして言った。
「久遠……ここはちょっと危ないから一旦、俺のこころの中に避難しといてくれな?」
「くぅ?」
「あー、そんな心配そうな顔するな。大丈夫だから」
俺は久遠をひとまず
そして再び、二人の様子をコソッと覗き込む。
すると目を見開いた。
なんと
(こっちを見ている!?視線だけで気配を察知しやがったのか!?)
そしてヴィータがこちらへ思いっきり突っ込んできた。
(まずい!?)
俺はあいつらと面識がある。こんなところで邂逅してしまえば面倒なことになるのは目に見えている。
いや、それ以前に俺のリンカーコアが蒐集されてみろ。もっと大変なことになる。
闇の書は魔力を666ページ集めると起動する。
そして、闇の書には管制人格という守護騎士達を束ねる存在がいるのだが、管制人格の怖さはその能力にある。
なんと
それだけでなく
それに体術や、武器を使った格闘戦闘も超一流なのだ。
ここまで来れば……もはやただのチートだ。
だが残念ながらそれだけではない。
管制人格の強さの真骨頂は
俺達、魔導師が扱う魔法はリンカーコアという魔力の源があることによって魔法を使えている。
リンカーコアは魔導師にとって命と同等の価値があるのだ。
そしてリンカーコアには俺達の使用する魔法が
当然、俺のリンカーコアにも
もし俺のリンカーコアが蒐集されてしまえば……恐らくではあるが……
闇の書の管制人格も死ぬ気の炎を扱えるようになるかもしれない。
そこまで考えが思い至ったとき、すぐに行動に移っていた。
(ここで正体がバレるわけにも、魔力を蒐集される訳にもいかない!)
だがまさか……ここでまたあのフォームを使う羽目になるとは……ドチクショーーーー!!
もうなるようになれ!!
「フォームチェンジ……プリキュアフォーム
俺はキュアヒートの姿となる。
いつかのゴシックロリータの黒い服に、黒いウィッグ、黒のローヒール、黒いカチューシャをつける……と同時に死ぬ気化する。
※ちなみに額に炎がついているときは死ぬ気モード、炎がついていないときは死ぬ気化と分けているので混乱しないように。
すると超直感が反応する。
(攻撃が来る!?)
そして俺は咄嗟に後方へと飛びずさる。
すると部屋の壁が勢い良く破壊された。
ドガァアアアアアアアアン!!!!!!
「てめぇ……魔導師か?」
赤い服のゴシックドレスの騎士甲冑……俺達、魔導師でいうバリアジャケットを着てハンマーを肩に抱えた少女、ヴィータが俺の目の前にいた。
「…………」
俺は何も答えず目の前にいるヴィータを観察する。
一応、初対面のような反応をしていることから俺とは分からないようだ。
(念のために魔力パターンも変えておいて正解だな……)
とりあえず今は目の前の危機を乗り切らねばならない。
そして俺は黙って構えた。
それを見たヴィータも警戒する。
「その様子を見ると、お前も魔導師みてぇだな。わりぃけど、お前の魔力ももらうぞ!」
そしてハンマーを構え、こちらへ突貫してきた。
俺は左手を構え、ラウンドシールドを展開する。
オレンジのシールドとハンマーが激突する。
だが……
(意外に重い!?)
シールドにヒビが入る。
咄嗟にシールドを受け流した後、右手に砲撃のエネルギーを溜め、姿勢を崩したヴィータに放った。
ドゴォオオオオオオオンン!!!!!!
俺はその間に外へと勢い良く飛び出す。
するとフェイトの側でこちらを見ていたシグナムと視線が会う。
俺は道路に着地すると、シグナムを睨み付ける……がその前にヴィータが下にいる俺に向けて10発ほどの射撃魔法を放ってきた。
「こんのおおおぉぉ!アイゼン!」
《Schwalbenflug(シュヴァルベンフルーク)》
こちらも射撃魔法で応戦し、相殺する。
「アイゼン!ロードカートリッジ!!」
するとヴィータのハンマー型アームドデバイス、グラーフアイゼンから弾丸のような物が射出されると、ヴィータの纏う魔力が跳ね上がった。
(あれがカートリッジシステム……)
カートリッジシステムというのは魔力を圧縮した弾丸、カートリッジを使用することで瞬間的に莫大な魔力を得ることができるシステムである。
より簡単に言えば、ゲームでいう必殺技を放つための
ヴィータのデバイスの形状が変わり、ハンマーヘッドの片方から噴射口が表れ、もう片方がスパイクへと変化した。そしてヴィータはこちらに一気に突っ込んできた。
俺も対抗するため形態変化を使う。
「
そして互いに技を放った。
「ラケーテンハンマー!」
「
ドゴォオオオオオオオンン!!!!!!
激突するラケーテンハンマーとブレイズアクセル。
だがパワー負けしたのは……
俺であった。
「ぶち抜けえぇぇぇぇ!!!!」
「くっ!?」
俺は衝撃を逃がすために自ら後方へと飛びずさり、後退しながら着地した。
そしてカートリッジシステムの予想以上の威力に冷や汗をかいた。
(こちらが全力じゃないとはいえ、フルドライブ状態の俺のブレイズアクセルを上回るとは……)
カートリッジシステム……いや、それを扱うベルカの騎士……凄まじい奴らだ。
するとヴィータの隣にシグナムがやってくる。
「苦戦しているようだなヴィータ……」
「別になんてことねぇよ」
「だがあの魔導師……かなり戦い慣れているようだぞ」
「ああ、目を見りゃ分かる。それにあいつ……あたしの攻撃を受けたとき、自分から後ろに飛びやがった」
「まだ力を温存しているようだな。それに最近の魔導師には珍しい……徒手空拳で戦うタイプか」
するとシグナムがこちらに話しかけてきた。
「若い少女よ……名はなんという?」
なんとこちらの名前を聞いてきたのだ。
だが実名を伝えるわけにいかない俺はあの名前を伝えた。
「ヒート……私の名前はキュアヒートです」
「キュアヒート?変わった名前だな」
「私は……プリキュアです」
その言葉に反応したのはヴィータだった。
「はぁ!?プリキュアって……テレビアニメの話だろうが!?」
ヴィータが大きな声で言ってくる。
ということはこいつも視聴者らしい。
だが俺は間違ったことはいってない。
だってここに来る前に名実共にプリキュアに指名されてしまったんだもの(吐血
幻のプリキュアなめんな!!Σ(゜Д゜)
「あなた方の知らない世界も色々あるということですよ」
俺は冷静にヴィータに言う。
するとさらにシグナムが話しかけてきた。
「あの少女達は……お前の知り合いか?」
するとシグナムの視線の先には倒れているなのはと、フェイトの姿があった。
「彼女達は私のことは知りませんが……私は彼女達のことを知っています。大切な子達……です」
「そうか……」
そのときの俺はたぶん悲しそうな顔をしていたのだろう。
シグナムとヴィータの顔が少し辛そうであった。
すると超直感に反応があった。
(なにか来る!?)
俺は咄嗟にブリッツアクションを発動させ、後ろへ後退した。
すると先ほど俺がいた場所に……空間に……
そこは丁度
「なっ!?」
俺は思わず声をあげる。
こんなことができるのは……
「シャマルか……」
「でも驚いたな。シャマルの旅の鏡をかわしやがった……」
シグナムとヴィータがこちらを驚いたような目で見ている。
確か''旅の鏡''とは、シャマルだけが使える特殊魔法のはず。
転送魔法の一種で空間を繋ぐ「鏡」により、離れた場所の物体を「取り寄せ」する魔法だ。
恐らく俺のリンカーコアを直接蒐集しようとしたのだろう。
超直感がなければ危なかった……
すると俺の後方から二人ほど人の気配を感知した。
俺は前の二人を警戒しながら後ろを見る。
そこには金髪で緑色の騎士甲冑を纏った女性と、狼を
シャマルとザフィーラだ。
ザフィーラはピンクの子犬を抱えていた。
その子犬は見間違えでなければアルフだ。
(ち……囲まれた……)
だが俺はそれどころではなかった。
俺は四人が視界に入るように後ろに徐々に下がっていく。
一応こいつら四人で襲ってきても対抗する手段はあるが……だが警戒する俺を他所にシャマルは三人に言った。
「皆……ここに管理局の援軍がやってくるわ」
「そろそろ潮時だろう」
「そうか」
「…………分かったよ」
シャマルとザフィーラの言葉にシグナムはすぐに返事をするが、ヴィータは渋々納得したようであった。
するとシグナムとヴィータがこちらを向き言った。
「キュアヒートと言ったか。今回はこれで引くが……我らはまた……お前の前に必ず現れる」
「てめぇの相手はあたしだ!決着はいずれつけてやるからな!!」
そして三人が飛び立ったが、シャマルが思い出したかのように魔法を発動させた。
「お願いクラールヴィント」
振り子のようなデバイス、クラールヴィントを使用すると、なのは・フェイト・アルフの三人が公園にあったベンチに転送されると同時に、それまで三人にあった傷が一瞬で完全回復した。
(転送魔法と回復魔法を同時に使用して……なおかつ一瞬で完全回復させやがった……なんてやつだ)
俺も補助魔法の類いは使用するので分かるのだが、補助魔法というのは意外と大変なのだ。
特に回復魔法や、転送魔法は演算に時間がかかる。治癒をする箇所や、転送する場所など
俺も相棒の力を使えば普通に使えるが、シャマルは
デバイスを使用しているとはいえ、その練度はユーノ以上かもしれない。
なのは達を回復すると、シャマルは三人の後を追いかけるように空を飛んでいった。
奴等がいなくなったと同時に結界も解除された。
町には車が通り、人々が歩いていく。
だが元々人通りが少ないのかすぐに誰もいなくなり、静かになった。先ほどまで戦いがあったとは信じられないほどだ。
俺はベンチで座って眠るなのはとフェイト、アルフを見つめる。三人は良く眠っていた。
気付けば俺は約九ヶ月ぶりに見る妹分達に声をかけていた。
「良く……がんばりましたね」
そして話したとき、女性の声であったことに気付く。
そうだ。
今はプリキュアフォームだった。
なんだかこのフォームになると自然と女性言葉で喋っている。
「なのはー!フェイトー!アルフー!」
「なのはさーん!フェイトさーん!アルフさーん!」
すると聞き覚えのある声が聞こえてきた。
そこには懐かしい人物達がいた。
(リニスに……リンディさん!?)
だが二人は三人の側にいる俺を見ると……警戒した。
そして俺は今更ながら気付く。
リニスとの
恐らく俺が並行世界に渡ったことでリニスとの使い魔の契約が強制的に切れてしまったのだろう。
使い魔は契約者となる主がいなくなれば、消えてしまう。だが俺がいなくなったのに消えずにいたということは、リニスと誰かが再契約してくれたのだろう。
そして俺はさっさと正体をバラしてしまおうとしたのだが……
ふとある視線を感じた。
(なんだこの感じは?)
俺は警戒感を強める。
少なくとも感じられる視線は目の前の二人からではない。
まるで
「…………」
そして俺はある一点をじっと睨み付け……
ドオン!!!!
砲撃を放った。
「「なっ!?」」
俺の突然の行動に二人は驚き、すぐに戦闘態勢に入る。
だが俺は気にせず砲撃を撃った地点を見ていたが……
(逃げたか……)
もう視線は感じなかった。
だがこれで確信した。
(俺は監視されている……)
このまま二人に正体を晒せば、リニス達にも危険が及ぶかもしれない。
少なくとも今は……このまま様子を見た方が良いかもしれない。
そして俺はミラージュハイドを発動させてその場から消える。
するとリニスが話しかけてきた。
「ま、待ってください!あなたは一体何者なのですか!?」
俺は簡潔に答えた。
「キュアヒート……とでもお呼び下さい。またお会いしましょう」
そう言ってその場から去った。
そしてある程度離れてふと気付く。
「これからどうしよう……」
久しぶりに感じる海鳴の風はやけに冷たく感じた。
意気揚々と元の世界に戻ってきたはいいものの、何者かに監視されていた主人公。
その関係でビジネスホテルで生活を送る羽目に。
しかしお金はたくさんあるので大丈夫。
そして現状を把握するため情報収集に動くことに。
だがトラブルに巻き込まれる……
では、また(・∀・)ノ
タグにオリジナルプリキュアっていれた方がいいのかな?((((;゜Д゜)))