大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続きかけたで候。

今回はすずかの一族について根掘り葉掘りです。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第百九十三話 夜の一族

ヒエンside

 

 

 

「大空を包容する一輪の花……?」

 

「キュアヒート……それってもしかして?」

 

 

後ろの二人が何やら戸惑っているが、その間に俺は射撃魔法を発動させる。

 

身動きがとれずに動けなくなっているこの程度の奴ら……1発だけで十分だ。

 

 

火炎の銃弾(フレイムバレット)

 

 

俺は魔力弾を1発生み出すと、残りの覆面男達の後頭部に順番にぶつけていく。

 

 

「「「「「がぁ!?」」」」」

 

 

そしてものの数秒で全滅した。

 

すると後ろに下がっていた紫髪の小太りの眼鏡をかけた男が、こちらに指を向けながら声を荒げた。

 

 

「な、なんや!なんなんやお前は!?」

 

 

俺は言った。

 

 

「……私はプリキュアです」

 

 

「「やっぱりプリキュア!?」」

 

 

後ろにいた女子二人が反応する。

 

もうなんだかこの自己紹介も慣れてきたな。だが精神ダメージを受けない訳ではない(吐血

 

前に戦った広域次元犯罪者の幻術使いの精神攻撃よりも正直キツいゼorz

 

 

「ア、アリサちゃん!プ、プリキュアだよ!プリキュアって本当にいたんだよ!!」

 

「え、ええ!でもキュアヒートなんて聞いたことないわ……」

 

 

そりゃそうさ。

恐らく全並行世界を調べてもキュアヒートなんていうプリキュアは俺一人だけだから……(遠い目

 

それよりもアリサとすずかを拐ったのは……俺達の目の前にいる小太りの男と見ていいだろう。

 

緑色のスーツに、金色の指輪、金色の眼鏡って明らかに組織のボスっぽい。

 

だがこの男……なんとなく見覚えがあるような?

 

 

「く……お前がどこのコスプレ女か分からんがな、ワシの邪魔だけはさせへんで!」

 

 

すると小太り男は懐から無線を取り出すと話し始めた。

 

 

「お前ら、侵入者や!今すぐ中央の倉庫に来るんや!そうや!ガキ共を閉じ込めてる部屋や!全員で来い!!」

 

 

そして小太り男はニヤリと笑いながらこちらに言った。

 

 

「はははは!これでお前は終わりや」

 

 

すると武装した覆面達がこの部屋に集結した。

 

数はおよそ50人といったところか。

 

俺はアリサとすずかが危険に晒されないように、防御結界魔法ラウンドガーターを発動させた。

 

そして表情を強張(こわば)らせている二人に安心させるように言った。

 

 

「安心しなさい。貴方達二人は必ず守ります。必ず普通の日常生活に返してみせます。だからそこでリラックスしながら見ていなさい。あの程度の奴らなど……3分もあれば十分です」

 

 

「「は、はい!!」」

 

 

俺が余裕の態度を見せていたので少し安心したのか、表情が幾分か柔和になった。

 

そして俺はグローブに炎を灯しながら奴らに向けて言った。

 

 

 

ギロリ!!

 

 

 

「さぁ、どこからでもかかってきなさい」

 

 

俺の声を合図に奴らは銃を一斉発射してきた。

 

 

 

ドドドドドドドッッッッッ!!!!!!

 

 

 

俺に向けて銃弾が放たれる。

 

銃の破壊力が分からないので念のために多重ラウンドシールドを展開して様子を見る。

 

奴らが使っているのはアサルトライフルだ。

 

アサルトライフルは実用的な全自動射撃能力を持つ自動小銃のことである。連射性に優れ世界中の軍隊でも幅広く使用されている。自衛隊でも配備されている程だ。

 

だが俺は銃弾の雨を受けながら、内心冷や汗を流していた。

 

 

(思っていた以上に破壊力が強い……!?)

 

 

多重ラウンドシールドの一層目にヒビが入っていた。さすがに50人から一斉に発射されると物理耐性のあるラウンドシールドと言えど厳しいらしい。

 

そして銃弾の雨が止むと、俺は自身の周囲に10個のスフィアを展開させる。

 

 

火炎の銃弾(フレイムバレット)verショットガン!」

 

 

するとスフィアからオレンジの散弾銃が発射され覆面達に直撃する。

 

 

「「「「「ぐぁあああ!?」」」」」

 

 

「verバズーカ!」

 

 

そして今度は破壊力重視の魔力弾に変えて喰らわせる。

 

魔力弾が地面に当たり爆発する。

 

その爆発の余波で残りの覆面達が吹き飛んでいく。

 

 

「ば、化け物だああぁぁぁ!」

 

 

すると俺が倒せないと判断したのか逃げ出そうとする奴らを発見する。

 

 

(しかし化け物とは失敬な……)

 

 

そんなことを言うこいつらに俺は言いたいことがあった。

 

それは……

 

 

(仮面ライダーを見ろ!バカ野郎が!!)

 

 

俺には前世でいくつかハマっていた物がある。

 

その内の一つが仮面ライダーだ。

 

少年のころなら誰もが一度は夢を見る……

 

ヒーローになりたい。

 

俺もそんな夢を持ったことがある子供の一人だった。

 

ライダーの主人公達は、自分の持つ力に不安や恐怖を覚えながらも、己の信念を貫いて大切な人々のために戦っていた。

 

俺が前世で見た仮面ライダーの映画でも敵に追い詰められながらも……命をかけてそれを実行しようとしていた人がいた。

 

その人はこう言っていた。

 

 

 

『子供たちの夢を守り、希望の光を照らし続ける!それが仮面ライダーだ!』

 

 

 

そう言っていた。

 

今の俺がやろうとしていることもその人とある意味……今のこの状況は似ている気がする。

 

奴らは俺のことを化け物だと思っているだろう。

 

銃を撃っても訳の分からないシールドで防がれ、破壊力のあるオレンジの丸い球が襲ってくるのだから。

 

 

「…………」

 

 

今、敵の側になって考えてみたけど確かに怖いと思う。だけど、こんな小さな子供達の命を守れるなら、化け物だ怪物だとどれだけ罵られようが……そんなの屁でもない。

 

それに俺から見たらこいつらだって十分化け物だ。

 

()()()()()()

 

普通の感性があるなら……常識があるなら……10歳にも満たない少女達に向けて……不埒なことなど()()()()できるはずがない。

 

 

「「「「「うわあああ!!」」」」」

 

 

俺に背を向けて逃げようとする奴らがいる。

 

だがそいつらは銃を持ったまま逃げようとしていた。そんな奴らを外に逃がしたら無関係な一般人にも危害が及ぶ。

 

 

「逃がしません!verミサイル!」

 

 

今度は誘導弾へと切り替え、逃げようとする奴らの後頭部に当てた。

 

そしてものの数分で覆面達は全員気絶した。

 

ちなみに非殺傷設定なので全員無事だ。

 

 

「…………」

 

 

戦ってみて分かったが、なんとも呆気なかった。

 

 

(警戒のし過ぎだったか?)

 

 

いや、今回はアリサとすずかの命が懸かっていたのだ。警戒や慎重のし過ぎはないだろう。

 

すると一番後ろに避難していたのだろう、小太り男がこちらにハンドガンを向けていた。

 

だがその顔は焦燥に駆られていた。

 

 

「なんやねん……なんやねんお前はああぁぁぁ!ワシの計画を……せっかくのワシの計画を邪魔しおって!こいつら雇うのに一体いくらかかったと思うとるんや!!」

 

 

俺は奴に向けて言った。

 

 

「貴方がどれだけお金をかけようと……どれだけ入念に計画を練ろうと……どんな理由を並べようと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!恥を知りなさい!!」

 

 

「こんのボケナスがああぁぁ!!」

 

 

すると奴はこちらにハンドガンを向けて発砲してきた。

 

 

 

ドン!ドン!ドン!

 

 

 

俺は手を向けて炎の壁を形成した。

 

 

火炎の壁(フレイムウォール)

 

 

銃弾は炎の壁に遮られて俺までは届かない。

 

 

 

カチンカチン……

 

 

 

すると奴のハンドガンからそんな音が聴こえてきた。

 

どうやら弾切れらしい。

 

 

「なんでや!?なんでそないな()()()()()()()んや!?」

 

 

すると奴がそんなことを言い出した。

 

 

「…………」

 

 

俺は奴をジッと見る。

 

今こいつはなんと言った?

 

 

(バケモンを()()?)

 

 

「ど、どうしたの!?大丈夫すずか!?」

 

 

するとビクビクと震えているすずかを見て……俺はようやくこの現状を理解した。

 

 

(そうか……そういうことだったのか。全ては『夜の一族』が関係していたのか)

 

 

だとすれば俺の目の前にいるこの男……緑色のスーツに、金色の指輪、金色の眼鏡、そして紫髪。

 

そんな特徴を持つ男は他にはいない。

 

男の名は月村安次郎(やすじろう)

 

この男は、なのはの兄恭也君を主人公にした恋愛アドベンチャーゲーム『とらいあんぐるハート3』に悪役で出てくる男だ。

 

こいつが出てくるのは忍さんと、ノエルのストーリーのときに出てくるのだが、ハッキリ言って三下も良いところだ。

 

簡単に説明すると、こいつは月村家の親戚の一人であり、月村家のロストテクノロジーの塊「自動人形」であるノエルを手に入れるために忍さんの命を狙っていたのだが……

 

最後には全財産を失い、警察に逮捕される哀れな男だ。

 

そんな安次郎が吼える。

 

 

「は!知らんってことは幸せやのう!なぁすずか!」

 

 

すずかはビクリと震える。

 

 

「ちょっとどういうことよ!?」

 

 

慌てるアリサと震えるすずかを見て安次郎は気を良くしたのか、さらに話す。

 

 

「なんも知らんお前らにも教えたるわ。ええか?そこにいるバケモンは、月村すずかという存在はな……」

 

 

「いやあぁぁ!やめてお願い!言わないでええぇぇ!!」

 

 

 

 

 

 

「『夜の一族』という吸血鬼の一族や!人の血を吸うことが大好きなバケモンなんやああぁぁ!アハハハハハハハハッッッ!!」

 

 

 

 

 

 

「いやあああぁぁぁ!!」

 

 

「はっ!こんなん隠してなんの意味があるんや!お前がいくら隠そうが……お前が()()()()()()()()()なのは変わらへんのやあああぁぁぁ!!」

 

 

「…………」

 

 

俺は黙って事の成り行きを見守っていた。

 

 

そもそも奴のいう吸血鬼───

 

夜の一族は単なる吸血種ではない。

 

物語に出てくる吸血鬼のように日光や流水・聖水等の弱点は存在せず、寿命は最低200年ほどの長命である。

 

勿論、その能力も人間を大きく超えている。

 

人間を楽に超える跳躍力、聴覚、再生能力といった身体能力を持ち、霊感や記憶操作、催眠を操り……蝙蝠(こうもり)への変身能力も持つ。

 

だが人間、特に異性の生き血を摂取しなければ長生きが出来ない。いわゆる吸血が必要なのだ。

 

しかし吸血には絶対服従させる洗脳効果もあるため、稀にその血を受け止められない者もいるらしい。

 

そのため夜の一族には敵が多かった。

 

一族は世間への露見を極端に嫌う。

 

社会的に身を守るため、彼らは長い間、特殊なテクノロジーや大きな財産を保持することでその身を守ってきたのだ。

 

だがそんな夜の一族にも当然、味方になる者は存在した。『夜の一族』と知った上で交流することを選んだ『人間』もいるのだ。

 

夜の一族は慣わしとして秘密を知った人間は記憶を消すか、当人が記憶を残す事を強く望めば秘密を共有する生涯を共にする関係、すなわち友達か、家族となるかを選ばなければならない。

それと夜の一族は、生殖能力が非常に乏しいため、二ヶ月に一回のペースで発情期に入るらしい。そしてこの期間中は妊娠しやすくなるという特徴がある。

 

そのため友人となった異性の間では、意中の異性に猛烈にアタックし、恋人同士になり、そのまま婚約する者も多いらしい。

 

しかし人間との間には子供が出来る可能性は低い。それは同種族の間に生まれる可能性よりも低いらしい。

 

月村家はそんな夜の一族の一家系であり、海鳴市の裏側を統べている存在なのだ。

 

 

「…………」

 

 

安次郎の鬱陶しい口は閉ざしたかったがこれはすずかの問題だ。すずかが己の一族と向き合わなければならない問題だ。

 

彼女が生きていく上では()()()()()()()()()()()だ。

 

そしてそれは隣にいるアリサも同じだ。

 

すずかが隠していた()()()()()()()()と彼女はどう向き合うのだろうか?

 

 

「すずかが……吸血鬼ですって?」

 

 

「そうや。そいつや、そいつの姉である忍もその母親の春菜(はるな)も吸血鬼や。月村家は、吸血鬼という事実を隠して今まで嬢ちゃん達と関わってたんや。今まで騙してたんや。それに月村家を狙ってる奴らは世界中にごまんとおる。そいつと一緒にいれば……またこないな面倒事に巻き込まれんで?」

 

 

「…………確かにすずかと一緒に入れば、また巻き込まれるでしょうね。それにすずかが吸血鬼だって聞いた今でも……正直信じられないわ」

 

 

「…………アリサちゃん」

 

 

「そうやろ。だからそいつを大人しくこっちに渡すんや?」

 

 

すずかが泣きそうな表情でアリサを見る。その目には不安や恐怖が見て取れた。

 

 

「だけどね……」

 

 

だが彼女は()()()()()()()()言った。

 

 

 

()()()……()?」

 

 

 

その言葉を聞いたとき俺は笑っていた。

 

やはり彼女は大物だ。

 

さすがバニングス家の次期党首といったところか。

 

 

「……なんやて?」

 

 

安次郎は予想していた言葉と違ったのだろう。

 

思わず聞き返していた。

 

 

「あんた……私にその事実を伝えてすずかと仲違いすることを期待してたんでしょうけど……残念だったわね。()()()()()()()()()()()で、私がこの子の親友をやめるわけがないでしょうが!!」

 

 

そしてアリサは安次郎に言った。

 

 

 

 

 

 

「なめんじゃないわよ!!」

 

 

 

 

 

 

アリサは安次郎を睨み付ける。

 

その目には焔が宿っていた。

 

彼女からは純粋な怒りが感じられた。

 

 

「すずかが吸血鬼!?だから何!?たとえそうだったとしてもすずかは私の友達よ!親友よ!アンタなんかには絶対に渡さないし、絶対に見捨てない!むしろ幾らでも巻き込まれてやるわよ!!」

 

 

「ア、アリサちゃん……」

 

 

すずかはアリサを涙目で見る。

 

不安だったのだろう。

 

彼女は大人しくて思いやりのある優しい女の子だ。

 

だが彼女は親友に嘘をついていた。

 

それと同時に……自身の秘密を打ち明けたいとも思っていた。

 

しかし吸血鬼という事実を伝えれば、親友が離れていくかもしれない……化け物と罵ってくるかもしれない。

 

それらの恐怖心、親友に嘘をつく葛藤などとずっと戦っていたのだ。

 

だがアリサは答えを出した。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

なら次は彼女の番だろう。

 

 

「月村すずかさん」

 

 

「は、はい」

 

 

俺に話しかけられると思っていなかったのか、すずかはビクリとしている。

 

 

「貴方はどうするのですか?」

 

 

「え?」

 

 

「貴方の親友は答えを出しましたよ?貴方の秘密と逃げずに向き合い、受け止めてくれましたよ?」

 

 

「わ、私は……」

 

 

すずかは少し俯く。

 

だからこそ俺は迷っている彼女にアドバイスをした。

 

 

「迷っている貴方にアドバイスです。貴方に言えることはひとつです。強くなりなさい。『夜の一族』月村すずかではなく、『一人の人間』月村すずかとして」

 

 

「一人の人間として……強く?」

 

 

「ええ。身体だけでなく、心も。貴方を信じてくれる人達……大切な人を守れるように」

 

 

そして俺はアリサに目を向けて言った。

 

 

「心が強くなれば……自分の血を……一族のことを()()受け入れることができなくても……()()()受け止めることができるハズです。そこにいる貴方の秘密を受け止めてくれた親友のように」

 

 

俺は笑いながらアリサを見た。

 

アリサは何やら照れながらそっぽを向いていた。

 

すずかはその様子を見て苦笑いする。

 

あと俺は付け加えた。

 

 

「あ、あと言っとくとあんな下衆野郎の言うことは間に受けないように。所詮は心の度量が狭い、追い詰められた負け犬の遠吠えですから」

 

 

すると俺の言葉が聞こえたのか安次郎がハンドガンに弾を込めてこちらに放ってきた。

 

 

「どいつもこいつも……ワシをバカにしよってえええぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 

ドン!ドン!ドン!

 

 

 

俺はグローブに炎を灯し、銃弾を真っ正面から受け止める。

 

こんなもの予め撃つと分かっていれば、銃の向いている角度、引き金の引く音で予測し受け止めることも可能だ。

 

それに俺には超直感がある。

 

奴の視線からいつ構えるのか、いつ引き金を引くのか、それだけでなく奴の身体の筋肉の動きの予兆を感じとれば……これくらい造作もない。

 

そして再び、弾切れになると安次郎は銃弾を込めようとする。

 

その隙を狙った俺は即座に奴の後ろに回り込み、手刀を叩き込もうと思ったが……それだけじゃ物足りないだろう。

 

それに彼女達にも少しくらいやり返させてもバチは当たらないハズだ。

 

俺は奴を後ろから拘束すると動きを止める。

 

そしてアリサ達の防御結界を解除すると大きな声で言った。

 

 

「貴方達!この男にやり返しなさい!!」

 

 

「「え?」」

 

 

彼女達はキョトンとした表情をする。

 

 

「この男は貴方達に酷いことをしようとしました。なら少しくらいやり返してもバチは当たりません。この男の大事なところをおもいっきり蹴ってやりなさい!!」

 

 

すると俺の言葉を聞いた安次郎が暴れる。

 

 

「な、なんやて!?この悪魔が!?正気か!?」

 

 

「何が悪魔ですか。そもそも誘拐を企てた黒幕が何を言っているのです?」

 

 

安次郎は暴れるが俺の拘束からは逃れられない。

 

それにたかだか一般人の身体能力しか持たない貴様がフルドライブで強化している俺から逃げられると思うなああぁぁぁ!!!!

 

フハハハハハ(゜▽゜*)

 

さぁ、月村安次郎!!

 

大人しく裁きを受けて地獄へ逝けえええええええぇぇえぇぇ!!!!!!(愉悦

 

撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだあああああああああぁぁぁぁ!!!!!!(狂喜乱舞

 

 

「いくわよすずか!」

 

「う、うん!」

 

 

そして二人は助走をして真っ直ぐに安次郎に向かう。

 

そして……

 

 

「や、やめ……」

 

 

「「アリサ&すずか……キイーーック!!」」

 

 

 

ゴシャッッ!!!!!!

 

 

 

アリサとすずかは安次郎の股間をおもいっきり蹴りあげた。

 

 

「───────!?」

 

 

すると安次郎はあまりの激痛に痛がったのか……泡を吹きながら白目をむいて気絶したのだった。

 

そして俺は二人に手の平を向ける。

 

二人は最初意味が分かっていなさそうだったが、意味を理解したのか笑顔になる。

 

 

「よく出来ました」

 

 

「「はい!!」」

 

 

そして二人と手を合わせた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

俺は周りを警戒しながら二人を連れて外へ出ていく。すると、勢いよくこちらへ突っ込んでくる青い車があった。

 

俺はとっさに二人を庇うように前に出る。

 

車は俺達の約30m手前で止まる。

 

 

(新手か!?)

 

 

そして俺が構えるとそこから出てきたのは予想外の人物であった。

 

 

「すずか!アリサちゃん!」

 

 

(さ、さくらさん!?)

 

 

それは何度か会ったことのある女性……綺堂さくらさんだった。

 

翠屋でバイトしているとき忍さんの紹介で知り合ったのだ。

 

実をいうとこの人も『夜の一族』の一人である。

 

 

綺堂さくらさん。

 

 

忍さんの叔母であり、吸血鬼の父親と人狼の祖父を持つワーウルフヴァンパイアである。

 

ちなみに『とらいあんぐるハート1』のヒロインの一人でもある。

 

忍さんの母親の妹であり、タマに月村家に遊びに来るのだ。

 

 

俺はアリサとすずかの背中をポンと押す。

 

 

「さあ、行きなさい」

 

 

「その……ありがとうございます」

 

「ありがとうございます」

 

 

二人は俺に礼を言ってさくらさんに駆けていく。

 

それを見ていた俺はふとある気配に気付く。

 

 

(これは……観察されている?)

 

 

感じる視線は主に3つ?

 

 

「…………」

 

 

俺は面倒なことになる前にミラージュハイドを発動させてその場から消えた。

 

今回は二人を助けるためとはいえ少し動きすぎた。

 

しばらくは翠屋にも近付かない方が良さそうだ。

 

この視線はきっと()()のものだろうし。

 

そして俺は透明になるとその場を後にした。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

第三者side

 

 

 

士郎は倉庫の屋根から黒衣の少女の観察をしていた。

 

 

(何者なんだ彼女は?)

 

 

翠屋に来ていたお客さんのおかげでナンバーを知った士郎達は、バニングス家の助力を得て、衛星をハッキングし、この海辺の倉庫の存在を知った。

 

そして恭也、美由希、合流したさくら、ノエルと共に向かうと予想外の光景が映っていた。

 

なんと全員倒されていたのだ。

 

そして黒衣の少女はアリサとすずかを見送ると……

 

 

(な!?消えただと!?)

 

 

黒衣の少女はその場から姿()()()()()

 

そんな光景を呆然と見ていた士郎の耳元に興奮する彼女達の話し声が聞こえた。

 

 

「さくらさんプリキュアがいたんです!」

 

 

「え?プ、プリキュア?」

 

 

「プリキュアが助けてくれたんです!」

 

 

さくらは戸惑いながら興奮する二人を宥める。

 

 

「そうです!ここにいる……あれ?アリサちゃんキュアヒートさんは?」

 

 

「え!?さっきまでそこにいたのに!?」

 

 

士郎は唖然としながらその光景を見ていた。

 

 

(本当に何者なんだ……)

 

 

士郎は黒衣の少女の警戒度を少しあげるのだった。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

そんなこんなで警戒されていることなど露知らず、件のプリキュア(仮)を名乗っていた女装少年は吉○家で牛丼(大盛り)を食べていた。

 

 

「今日は色々頑張ったから大盛りです♪」

 

 

事態が無駄に重くなっていることに気づいていない主人公(バカ)がここにいた。

 




次回も情報収集に動く主人公。
しかしヴォルケンリッターと管理局がついに激突を始める。

事態の把握のために現場へと向かう主人公……だがそこにある人物が現れ……

では、また(・∀・)ノ

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