今回はあのおっぱい魔人……ゲフンゲフン……あのヴォルケンリッターとの戦闘回。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
あの海鳴市での戦い……仮面の男達との戦いから幾日かが過ぎた。
俺はあれからリニスと秘密裏に連絡を取り合っている。
リニスは俺が心配なのか時たま様子を見にホテルに訪れることが多い。俺としては久しぶりにリニスの手料理が食べられて嬉しいが。
これでも我が使い魔リニスは、美人で家事・炊事・洗濯も華麗にこなし、気が利き、博識でもある。その上何をやらせてもすぐにできる。
しかし……
こんなにスペックの高い美人なのに未だに彼氏の一人もいない。
世界とは理不尽である。
彼女の
誰かもらってあげてよおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!・゜・(つД`)
すると頭をはたかれた。
解せぬ。
リニス曰く、俺が一人前になるまではそういったことに興味はないらしい。
え?
俺まだ一人前じゃないの?
あの地獄の二年の修行を耐えきって、なおかつ結構な修羅場も潜り抜けてきたという自負もあるんですけど!?
しかしリニスからしたら俺はまだ半人前らしい。
本当の強者というのは自分の力をそれこそ息をするように自然に扱うとのこと。
俺は基礎こそ長期間積んできたが、細かい力のコントロールがまだまだ甘いらしい。
まぁ、確かにフルドライブやオーバードライブの魔力運用はリヴィジョンシステムで自動的に調整されて安定化するし……
死闘を乗り越えてきたといっても怪物みたいな奴らや、身体スペックが高すぎる奴らに対抗するために無理矢理能力を底上げしているようなものだったからな……。
俺はツナ達のように死ぬ気の炎の力を引き出すボンゴレリングや、
だがボンゴレリングの代わりに俺にはデバイスである相棒がいる。
力の利便性でいえばツナ達より上かもしれない。強さの比較は実際に戦ってみないと分からないが……。
話が脱線してしまった。
あれから俺は情報収集はしっかりと続けていた。
ミニッツ達によれば、最近はやてはすずかと図書館で知り合ったらしい。なんでもはやてが高い位置にある本を取ろうとしたとき、すずかが取ってくれたのだ。
はやては、暇さえあれば図書館に行っている。しかし彼女は基本的に車椅子生活のため不便なことも多い。それこそ本を取るだけでも一苦労だ。
そこに偶々通りがかったすずかが助けたという訳だ。
実を言うとA`s原作……この場合はリリカルなのはA`s、テレビ版と映画版の二つになるのだがどちらもはやてとすずかが知り合って友達になるという描写があった。
それからはやてはすずかと良く会い、交流を持つようになる。はやてがすずかの家に泊まりにいったり、すずかがはやての家にお邪魔したりといった感じでだ。
この世界でも二人の仲は良好らしい。
俺としては無事知り合えたことにホッとしていたりする。
しかしミニッツ達の情報によると、最近二人の周りを妙にうろつく
恐らくその二匹は以前俺の前に現れた二人組の仮面の男……に扮したリーゼ姉妹であろう。
ここでリーゼ姉妹について簡単に説明しよう。
リーゼ姉妹とはテレビ版A`sに登場するキャラクターである。
管理局の英雄と呼ばれているギル・グレアム提督に長年仕える双子の使い魔であり、姉の名がリーゼアリア、妹の名がリーゼロッテである。
姉妹は猫を素体としている双子である。
双子は髪型以外ほぼ同一の容姿であるが、姉のアリアは冷静沈着、妹のロッテは自由奔放であるため性格は対照的だ。
そしてこの二人……実はクロノの幼い頃の師匠であり、アリアは魔法、ロッテは体術の師として持てる技術の全てをクロノに叩き込んだ。
まぁ、俺で言うリニスのようなものだ。
つまり二人はクロノより強いということが予想できる。
それにこの姉妹は、テレビ版A`sでは「仮面の男」に変装して「闇の書」を完成させるために裏で暗躍していた。
さらにその裏で糸を引いていたのが、ギル・グレアム提督である。
彼は過去にクロノの父、クライド・ハラオウンさんと共に「闇の書」の運搬任務についていたのだが……
突如クライドさんの
クライドさんは乗務員の避難を済ませた後、「闇の書」の暴走を食い止めるために一人ギリギリまで艦に残っていたのだが、それでも「エスティア」の暴走を止めることはできなかった。
そしてあろうことか「闇の書」がグレアム提督の乗った艦にエネルギー砲を向けたため、追い詰められたクライドさんはグレアム提督にある要求をしたのだ。
それが魔導砲アルカンシェルで自分毎、艦を撃つことであった。
結局暴走する「闇の書」を止めることができず、グレアム提督はクライドさんの要求を聞き入れる形でアルカンシェルを撃ってしまった。
結果的に艦を沈め、クライドさんを死に追いやったという負い目だけが彼の中に残ってしまった。
その影響なのか……グレアム提督はたとえ多少の犠牲を払ってでも闇の書の完全封印に拘るようになってしまったのだ。
そしてどのような情報網を使ったのか分からないが、闇の書の転生機能によって地球の海鳴市に住んでいる八神はやてという少女の下に闇の書があることを彼は突き止めた。
そこでグレアム提督は彼女を支援する振りをして闇の書を完成に近づけ、機を見計らって、はやてごと闇の書を封印しようと考えていたのだ。
しかし真意を知ったクロノによってリーゼ姉妹は捕縛され、グレアム提督は説得される。
クロノの必死の説得によって考えを改めたグレアム提督は、クロノに闇の書の封印を可能とする白銀の杖「デュランダル」を託す。
これが主にグレアム提督と、リーゼ姉妹が関わるテレビ版A`sでの内容である。
ちなみに映画版A`sではリーゼ姉妹や、グレアム提督は全くといっていいほど出てこない。
映画版A`sではどちらかといえばハラオウン家の二人……リンディさんとクロノに焦点が置かれているのである。ハラオウン家は闇の書と因縁があるのだ。
しかしこの世界では、リーゼ姉妹とグレアム提督は
この三人目の仮面の男……恐らくグレアム提督だと思われる。グレアム提督は管理局の英雄と言われている人だが一体どれほどの力を有しているのだろう?もし戦うことになるのであれば注意しておかなければならない。恐らく生半可な強さではないだろうから……。
一方の管理局側……なのは達はというと、リニスの話によれば新武装を使いこなすために日々模擬戦を繰り返しているらしい。
流石の二人なのか、なのはもフェイトももう既に新武装を使いこなしつつあるらしい。
リニス曰く……
『なのはとフェイトは今のヒエンにも引けを取らない強さになりつつあります。ウカウカしてると抜かれてしまいますよ?』
らしい。
それを聞いた俺は思った。
なんと恐ろしき幼女達なのか。
正直、俺は以前の二人になら勝てる。彼女達より強い……という自信があった。
だが二人はカートリッジシステム……新武装を導入したことで実質俺との差は無くなったと見ていいだろう。
俺は数ヶ月かけてフルドライブを使いこなせるようになったというのに、あの二人はたった数日で使いこなしてきている。
なんでも二人のデバイスであるレイジングハートとバルディッシュには俺と同じリヴィジョンシステムが組み込まれているらしい。
リヴィジョンシステムは魔力運用を自動的に安定化させるシステムだ。
マリーがカートリッジシステムを安全に行使させるために俺と相棒の作ったシステムに注目し、さらに二人様に改良したシステムを組み込んだそうな?
その関係でなのはとフェイトの『切り札』も一応ではあるが安全圏は確保されているらしい。
そして二人の主な武装は、二人のバトルスタイルを分析したリニスが二人に合わせて作った。
でもこれあれだよね?
下手したら二人とも正史……原作に比べてかなり強化されてるよね?大分強くなってるよね?
まぁ、俺も新武装の新グローブを使っているのでパワーアップしてない訳ではないのだが。
それにフルドライブだって大分使いこなせるようになってきたし?カートリッジシステムの代わりに死ぬ気の炎で魔法強化だってできるし?
ナ、ナンノモンダイモアリマセンノコトヨ……((((;゜Д゜)))
そんな俺は現在何をしているかというと……
「砂漠……見事なまでの砂漠ですね……」
ある無人世界に来ていた。
◆◆◆
「砂漠……どこを見回しても砂漠……」
俺は現在地球から遠く離れたある無人世界へと来ていた。そこは砂漠であった。サハラ砂漠や、鳥取砂丘なんて目じゃないほどに砂漠だった。
なぜ俺がそんなところにいるのか?
端的にいうと……
ストレスで死にそうだったのさ。・゜゜(ノД`)
情報収集はミニッツ達がやってくれているので俺はついていけないし、かといってむやみやたらに出ていけばヴォルケンリッターや仮面の男達に見つかるかもしれないので今まで以上にホテルに引きこもっていた。
もっぱらやることといえば心の中でのイメージファイトや、軽い魔力トレーニングだが……ぶっちゃけ飽きた。
そしてついに我慢の限界を迎えた俺は相棒とリニスに訴えたのだ。
『外に行きたい!砲撃ぶっぱなしたい!!』
と。
さすがにこれ以上引きこもるのは俺の心身に影響が出ると思ったのか相棒はリニスに相談を持ち掛けた。
二人が相談した結果……
地球から遠く離れた管理外世界……無人世界を数時間出歩く程度ならいいだろうという結論に至った。
勿論、変装はするように言われた。
そして二人から許可が出た俺はヒエちゃんとなって無人世界を
相棒の次元転送で遠く離れたこの地に来た俺はさっそく砂漠を猛スピードで飛び回っていた。
それはもうレーシングカーなんて目じゃないくらいに高速で飛び回っていた。
ふはははは!!
俺は風になる!!!!ε=┌(;・∀・)┘
ドヒュン!!!!
砂塵を巻き上げながら空中を飛び回る。
そして満足して一度止まると砂漠の真ん中に大きな岩がポツンとあることに気付く。
それに狙いを定めた俺は両手に籠手を展開し、右手に炎のエネルギーを溜める。そして一定時間チャージしたあと放った。
「ヒートバーナー
ドゴオオオオォォォンン!!!!!!
大きな岩が跡形もなく破壊される。
やはり砲撃を放つと気分がいい。
それに威力を確かめることもできたし。
新グローブ、
これなら通常砲撃のヒートバーナーも必然的に威力は上がっているだろう。
「よし!いい感じです!!」
俺もしっかりと強くなっている。
そう実感できていた。
これなら24日に起こる決戦でもしっかり戦えるはずだ。
決戦という言葉の意味が分からない人のために説明すると、テレビ版A`sと映画版A`sには共通している点がある。
それはどちらも12月24日、クリスマスイブに闇の書の管制人格が目覚めるのだ。
それすなわち闇の書が起動することを意味する。
並行世界はできるだけ正史に沿った流れを歩もうとする。
恐らくではあるが、この世界でも闇の書の起動する日はその日だと考えられる。
確実なことは言えないが、今の俺にできることといえば戦力を整えることだけだ。
すると…………
ドドドドドドドド!!!!!!
前方から何かが勢いよくこちらに向かってきている。
「うん?なんでしょう??」
俺が前を見て首を傾げているとそれは現れた。
「ギュアアアアアア!!!!!!」
なんと全長30mはあろうかという巨大ムカデがこちらへやってきたのだ。
見ればその身体は傷だらけであった。
そして見るからに怒り心頭といった感じであった。
「…………」
その瞬間俺はやらかしたことに気付いた。
恐らく岩の後ろにいたのだろう。
この巨大ムカデに先ほど放った俺の攻撃が直撃したのだ。
うん。
なんというか本当にごめんなさい。
だがこのままでは俺が補食されてしまう未来しか見えないので抵抗させてもらう。
「セットアップ、プリキュアフォーム
俺はセットアップと同時に死ぬ気化する。
死ぬ気化は額に炎がついていない状態を呼んでいるのだが、実際はついていない訳ではない。
当然、額の炎が最低限なので魔法の強化度合いも下がってしまうがこの程度の巨大ムカデならそれだけで十分だ。
俺は右手を向けて砲撃を放つ。
「ヒートバーナー」
ドオン!!!!
巨大ムカデの上半身にオレンジの砲撃が直撃する。
そして俺は飛翔魔法で飛び上がり、さらに追撃した。
「
巨大な5mほどのスフィアを自身の後ろに6つ形成する。そしてガトリングの如く、巨大なスフィアを巨大ムカデにぶつけまくる。
「ギュアアアアア……アア……」
そしてダメージの限界を迎えたのか巨大ムカデは倒れた。
「…………ごめんなさい」
俺がなんの罪もない巨大ムカデを倒してしまったことによる罪悪感に襲われていると……
「巨大な魔力反応があると思って来てみれば……まさかお前だったとはな」
俺は勢いよく振り向く。
「シグナム!?」
そこにいたのは凛々しい女騎士シグナムであった。
◆◆◆
「久しいなキュアヒート」
俺は約10mの距離を開けながらシグナムと対峙する。
(まさかこんなところでヴォルケンリッターに……それもシグナムに鉢合わせるとは!?)
『ガゥ……』
すると心の中にいる相棒から『やっぱりこうなったか……』という意味深な思念が届く。
え?
相棒、それどういう意味?
『ガァウ……』
『そんな殺生な』
相棒曰く、『神様も認める程の運の悪さなんだよ?何も起こらないわけないでしょ?だから出歩かせたくなかったのに……』とのこと。
それはあれか?
出歩いた俺が悪いのか?
でもこんなことになるなんて欠片も予想できる訳ないやん?
「お前が倒した巨大ムカデは私のターゲットだったのだがな……それをああもあっさり倒してしまうとは。一応、Sランクの超危険生物なんだが」
「そ、そうだったのですか……」
超危険生物なら……倒しても良かった……のか?
「だが……今日はそれ以上に嬉しい日だ。こうしてお前と戦える機会が巡ってきたのだからなキュアヒート」
「ソ、ソレハドウモ……」
俺は全然嬉しくないんですけどねぇ!?
そしてシグナムはやる気なのかレヴァンティンを抜刀術のように構える。
それを見た俺もグローブに炎を灯し、構えた。
「貴様も炎を使うのか?」
「ええまぁ」
「そうか」
俺達は軽く会話した後、睨み合う。
そんななか俺は先日のリニスとの会話を思い出していた。
『え?いつも通りに戦え??』
『はい。貴方は器用な方ではありません。戦い方を制限してやられてしまっては本末転倒です』
『でもあのときはうまくいったぞ?』
『仮面の男との戦いのときですか?あれはうまく不意をつけただけです。次戦ったとき同じ戦法は通用しないでしょう』
『うっ……でもそうすると俺の正体が……』
『どちらにしろ私が気付いたのですから、皆に気付かれるのも時間の問題です。それでもまだ渋る様なら……せめて炎だけでも通常通りに使いなさい。ヴォルケンリッターや、仮面の男達は貴方が手を抜いて勝てるほど甘くありません』
『……分かった』
(リニスの言うとおりだった。改めて対峙して分かる。こいつは手を抜いて勝てるほど……甘い相手じゃない)
少なくとも目の前にいる女騎士シグナムは、あのフェイトを倒したのだ。
フェイトも戦闘には慣れている。
だがシグナムは彼女を全く寄せ付けず圧倒した。
それだけでもこいつが近接戦闘に秀でていることが分かる。
(剣士の相手は異世界で戦ったセイバーオルタ以来か……)
あのときは最後まで圧倒されっぱなしだったが……俺もあのときよりは随分強くなっている。
それにこいつ相手に逃げられる状況でもない。ならば……
(やるしかない)
覚悟を決めた。
「…………」
「…………」
先手は俺からだった。
「ヒートカノン」
右手をシグナムに向けて炎の弾丸を数発撃ち出す。
だがシグナムは前に出ることでそれらを紙一重でかわす。
そして俺に斬りかかってきた。
(速い!?)
「はっ!」
それを俺は間合いに注意しながら後ろに下がりつつかわしていく。
シグナムの連続斬りはスピードが早く反撃する暇がなかった。
少し戦って分かった。
(これは……フェイトが負けるハズだ……)
シグナムのスピードはフェイト並に速い。
スピード自体はフェイトとほぼ互角であるのだが、彼女と違うのはその火力と戦闘技術である。
両者共に戦闘スピードの最高速度はほぼ同じなのだが、反応速度はシグナムの方が僅かに速い気がする。
いかにフェイトがスピードに特化している魔導師であったとしても、
それにあの子は防御が薄い。
シグナムの強烈な攻撃を食らい、力を発揮する前にやられてしまったのだ。
俺は一旦、炎を前方に放つとその反動で後ろへと下がる……と同時に射撃魔法を10発展開させた。
炎のスフィアが真っ直ぐにシグナムへと向かっていくが……
《パンツァーガイスト(Panzergeist) 》
レヴァンティンから音声が聞こえたと思った束の間、シグナムの全身を赤紫の魔力光が包んだ。
そして炎のスフィアがシグナムに直撃するが、威力が足りないのか眼前で打ち消されてしまった。
だが俺の狙いは他にあった。
「はぁあ!」
炎のスフィアを目隠しにしてシグナムの
そして俺は奴の背中に炎の拳を放つ。
だがシグナムは後ろを見ずに鞘でこちらの拳を受け止めるとカウンターで俺の腹に蹴りを放った。
「くっ!?」
数メートル後ろへと吹き飛ぶ俺。その間にシグナムはレヴァンティンに指示を送る。
「レヴァンティン!カートリッジロード!」
《カートリッジロード》
直後、レヴァンティンが炎に包まれ、爆発的に魔力が向上する。それを見た俺も対抗するために形態変化を使った。
そして互いに近距離で技をぶつけ合った。
「
「
ドゴォオオオオオオンンン!!!!!!
強烈な爆発が俺達を襲う。
俺はグローブの炎を逆噴射して吹き飛ばされるのを防ぐとシグナムがいるであろう方向を見定め、砲撃を放った。
「ヒートバーナー!」
オレンジの砲撃が爆発する。
俺は様子を見るが……突如、超直感が反応する。
その反応のままに俺は横跳びでかわす。
すると……
ガキン!
体勢を立て直した俺はグローブをブースターに接近戦を繰り出す。
シグナムは炎を付加したままレヴァンティンを振るい、俺は炎の拳をそのまま放つ。
ガキイイイイィィィィンン!!!!!!
炎の拳と炎の魔剣が激突する。
その衝撃で周りの砂は吹き飛んでいく。
「く、くううう!!」
拳と剣がせめぎ合う。
その影響かギチギチと音が鳴り響く。
俺はさらに力を込める。
するとシグナムが話しかけてきた。
「その華奢な肉体からは想像できないほどに力が強いな!」
「これでも一応鍛えてますので!」
それに本当は男ですから!!
そこから俺は流れを変えるために空いている左手をシグナムの顔面に向け、直射砲撃ストレートバーナーを放つ。
「!?」
だがシグナムは咄嗟に身体を捻るとストレートバーナーをかわしてしまった。
(な!?この至近距離でかわしやがった!?)
そしてそのまま縦一線にレヴァンティンを振るった。
「攻撃とはこうやるんだ。
《シュトゥルムヴィンデ(Sturmwinde) 》
するとレヴァンティンの刀身から衝撃波のようなものが放たれ、俺は吹き飛ばされてしまう。
だが吹き飛びながらも俺もシグナムに砲撃を放っていた。
互いの攻撃が直撃する。
「はぁ……はぁ……」
俺は仰向けに倒れながらも起き上がる。
前方に目を向けると変わらず悠然と立ち続けるシグナムの姿があった。
だがその騎士甲冑は
「ふむ。攻撃のキレや早さも申し分ない。鍛えているというのもあながち嘘ではなさそうだな」
「いってくれますね……」
さすがベルカの騎士……
攻撃速度や……反応速度……戦闘技術は超一流といっても過言ではない。
なんと言えばいいだろうか?
対人慣れしているといったらいいだろうか?
人を攻撃するのに
それだけじゃない。
一瞬の判断力が的確すぎる。
俺が次に行動しようとしたときには、その動きを事前に察知しているのかすぐに対策をしてくるのだ。
俺が近接戦闘でシグナムと渡り合えているのは一重にその対策すらも感じ取れる超直感のおかげだ。
「ふっ」
「?」
するとシグナムが静かに笑う。
俺は訝しげに彼女を見る。
「いや悪い。戦っているときに不謹慎だが……楽しいと感じてしまってな」
「楽しい?」
「武人の
「生粋の武人なのですね貴方は……」
「そうだな。だが……」
するとシグナムは笑顔から一瞬で真剣な表情へと変わった。
「私には
シグナムの真剣な言葉を受けて俺も言葉を返した。
「
そして俺達が再び激突しようとしたとき……
《Thunder Blade》
突然、俺達を囲うように
(この攻撃魔法は!?)
「そこの二人!戦闘を中止して下さい!!」
俺とシグナムが上空に視線を向けると……
そこにはバルディッシュを構えたフェイトの姿があった。
次回は三つ巴の戦い……いや下手すれば四つ巴?
では、また(・∀・)ノ