今回は管理局sideです。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
第三者side
あの戦いから翌日……
フェイトとアリシアは自身の教室にて携帯電話のカタログを見ていた。
「なんだかいっぱいあるね姉さん……」
「どれにしようか迷っちゃうねぇ」
テスタロッサ姉妹は二人揃って首を傾げる。
「まぁ、最近はどれも同じ様な性能だし見た目で選んで良いんじゃない?」
「でもやっぱメール性能の良いやつがいいよね?」
「カメラが綺麗だと色々楽しいんだよ?」
「「うーむ……」」
アリサ、なのは、すずかがそれぞれの長所、メリットを奨める。それは三人が重視しているものであった。
アリサは見た目、なのはは使いやすさ、すずかは機能性重視なのだ。
「でもやっぱ色とデザインが大事でしょ?」
「操作性も大事だよ~」
アリサとなのはは互いに意見を言い合い……
「外部メモリついてると色々便利で良いんだけど」
「そうなの?」
「うん。写真とか音楽とかたくさん入れられるし。そうそう、メールに添付して友達に送ることもできるの」
すずかは若干興奮しながらテスタロッサ姉妹にオススメの携帯を奨めていた。
「ねぇフェイト、私これにする~!」
「あ、姉さんもう決めたの?」
私立聖祥大付属小学校は今日も平和である。
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「ありがとうございましたー」
学校からの帰り道……
テスタロッサ姉妹はリンディと合流すると、そのまま携帯ショップへと向かった。
「アリシアさん、フェイトさん、はいこれ」
そして二人はリンディから携帯電話を受け取る。
「わぁい!ありがとうリンディ提督!!」
「ありがとうございますリンディ提督」
アリシアは興奮しながら、フェイトは静かに嬉しそうに笑う。
「じゃあさっそく皆に見せにいこう!行くよフェイト!」
「ちょ、ちょっと姉さん!す、すいませんリンディ提督!」
そしてテスタロッサ姉妹は元気よくなのは達の元へと向かっていく。
「皆!おまったっせー!!」
「お、おまたせ」
「あ、ううん」
先に二人に気付いたのはすずかであった。
「良い番号あったー?」
「あったよ!」
「うん」
アリサの質問にソッと携帯を見せるテスタロッサ姉妹。
「え、何番?」
それをなのは達は興味深そうに見つめる。
「これ!」
「私はこれ」
するとアリシアは水色、フェイトは黒色の携帯電話を持っていた。
「「「おおぉぉ~」」」
すると不思議とテンションが高まるなのは達。
「ふふっ」
リンディは皆のその様子を微笑ましそうに見守っていた。
◆◆◆
一方クロノ、エイミィ、ユーノの三人は時空管理局本局へと足を運んでいた。
「三人がかりで出てきて……大丈夫かな?」
「まぁ、モニタリングはアレックスに頼んできたし、さざなみ寮の人達もなのはちゃん達の護衛に協力してくれてるし大丈夫だよ」
三人は本局内を歩いていく。
クロノは守護騎士達の足取りを追うことと、戦力を分散させることにどうも不安感じているようだがエイミィの言葉によって渋々納得する。
「闇の書について調査すればいいんだよね?」
するとユーノがタイミングを見計らったのかクロノに質問した。
「ああ、これから会う二人はその辺に顔が利くから」
クロノも答える。
しばらく通路を歩いていると、三人は目的の部屋までやってくる。クロノが先頭で中に入ると、そこにいたのは二人の女性であった。
「リーゼ、久しぶりだ。クロノだ」
クロノが二人に声をかけると、二人の女性が目を見開いて彼を見つめる。
そしてソファに寝ころんでいた髪の短い女性が思い切りクロノに抱き着いた。
「わあぁ!クロスケー!お久しぶりぶり~!!」
「ロ、ロッテ!う、うぉ……は、離せコラ!」
「何だとコラ。久しぶりに会った師匠に冷たいじゃんかよー…………うりうりぃ~」
「う、うわあぁぁ!!」
リーゼロッテと呼ばれる少女の豊満な胸を顔に押し付けられたクロノは顔を赤くさせて狼狽する。
クロノのそんな反応を見たロッテは保護欲を刺激され、さらに過剰なスキンシップをとってしまう。
思わずクロノはもう一人の女性に助けを求めた。
「アリア!これを何とかしてくれ!!」
「久しぶりなんだし、好きにさせてやればいいじゃない。それに……」
だが髪の長い女性、リーゼアリアは無情にもバッサリとそれを切り捨てる。
彼女達リーゼ姉妹はギル・グレアムの双子の使い魔であり、素体は猫である。その影響か、彼女達には猫耳と尻尾が生えているのだ。
「まぁなんだ。満更でもなかろう?」
「そ、そんな訳……」
「にゃー!」
「わあぁ!!」
絶望したような表情を浮かべるクロノだが、ロッテは笑顔で容赦なく押し倒す。
クロノの断末魔が聞こえるがエイミィは気にする素振りを見せず、アリアに近寄っていく。
「リーゼアリアお久し」
「うん、お久し」
二人は手を合わせる。
「リーゼロッテは相変わらずだねぇ」
「まぁ、我が双子ながら時々計り知れん所はあるかなぁ」
アリアとエイミィは二人のやり取りを苦笑いで見守る。
「ごちそうさま~」
するとロッテが笑顔で起き上がる。気のせいでなければ肌がツヤツヤしていた。
「リーゼロッテ。お久し」
エイミィは笑顔でロッテに挨拶する。
「あぁ!エイミィお久しだ」
するとロッテはエイミィの後ろに控えていたユーノに気付く。
「あれ?なんか美味しそうなネズミっ子の匂いがする。ど・な・た?」
ロッテが妖艶な笑みでユーノに尋ねる。
ユーノは冷や汗をかきながら自己紹介する。
「ユ、ユーノ・スクライアです……」
そんな様子を遠目で見ながらクロノはソファに手をかけ起き上がり……なんとか呟いた。
「な、なんであんなのが僕の師匠なんだ……」
その頬には無数のキスマークがついていた。
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「あ、なるほど。闇の書の捜索ね」
「事態は父様からうかがってる。できる限り力になるよ」
「よろしく頼む」
その後、復活したクロノは顔にキスマークをつけたままリーゼ姉妹に話を切り出す。
事前に話は伝わっていた様でスムーズに事は運んだ。
ユーノとエイミィは三人から少し離れた場所に座り、話の様子を見守っていた。
「エイミィさん」
「ん?」
「この人達って……」
「クロノ君の魔法と近接戦闘のお師匠様達。魔法教育担当のリーゼアリアと、近接戦闘教育担当のリーゼロッテ。グレアム提督の双子の使い魔。見ての通り、素体は猫ね」
ユーノが小さな声でエイミィに尋ねると、彼女はそっとユーノに耳打ちする。
するとユーノの見つめる視線に気づいたのか、ロッテが笑顔でユーノに手を振る。
「な、なるほど」
先程のクロノとのやりとりを見ていたユーノとしては、複雑な笑みで手を振り返すしかできなかった。
「二人に駐屯地方面に来てもらえると心強いんだが、今は仕事なんだろ?」
「うん、武装局員の新人教育メニューが残っててね」
「そっちには出ずっぱりになれないのよ。悪いね」
アリアとロッテが答える。
リーゼ姉妹は優秀な使い魔だ。
魔導師ランクはオーバーSランクを超えており、教導官としての資格も持っている。
クロノの優秀さからも分かる通り、この二人は鍛えることに関しても一流なのだ。
「いや、実は今回の頼みは彼なんだ」
「む」
そのときクロノがユーノに視線を向ける。
「食っていいの!?」
と同時にロッテも目を輝かせながらユーノを見る。
「いっ!?」
「ああ、作業が終わったら好きにしてくれ」
「な!?おい、ちょっと待て!」
クロノの見捨てるような発言にユーノは立ち上がって反論する。
そんな様子が微笑ましいのかリーゼ姉妹とエイミィは笑っていた。
その反応を見たユーノはクロノが冗談を言ったのだということにようやく気付いた。
「それで、頼みって?」
アリアが気を取り直して尋ねる。
「彼の無限書庫での調べものに協力してやってほしいんだ」
クロノは真剣に告げる。
リーゼ姉妹はその様子を見て思わず……互いに顔を見合わせた。
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所変わって無限書庫……
リーゼ姉妹に連れられたユーノは無限書庫にいた。
「管理局の管理を受けている世界の書籍やデータが全て収められた超巨大データベース……」
「いくつもの歴史が丸ごと詰まった……言うなれば世界の記憶を収めた場所」
「それがここ……無限書庫」
アリアとロッテがユーノに説明する。
無限書庫の中は無重力空間となっており、通路が弧を描くように設置されている。
この建物自体、巨大な筒状のような構造となっており、その壁一面には無限とも思えるほど膨大な数の書物が並んでいた。
実を言うとユーノが無限書庫にやってくる一ヶ月前にとある少年が既に「闇の書」について調べて回っていたのだが今のユーノが知る術はない。
「とはいえ、中身のほとんど全てが未整理のまま」
「ここでの探し物は大変だよ?」
「本来ならチームを組んで年単位で調査する場所なんだしね」
リーゼ姉妹が心配そうに話すが、ユーノは首を横に振った。
「過去の歴史の調査は僕らの一族の本業ですから。検索魔法も用意してきましたし、大丈夫です」
「そっか、君はスクライアの子だっけね」
「私もロッテも仕事があるし、ずっとっていうわけにはいかないけどなるべく手伝うよ」
「可愛い愛弟子クロスケの頼みだからね!」
そしてユーノは無限書庫での調査を開始した。
◆◆◆
数日後……
なのはとフェイト、アリシアは現作戦本部兼自宅となっているハラオウン宅……より詳細に言えばテスタロッサ姉妹の自室にいた。
フェイトはベッドに座りながら、アリシアは寝転びながら、なのははベッドにもたれかかりながら話していた。
「そっか。アリサとすずかはバイオリンやってるんだね」
「うん。メールでよくお稽古の話とか教えてくれるんだよ」
「あの二人、いかにもお嬢様って感じだもんね~」
三人は和気あいあいと話す。
「ただいま~!」
「あ、エイミィだ」
そのときエイミィが買い物から戻ってくる。
三人が出迎えるとエイミィは買い物袋を多く持っていた。
場所は台所へと移る。
なのは、フェイトはエイミィから食材を受け取ると冷蔵庫へと入れていく。
「艦長、もう本局に出かけちゃった?」
「うん。アースラの武装追加が済んだから試験航行だって。アレックス達と」
「武装っていうと……アルカンシェルか。あんな物騒な物、最後まで使わずに済めばいいのに」
アルカンシェルは管理局の大型航行艦に搭載される魔導砲である。
艦船武装の中でも屈指の殲滅力を誇り、打ち出される弾自体にも威力はほとんどないのだが、着弾後一定時間経過して発生する空間歪曲と反応消滅で対象を殲滅するのである。
その効果範囲は実に数百キロに及び、特定の条件下でのみ発動が許されている。
まさにアルカンシェルは次元航行艦の切り札、奥の手といっても過言ではないのだ。
「クロノ君もいないですし、戻るまではエイミィさんが指揮代行だそうですよ?」
そしてなのはもエイミィに話す。
今は作戦本部に責任者となる者がいないため、現時点では執務官補佐兼アースラオペレーターのエイミィが指揮を取るしかないのだ。
リンディ、クロノは現在本局に出向いている。
リンディはアースラの試験航行のため、クロノはユーノと共に無限書庫での調査のため海鳴にはいなかった。
現在マンション内にいるのはエイミィ、なのは、フェイト、アリシア、アルフの五人だけである。
さすがに9歳時であるなのはとフェイトに部隊の指揮を取れと言うのも無理な話であろう。
できるとすれば荒事にも慣れているリニスくらいだ。そのリニスはというと現在翠屋の手伝いにいっている。
『責任重大だねぇエイミィ』
『だねぇエイミィ』
リビングで寝そべっている小犬形態のアルフと、同じく寝そべっているアリシアが念話でエイミィをからかう。
アリシアはリニスの教育の賜物か、簡単な魔法なら既に使えるようになっていた。
そしてこのアルフさん、ほんの数ヶ月前までは立派な狼であったのに今ではすっかり小犬姿が定着している。立派な室内犬になりつつあるアルフさんである。
「それもまた物騒だ……とはいえ、そうそう非常事態なんて起こる訳が」
エイミィがやれやれと首を傾げながら話すが……人生はそう甘くない。
こういう話をしているときに限ってトラブルは起こるものだ。
そう。
人はそれをフラグと呼ぶ。
ブゥーン!ブゥーン!ブゥーン!
そのときハラオウン宅の警報器が部屋中に鳴り響く。
部屋の中を赤いブザーが照らす。
「緊急事態」を示すモニターが自動で表示される。
ちなみにしっかりと防音対策はとってあるのでご近所さんには聴こえないから安心だ。
「……うそ」
しかしエイミィはそれどころではなかったが。
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エイミィ達はコンソールや大型モニターなど重要な機械類が設置されている司令部の最奥部屋へと入る。
モニターに映し出されていたのは二人の男女、烈火の将シグナムと盾の守護獣ザフィーラであった。
管理局の目を避けるために無人世界を選んでいたヴォルケンリッターであったが、管理局の監視網に引っかかったのだ。
エイミィはすぐに現状把握に務める。
「文化レベルゼロ、人間は住んでいない砂漠の世界だね」
エイミィは冷静に分析する。
「結界をはれる局員の集合まで最速で四十五分……まずいなぁ」
時間がかかり過ぎる。
その一言であった。
正直、それだけ時間があれば守護騎士達は魔法生物からの魔力蒐集を終えてしまうだろう。
そうすれば闇の書の完成に一歩、また一歩と近づいてしまう。管理局としてはどうにかしてそれを防ぐ必要があった。
そんな悩むエイミィの後ろ姿を見ていたフェイトとアルフは互いの顔を見合わせ、頷き合った。
「エイミィ、私が行くよ」
「アタシもだ」
フェイトはシグナムと、アルフはザフィーラとそれぞれ因縁がある。
現状、この二人以外に守護騎士の二人と戦うのに最適な人物がいないのも事実であった。
エイミィは少し悩む。
このまま黙って指をくわえているだけでは事態は一向に好転しない。いや、むしろ悪化する一方だ。
武装隊が到着するまでフェイト達が上手く時間稼ぎをしてくれれば状況はそれだけで変わる。
それに前回の戦いでヴィータと互角に戦いを繰り広げたなのはが側で控えている。
そのことがエイミィに決断させた。
「……うん、お願い」
「うん」
「おう」
エイミィの言葉にフェイトとアルフは力強く頷く。
「なのはちゃんはバックス。ここで待機して。アリシアちゃんは私と一緒にモニターの監視よろしく」
「はい」
「分かったよ!」
そしてフェイトが自室にバルディッシュを取りに戻ろうとするとエイミィが声を上げる。
「待って!この巨大な魔力反応!?」
するとモニターに約150cmほどの黒衣の少女が映る。
その姿を見た皆は目を見開く。
「こ、この人!?」
「リニスとリンディ提督が言ってた似顔絵の人!?」
なのはとフェイトが声を上げる。
リンディとリニスは黒衣の少女と初めて邂逅した翌日から、その特徴を皆に伝えていたのだ。
「じゃあもしかしてこの人がアリサとすずかを誘拐事件で助けてくれたっていう……キュアヒートさん?」
「たぶんそうなんじゃないのかい?」
アリシアの疑問にアルフが答える。
するとキーボードを操作していたエイミィが皆に知らせる。
「この黒ずくめの女の子、高度な結界ジャマーを展開してる。だからアースラの監視網にも引っ掛からなかったんだ」
「こんな砂漠の無人世界でこの人は一体何をしていたんでしょう?」
なのはが疑問の声を上げるが答えられる者はこの場にいない。
ちなみに正解を言っておくと、そこまで深い意味はない。言うとしたらただのストレス発散である。
少女としては息の詰まる引きこもり生活が嫌になり、気晴らしに無人世界に来たら運悪く魔力蒐集に来たヴォルケンリッターと鉢合わせただけである。
真実はその程度なのだ。
そして件の少女はというと、シグナムと会うと目を見開き驚く。二人は何か話しているようだ。
そして……
「あ、この二人戦い始めちゃった!?」
モニターに映る二人は激突する。
そして二人の戦いを見ていたなのはとフェイトはある事に気付く。
「ねぇフェイトちゃん……」
「うん。なのはとたぶん同じこと考えてる」
二人は声を揃えて言った。
「「戦い方がヒエン(君)とそっくりだ」」
モニターに映る黒衣の少女の戦い方は、現在行方不明になっている少年とそっくりなのだ。
トントン
そのときモニターを真剣に眺めるフェイトの肩を叩く人物がいた。
フェイトが後ろを向くとそこにはバルディッシュとカートリッジを持ったアリシアがいた。
「はいフェイト」
「あ、姉さん」
フェイトはアリシアからデバイスとカートリッジを受け取る。わざわざ部屋まで取りに行ってくれたらしい。
アリシアはフェイトに話しかける。
「気になるんでしょ?あのキュアヒートさんが一体何者か」
「……うん。もしかしたら今、行方不明のヒエンのこと何か知ってるかもしれない」
「じゃあ……まずはしっかりお話を聞かないとね?」
「うん。行くよバルディッシュ」
《Yes sir.》
「気を付けてねフェイト」
「うん」
そしてフェイトはセットアップを済ませると転送魔法を使い、アルフと共に砂漠の無人世界へと向かった。
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「無事ついたけど、それにしてもあっついねー」
「気温は40℃超えてるから無理ないよ」
砂漠の無人世界に無事にたどり着いたフェイトとアルフ。
しかし予想以上の暑さにアルフは服をパタパタとさせていた。
一応フェイトはバリアジャケット、アルフは魔力フィールドを展開して身体を保護している。
「それじゃアルフ」
「ああ、ちょっくら野郎の所行ってサクッとぶっ飛ばしてくるよ。フェイトも気を付けなよ?」
「うん大丈夫」
するとフェイトはアルフに拳を向ける。
アルフはフェイトの行動の意味が分からず首を傾げる。
フェイトは少し苦笑いしながら説明する。
「前にヒエンに教えてもらったんだ。『こうやって拳を合わせるのが俺流の約束の仕方』って」
それは少年とフェイトが初めて邂逅した日、暴走したジュエルシードを封印するため巨大Gと戦う前に行った少年流の約束の仕方であった。
フェイトはそれを覚えていたのだ。
「へぇ、あいつの受け売りなのか。じゃあアタシも」
コツン
フェイトとアルフは拳を合わせる。そして互いに笑いあった。
「じゃあいくよ」
「気を付けてね」
そして二人は現場へと向かった。
フェイトは現場へと高速で飛んでいく。
すると爆発音が聞こえた。
《前方2km手前で巨大な魔力反応を二つ感知しました》
バルディッシュがフェイトに知らせる。
「この先に……あの二人が」
そしてフェイトは飛ぶスピードをさらに上げた。十数秒後、前方に二人の人影を発見する。
見たところ二人は攻撃をやめた状態で何やら話し込んでいた。
「いけない!?」
しかしすぐに両者共に攻撃を再開しようとしたため、フェイトは戦いを止めるためにある新魔法を発動させた。
《Thunder Blade》
そしてフェイトは二人を囲うように雷の剣を放った。
「そこの二人!戦闘を中止して下さい!!」
シグナムと黒衣の少女は驚いた様子でフェイトに視線を向けていた。
次回は三つ巴の戦い……かも。
では、また(・∀・)ノ