ついに今年も終わりですね。
今回はついにキュアヒートの秘密がバレる!?
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
俺は今焦っていた。
なぜなら……
「そこの二人!戦闘を中止して下さい!!」
シグナムと戦っているところにフェイトが現れてしまったのだから。
っていうか今思い出したけど、砂漠の無人世界、シグナム、フェイトっていうシチュエーション……
テレビ版A'sであった第7話の戦闘シーンそのままの状況じゃないですかヤダー。
PT事件のときもデジャブみたいなものを感じたとき、何度か『あ~こういうシーンあったなあ』くらいには思い出すことはあった。
俺の場合、相棒と魂でつながっている……つまり一心同体であるため俺の見た記憶はデータとしてデバイスである相棒の中に記録されている。
それは前世の記憶も例外ではない。その影響かデジャブったときに映像事思い出すことがタマにある。自分から思い出す場合は時間をかけてサルベージしなければならないが。
しかし……しかしだ。
いくら転生者といえど何事にも限界はある。
例えばだ……
戦っている最中、
結論から言おう。
否、断じて否である。
無理だ。そんなもの某禁書目録の腹ペコシスターの完全記憶能力でもない限り無理である。
と、泣き言を言ってても仕方ないので今はこの危機を脱することだけを考える。
まずは軽く現状把握だ。
フェイトがこの場にいるということは間違いなく管理局に監視されていると見ていいだろう。
だとすれば下手な行動は取れない。恐らく俺の戦い方を近くで見ることが多かったフェイトはキュアヒートがヒエンだということに薄々気付いている……かもしれない。
だが俺が恐れているのは他にある。
それが
だがこの二人はその事実を知らない。
シグナムは
当たり前だ。
誰にも言っていないのだから。
だがその事実がふとした切欠で今この場で漏れてみろ。
ややこしいを通り越して……ヤバいことになる。
なぜかそれだけは確信できた。
超直感の警鐘具合から考えても
下手をすれば誤解に誤解が生じて……この場で血生臭い殺し合いに発展してしまうかもしれない。
なぜそう言い切れるのか?
それは守護騎士達が現在最も恐れているのが、管理局に八神はやてが闇の書の主であるということがバレることだからだ。
現時点では管理局ははやてが闇の書の主だということに気付いていない。
だからこそ守護騎士達は
なぜならそれが
はやてがそれを
だがそれが
それが原因で
守護騎士達は間違いなくある行動をとるはずだ。
目撃者を消す……すなわち殺人を犯す。
守護騎士達の『騎士の誇りを捨てる』。
それははやての誓いを破る意味もあるが、もう一つの意味もある。それが殺人だ。
はやてを守るためならば……敵を殺す。その結果、たとえはやてに嫌われることになったとしても、それがはやてのためになるのなら……守護騎士達は間違いなく行動に移る。
俺ははやてと面識がある。そして俺は管理局に嘱託とはいえ、
今この場でそのことが話題に上がりバレてしまえば、シグナムはきっとこう思うだろう。
『ヒエンがはやてに近付いたのは闇の書の主かどうかを調べるためだ』と。
実際に原作でもなのはとフェイトに、はやてが闇の書の主ということがバレたときに、ヴォルケンリッターは結界に閉じ込めて二人を亡き者にしようとした描写がある。
以上のことから守護騎士達……つまりシグナムがそういった行動に移る可能性は高いのだ。
そうするとここにいるフェイトも巻き込まれることになる。それはダメだ。今はまだ力を温存するべき時だ。
だとすれば……
俺がフェイトに取るべき行動は必然的に決まってくる。
「…………」
敵対関係一択だ。
フェイトには悪いが隙があり次第すぐに逃げさせてもらう。
いや……その前に【ヒエンとキュアヒートが同一人物ではない】ということをフェイトに思わせなければならない。
どうする?
俺が状況把握に努めていると、シグナムとフェイトの視線が交差していた。
「テスタロッサ……」
「シグナム……」
するとフェイトの視線がこちらに向く。
「あの……」
「…………」
俺は無言を貫く。
フェイトはそんな俺の態度に少しドキマギしつつも、真面目な顔付きになり、要件を話す。
「キュアヒートさん……でよろしいですね?」
「……ええ」
「時空管理局嘱託魔導師のフェイト・テスタロッサです。その、貴方には闇の書との関係についてお話を伺いたいのですが……」
「……先に言っておきますが私は闇の書とはなんの関係もありません」
フェイトの質問に対して先に否定の言葉を入れておく。フェイト達からしたら俺も闇の書になんらかの形で関わっていると思われているのだろうが……実際は無関係である。
「え……でも……」
「その者は本当になんの関係もないぞテスタロッサ」
するとそこで意外にも声をあげたのはシグナムだった。
「シグナム?」
「その者は我らから魔力を狙われているだけだ。……事実テスタロッサ、最初にお前と戦ったあの日も……この者は
「…………」
俺はシグナムの言葉を聞いたとき驚いた。
なぜこいつが……
確かに俺はあのとき並行世界から帰ってきたばかりで突然あの場に居合わせてしまったが……
俺の訝しげな視線に気付いたのかシグナムは理由を話す。
「簡単な話だ。あの結界を構築したのはヴィータだがシャマルがサポートを行っていた。シャマルは我らの中で唯一後方支援に秀でた使い手だ。
「待ってください……
シグナムの言葉にフェイトが反応する。
「ああ。このキュアヒートは突然あの場に……我らとお前達が戦っていた場所に現れたのだ」
「そうですか。ありがとうございますシグナム。キュアヒートさん……ひとつだけいいでしょうか?」
「……なんでしょう?」
「貴方は一体何者なんですか?」
するとフェイトがこちらに真剣な表情で語りかけてくる。
「私は……
「……ある人?」
まずい……
「はい。ですが、
「……そうですか。そんな偶然もあるんですね」
この流れはまずい。
「キュアヒートさん……正直に答えてください」
そのとき超直感が反応する。
【フェイトにそれを言わせてはダメだ】と。
「待っ……」
だが時既に遅くフェイトは俺に告げた。
「大空
しかしその言葉に反応したのは予想外にもシグナムであった。
「オオゾラだと?」
「ヒエンを知っているんですかシグナム!?」
シグナムにフェイトが即座に反応する。
「……いや、少し話したことがあるだけだ。それよりこちらもひとつ聞きたい。テスタロッサ、お前の話から推測するにオオゾラは魔導師なのか?」
「……はい、魔導師です。私と同じ時空管理局嘱託魔導師をしています」
「……そうか」
するとシグナムは
「キュアヒート……突然だがなぜだか急に私も
そしてレヴァンティンを俺へと向けた。
「答えろ。お前とオオゾラは一体なんの関係がある?」
俺は二人から向けられる厳しい視線に冷や汗をかいていた。
この展開はまずい。
まずすぎる。
もう間違いない。
この二人はヒエンとキュアヒートがなんらかの形で関わりがあることを疑っている。
いや、シグナムの口調から考えてキュアヒートがヒエンだという可能性も疑っている。
俺はマルチタスクを駆使して脳をフル回転させる。
(この危機を脱するには……冷静な二人を刺激するような……なにか別の展開にもっていければ……)
俺は方針を固める。
そして二人に話し始めた。
「……いいでしょう。そこまでバレているなら秘密にする理由もない。あなた方二人が疑っているように私は……
「協力!?」
「……教わっただと?」
(脳をフル回転させろ。頭を働かせろ。二人が【ヒエンとキュアヒートは別人だ】という勘違いする展開に持っていけ。嘘でも冗談でもなんでもいい。とりあえず今はこの危機を脱せればそれでいい!!)
この手の場合、嘘の中にほんの少しの真実を入れるだけでも信憑性はグッと高まる。ならば続けるしかない。
「彼は現在とある理由で動けません。
「ヒエンは……生きてるんですね!?」
「ええ、安心しなさいフェイト・テスタロッサ。彼は生きています」
するとフェイトがどこか安堵したような表情となる。しかし、再び表情をキリッとさせるとこちらに話しかけてくる。
「それなら……教えて下さい!ヒエンは今、一体どこにいるんですか!?」
フェイトから訴えかけるような瞳で言われるが……この状況では
「それは……今は教えることはできません」
「どうして!?」
「言ったでしょう?現在、彼は動ける状況ではないと」
「だったらなおのこと!」
「それに彼は今……あなた方を信用していない」
「……え?」
するとフェイトが呟くような声をあげる。その表情から察するに信用されていないという言葉が驚いたように見受けられる。
俺はすぐに訂正する。
「失礼、語弊がありましたね。彼は現在、管理局自体を疑っている」
「どういう……意味ですか?」
「あなた方も
「はい。何者か不明ですが……」
「彼は……ヒエンはその仮面の男達は管理局に所属している人間ではないかと疑っています」
「まさか……内部犯!?」
「彼はその可能性を示唆して、自分から姿を隠しました。彼は今、
俺はシグナムに意味深に視線を向ける。
するとシグナムの眉がピクリと動く。
この『少々複雑な立ち位置』というのが肝だ。
簡単に要約すると……
『ヴォルケンリッター……お前達の襲撃してくる意味も含んでるんだぞコラァー』
という裏のメッセージも含んでいるのである。
二人には口からでまかせ、パッと思い付いたことをさも意味ありげに言っているが……
全てが嘘な訳ではない。
それに24日の決戦についても原作知識で知っているため、
まさか……出歩いた矢先に件の二人と鉢合わせることになるとは欠片も予想していなかったがorz
「キュアヒート」
するとシグナムが俺に声をかけてくる。
「……オオゾラの事情は分かった。ならば次は
その質問に俺は当然とばかりに答える。
「前回会ったときも言ったでしょう?私はプリキュアです」
「……ふざけているのか?」
「別にふざけてなどいませんし、私は真剣です。それに……私は常に事実しか申し上げておりません」
そうだぞウラアー!
お前達が混乱してるように俺も内心冷や汗かきまくりの頭オーバーヒート中なんじゃボケエェ!!Σ(゜Д゜)
それに何度も言うように間違ったことは言ってない!この世界に戻る前に名実共にプリキュアされてしまったんだからなあああぁぁ!!!!!!(血涙
そのとき……
ズバァン!!!!
「!?」
突如、炎の斬撃が俺に向けて放たれる。
俺はそれを跳躍することでかわす。
「シグナム!?」
フェイトが声をあげる。
「もういい。貴様に話す気がないということは良く分かった。なら……魔力を直接いただくまでだ」
「やる気……という訳ですか」
何やらやる気満々になったシグナムがこちらを睨み付ける。
すると……
「二人とも止めてください!戦闘は中止するように言ったはずです!!」
フェイトが止めに入るが……
「邪魔をするなテスタロッサ。それでも我が前に立ちはだかるというなら……誰であろうと斬り捨てる!」
シグナムが止まりそうにないことを悟った俺はグローブに炎を灯しながらフェイトに言った。
「……だそうですよフェイト・テスタロッサ。もちろん私も止まるつもりはありません。それにあなた方管理局についていく気もありません。機があり次第、すぐに逃げさせていただきますのでそのつもりで」
すると俺達の言葉を聞いたフェイトも覚悟が決まったのかバルディッシュを構えた。
「二人とも止まるつもりはないんですね。なら二人には申し訳ありませんが……少々痛い目に合ってもらいます!」
ここに三つ巴の戦いが始まろうとしていた。
次回ついに三つ巴の戦いが始まる!
では、また(・∀・)ノ