大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

少し落ち着いてきたので投稿を再開します。

『魔法科高校の鋼の錬金術師』の方も話が練れたので近い内に投稿したいと思います。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百六話 ミーティング

第三者side

 

 

 

「しっかりしてしてください!」

 

 

フェイトは気絶した黒衣の少女に駆け寄り、すぐに少女の体調を確認する。

 

 

(良かった……生きてる。でもすごい汗だ。この人をこのまま放っておいたら……きっと凍死してしまう)

 

 

見れば少女のおでこには多量の汗が見られた。周りが極寒であるにもかかわらず……。

 

見れば呼吸も乱れていることから体調もかなり悪化しているようだ。

 

 

「バルディッシュ」

 

 

《Yes sir.》

 

 

するとフェイトは黒衣の少女にバルディッシュを向けると、カートリッジを一発ロードする。

 

そして防御結界魔法ディフェンサープラスを発動させ、温度防御機能をつける。

 

これで黒衣の少女が凍死することはなくなった。

 

 

ザッ……

 

 

そのときフェイトはすぐ側で聴こえた足音に気付く。

 

目を向けるとシグナムが気絶している黒衣の少女をじっと見つめていた。

 

フェイトは少女を庇うように前に出る。

 

そしてシグナムにバルディッシュを向けた。

 

 

「この人に手出しはさせませんよシグナム」

 

 

シグナムはそんなフェイトを一瞥すると……どこかもの憂いげに告げた。

 

 

「……安心しろ。倒れている者に危害を加えるほど、我らも落ちぶれていない。それに……予想外なことが起こったとはいえ、結果的にこの者の魔力を蒐集してしまったことに変わりはないんだ。()()()()()()()()()

 

 

しかしその言葉とは裏腹に……シグナムはレヴァンティンを握る力を無意識に強めていた。

 

それに気付いたフェイトはいつでも戦えるように警戒だけは怠らなかった。

 

そしてシグナムはその手にある一冊の黒い魔導書……闇の書に目を向ける。

 

 

「それにキュアヒートには借りがある。あの仮面の男達……奴等が何者かは分からんが……()()()()()()()()()()は判明したからな」

 

 

「『闇の書の完成直後の永久封印』……でしたか」

 

 

フェイトは黒衣の少女と白い仮面の男の会話を思い出すように呟く。

 

 

「それが本当かどうかもまだ分からんがな……。少なくともキュアヒートの推測は我々にとっても無視できるものではない」

 

 

シグナムはどこか複雑そうな表情で気絶している黒衣の少女を見る。

 

 

「それに……幾つか気になることもある」

 

 

「気になること?」

 

 

フェイトは首を傾げる。

 

 

「なぜ奴等が()()()()()()()()使()()()()()()()()()()?闇の書は我らヴォルケンリッター、(あるじ)にしか使えん筈だ。それだけじゃない。妙に()()()()()()()()()()()()キュアヒートについてもだ」

 

 

「それは私も気になっていました」

 

 

そう。

二人には気になることがあった。

 

仮面の男達は闇の書を()()()()()()()()()()()()

 

闇の書はその主か守護者達にしか使えない筈なのに……。

 

そして闇の書について妙に詳しかった黒衣の少女についてもだ。

 

現在闇の書は、ユーノとリーゼ姉妹が無限書庫で調べている。

 

そのユーノ達が苦労して調べているにも関わらず黒衣の少女は()()()()()()()()()()知っていた。

 

フェイトやシグナムにとっては分からないことだらけであった。

 

そのとき……

 

 

「フェイト!」

 

 

アルフが救援に駆けつけた。

 

 

「アルフ!」

 

 

「これは一体どうしたっていうんだい?エイミィから緊急連絡があったと思ったら、いきなり砂漠が一面雪景色になっちまうし……」

 

 

「えっとね……」

 

 

フェイトが状況を説明しようとしたとき、アルフがフェイトの側で倒れている黒衣の少女と、その傍に立っているシグナムに気付く。

 

 

「あ、あんたは!?それにそこで倒れてるのは!?」

 

 

「落ち着いてアルフ。シグナムは今のところ敵意はないし、キュアヒートさんは魔力を蒐集されて気絶してるんだ」

 

 

するとアルフが到着したのを見届けたシグナムは踵を返し立ち去ろうとする。

 

 

「……行くんですか?」

 

 

「ああ。ここにはもう用はないからな」

 

 

そしてシグナムは転送魔法を発動させる。

 

 

『……追わなくてもいいのかい?』

 

 

それを見ていたアルフは念話でフェイトに話しかける。

 

フェイトも念話で返す。

 

 

『うん。今は気絶してるこの人をすぐに本局に運ばないと。魔力を無理矢理奪われちゃったから』

 

 

『シグナムにかい?』

 

 

『……シグナムじゃないよ。前のミーティングの議題にも出た……例の仮面の男達』

 

 

『なんだかきな臭いね……。あとで詳しく聞かせてもらうよ?』

 

 

『うん』

 

 

するとシグナムがフェイト達に向き直り、小さく呟いた。

 

 

「キュアヒートが目覚めたら伝えておいてくれ。『我らがお前を狙うことはもうないから安心しろ』と。それと……『すまなかった』……と」

 

 

そしてシグナムは転送魔法で消えた。

 

 

「シグナム……」

 

 

フェイトはそれを複雑な表情で見送ることしかできなかった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

フェイトは黒衣の少女をアルフに担いでもらうと時空管理局本局へと向かった。

 

本局につくと黒衣の少女はすぐに医務室へと運ばれ、緊急検査を受けることになった。

 

検査には本局の主要医師がつくらしい。

 

結果が出るまでは少し時間がかかるらしく、その間にフェイトはミーティングルームへと足を運んでいた。

 

ミーティングルームにはリンディ、クロノ、エイミィ、なのは、アルフ、アリシア、オペレーターのアレックスそしてリーゼ姉妹の姿があった。

 

肝心のミーティング内容は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()である。

 

実はフェイトとアルフが砂漠の無人世界に向かった直後、なのはもある無人世界にてヴォルケンリッターが一人……ヴィータと相対していた。

 

あの後、ヴィータの魔力反応をキャッチしたなのははエイミィの指示により、すぐにヴィータの元へと向かった。

 

そして待ち伏せることにより、ヴィータとの接触に成功する。

 

そのまま戦闘に入るかと思われたが、意外にもヴィータは逃げの姿勢に入った。

 

が、それをさせまいとなのはがヴィータに向けて長距離砲撃を放った。

 

だがなのはの元にも例の仮面の男が現れた。

 

その時の映像が映された。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

『お前は……高町なんとか!?』

 

 

『だあぁぁ!?なのはだってばあ!な・の・は!!』

 

 

ヴィータの自身を呼ぶ名に思わず姿勢を崩すなのは。間髪入れずにツッコミを入れる。

 

しかし気を取り直し、ヴィータに話しかける。

 

 

『ヴィータちゃん……やっぱりお話聞かせてもらうわけにはいかない?もしかしたらだけど、手伝えることとかあるかもしれないよ?』

 

 

『…………ッ!うるせぇ!管理局の人間の言うことなんて信用できるか!!』

 

 

なのはの言葉に少し戸惑うヴィータであったが、すぐに否定する。

 

だがなのはも諦めず、ヴィータを警戒させないようになるべく笑顔で話しかける。

 

 

『私……管理局の人じゃないもの。民間協力者』

 

 

そして両手をヴィータに向けて無抵抗のアピールをする。なのはは以前、ヴィータに指摘されたことを覚えていた。

 

 

『和平の使者は槍を持たない』

 

 

その言葉を覚えていたなのはは、ヴィータを警戒させないように丸腰で話しかけていた。

 

 

『…………』

 

 

『ヴィータちゃん……』

 

 

しかしなのはのそんな思いはヴィータには届かなかった。

 

 

『お前をぶっ倒すのは……また今度だ!!』

 

 

ヴィータはアイゼンを構えると、魔法陣を展開させて左手に赤い魔力を収束させる。

 

 

『吼えろ!グラーフアイゼン!!』

 

 

《Eisengeheul(アイゼンゲボイル)》

 

 

そして収束した赤い魔力をアイゼンで叩いた。

 

 

 

ドガァアアアアアアンン!!!!!!

 

 

 

すると強烈な閃光と音がなのはの視覚と聴覚を一瞬奪う。

 

 

『うぅ……』

 

 

思わず耳を押さえ目を閉じるなのは。

 

そして再び目を開けると……

 

 

『あっ!?』

 

 

ヴィータの姿がはるか遠くにあった。

 

どうやら逃走の目くらましに先程の魔法を使用したらしい。

 

 

《Master》

 

 

そのときレイジングハートが呼び掛ける。

 

 

『うんっ!』

 

 

呼び掛けられたなのははレイジングハートの意図を理解し、デバイスを展開し構えた。

 

そしてヴィータはというと……

 

 

『次元転送……』

 

 

次元転送を発動させ脱出しようとしていた。

 

 

『ん?』

 

 

そのときヴィータが反応する。

 

その視界の先には……

 

 

 

《Buster cannon mode. Drive ignition.》

 

 

 

レイジングハートの砲撃形態、バスターカノンモードを展開させたなのはの姿があった。

 

バスターカノンモードはカノンモードのパワーアップ版であり、大魔力を一瞬で撃ち出す事に適している。

 

最大射程と狙撃精度は改良前のカノンモードを大きく上回っており、コア部分の装甲も強化されており耐久性も大きく向上している。

 

まさに砲撃魔導師の……なのはのための専用モードであった。

 

 

『いくよ!久しぶりの長距離砲撃!!』

 

 

《Lode cartridge》

 

 

そしてなのははカートリッジを二発ロードさせ、魔法陣を展開させる。

 

するとレイジングハートの先端に桜色の魔力エネルギーが収束されていく。

 

それを見たヴィータが戦慄する。

 

 

『……まさか!?()つのか!?()()()()()()()!?』

 

 

ヴィータとなのはの距離はおよそ1キロメートル。

 

普通ならこんなに離れた遠距離からの狙撃など……不可能だろう。

 

プロの狙撃手でも成功させるには中々に厳しい距離だ。

 

だがなのはは違う。

 

彼女にはそれを可能にさせる力があった。

 

彼女の愛機(デバイス)……パワーアップしたレイジングハート・エクセリオンには……それが可能であった。

 

なのははレイジングハートを構える。

 

今、この場でヴィータを逃がせばさらに闇の書に魔力が蒐集されてしまう。

 

 

(ヴィータちゃんには悪いけど……ここで逃がす訳にはいかない!!)

 

 

話し合いが不可能と判断したなのはは、ヴィータの迎撃に移る。

 

そしてレイジングハートに収束されたエネルギーを解放した。

 

《Divine Buster Extension》

 

 

『ディバイーーーン…………バスターーー!!』

 

 

なのはの代名詞であるディバインバスターのパワーアップ版。

 

 

 

ディバインバスター・エクステンション

 

 

 

デバイスをパワーアップさせ最大射程が伸びたことにより、さらなる遠距離からの射撃が可能になった。

 

 

『うそっ!?』

 

 

 

ドガァアアアアアアンン!!!!!!

 

 

 

そんなディバインバスター・エクステンションの直撃をヴィータは食らってしまう。

 

その様子を見ていたレイジングハートが一言。

 

 

《It`s a direct hit.(直撃ですね)》

 

 

『ちょっと……やりすぎた?』

 

 

《Don't worry.(いいんじゃないでしょうか?)》

 

 

少しやり過ぎたかどうかを気にするなのは。

 

そんななのはをレイジングハートは気にしないように言う。

 

そして土煙が晴れる。

 

だがそこには予想外の光景が映っていた。

 

 

『あっ!?』

 

 

なんとヴィータの前には()()()()()()()()()()()()()

 

仮面の男はヴィータを庇うような体勢であった。

 

 

『……あんたは?』

 

 

ヴィータが突如現れた仮面の男に警戒しながら尋ねる。

 

だが男はそれに答えず淡々と言った。

 

 

『行け。闇の書を……完成させるのだろう?』

 

 

『!』

 

 

男の言葉にハッとするヴィータ。

 

そしてアイゼンを構え、中断していた次元転送を再開させる。

 

 

(はっ!?いけない!?)

 

 

それを見ていたなのははエネルギーをチャージし、再度ディバインバスターを撃とうとする。

 

 

『ディバイーーーン……』

 

 

だが白い仮面の男は懐から一枚の白いカードを取り出すと、魔法を発動させた。

 

 

《Master!》

 

 

それを察知したレイジングハートがなのはに警告するが……

 

 

『!?……これはバインド!?』

 

 

なのははリングバインドで拘束されてしまった。

 

だが驚くべきは仮面の男の力量であった。

 

 

『そんな……あんな距離から()()で!?』

 

 

なんと仮面の男は一キロはあろうかという距離から一瞬でなのはを拘束したのだから……。

 

 

『う、ううぅっっ!!』

 

 

そしてなのはは魔力強化で無理矢理バインドを引きちぎるが……

 

既に仮面の男とヴィータの姿はなかった。

 

 

《Sorry master.》

 

 

『ううん……私の油断だよ』

 

 

そしてなのはの戦闘映像記録はここで終わった。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

なのはとフェイト、アルフの戦闘映像を見終わったクロノとリンディは言葉を反芻(はんすう)していた。

 

 

「内部犯の可能性に……キュアヒートと呼ばれる人物がヒエン(あのバカ)の協力者……そして」

 

 

「仮面の男達の狙いが『闇の書の完成直後の永久封印』……ね」

 

 

「はい。あの仮面の男の反応から見てもその狙いは正しいかと」

 

 

フェイトは皆に砂漠の無人世界での出来事を映像を交えて話していた。

 

するとアルフが反応する。

 

 

「はあー、しかしアタシがあの犬っころと戦ってるときにフェイトの所はかなりややこしいことになってたんだねぇ」

 

 

「まあね」

 

 

アルフの言葉に苦笑いしながら返すフェイト。

 

フェイトがシグナムや黒衣の少女と戦ってる間、アルフもザフィーラと戦っていた。

 

エイミィからの緊急連絡を受けてからは戦いを切り上げたが。ザフィーラも状況は把握していたのか、好機と見てすぐに撤退したのだ。

 

 

「だが今回の件でかなり有益な情報を手に入れることができた。やはり今回の鍵を握るのは……あのバカの協力者だと名乗る少女の存在だ」

 

 

クロノは話す。

 

 

「あの少女は闇の書について妙に詳しかった。まずはあの子から話を聞くのが事件解決への糸口になる。あとはあのバカの所在についても聞かねばならないしな……」

 

 

「「…………」」

 

 

クロノの言葉を聞いてなのはとフェイトは少し複雑な表情となる。

 

 

「それじゃ……「クロノ執務官!!」……な、なんだ?」

 

 

するとミーティングルームに白衣を着た一人の男性が入ってくる。

 

その男性は黒衣の少女の検査を担当している医師であった。

 

 

「どうしましたか?」

 

 

クロノが尋ねると医師は静かに話す。

 

 

「至急お耳に入れておきたいことが……」

 

 

医師が小声でクロノに話す。すると……

 

 

「なっ!?本当ですかそれは!?」

 

 

「はい」

 

 

クロノが目を見開いて驚く。

 

 

「分かりました。すぐに向かいます」

 

 

そしてクロノは突如立ち上がり、リンディの方に向く。

 

 

「艦長すいません。少し所要で抜けます」

 

 

「それは構わないけど……何かあったの?」

 

 

「いえ、()()()()()()()()()()()()()()()()()。あ、それとなのはとフェイト、悪いが君達も僕についてきてくれ」

 

 

「え?」

 

 

「私達も?」

 

 

クロノの言葉に顔を見合わせるなのはとフェイト。

 

そしてクロノの指示通り、なのはとフェイトも席をたつ。

 

 

「それじゃ艦長、少ししたら戻ります」

 

 

「分かったわ」

 

 

「それじゃ、いこう。なのは、フェイト」

 

 

そしてクロノ、なのは、フェイトの三人は医師と共にミーティングルームを出る。

 

そのまま四人で歩き出す。

 

内容が気になったなのはとフェイトはクロノに尋ねる。

 

 

「ねぇクロノ君?」

 

 

「一体今からどこにいくの?」

 

 

するとクロノは口答で答えず、念話で返した。

 

 

『二人には先に知らせておいた方がいいと思ってね』

 

 

『念話?』

 

 

『誰かに知られたらまずいことなの?』

 

 

クロノが念話で返したことにより重要な話なのだと二人は理解する。

 

 

『僕もまだ話を聞いたばかりで正直、半信半疑なんだが……』

 

 

そしてクロノは言った。

 

 

『ヒエンが……あのバカが見つかったらしい』

 

 

二人にとって衝撃的な言葉を口にした。

 




えー、皆さんにお知らせが。

この作品の恒例となりつつあるクロスオーバー第三弾が決まりました。

クロスオーバー第三弾は……

「戦姫絶唱シンフォギア」どうぇえす!!Σ(゜Д゜)

なぜシンフォギアかというと圧倒的に意見が多かったからですはい。あとはフェイトちゃんの中の人が出てるというのもあるし(これ重要

とはいってもA`s編終わらせて幕間何個かやって、インターミドル編の前か、又は後かにやる予定です。

一応、シンフォギアの時系列ではAXZ(アクシズ)で考えてます。

では、また(・∀・)ノ


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