続き書けたで候。
最近、気付いたんだ。
かつて闇の書編を女装で乗り切ろうとしたのってこの作品の主人公くらいなんじゃなかろうか……と((((;゜Д゜)))
別の作品の主人公を見てたらたいてい管理局側か、ヴォルケンリッター側に属している。
しかしウチの主人公は、謎の美少女という名目で第三勢力として存在している、いやしていた……だったな(白い目
本当思う。
どうしてこうなった?
ホントドコニムカッテイルンダロウ。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
第三者side
『どうしよう!シグナム!どうしよう!?』
その日、昼食にはやてと一緒に食べようと弁当を作っていたシャマルは慌てていた。
それはすずかから届いた一通のメールが原因だった。
そこにはこう書かれていた。
【シャマルさんへ。
こんにちは。
月村すずかです。
今日の放課後、友達と一緒にはやてちゃんのお見舞いに行きたいんですが、行っても大丈夫でしょうか?
もしご都合が悪いようでしたらこの写真をはやてちゃんに見せてあげてください】
そのメールにはある写真が添付されていた。
すずかの友達と思わしき少女達四人が写っていた。
だが
『どうしようシグナム!?
それは交戦したことのある人物のなのはと、フェイトであった。
そして慌てながらヴォルケンリッターのリーダーであるシグナムに急遽連絡を取るのだった。
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シャマルがメールを見る数分前……
「入院?」
「はやてちゃんが?」
なのはとフェイトは、すずかからはやてが入院したことを聞いていた。
「……うん。昨日の夕方に連絡があったの。そんなに具合は悪くないそうなんだけど、検査とか色々あってしばらくかかるって」
「そっか」
するとアリサが提案する。
「じゃあ放課後、皆でお見舞いとかいく?」
「え?いいの?」
「すずかの友達なんでしょ?紹介してくれるって話だったしさ。お見舞いもどうせならにぎやかな方がいいんじゃない?」
「ううん……それはちょっとどうかと思うけど」
だがなのはは大勢で押し寄せることに少し思うところがあるようで……
「でもいいと思うよ?」
しかし意外に乗り気なフェイト。
「ね?」
そしてすずかに笑顔を向けた。
「うん!ありがとう皆!!」
こうして放課後四人ではやてのお見舞いにいくことが決まった。
ちなみにアリシアは風邪を引いてしまい、学校を休んでいた。
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「何?テスタロッサ達がどうしたって?」
シグナムはある無人世界で闇の書の魔力蒐集を行っていた。そのとき血相を変えたシャマルから通信がきた。
『だから!テスタロッサちゃんとなのはちゃん!二人がはやてちゃんのお見舞いにやってくるの!!あぁ……どうしよう!どうしよう!?』
「落ち着けシャマル」
シグナムは慌てるシャマルを落ち着かせる。
「大丈夫だ。幸い
『それはそうかもしれないけど……』
現在、はやてのリンカーコアは闇の書に侵食されつつある。それすなわち、はやての魔力は闇の書のリソースにほとんど取られているということ。
「つまり私達と鉢合わせなければいいだけだ」
『……うーん、顔を見られちゃったのは失敗だったわ。出撃したとき、変身魔法でも使ってれば良かった』
「今さら悔いても仕方ない。ご友人のお見舞いのときは私達は外そう」
『……うん』
「あとは主はやて、それから石田先生にも我らの名を出さぬようお願いを」
『はやてちゃん……変に思わないかしら?』
「仕方あるまい。頼んだぞ」
『うん』
そして通信は終了した。
シグナムは空を見上げて一言呟いた。
「また……面倒なことになりそうだな」
◆◆◆
放課後……
さっそくなのは達ははやてが入院している海鳴大学病院に足を運んでいた。
コンコンコン
「はぁ~い。どうぞ~」
すずかが病室のドアをノックすると中からはやての声が聞こえてきた。
すずか達はドアを開けて入る。
「「「「こんにちは~」」」」
「こんにちは~いらっしゃ~い」
皆が挨拶をする。
はやても挨拶仕返し、笑顔で皆を招き入れた。
「お邪魔します。はやてちゃん大丈夫?」
「うん、平気や。あ、皆座って座って」
「ありがとう」
「コート掛けそこにあるから」
「「「「うん」」」」
そして五人は楽しく話す。
「あ、これねウチのケーキなの」
「そうなん!?」
「凄い美味しいんだよ~」
そんなはやて達の様子をシャマルはドアの隙間から覗いていた。
「…………」
コートにサングラスといったおよそ変装には向いていない怪しげな格好で。
「……シャマルさん、何やってるんですか?」
するとそこにどこか呆れたような声音で石田先生が声をかけてくる。
「は!?そ、その……ちょ、ちょっと気になりまして」
シャマルはしどろもどろになりながら理由を話す。
「そんなに気になるなら中に入ればいいじゃないですか……というのは禁句なんですかね?」
「あの……えっと~」
どこか苦笑いしながら話す石田先生。
シャマルはどう答えようか迷っている様である。
そんなに気になるならそれこそ変身魔法や、サーチャなり使えば簡単に様子を伺えるのだが……そんな初歩的なことも忘れてしまうほどアタフタしてしまうのがシャマルの欠点である。
しっかりしているようでどこか抜けている湖の騎士、風の癒し手。
八神家の中では彼女は『うっかりシャマル』と言われているほどだ。
そして石田先生はシャマルに用が合ったようで彼女を連れてロビーにやってきた。
二人は空いている席に座る。
「変な言い方かもしれないですが……はやてちゃんの主治医として、シャマルさん達には感謝してるんです」
石田先生は話し始める。
「皆さんと暮らす様になってからはやてちゃん、本当に嬉しそうですから」
「…………」
シャマルは黙って耳を傾ける。
「はやてちゃんの病気は正直難しい病気ですが、私達も全力で戦ってます」
「……はい」
「一番辛いのははやてちゃんです。でも皆さんやお友達が支えてあげることで、勇気や元気が出てくると思うんです。だから……支えてあげて下さい」
そして石田先生はシャマルの手を取り、言った。
「はやてちゃんが病気と戦えるように」
それは石田先生の心からの願いであった。
はやては石田先生が最も気に掛けている患者の一人である。
初めは彼女の境遇を知って……同情心から声を掛けた。
だがはやてと話しているうちに……石田先生ははやてのことをよく気に掛けるようになっていた。
上司に掛け合い、はやての担当医師になり、はやての誕生日にはお祝いとして一緒に食事も取った。
そしていつの間にか……はやてを
これははやての預かり知らところであるが、石田先生はいつかはやてを養子に引き取ろうと思っている。
今ははやてが治療で大変なためまだ話していないが。
「…………石田先生」
シャマルは石田先生のはやてに対する優しい想いを感じとり、つい涙を流してしまった。
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「お友達のお見舞い、どうでした?」
「うん、皆ええ子やったよ。楽しかった。また時々来てくれるて」
「それは良かったですね」
シャマルはなのは達が持ってきた花を花瓶に生けていた。
「そやけど、もうすぐクリスマスやなぁ。皆とのクリスマスは初めてやからそれまでに退院してパァーッと楽しくできたらええねんけど」
はやてにとって家族ができて初めてのクリスマス。
ずっと家族を求めていた彼女にとって一緒に過ごしたいという想いは人一倍強かった。
「そうですね。できたらいいですね」
シャマルははやてのそんな想いを感じとり、声をかける。
「うふふ」
彼女達の主はクリスマスが楽しみなのか、カレンダーを嬉しそうに眺めていた。
その日の夜……
シャマルは守護騎士達のカートリッジにひとつひとつ魔力をこめていた。
カートリッジは魔力のこもった弾丸である。
使えば瞬間的に爆発的な力を得ることができるが、
それがこの魔力を込める作業である。
ヴォルケンリッターのバックアップはシャマルがいなければ成り立たないほどだ。
そしてシャマルは作業をしながら、闇の書の魔力蒐集を行っている三人に通信念話を送る。
『闇の書がはやてちゃんを侵食する速度が段々上がってきてるみたいなの。このままじゃ持ってあと一月、もしかしてもっと近いかも……』
ヴィータはシャマルからの通信を聞いてやはり自身の記憶に違和感を感じていた。
(なにかがおかしいんだ……)
彼女はある無人世界の海を猛スピードで飛んでいく。
(こんなはずじゃないって……あたしの記憶が訴えてる)
嵐の中を突っ切っていく。
(でも……今はこうするしかないんだよな)
そしてある地点で立ち止まり赤い三角形の魔方陣を展開させる。
「はやてが笑わなくなったり、死んじゃったりしたら……嫌だもんな!」
すると彼女の前方に巨大な原住生物が現れる。
それは地球でいうクラーケンのような怪物であった。
体長120mはあろうかという怪物であった。
彼女はクラーケンを確認するとアイゼンを構える。
「やるよ、アイゼン!」
《エクスプローズィオーン(Explosion.) (爆発) 》
するとアイゼンからカートリッジが二発排出される。
「ギガント!!」
そしてアイゼンが巨大な20mはあろうかとうハンマーに変わるとヴィータはクラーケンに一直線に突っ込んでいく。
「ぶち抜けぇえええええ!!!!」
そしてクラーケンと鉄槌の騎士が激突した。
勝敗は言わずもがな……
歴戦の騎士に軍配が上がった。
◆◆◆
「父様」
その日、リーゼ姉妹は業務を終わらせると真っ直ぐに自身の主……もとい父親の元に向かった。
彼女達の父親は闇の書のデータを調べていた。
「あんまり根を詰めると身体に毒ですよ?」
「そうだよ?」
リーゼ姉妹が心配そうに話す。
「リーゼか。どうだい様子は?」
そして彼女達の父親であるギル・グレアムは作業をやめると振り返る。
「まぁ、ボチボチですね」
「クロノ達も頑張ってますけど闇の書が相手ですから一筋縄では……」
「そうか……」
報告を聞いたグレアムは顔を少し沈める。
「すまんな……」
そしてふと謝罪の言葉を口にした。
「お前達まで付き合わせてしまって……」
「何言ってんの父様」
「私達は父様の使い魔、父様の願いが私達の願い」
リーゼ姉妹は笑顔でグレアムに返す。
使い魔は主とつながっている。
主の願いは使い魔の願い。
使い魔は主の願いを最優先させる。
「大丈夫だよ父様。デュランダルだってもう
「闇の書の封印……今度こそきっと大丈夫ですよ」
「そうそう!あのイレギュラーだってもう邪魔はできないし」
「あの黒衣の少女も
「ああ、そうだな」
グレアムはモニターに視線を移す。
そこには闇の書、デュランダル、ヴォルケンリッター、八神はやての映像があった。
そして小さく画面の端に……
ある人物の映像があった。
その映像はクロノ達と一緒にいる映像を切り取られたのかどこかおぼろげであった。
だがそこには
闇の書のページも次第に埋まっていく。
それと同時に月日も流れていく。
そして次話で主人公がようやく目を覚ます……かも?
では、また(・∀・)ノ