大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

今回はリニスvsリーゼロッテ。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百十八話 前哨戦 中編

第三者side

 

 

 

「フォトンランサーセット」

 

 

リニスがデバイスを軽く振るうと周囲に黄色いスフィアがセットされる。

 

その数はおよそ20個。

 

そしてそれらを仮面の男……リーゼロッテへと勢いよく放った。

 

 

「ファイア」

 

 

 

ズドドドドドドドッッッッ!!!!!!

 

 

 

電撃の付与がされている黄色いスフィア、フォトンランサーがリーゼロッテに高速で迫る。

 

だがリーゼロッテは焦ることなく対処する。

 

スフィアを紙一重でかわし、リニスに接近していく。

 

リニスも後ろに下がりながらフォトンランサーを続けて連射で放つ。

 

 

「無駄だ」

 

 

だがリーゼロッテは自身に当たりそうなものはかわし、時に拳で弾き、そのまま高速で接近する。

 

リニスも近づけさせまいとさらに魔法を使用する。

 

 

「スピンセイバー」

 

 

黄色い大きな光輪を前方へと撃ち出す。

 

 

「無駄だと言っている」

 

 

だがその光輪すらもただのパンチで相殺される。

 

リニスは更に魔法を発動させる。

 

 

「セイバースラッシュ」

 

 

今度は光輪を四つ放つ。

 

それらはリーゼロッテに前後左右で迫る。

 

しかしリーゼロッテは軽やかなステップを繰り出すことでその全てを回避する。

 

それはまるでプロボクサーの様であった。

 

リニスは左手をサッと振るうことで四つの光輪を操っていく。

 

 

「うっとうしい」

 

 

しかしリーゼロッテがタイミングを見計らって放ったパンチによって簡単に相殺されてしまう。

 

そして遂にリニスへと迫り、強烈なパンチを放つ。

 

だがリニスも冷静に対処する。

 

パンチを見切りかわす。

 

リーゼロッテのパンチがリニスの後ろにあった大木に当たるが……

 

 

 

ドゴオォォォォォンン!!!!!!

 

 

 

一撃で砕いてしまった。

 

そして両者はそこから接近戦へと移行する。

 

攻撃するリーゼロッテ。

 

その攻撃をかわすリニス。

 

二人は高速で戦いながら公園内を移動していく。

 

そんななかリニスはリーゼロッテの動きを分析していた。

 

 

(パワーは接近戦が得意なアルフ以上……スピードもフェイト並みにある……そして最も厄介なのが……)

 

 

するとリーゼロッテはリニスの攻撃を受け流し、片腕を拘束する。

 

そしてそのまま関節技を決めようとするが、それを察したリニスがリーゼロッテの顔にデバイスを向けるが……

 

 

「くっ!?」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

(このトリッキーな動き!?)

 

 

人間は攻撃されたとき……無意識にその流れを予測している。

 

だからこそ咄嗟にかわすことができるのだ。

 

それを反射という。

 

しかし武術の中には攻撃がくると分かっていても食らってしまう技がいくつか存在する。

 

人間の反射を逆手に取った技である。

 

リーゼロッテはそれらの技を操ることで自分の有利な流れに持っていっているのだ。

 

 

(これはヒエンが苦戦するハズです。あの子はまだ、こういった駆け引きが得意ではない。それに……あの子には超直感がある。こういった熟練された技とは……どうしても相性が悪い)

 

 

少年には超直感がある。

 

少年は近接戦闘をこなすとき……主に相手の動きや気配、予兆などを無意識の内に感じとっている。

 

その関係で正面から放たれる攻撃には滅法強いが、こういった技術で洗練された技などには相性が悪い。

 

もっと少年が戦闘経験を積めば……それらの技にも対応できる様になるかもしれないが……

 

 

(これは私が相手で良かったかもしれませんね)

 

 

そして体勢を立て直したリニスはデバイスを構える。

 

 

雷の剣(サンダーセイバー)

 

 

すると黄色い丸い杖から電撃が付与された黄色い魔力刃が展開された。

 

そしてそれをサッと横に振るうと……

 

 

「行きます!」

 

 

リーゼロッテへと突撃した。

 

 

「魔力刃か」

 

 

それを見たリーゼロッテも拳に青い魔力を収束させる。

 

そして(いかづち)の剣と魔力拳がぶつかり合った。

 

 

 

ガキイイイイィィィンン!!!!!!

 

 

 

リニスは連続で斬りかかる。

 

だがリーゼロッテも両手に魔力を収束させることで対抗する。

 

リニスは強力な拳を魔力刃で受け流し、斬撃を繰り出すが……

 

 

(受け流される!?)

 

 

リーゼロッテはそれらの斬撃を簡単にいなす。

 

 

(ならば!)

 

 

「ライトニングバインド!」

 

 

するとリニスはバインドを発動させ、リーゼロッテの両手の動きを止める。

 

 

「ここです!」

 

 

そして……

 

 

「サンダースマッシャー!」

 

 

身動きの取れないリーゼロッテに至近距離から砲撃を放った。

 

 

 

ドガアァァァァァァンン!!!!!!

 

 

 

しかし……

 

 

「凌ぎましたか……」

 

 

クロスガードで砲撃を防いでいるリーゼロッテの姿があった。

 

リーゼロッテは何気ない様子でパンパンと服の埃を払うと……いきなり地面を殴った。

 

辺りを凄まじい土煙が包む。

 

 

「これは土煙に紛れて……くっ!?」

 

 

そしてリニスは魔力刃を前方に構える。

 

すると……飛び蹴りを放つリーゼロッテの姿があった。

 

そして両者は再び接近戦を開始する。

 

 

(リーゼロッテの強さ……それは長年の戦闘経験からくる卓逸された戦闘技術と、強力な攻撃やスピードを可能とする魔力付与……そしてそれらを支えるための補助魔法……そんな彼女にダメージを与えるには!)

 

 

そして幾度目かとなる激突を繰り返すとリニスが勝負を仕掛ける。

 

 

「ファストステップ」

 

 

リニスが高速移動魔法を発動させる。

 

 

「消えた!?」

 

 

リーゼロッテの前方からリニスが一瞬で消える。

 

 

「……後ろか!」

 

 

しかし即座に気配を感知し、回し蹴りを放つ。

 

リーゼロッテは猫を素体とした使い魔だ。

 

その関係で気配にも敏感なのだ。

 

だがそれは同じく猫を素体としているリニスも同じであった。

 

リーゼロッテの攻撃を感知したリニスは即座にサンダーセイバーによる斬撃をキャンセルし、ある魔法を使った。

 

 

「ガードステップ」

 

 

するとリニスの身体を薄い魔力が包み込む。

 

そしてリーゼロッテの蹴りが炸裂した瞬間……

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

「なにっ!?」

 

 

「く……」

 

 

まさか攻撃がくると思っていなかったリーゼロッテは一瞬反応が遅れ、スピンセイバーの直撃を食らってしまう。

 

リニスもリーゼロッテの強力な回し蹴りを食らってしまうも直前でなんとかガードしていた。

 

リニスの使用した魔法……

 

ガードステップは反撃技として自動発射される魔法だ。

 

その威力は強力で……魔力を多く込めた光輪を超至近距離で放つことによってかわすことが不可能なカウンター技である。

 

強力な魔法ではあるが、当然デメリットも存在する。

 

それは必ず敵の攻撃を受けなければならないこと。

 

カウンターとして放てる強力な魔法であるが、その場合必ず敵の攻撃を受けなければならないため……諸刃の剣でもある危険な魔法だ。

 

 

「はぁ……はぁ……なんというバカ力ですか。一撃受けただけで腕が痺れるとは……太極拳を学んでいなければ腕がもげているところです。ですがこれで……」

 

 

リニスが前方に目を向ける。

 

そこにはダメージを受けたのか腹を押さえているリーゼロッテの姿があった。

 

 

「まさかカウンター技を仕掛けてくるとは……」

 

 

「そうでもしないと貴方には勝てなさそうなので」

 

 

「だが貴様もそれなりにダメージを受けている様だが?」

 

 

「こんなもの、ダメージの内に入りません」

 

 

そしてリニスは再びサンダーセイバーを展開させる。

 

それを見たロッテも再び拳に魔力を収束させる。

 

 

「少し侮っていた。もう油断はしない。全力で……殺してやろう」

 

 

「やれるものなら」

 

 

そして二匹の使い魔は再び激突を開始した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

先に仕掛けたのはリーゼロッテであった。

 

突如その姿が消えたのだ。

 

 

「ミラージュハイド!?」

 

 

しかし、リニスはその魔法の正体をすぐに看破する。

 

ミラージュハイドは光の屈折を操ることで周囲から見えなくする高等魔法の一つである。

 

そしてリニスはすぐに砲撃を放つ。

 

 

「ジェットスマッシャー!」

 

 

リーゼロッテがいたところに強力な砲撃が炸裂するが……

 

 

「かわしましたか……」

 

 

リーゼロッテは見事にかわしていた。

 

リニスは周囲を警戒する。

 

 

(姿を隠して攻撃を仕掛けてくるつもりですか……若しくは逃げた……いや、それはないですね。使い魔は主の幸せを何よりも願う。従順な使い魔であればあるほど……)

 

 

そう。

あのギル・グレアムに従順なリーゼロッテが逃げるハズがない。

 

主に立ちはだかる敵は必ず倒そうとするはず。

 

だとすれば……

 

 

 

ガサッ!!

 

 

 

「後ろ!?」

 

 

(必ず私に攻撃を仕掛けてくる!!)

 

 

リニスは即座に後方を向き、サンダーセイバーを横一線に振るう。

 

強力な雷の剣が周りの木々をなぎ倒していくが……

 

 

(手応えがない!?)

 

 

手応えがなかった。

 

そして……

 

 

「がっ!?」

 

 

突如リニスは横合いに吹き飛ばされてしまった。

 

 

 

ドガアァァァァァァンン!!!!!!

 

 

 

公園内を勢いよく吹き飛んでいくリニス。

 

だがすぐに受け身を取り、体勢を立て直す。

 

 

(この身体全体を撃ち抜かれた様な衝撃……ブレイクインパルス!?)

 

 

そして強力無比なブレイクインパルスの連撃がリニスを襲う。

 

 

「くうぅ!?」

 

 

リニスは魔力で肉体を強化し、ガードを固める。

 

その間にも必死に気配を探ろうとするが、リーゼロッテの移動スピードが速いのか感知した瞬間にはもう別の場所に移動している。

 

 

(く……何か手を考えなければ……このままでは!?)

 

 

「シルエットロック」

 

 

すると突如身動きが取れなくなった。

 

 

「これは……設置型バインド!?」

 

 

リニスの身体を青いバインドがいつの間にか拘束していたのだ。

 

 

「魔力付与や補助魔法以外は苦手なハズでは……」

 

 

「この程度の基礎的な魔法なら発動させるくらい訳はない。これで終わりだ」

 

 

そしてミラージュハイドを解除したリーゼロッテがリニスの前に現れ……そして……

 

 

「吹き飛べ。ミラージュアサルト」

 

 

足に収束された強力な魔力強化の蹴りを食らってしまった。

 

 

「ごほっ!?」

 

 

再び勢いよく吹き飛ぶリニス。

 

その口からは少なくない血が吐き出されていた。

 

あまりの攻撃の強さに意識を失いそうになる。

 

そのとき……

 

突如、現マスターである少年の後ろ姿が脳裏をよぎった。

 

 

(……そうだ。こんなところで……負ける訳にはいきません……。私がやられたと知れば……またあの子は……無茶をするに決まってます……)

 

 

リニスは歯を食い縛り、気絶しそうになっていた意識を無理矢理繋ぎ止める。

 

 

 

ズザザザザザ…………

 

 

 

そして地面に足をつけ後方に吹き飛びながらも見事に着地する。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

(……リーゼロッテは私の安否を確認するためにここまでくるはず……なら……チャンスは一瞬……)

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

気絶しそうな意識を無理矢理繋ぎ止めながら、勝つための思考を続ける。

 

そしてリニスは自身にある罠を仕掛ける。

 

 

(あの強力無比な攻撃を防ぐにはもうこれしか方法はありませんが……やらないよりはマシですね……)

 

 

すると前の方からゆっくりとこちらに近付いてくる足音が聴こえてきた。

 

リーゼロッテだ。

 

彼女はリニスに話しかける。

 

 

「まだ生きていたのか……」

 

 

「あの程度の攻撃では……私は倒せませんよ……」

 

 

「強がりを」

 

 

そしてリーゼロッテがリニスに近付こうとすると……ピタリと足を止める。

 

 

「くだらん」

 

 

そして一言呟くと……

 

リニスの周囲に仕掛けられていた設置型バインドを破壊した。

 

 

「この期に及んで設置型バインドとは……くだらん。貴様の最後の抵抗もここまでだ」

 

 

「それは……どうでしょうか?」

 

 

「なに?」

 

 

「私は貴方に言ったハズですよ?貴方を死ぬ気で倒すと」

 

 

「…………」

 

 

「あの子は今も死ぬ気で戦っているんです。なら……あの子の家庭教師であり、師である私も死ぬ気で戦わなければ……あの子に合わせる顔がありません」

 

 

「ふん……あの炎の小僧か。安心しろ。貴様を始末した後に、あの小僧も始末してやる。師弟仲良くあの世で待っているがいい」

 

 

再びリーゼロッテは足に魔力を収束させる。

 

 

「今度こそ……死ね」

 

 

そしてリニスにミラージュアサルトが放たれたとき……

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

「な……これは!?」

 

 

リニスは三度吹き飛びながらもなんとか起き上がる。

 

 

「ごほっ……ごほっ……さ、さすがに三重捕縛魔法(トリプルバインド)は簡単には破壊できないようですね」

 

 

「き、貴様……やられたハズでは……」

 

 

「……ええ。かなりギリギリでした。貴方の強力な蹴りを()()()のは……」

 

 

「いなした……だと?あの体勢で?私の必殺技を?」

 

 

「一度強烈なものをもらったのです。タイミングを計るのは容易でした。貴方が身体強化(フィジカル)に自信があるように……私も戦闘技術には少々自信があるのですよ。伊達に『大魔導師』の元・使い魔ではありません」

 

 

リニスはリーゼロッテの攻撃を食らう瞬間、ある魔法を発動させた。

 

そう。

 

ガードステップだ。

 

しかし自動発動する魔法を変えていた。

 

それが三重捕縛魔法である。

 

攻撃を食らった瞬間、発動させるように設定を弄ったのだ。

 

そしてリニスは魔力刃を解除すると杖をクルクルと回す。

 

 

「これで……決めます!!」

 

 

リニスのデバイスからサンダーセイバーを超える魔力刃が展開される。

 

それは10mを超える巨大な魔力刃であった。

 

 

「闇を斬り裂く閃光の刃!」

 

 

「く……まずい!」

 

 

そしてリニスは巨大な魔力刃を真上へと放つ。

 

その間にリーゼロッテは鎖から逃れようと力を入れるが……逃れられない。

 

 

「プラズマ……セイバー!!!!」

 

 

そしてリニスは巨大な魔力刃をリーゼロッテに放った。

 

 

「ぐ……がぁああああああ!!!!」

 

 

「スパーク……エンドオオオォォォ!!!!」

 

 

巨大な爆発がリーゼロッテを襲った。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……少し魔力を使いすぎましたか」

 

 

リニスの前方には倒れ付したリーゼロッテの姿があった。

 

リニスはリーゼロッテをバインドで拘束すると様子を見ているアースラへと連絡を入れる。

 

 

『リンディ……相手の捕縛……完了しました』

 

 

『ええ、確認したわ。お疲れ様リニスさん』

 

 

するとリーゼロッテは転送魔法でアースラへと転移された。

 

 

『リンディ……ヒエンとクロノの様子はどうですか?』

 

 

『今、戦っている最中よ。でも状況は厳しいわね……。ヤバイ状況になったらいつでも加勢にいける準備はしているけど……』

 

 

『ダメです。武装隊は闇の書が復活するまで温存しておいてください』

 

 

『はぁ……分かったわ』

 

 

『私も少し休んだらすぐに二人の加勢に向かいますので』

 

 

そして念話を終了させる。

 

 

「これは少し……眠らないとダメですね。ヒエン、クロノ……体力を回復させたらすぐに援護に向かいますので……」

 

 

リニスは公園の備え付けのベンチに座り、目を瞑ったのだった。

 




次回はクロノside。

戦闘描写ムズイ。

だはあぁぁぁぁ( ´△`)

では、また(・∀・)ノ

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