大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百二十一話 前哨戦 その後

ヒエンside

 

 

 

ダブルヒートバーナーがエターナルコフィン事、ギル・グレアムを飲み込んだ。

 

撃ち終わった俺はそれを静かに見ていた。

 

俺はオーバードライブを解除し、黒スーツ姿に戻る。

 

そしてダブルヒートバーナーを食らって落下していくギル・グレアムを補助魔法フローターで浮かせる。

 

どうやら気絶しているようだ。

 

そして自分の状態にふと気付く。

 

 

「思ってたより魔力消費量が少ない……?」

 

 

オーバードライブを使用したのに、想定していた量よりも魔力消費量が少ないのだ。

 

それに身体に対する変な重さなども特にない。

 

これは一体どういうことだ?

 

そしてその理由にすぐに気付く。

 

 

「あ、そっか……()()()()使ったから……」

 

 

ダブルヒートバーナーの強化だけにオーバードライブを使ったことから身体への負荷も軽微で済んだらしい。

 

 

(なるほど……これはいいデータが取れた。それに……あることも証明された)

 

 

それはオーバードライブを使えばオーバーSランクの奴等とも十分に渡り合えるということ。

 

いや、乗り越えることも可能だ。

 

その証明がギル・グレアムの撃破である。

 

 

『ヒエン君!ヒエン君大丈夫!?』

 

 

そのときリンディさんから通信が入る。

 

俺はそれに答える。

 

 

『あ、はい。なんとか』

 

 

『無事で良かったわ……。すぐにアースラに転送するからまずは傷の治療を受けなさい』

 

 

『分かりました』

 

 

そして俺とギル・グレアムはアースラへと転送された。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

そして転送された俺を待っていたのはリンディさんのドアップの顔であった。

 

 

「おおう!?」

 

 

「ヒエン君!」

 

 

俺は驚き硬直する。

 

するとリンディさんが抱きついてきたのだ。

 

俺はリンディさんを受け止める。

 

 

「無事で良かったわ。皆……心配していたのよ?」

 

 

リンディさんは上目遣いで言ってくる。

 

リンディさんの身長は俺より少し小さいくらいである……のだが……

 

 

(リンディさん!当たってる!?男にとっては大きくて柔らかい……夢と希望が詰まってるものが当たってる!?)

 

 

真っ正面から抱きついてきたためリンディさんの大きくて柔らかいものが俺の胸に当たっているのだ。

 

というか周りにいる女性陣、特になのはの母親である桃子さんや、さざなみ寮オーナーの愛さん、そしてアースラ提督のリンディさんの三人は、随時俺のことを気にしてくれている。

 

正直、俺の周りには魅力的な年上女性が多すぎる。

 

特に人妻とか未亡人とか……単語だけでもかなりエロく感じる次第である。

 

とそこで俺は小さく首を振る。

 

待て……俺は一体何を考えている?

 

まずは落ち着こう。

 

冷静になろう。

 

とりあえず言えることは、人妻に手を出したら待っているのは破滅だけだ。

 

だから今抱きついてきているリンディさんを早く引き剥がさねばばばばばばばばばばばばばば((((;゜Д゜)))

 

 

「リンディ……ヒエンが心配だったのは分かりますが離れてあげてください。少し困惑しています」

 

 

「あ……ご、ごめんなさいね。わ、私としたことが。オホホホ……」

 

 

するとモニタールームにやってきたリニスが助け船を出してくれた。

 

リンディさんは自身の状態に気が付いたのか少し顔を赤くさせながら俺から少し離れる。

 

少し名残惜しく感じたことは言わないでおこう。

 

 

「ヒエン」

 

 

するとリニスが話しかけてくる。

 

 

「そこに座ってください。治癒魔法をかけます」

 

 

「たのむ」

 

 

というか今思い出したけど、俺は傷だらけでボロボロであった。

 

改めて自分の姿を確認する。

 

頭からは少し血が流れ、背中からも少し血が流れていた。それだけでなく黒スーツも所々ボロボロであった。

 

自動治癒である程度傷が塞がったとはいえ、誰が見ても痛々しい姿であった。

 

そして俺は空いていたイスに座り、その後ろからリニスが治癒魔法をかけてくる。

 

俺の身体を黄色い魔力光が優しく包む。

 

すると身体全体が癒されていく。

 

 

「あぁ~」

 

 

効く効く~。

治癒魔法って肩こりとか疲労を取るときにも効くから結構重宝している。

 

今は死ぬ気モードで気を張っているから痛みにも耐えられるが、解除した途端に痛みがぶり返してくる。

 

なので死ぬ気モードを解除するのはある程度、治療してからだ。

 

 

「……ひとまずはここまででいいでしょう」

 

 

そしてある程度治療が終わる。

 

すると身体全体にあった痛みも引いており、バリアジャケットもある程度修復されていた。

 

 

「ふぅ……」

 

 

そして俺は立ち上がり死ぬ気モードを解き、バリアジャケットも解除する……と途端に身体がふらつく。

 

 

「おっとっと……」

 

 

「全く……」

 

 

そのときいつの間にか側にいたクロノが支えてくれた。

 

 

「わ、悪いクロノ」

 

 

「……無茶はするな」

 

 

「あ、ああ」

 

 

俺は改めてイスに座らされる。

 

そしてリニスとクロノの二人と目が合う。

 

二人もケガをしているのか腕に包帯が巻いてあった。

 

 

「二人ともそのケガ……」

 

 

「私達はある程度治療をしているので大丈夫です」

 

 

「人の心配をしている場合か。君が一番の重傷なんだ。なんせ魔力がたっぷり込められた砲撃と射撃を至近距離から食らったあげく……魔力刃で背中を斬られたんだからな」

 

 

「うぐっ……」

 

 

俺はクロノの言葉に黙る。

 

 

「それに関して私も言いたいことがあります」

 

 

するとリニスが俺の前にやってきた。

 

 

「なぜ……時間稼ぎに徹しなかったのです?」

 

 

「…………」

 

 

「ヒエン……今の貴方の実力なら……たとえ相手がオーバーSランクであったとしても……時間稼ぎに徹すればそんな傷を負うこともなかったはずです。私もクロノも治療が済み次第、すぐに貴方の援護に向かうはずでした」

 

 

「…………」

 

 

「なぜ……私の言うとおりにしなかったのです?」

 

 

リニスは静かに俺に話す。

 

その顔は真剣そのものであった。

 

リニスの隣にいるクロノも俺を静かに見守り、後方で控えているリンディさん、エイミィも心配そうな面持ちでこちらを見ていた。

 

周りを見回すとアースラの面々も俺達のやり取りを静かに見守っていた。

 

俺はリニスに返す。

 

 

「……互いに譲れないものがあったから」

 

 

「譲れないものですか?」

 

 

「ああ。奴と……ギル・グレアムと戦って分かったことがある」

 

 

「……それは?」

 

 

「それは……奴も……奴自身も……己の信じるもののために戦っていたんだ」

 

 

そう。

ギル・グレアムが闇の書の封印にこだわるのは悲しみの連鎖を止めるため。

 

これ以上、自分達の様な被害者を出さないため。

 

だからこそ……

 

八神はやてという少女の犠牲一人で済むからこそ……奴は今回の行動に移った。

 

 

「奴は言っていた。『大を救うには小を切り捨てなければならない……。全てを救うなんてことはできない』と」

 

 

「…………」

 

 

「だから俺は反論した。『その選択肢自体間違っている』と。けど、奴の言うとおり……全てを救うことなんてできない。俺達は全知全能の神様じゃないし、正義の味方やヒーローでもない。普通の人間だ。ただの一人の人間だ。俺自身も一人でできることなんてたかが知れてる。だけど……」

 

 

そして俺は言った。

 

 

 

 

 

 

「俺達は一人じゃない」

 

 

 

 

 

 

俺は周りを見回す。

 

 

「確かに全てを救うなんてことは不可能だ。だけど皆がいる。仲間がいる。一人じゃ無理でも……仲間がいればなんとかなるもしれない。全てを救うことも可能かもしれない」

 

 

リニス、クロノ、リンディさん、エイミィを見る。

 

 

「だから……奴に証明したかった。『はやてを助けて、闇の書も封印する』。俺の覚悟を。第三の選択肢を。奴に勝つことで……その可能性を証明したかったんだ」

 

 

そして俺は自身の覚悟を皆に言った。

 

 

「はぁ……」

 

 

するとリニスが途端にため息をつく。

 

あの……ちょっとリニスさん?

 

俺、今物凄く良いこと言ったと思うんだけど。

 

なのにため息ってひどくない?

 

 

「……本当に世話の焼けるマスターですね全く」

 

 

「あの……リニスさん?」

 

 

「相手は格上で強いということが分かっているにも関わらずバカ正直に真っ正面から突撃しますし、時間稼ぎをしろと言っても倒す気満々で挑んで結局大ケガしていますし……なんですか?貴方はそんなに私をストレスで苦しめたいんですか?」

 

 

「え?いや、そんなつもりは……」

 

 

「……冗談です。ですが先程からこちらは貴方とギル・グレアムの勝負を見てハラハラしっぱなしだったのです。多少の冗談は許しなさい」

 

 

「お、おう」

 

 

「それよりある程度の治療が済んだとはいえ傷だらけなのは変わりないんです。今から医務室に行って本格的な治療を行いますよ。このままついてきて下さい」

 

 

「分かった」

 

 

俺はリニスの後についていこうとしたとき、リンディさんから声がかかる。

 

 

「あ、ヒエン君。治療が終わったら一度こっちに戻ってきてくれる?」

 

 

「分かりました」

 

 

そして俺は一旦、医務室へと向かった。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

俺はアースラの医務室でリニスと医務官による本格的な治療を受けた。

 

キズはもうすっかり塞がっており、疲労なども特にない。

 

やっぱり魔法ってすごい(小並感

 

魔力も消耗していたが二時間ほど仮眠を取って休んだらある程度は戻っていた。

 

治療後、俺はメインルームへと向かった。

 

そこで待っていたのはアースラの面々への俺が今まで何をしていたかの説明であった。

 

さすがに並行世界云々の話はしていなかったようで、俺が何者かに狙われて姿を隠していたという設定で話していたらしい。

 

そのことをリンディさんと、クロノが説明してくれていたようで既にキュアヒートの正体は知られていた。

 

そのときのアースラの男性陣の落胆具合には凄まじいものがあった。

 

どうやらミステリアスな黒衣の少女……それも愛らしい外見でプリキュアと名乗っていたことから密かにファンクラブまで出来ていたそうな?

 

その正体が女装した俺だとは欠片も予想していなかったようである。

 

中には血涙を流す者までいた。

 

ぶっちゃけかなり引きました。

 

あと俺は密かに決意した。

 

そのファンクラブはつぶそうと。

 

そしてエイミィの俺を見る視線が少し輝いていた気がするのは気のせいだと思いたい((((;゜Д゜)))

 

割りとマジでorz

 

あ、例外としてエイミィとオペレーターのアレックスとランディの三人は俺の事情を知っていた。

 

そしてある程度話し終わると俺はリンディさんとエイミィの三人で食堂へ向かっていた。

 

時刻は12時くらいになっていたので昼には丁度良いだろう。

 

すると食堂のおばちゃん達から「心配してたんだよ!」「元気そうで良かった」とのお声をいただいた。

 

どうやら食堂のおばちゃんたちにも心配をかけていたらしい。

 

ごはんを全部無料にしてくれた。

 

親切すぎて少し泣きそうになった。

 

アースラって本当に良い人が多い。

 

あ、そうそう。

 

言うの忘れてた。

 

連行されたグレアムご一行は現在魔力を封じられた状態で眠っている。

 

まぁ、魔法が使えなければただの猫少女と老人だからな。

 

一応、拘束もしているし暴れても大丈夫だろう。

 

クロノは彼らが目覚め次第、事情聴取をするらしい。

 

それまでは休息を取るとのこと。

 

リニスも俺の治療が終わってから医務室で眠っている。

 

二人とも治療はしたといっても疲労もあるだろうからゆっくり休んでほしい。

 

そして俺はというと現在、さざなみ寮へと向かっていた。

 

あることを頼むためだ。

 

外を出歩くということでとりあえず軽い変装としてメガネとマスクをしている。

 

女装はしない。

しないったらしない。(迫真)

 

一応、風芽丘学園の制服を着ていることから怪しまれはしないはずだ。

 

今日は24日でほとんどの学校では終業式のため昼頃には終わっている。

 

チラホラと私立聖祥大付属小学校の制服を着た生徒達が帰ってきているので間違いないはずだ。

 

だが俺はそのとき、()()()()()()()()()()()を感じた。

 

 

(なんだ?何か重要なことを忘れているような……いや何か重大な見落としをしているような……なんだ?一体何が気になる?)

 

 

 

ゴロゴロ……ゴロゴロ……

 

 

 

すると空が急に曇ってきた。

 

 

「朝は晴天だったのに……」

 

 

俺が空を見上げていると……

 

 

「ヒエン様?」

 

 

「ん?」

 

 

名前を呼ばれた。

 

俺はつい呼ばれた方向に振り返ると……

 

そこには黒い車からこちらを覗く一人の執事がいた。

 

正確にはバニングス家の執事、鮫島さんがこちらを驚いた様子で見ていた。

 

 

「やばっ……」

 

 

俺は気付かない振りをして歩こうとすると、鮫島さんに腕を捕まれる。

 

 

「やはりヒエン様ですね?その歩き方に声……身に纏う雰囲気……本人に間違いありません」

 

 

「い、いえ人違いです」(裏声

 

 

「……急に声を高く上げても余計に怪しく見えるだけですぞ?」

 

 

「…………」

 

 

ちくしょー!?

なんか厄介な人に見つかったー!?

 

っていうかなんで一介の執事さんが歩き方に声、雰囲気なんぞで本人と断言できるんですかねぇ!?

 

 

「相手の一挙手一投足から情報を読み取ることなど執事にとっては朝飯前です」

 

 

そうですか!

もう突っ込まねぇ!

周りにビックリ人間が多過ぎてもうツッコミが追い付かんのですよ!Σ(゜Д゜)

 

 

「それよりなぜ逃げようとするのです?アリサお嬢様もずっと心配されていたのですよ?」

 

 

「…………」

 

 

俺は答えない。

 

ここで反応すれば本人だと認めてしまうようなものだ。

 

 

「お嬢様だけではありません。先程、病院にお送りしたお二人もきっとヒエン様に会いたがっているハズです。今はご友人のお見舞いに行っておられますが」

 

 

だが鮫島さんの続けて言った言葉に俺は反応せざるをなくなった。

 

 

「病院……今、病院といいましたか!?」

 

 

「え、ええ。言いましたがそれが何か?」

 

 

「あと友人のお見舞いとも言いましたね?確認ですが……その友人とは八神はやてという女の子ではないですか?」

 

 

俺は間違いを期待したが……

 

 

「え、ええ。その通りですが……」

 

 

予想通りだった。

 

だとすれば一番まずい展開になっている。

 

 

「じゃあ最後に確認です。はやてのお見舞いに行ったのは一体誰ですか?」

 

 

「アリサお嬢様と、すずか様……そしてアリシア様の三人ですが」

 

 

鮫島さんの言葉を聞いたとき、俺は既に走り出していた。

 




次回からvs闇の書管制人格編入ります。

連戦やけど数時間休憩入れたから大丈夫大丈夫(震え声

では、また(・∀・)ノ

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