最近雨多いですね~
いよいよ梅雨の時期に入ったのかな?
はぁ( ´Д`)
では、どうぞ( ゚∀゚)つ
ヒエンside
俺が時の庭園からリニスを連れ出して2日がたった。あれから常にディバイドエナジーで魔力をあげつつ、フィジカルヒールで体力を回復させていた。
ヒッツ曰く、もう大丈夫らしい。あとは自然と目が覚めるまで待つだけだ。だが問題が1つ。
この2日は連休で学校が休みだったが、翌日は普通に学校があるので、その間リニスをどうするか悩んだ。動物病院に預けることも少し考えたが、彼女は使い魔だ。姿が不意に人間形態になることがあるかも知れない。なのでこの案は却下した。
そして考えた末、苦肉の策で分身を生み出すことにした。
俺はフェイク・シルエットを参考にヒッツと相談しながら、分身の術式を構築していった。そして死ぬ気の炎で強化し、自身の分身を生み出した。
姿、形はそっくりだ。感触はどうかなと思い触ってみたが本物と遜色ない。実体がある分、フェイク・シルエットより魔力を使うので生み出すのは数体が限界だろう。戦いに使うにはまだまだ改良が必要だ。
「まあ安直だけど炎の分身だから、ファイアアバターってとこか」
「いいじゃんシンプルで」
分身が急に喋りだす。
「お前喋れたの!?」
「そういう仕様みたいだぞ?」
「そ、そうか。まあ、なんでもいいや」
うん。
気にしたら負けな気がする。
不思議なことに自我があるらしい。
「じゃあ学校行ってる間はたのむぞ」
「まかせとけ」
そして翌日になり俺は分身、アバターにリニスのことを任せて学校へいくのだった。
ヒエンside end
◆◆◆
リニスside
「う…ここは…?」
私は…どうなったんでしょう…
確か時の庭園で消えたはず…なんですが…
辺りを見回すとどこかの一室でしょうか?その部屋のベッドの上で眠っていました。ご丁寧に毛布までかけられて。
「誰かが…助けてくれた?いや、しかし時の庭園の場所は誰にも知られていないはず…」
考えても仕方ありません。
それより現状把握から始めましょうか。私は自分の体を見ました。
まずは体を動かしてみますか。そして私は猫形態のまま部屋の中を軽く走り回ります。
これは…体が軽い。それに空だった魔力もある。何より身体中から力がみなぎってくる感じがする。
やはりどなたかは分かりませんが私を助けたようですね。考えられる目的はプレシアの研究…でしょうか?しかしそうすると私を助けるメリットがない。人質として利用すると仮に仮定しても、プレシアには通用しないでしょう。彼女は私を簡単に切り捨てるでしょうし。
はぁ。
今の状態では情報が少なすぎて推測しかできませんね。
ここはやはり本人に聞くのが一番でしょう。
私が視線を向けると、こちらに入ってくる黒髪の少年の姿があった。
リニスside end
◆◆◆
ヒエンside
俺は学校が終わってからすぐに自宅へと帰ってきた。途中、美由希さんが何か言いたそうにしていたが、今日は予定があると早々に切り上げてきたのだ。
それよりもリニスだ。午前中は分身、アバターに任せたがまだ目覚めていないようだ。俺は彼女に回復と魔力を分け与えるために部屋へと向かう。ちなみに俺の部屋である。
そしてガチャリとドアを開くと、こちらをジーっと見ている山猫の姿があった。
「………」
「………」
お互い無言。
とりあえずこの空気に耐えられなくなった俺はドアを1度閉めた。
バタン
うおおお!!!!
ビックリした!マジビックリした!!起きてる!普通に起きてる!!チョー起きてる!!!
流石に目を覚ましていると予想していなかったので焦ってしまった。1度深呼吸してから落ち着こう。
「スウ…ハアァ~」
そして冷静に考える。
リニスは恐らく警戒しているだろう。何が目的なのか、何を考えているのかこちらを観察してくるはずだ。下手なことをすればこちらに攻撃が加えられることもあるもしれない。だが、俺は彼女をどうこうするつもりはない。ただ、彼女がそのまま消えるのを見ていられなかっただけだ。
だから正直に話そう。動物というのは人の気持ちに敏感だと聞く。彼女に隠し事は通用しないはずだ。
俺は考えをまとめたあと再びドアをあける。
ガチャリ……
中を見ると先程と同じようにこちらをジーっと見ているリニスの姿があった。
俺はとりあえずそっと部屋の中に入り、ドアの近くの床に座る。
「あーその、とりあえず元気になって良かった。えーっと、なんというかとりあえず警戒しないで聞いてほしい」
俺はどもりながらも何とか言葉を続ける。
「………」
リニスは相も変わらず無言だ。
あー胃が痛いorz
「えっと、とりあえず自己紹介から。俺はヒエン、大空氷炎。14歳の中学3年生だ。ここは第97管理外世界の地球、日本の海鳴市ってところだ」
緊張する。
何とかこっちに敵意はないということを分かってもらわないとな。
「で君を助けた訳なんだが…ぶっちゃけ特に意味はない」
「………」ピクッ
リニスが少し反応するが俺は構わず話を続ける。
「俺はあのとき転移魔法の練習をしていたんだけど、事故であの場所まで飛んじゃってね。それでどうしようかとうろうろしてたら丁度、君が消えそうになっていたところに出くわしたんだ。それで気付いたら…君のことを助けてた」
まあ、色々はしょってしまったが間違ってはいない。
「だからその、こちらに敵意はないから警戒しないでもらえると助かる…」
「………話は分かりました。正直、色々ツッコミたいところはありましたが」
ですよねー
すいません口下手で。
「貴方が私に敵意がないことは一目見たときに分かってましたよ。私のことを見た瞬間にドアを閉めたのは流石に驚きましたが」
「すいません」
思わず謝った。
「貴方は魔導師なのですか?」
「あ、ああ。まだ魔法始めて半年だけど。それより猫ちゃん、名前は何て言うんだ?」
ここで俺がリニスと呼んでしまっては、なぜ名前を知っているのかと警戒させるだけなので、知らないふりをして名前を聞いておく。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。申し遅れました、私の名はリニス。貴方が転移してきた場所、時の庭園にて家庭教師をしていました」
「家庭教師?」
「はい。私は使い魔ですので。この姿ではなく人間形態の方で普段は過ごしていました。このように」
するとリニスの体が光だす。そして光が収まると一人の女性が立っていた。
「………」
「……どうしましたか?」
リニスがこちらをキョトンとしたような目で見ているが俺はそれどころではなかった。
リニスさん…
願福です( ゚Д゚)b
リニスの格好は、白い帽子をかぶり、腰まである白いジャケットを羽織っている。その下に黒いボディスーツのようなものをきており、彼女の健康的な体が強調されていた。そしてオシャレな黒いブーツを履き、かわいらしい先端が黄色い丸い杖を持っている。
うん。
なんか、かなり仕事のできる女性って感じがする。キャリアウーマンみたいな。
だが俺の視線はリニスのある部分へと釘付けになっていた。リニスも俺の視線に気付いたのか顔を赤くしながら胸元を両手でサッと隠した。
そして俺はサムズアップをしながらリニスに一言。
「リニス…エロい!」
杖で頭をはたかれました。
◆◆◆
「もう!ハレンチです!」
「いやでも思春期の中学生にその格好は刺激が強いというか、男なら仕方ないというか。っていうかその格好完全にリニスの趣味…「何かいいましたか?」いえ、何も言ってません!だからその杖をしまってくださいお願いします!」
「はぁ、仕方ない人ですね」
リニスは苦笑する。
っていうか、いつのまにか馴染んでらっしゃる。
「あ、そうだ。俺の相棒を紹介するよ。出てこいヒッツ」
「ガウガウ~」
俺の頭の上にヒッツが現れる。リニスは最初驚きはしたものの、すぐに笑顔になりヒッツを撫でる。
「ガゥ~」
ヒッツは気持ち良さそうに身を委ねる。なんか見た感じ今まで出会った人達の中で一番気持ち良さそうにしている。やはり同じ猫科の動物であるからか何か通じるものがあるのだろうか?
「それで、こいつは俺のデバイスなんだ」
「この子がですか?」
「ああ、ヒッツセットアップ」
俺はバリアジャケットを身にまとう。
「紹介するよ。俺の相棒兼デバイスのヒート・スピリッツ。ヒッツだ」
「意志をもったデバイス…ですか。ユニゾンデバイスのようなものでしょうか?しかしそれとはまた別のようですし…」
するといきなりリニスがアゴに手をやり、ぶつぶつと呟き始めた。俺がしばらく見守っていると、それに気付いたのか慌てていた。
「あ、す、すいません!私は前にデバイスを作成したことがありまして、ついつい考え込んでしまいました」
それはおそらくバルデイッシュのことだろう。そのことを聞いて俺は思った。やはり、リニスには聞いた方がいいだろう。すなわち今後についてだ。
「リニス…」
「はい」
俺が真剣な表情をしていたからかリニスも顔を引き締める。
「これからどうするか…考えてるか?」
「いえ、正直何も考えていません。私はあのとき役目を終えて消えるはずでしたから」
「………」
「でもこうして今はここにいる」
「……迷惑だったか?」
「いえ、助けてもらって感謝こそすれ迷惑だなんてとんでもない。でも私は……最初貴方のことを疑っていました。私の主、いえ今は元主ですね。元主のことを狙っているのではと」
「………」
「でもそれは勘違いでした。ヒエン、貴方と話して分かりました。貴方は私をなんの打算もなく普通に助けて下さいました」
「それはただ…体が咄嗟に動いて…」
「それでも、です。そういえばまだお礼を言っていませんでしたね。助けて頂いてどうもありがとうございました」
リニスが頭を下げる。俺はそれを慌てて止めた。
「い、いいよ別に。俺が勝手にやったことだから」
「ふふふ。そうですか」
リニスは笑いながらこちらを見る。というかリニスって意外と背高いんだな。俺より少し高いくらいだ。俺の身長が160cmだから、163cmくらいかな。
「それよりリニス、行くとこないなら家にすまないか?」
「え…よ、よいのですか?」
「いいも悪いもここで勝手に助けて、はい終わりじゃ流石に人としてダメな気がする。それに心配すんな、俺今一人暮らしだし。あとお願いもあるし」
「お願い…ですか?」
リニスが首をコテンと傾げてこちらを見る。
なにこの子!
動作のひとつひとつが可愛いんですけど!?
「あ、ああ。お願いっていうのは、俺を鍛えてほしいんだ。リニスは時の庭園ってとこで家庭教師してたんだろ?ってことは魔法に詳しいんじゃないの?」
「は、はい。魔法を教えるのは別に構いませんが…」
「よし。じゃあ決まりだな!それはそうと体の方は大丈夫か?消えそうになってたからとりあえず俺の魔力送ってみたんだけど」
「はい、体の方は絶好調です。魔力の方はどうやら貴方が送ってくれた影響で私と仮契約の状態になっているようです」
「仮契約?」
恐らく使い魔関連のことだろうがそこらへんはよく分かってないからなあ。
「はい。私は使い魔ですので主とされる方から魔力を送ってもらうことで存在できます。仮契約とは緊急処置として使われるものであり、一定期間内に本契約を行わなければ私は消滅します」
「つまりその本契約をすればリニスは消えずに済むと?」
「はい。そうなります」
「じゃあさっさと契約するか」
まあ、消えるのは後味悪いしな。
「あの、本当にいいのですか?」
「ん?なんだよ急に?」
「ヒエン、貴方はなぜ見ず知らずの私にそこまでしてくれるのですか?あのとき、私を放っておいても貴方にはなんの問題もなかったのですよ?」
まあ、助けてもらった本人としてはそこは気になるよなあ。
「そりゃ確かにあのときリニスを放っておいてもなんの問題もなかったな」
「ではなぜ?」
「飯がまずくなるから」
「は?」
おおう
リニスさんポカンとしてますがな。でもこれが理由なんだから仕方ない。
「あのときリニスを見捨ててたらなんかやりきれない感じになってただろうし、たぶんモヤモヤしてたと思う。きっと気になって食事なんて手がつかなかったと思う。だから助けた。俺がスッキリするために」
「………」
「それか、俺いいことした~みたいな感じに浸りたかったのかな?ほら、募金活動してるところにお金入れたり、落とし物拾って交番に届けたらそんな感じになるだろ?それと一緒かも?」
この気持ち、大部分の人が分かってくれると思う。あれ、俺だけかな?
「………」
「あれ、リニスさん?」
なぜか俺に呆れたような目線を送ってくるリニスさん。なんか最近周りの人からよくこんな目をされる。
なんでさ?
「はぁ、呆れるようなお人好しのようですねヒエンは…」
「えっと、ありがとう?」
「ほめてません!」
「なんかすいません」
即座に謝る俺。いやでも何も悪いことしてないよね!?なんだかこのままでは大空家の順位が逆転してしまいそうなのでしっかりせねば!
「それよりリニスさんや?早く本契約なるものをしませんか?」
「なぜいきなり敬語に…。はぁ、分かりました。まずはヒエン、貴方のリンカーコアを少し調べさせてもらいますね?」
「お、おう。ドンと来い」
するとリニスが目をつむり何か唱える。しばらくして目をあける。
「はい、分かりました。ヒエン、どうやら貴方の魔導師ランクはAAのようです」
「おお!でもそれってどれくらいなんだ?」
確か、無印の時点でなのはとフェイトはAAAだったはず。
「魔導師ランクはSSS~Fまで11ランクあります。図にするとこんな感じです」
リニスが手を振るうと空中にモニターが現れる。
な、なんかすげぇ!
「これです」
空中に
SSS>SS>S>AAA>AA>A>B>C>D>E>F
とかかれている。
「例を出しますと、時空管理局の武装局員は隊長でA、隊員でBくらいです。指揮官やエースクラスでAA~Sです」
「意外と高いんだな」
「はい。ヒエンは成長途中なので魔力もまだまだ伸びると思います」
「おーなるほど。それよりリニス、契約はまだなのか?」
「はい。まずは軽く説明をしようかと。一つ聞きますがヒエンは使い魔の契約は初めてですか?」
「うん」
「ではまず基本から説明しましょう。使い魔とは、魔導師が作製し使役する魔法生命体のことをいいます。基本的に動物が死亡前、又は直後に人工的に作った魂を憑依させることで作り出します。生前とは違う人格を植え付けるので死者を蘇らせるといったこととは違います」
「な、なるほど」
「そして使い魔とは作製時に目的を設定し、能力を決め、目的が達成した後に契約を解除するのが一般的です」
「ふむふむ」
「ここまでで質問は?」
「契約解除したあとはどうなるんだ?」
「契約を更新しない限り消滅します」
「……そうか」
俺は普通に返事をした……つもりだったが辛そうにしていたのがリニスに伝わったのだろう。リニスも少し辛そうだ。
「でも…家族みたいに過ごしてる人達もいるよな?」
「ええ、私の教え子とその使い魔がそんな関係です」
「そっか。……リニス、契約を始めてくれ」
「分かりました。では契約の詠唱をお教えします」
俺はリニスから契約時の詠唱と注意点を教えてもらった。
そしてリニスとの本契約を開始することになった。
俺とリニスは光る魔方陣の中で向かい合う。
「ふう~」
「ヒエン落ち着いてやれば大丈夫ですよ」
「ああ、じゃあ始めよう」
そして俺は考えておいた契約の言葉を紡ぐ。
「汝、使い魔リニス。主ヒエンとの契約の下、以下の制約を遵守し、履行せよ。己の持つ体、心を持って、望むべき道を見つけ全力で生きよ。例えこの先、苦しみがこようと、絶望に落とされようと、諦めることなく己の道を進め。我ら共に命尽きるまで、その制約は我が心に」
そしてリニスも。
「我、使い魔リニス、主ヒエンに救われしこの命尽きるまで、貴方を支え、教え、導き、そしてあらゆる苦行、絶望が来ようとも守りきることを誓います」
「使い魔リニス」
「主ヒエン」
「「今、ここに契約を」」
2人の言葉が重なり足下の魔方陣が光だす。そしてその光が収まると契約は終了した。
「ヒエン、あの契約内容は?」
「俺はリニスの行動を縛ったりはしないよ。でも自分の行動には責任を持てよ?」
俺はニヤリと笑いながらリニスに話す。
「もう年下が生意気ですよ。それにこう見えても私は18歳ですし、大魔導師の元使い魔でしたから大丈夫です!」
「それはありがたいことで。まあ、何はともあれこれからよろしくたのむよリニス」
「はい。こちらこそよろしくお願いしますマスター」
そして俺達はお互いに握手を交わした。こうして大空家に新しい家族が加わった。
────────
──────
────
「とりあえず、晩飯買いにいかないとなあ」
「あ、私もついてっていいですか?」
「おう、もちろん。リニスにはこの世界のこととか色々教えないとな。それとリニスさんや。気になってたんだけど、できればその服は着替えてもらっていい?さっきから目のやり場に困るので」
「なっ!?また貴方はそういったハレンチなことを!」
「え、俺ただ服着替えてっていっただけじゃん!」
「デリカシーがありません!」
「お前がそんなコスプレみたいな服着てるからだろうが!」
「な、これはコスプレではありません!れっきとした戦闘服です!」
「その胸元は男を誘惑しようとしてるようにしか見えん!でも眼福です!本当にありがとうございます!」
「ま、またふざけたことを!ええい、そこになおりなさい!貴方のそのネジ曲がった根性を叩き直してあげます!」
「お断りだ!」
「まちなさーい!」
これから楽しくなりそうだ。
リニスの衣装って何気にエロくないですか?
では、また( ・∀・)ノ