大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

ついにお盆入りましたね。

やっと続き書けたで候。

今回はバトル一本。

なんと文字数13000もいってしまった。

長すぎたかなあ。

それではどうぞ( *・ω・)ノ


第二百二十九話 管制人格との熱戦

ヒエンside

 

 

 

「大丈夫?」

 

 

「遅れてごめんね?」

 

 

なのはとフェイトが援護に駆けつけてくれた。

 

二人は俺の両隣に来ると、正面を見据える。

 

相手の管制人格はというと、こちらをジッと見つめていた。

 

 

「……すまん二人とも。助かった」

 

 

俺は二人に声をかける。

 

 

「うん」

 

 

「別にいいよ」

 

 

なのはとフェイトは前を見ながら答える。

 

そして俺は二人に現状を簡単に説明する。

 

 

「気を付けろ。奴には並の攻撃じゃ効かないどころかびくともしない」

 

 

それにフェイトが反応する。

 

 

「……それは防御力がずば抜けて高いってこと?」

 

 

「ああ。恐らく蒐集した魔力による影響か全体的に強化されているらしい。そのせいでパワーもスピードも半端じゃない」

 

 

「でも一人じゃ駄目でも三人なら……」

 

 

俺はなのはの言葉に答える。

 

 

「そうだな。三人なら……可能性はある」

 

 

戦って分かったが奴を完全に打ち倒すのは厳しい。

 

ならば眠っているはやてを覚醒させる方が現実的だ。

 

原作でもなのはの攻撃ではやてが目を覚ます描写があったことから、そちら狙いの方が確実だろう。

 

 

「二人とも聞いてくれ。当初の作戦通り、フェイトは俺と奴に接近戦を仕掛ける。なのはは後方から援護だ。あと、チャンスがあればなのはも積極的に攻めていってくれ」

 

 

「「はい」」

 

 

「よし、じゃあいくぞ。散開っ!!」

 

 

そして俺達はバラけて奴へと攻めていく。

 

俺は上から、なのはは右から、フェイトは左から管制人格へと攻めていく。

 

俺は奴にリングバインド、チェーンバインド、ディレイドバインドの三重捕縛魔法(トリプルバインド)を使用する。

 

奴にバインドブレイクの魔法を使われればすぐに破壊されるだろうが、一瞬でも奴の動きを阻害できればそれでいい。

 

一瞬あれば彼女がその間に攻めてくれるだろうから。

 

 

「はぁああ!」

 

 

フェイトが管制人格の後ろから迫る。

 

 

《Crescent Smash.》

 

 

そしてバルディッシュを振るうが、管制人格は紫の三角形の魔方陣を盾にすることで攻撃を防ぐ。

 

フェイトの斬撃にはバリア破壊の効果が含まれている。

 

だがそれでも奴の盾は破壊できない。

 

膨大な魔力によって破壊できないほどに強化されているのだ。

 

それを見た俺が今度は側面から奴へと迫る。

 

剛炎の拳を振るうが、奴はそれを盾で防ぐ。

 

 

「……破壊」

 

 

そしてバインドを破壊し身動きできるようになるが、俺は今度も奴の後ろに回り込み拳を振るう。

 

それを奴は感知しかわすが、俺は再度奴の後ろに回り込み攻撃する。

 

すると今度はフェイトがタイミングを見計らってバルディッシュを振るう。

 

 

「「はぁああ!!」」

 

 

「…………」

 

 

二人同時にヒット&アウェイで攻めていく。

 

奴に攻撃を当てるのは難しい。

 

ならその隙を作り出せばいい。

 

 

『フェイト!このまま撹乱続けるぞ!!』

 

 

『はい!』

 

 

その間に彼女がきっと攻めてくれる。

 

 

「アクセルシューター……アバランチシフト!」

 

 

きたっ!!

 

 

『二人ともすぐに離れて!!』

 

 

俺が周囲に目を向けると、幾つものピンク色のスフィアに囲まれていた。

 

 

「シュートっっ!!」

 

 

そして俺とフェイトはすぐにその場から離脱する。

 

まるで雪崩のごとく、いくつものアクセルシューターが管制人格へと襲いかかった。

 

 

『なのは!フェイト!今のうちに砲撃の準備だ!!』

 

 

俺達はその間に砲撃の準備へと入る。

 

 

「オペレーションヒート」

 

 

俺は再度両腕をクロスに構え、起動詠唱(ワード)を唱える。

 

 

「レイジングハート」

 

 

「バルディッシュ」

 

 

二人もデバイスからカートリッジを二発ロードすると構える。

 

そして俺が奴の後方、なのはが右方、フェイトが左方……それぞれ三方向から管制人格へと砲撃を放った。

 

 

「ヒートバーナー超爆発(ハイパーイクスプロージョン)!」

 

 

「ディバイーーーン……バスター!!」

 

 

「プラズマ……スマッシャー!!」

 

 

 

ドォオオオオオンンン!!!!!!

 

 

 

俺達の攻撃が管制人格に直撃する。

 

たとえ奴が零地点突破・改で対抗してきたとしても……あの技は正面からしか対応できない。

 

複数から攻めれば……あの技は攻略できる。

 

そして俺達は様子を見る。

 

だが……

 

 

「…………」

 

 

管制人格は同じ場所で変わらずたたずんでいた。

 

 

「……これでも駄目か」

 

 

すると奴が話しかけてくる。

 

 

「なぜ……お前達は(あらが)う?」

 

 

「なに?」

 

 

俺は思わず聞き返す。

 

 

「戦って分かったはずだ。お前達と……私の力の差を」

 

 

「…………」

 

 

「お前達の攻撃は……私には効かない」

 

 

「……みたいだな」

 

 

俺は返答する。

 

 

「確かにお前は強い。俺達の攻撃をことごとく防ぎ、強力な魔法で俺達を翻弄する。だがな……」

 

 

そして俺は奴に己の決意を告げる。

 

 

「それでも……俺達は諦める訳にはいかないんだ」

 

 

「…………」

 

 

「はやてを助けるためにな」

 

 

すると管制人格は虚空を見ながら呟く。

 

 

「……いくらお前達が行動しようと……私はただ……主の願いを叶えるだけだ」

 

 

「主の願いを叶えるだけ……?」

 

 

するとなのはが奴の言葉を繰り返す。

 

 

「それで願いを叶えて……はやてちゃんは本当に喜ぶの!?」

 

 

そして大きな声で奴に反論する。

 

 

「心を閉ざして何も考えずに!主の願いを叶える道具でいて……貴方は本当にそれでいいの!?」

 

 

「我は魔導書……ただの道具だ」

 

 

「だけど、言葉を使えるでしょ!?心があるでしょ!?」

 

 

そのとき……管制人格の頬を涙が伝う。

 

 

「そんな涙を流しながら道具だなんて言われても……説得力は皆無だぞ……」

 

 

「この涙は主の涙だ。私は道具だ。悲しみなど……ない」

 

 

それでも奴は頑なに認めようとしない。

 

どこまでも頑固で……不器用で……主の事を想っているが故に流れる涙を……認めようとしない。

 

そのときフェイトも反論する。

 

 

「悲しみなどない?そんな言葉を……そんな哀しい顔で言ったって……誰が信じるもんか!」

 

 

そして二人が説得を続ける。

 

 

「貴方にも心があるんだよ!悲しいって言っていいんだよ!貴方のマスターは……はやてちゃんは……きっとそれに応えてくれる優しい子だよ?」

 

 

「だから……はやてを解放して。武装を解いて!お願い!!」

 

 

「…………」

 

 

なのはとフェイトが必死に説得を続けるが……奴は黙ったままだ。

 

だがフェイトは諦めずに言葉を続ける。

 

 

「伝わらないなら……伝わるまで何度でも言う!助けたいんだっ!あなたのことも……はやてのこともっっ!!」

 

 

両者の視線が重なったまま、沈黙が流れる。

 

しかし、管制人格の返事を待っているのも束の間、突如道路がひび割れを起こす。

 

 

「「「!?」」」

 

 

街中の至るところで隆起し、岩の柱が形を為していく。

 

 

「早いな……もう崩壊が始まったか」

 

 

「なっ……」

 

 

「私もじき、意識を無くす。そうなればナハトがすぐに暴走を始める。意識のある内に……主と騎士達の望みを叶えたい」

 

 

そのとき管制人格が手を伸ばす。

 

すると、闇の書が開かれ、赤色のクナイが20個以上生成された。

 

 

「闇よ……沈め」

 

 

そのとき俺達を強烈な爆発が襲う。

 

 

《Sonic form.》

 

 

しかし俺達はかわすことに成功していた。

 

フェイトが咄嗟にソニックフォームになることで、俺となのはの手を取って引っ張ってくれたのだ。

 

 

「この……駄々っ子!!」

 

 

《Sonic Drive.》

 

 

そしてフェイトは高速軌道魔法ソニックセイルを発動させると、真っ直ぐに管制人格の元へと向かっていく。

 

それを見た俺は焦る。

 

 

「待てっ!フェイト!!」

 

 

この展開はまずいっ!?

 

原作……この場合テレビ版、映画版両方になるのだが共にフェイトは管制人格へと攻撃を仕掛けるのだが……防がれてしまうのだ。

 

そして……

 

()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

その映像(ビジョン)が思い出されたとき、俺は即座に行動に移っていた。

 

 

「言うことを……きけええぇぇぇ!!」

 

 

フェイトは金色の魔力を纏いながら真っ直ぐに管制人格へと向かっていく。

 

その様子はまさに将来、【金色の閃光】と呼ばれる彼女にふさわしい姿だった。

 

そしてフェイトは、奴から繰り出される射撃魔法を真っ正面からかわしていく。

 

今のフェイトに追い付くには高速移動魔法や加速魔法()()を発動させていては間に合わない。

 

だから俺は()()()()させた。

 

 

「くっ……」

 

 

ソニックムーブと、ブリッツアクションを()()()()()させて一瞬で超加速状態に入る。

 

それと同時に吐き気や頭痛に似た感覚に襲われるが、気合いと根性でそれを我慢する。

 

前に美由希さんとの練習試合で神速もどきをしたが今回はそれ以上の負荷が俺を襲う。

 

だがそんな悠長なことを言ってはいられない。

 

フェイトが奴に取り込まれてしまえば戦力が半減してしまうからだ。

 

 

「はぁあああああ!!」

 

 

「お前も……我が内で眠るといい」

 

 

そしてフェイトが管制人格に攻撃を仕掛けようとしたとき……

 

 

「はぁ!」

 

 

奴の後ろから回り込んだ俺の横蹴りが管制人格の側頭部に直撃した。

 

 

 

ドガァアアアアアアンン!!!!!!

 

 

 

「ヒエン!?」

 

 

するとバルディッシュを振ろうとしていたフェイトが攻撃をやめる。

 

だが咄嗟には止まれなかったようで俺に突っ込んできた。

 

それを俺は彼女を抱き締めるように正面から受け止める。

 

フェイトの身体は華奢で小さい。

 

簡単に受け止められた。

 

 

「あ、あの……そ、その……」

 

 

するとフェイトは丸まった小動物のように動かずにいた。

 

彼女は俺を見上げる。

 

その顔は赤みを帯びており、こちらを上目遣いで見ていた。

 

どこか体調が悪いのかと思った俺は彼女の顔を覗きこむように、どんどんと顔を近付ける。

 

するとフェイトの顔がますます赤みを帯びていく。

 

そして何を思ったのか目を閉じてしまった。

 

もしかして風邪をこじらせて体調が悪化でもしたか?

 

 

「どこか体調が悪いのか?」

 

 

俺はフェイトの額に手を当てて熱の有無を確かめる。

 

うむ。

少し熱いな。

 

 

「!?…………う、ううん!大丈夫!全然大丈夫だから!!」

 

 

するとフェイトは首をブンブンと横に振ると、俺から勢い良く離れる。

 

……そんなに勢い良く離れられると少しショックを受けるのだがorz

 

 

「フェイトちゃん!ヒエン君!」

 

 

そのときなのはが俺達の元へとやってくる。

 

 

「あの人は……?」

 

 

なのはが管制人格の吹き飛んだ方向を見て呟く。

 

俺達も見るが……

 

 

 

 

 

 

「主は覚めることのない眠りの内に……終わりなき夢を見ている。生と死の狭間の夢……それは永遠だ」

 

 

 

 

 

 

奴の声が周囲に響く。

 

 

「先程はうまく防がれたが……お前達も夢の中で……私の中で……永遠に過ごすといい」

 

 

それを聞いたなのは達が返す。

 

 

「永遠なんて……ないよ」

 

 

「そんなもの……私達がさせない」

 

 

なのはとフェイトは改めて、レイジングハートとバルディッシュを構える。

 

そして俺も改めて構えた。

 

 

「さあ、第二ラウンドといこうか」

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

世界の崩壊が進む中、オレンジの光弾、桃色の光弾、金色の光弾、闇色の光弾といった四色の光弾が飛び交う。

 

俺達は管制人格と射撃戦を行っていた。

 

だが魔力量の差もあるのか奴に直撃しても怯む様子が一切ない。

 

対して奴の攻撃は魔力が十全に込められているからか、食らってしまえばこちらはそれなりにダメージを負ってしまう。

 

そして管制人格の狙いはなのはなのか、彼女を必要に狙っている。

 

背後を取られたなのはは、海の方へと向かって高速飛翔で飛んでいく。

 

なのはは砲撃型の魔導師であるため、フェイトのような飛行速度は持っていない。

 

いや、並の空戦魔導師よりは全然速いのだがフェイトのような高速軌道を得意とした魔導師にはどうしても一歩劣る。

 

当然、管制人格も高速軌道は超一流だ。

奴はなのはとの距離を徐々に縮めていく。

 

それを見た俺とフェイトは奴の進路を塞ぐように攻撃を仕掛けていく。

 

だが奴も闇色の光弾を無数に俺とフェイトに放つ。

 

フェイトは軽やかにかわし、俺は両手のグローブから出される炎を微調整しながら紙一重でかわしていく。

 

そして俺は速射砲撃ショートバーナーを連射で放ち、フェイトは新たな射撃魔法プラズマバレットを展開させる。

 

だが管制人格はそれらを楽にかわしていく。

 

そして俺に左手を向けると、槍射砲の先端に闇色の魔力を収束させ、放った。

 

俺は咄嗟に両手を上に向け炎を勢い良く放ち、真下に降下するようにかわす。

 

その直後、俺の頭スレスレを漆黒の閃光が走り抜けた。

 

そして体勢を立て直そうとする間もなく、管制人格が上に現れる。

 

彼女は槍射砲を装備した左腕を大きく引き、再び漆黒の魔力を収束させる。

 

 

「ぐっ!?」

 

 

俺は咄嗟にラウンドシールドを展開するが、シールド事海面に叩きつけられてしまった。

 

 

「ヒエン君!/ヒエン!」

 

 

するとなのはとフェイトが射撃魔法を展開して管制人格へと放つ。

 

桃色の閃光と金色の閃光が管制人格の居た場所を通る。

 

なのはは続けてレイジングハートから速射砲を放ち、管制人格に何発か命中させる。

 

しかし、威力を抑えて連射性を上げている影響か管制人格の防御を貫けないでいた。

 

続けてフェイトがそれをカバーするように近接戦闘でバルディッシュを振るってダメージを与えようとする……が、管制人格は左手の手甲で的確にガードしていく。

 

桃色、金色、闇色の魔力光が高速で駆け抜ける。

 

互いに動きを読み合いながら飛んでいるため、何度も魔力光が交差する。

 

そしてなのはとフェイトは、目の前にある巨大な岩盤を減速しながら回り込み、回避する。

 

だがそれが悪手であった。

 

管制人格はそのまま岩盤に突っ込み、打ち破ったのだ。

 

フェイトは持ち前の反射神経とスピードで岩盤の破片を回避するが、なのはは防御魔法を展開することでそれを防いだ。

 

しかし破片を防ぐことは出来たが、それによって一瞬、なのはの足が止まってしまう。

 

それを管制人格は見逃さず、槍射砲を使った一撃を叩き込む。

 

 

「くっ……」

 

 

なのははなんとかエクセリオンシールドで防ぐが……

 

 

「ナハト……撃ち貫け」

 

 

管制人格はなのはにさらに魔力弾で追撃し……

 

 

「きゃあああああ!?」

 

 

そしてそのまま海へと吹き飛ばしてしまった。

 

 

「なのは!」

 

 

それを回り込んでいた俺が受け止める。

 

しかし、威力が思いの外強かったため相殺できずにそのまま一緒に吹き飛んでしまう。

 

すると誰かに手を引かれる感触がした。

 

目を向けるとフェイトが俺の手を引いて移動していた。

 

そしてある程度距離が取れたと判断したのか、フェイトは海面へと上がる。

 

俺達は隆起した岩盤へと上がり、身を潜める。

 

管制人格を探すと、奴は同じ場所で様子を見ている様だった。

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

 

「なのは……大丈夫?」

 

 

「うん、大丈夫。少し食らっちゃったけど……まだやれるよ」

 

 

俺は今度はなのはとフェイトの様子を見る。

 

なのはは息を切らせているのか呼吸を整わせていた。

 

フェイトも少し疲れがあるのか座り込んで休憩している。

 

 

(まずいな……)

 

 

二人ともまだ動けるようだが、スタミナが切れ始めていた。

 

かくいう俺もそろそろスタミナが危ない。

 

朝のギル・グレアムとの戦いでの影響か疲れが出始めていたのだ。

 

それにこのまま奴を相手に長時間戦闘を続けていたら……いずれやられてしまう。

 

ここは短期決戦で一気にいくしかない。

 

それに世界崩壊までのタイムリミットもある。

 

あとどれだけの猶予があるのか分からないが、残り少ないのは間違いない。

 

そんなことを考えていると、両手を握り締められる。

 

振り返ると、二つの力強い瞳が俺を見ていた。

 

 

「大丈夫。私達はまだまだやれるよ?」

 

 

「それにあの人にも絶対に勝てるよ」

 

 

「……そんなに顔に出てたか?」

 

 

死ぬ気モードのときはクールな性格でポーカーフェイスになっているため、分からないはずなのだが……。

 

 

「顔には出てないけど……こう雰囲気というか」

 

 

「ヒエンのことは良く見てるから……なんとなく分かるんだよ」

 

 

二人は俺を見ながら優しく笑う。

 

 

「……そうか」

 

 

俺は少し照れながらソッポを向く。

 

 

「「ふふっ」」

 

 

それを二人は笑い合って見ていた。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

「マガジン残り3本。カートリッジ18発……フェイトちゃんは?」

 

 

「私もよく似たものだよ」

 

 

「もっと思いきっりの一発でないと……スターライトブレイカー撃つチャンスあるかな?」

 

 

「手ならあるさ」

 

 

俺の言葉に二人が目を向ける。

 

 

限定解除(フルドライブ)だ」

 

 

「「……フルドライブ」」

 

 

「奴を打ち倒すにはもう……三人で全力でぶつかるしかない。二人共フルドライブの調整は済んでるだろ?」

 

 

「うん」

 

 

「試運転も何度もしてるよ」

 

 

それにいざとなれば……俺のオーバードライブもある。

 

 

「ヒエン君……無茶はしちゃダメだよ?」

 

 

「むやみやたらに突っ込んじゃダメだよ?」

 

 

すると心配そうな目でこちらを見ている二人の姿が映る。

 

俺は二人に返す。

 

 

「おいおい二人とも……俺がいつ無茶したよ?」

 

 

「「いっつも無茶しかしてないじゃない!!」」

 

 

すると二人揃えて反論してきた。

 

 

「と、とにかく……フルドライブで奴に一気に攻めるぞ。二人ともチャンスがあれば大技をあいつに叩き込んでくれ。奴に攻撃が直撃すれば、それだけはやてが覚醒する確率も上がる」

 

 

「……露骨に話逸らしたの」

 

 

「……逸らしたね」

 

 

二人からのジト目が痛い。

 

だが俺は気にしない。

 

 

「……二人とも動けるか?世界崩壊までのタイムリミットも、もう恐らく少ない。時間との勝負になる。いけるか?」

 

 

「うん」

 

 

「大丈夫」

 

 

二人は力強く頷く。

 

俺はその返事を皮切りに前を向く。

 

 

「よし……じゃあいくぞ!!」

 

 

そして俺が合図すると三人で一斉に管制人格の元へと向かう。

 

すると俺達に感づいた管制人格が槍射砲をこちらに向ける。

 

奴が撃つ前に俺は先手必勝として直射砲を放った。

 

奴も少し遅れて放つ。

 

砲撃が互いに激突するが……その間になのはとフェイトが横から攻めていく。

 

だが……

 

 

「甘い」

 

 

すると管制人格の分身が二体、奴を守る様に現れ、なのはとフェイトの攻撃を防ぐ。

 

そして奴はこちらに視線を向けると、俺を紫の鎖で拘束した。

 

 

「なにっ!?」

 

 

そして俺を振り回して放り投げた。

 

投げられた先にはなのはとフェイトの二人がおり、二人は俺が飛んでくるのに気付くと受け止める気満々なのかドッシリと構えた。

 

 

『避けろ二人とも!!』

 

 

俺は咄嗟に二人に念話を送るが……

 

 

『『嫌だ!!』』

 

 

即座に否定されたorz

 

 

「「くうぅぅ……!!」」

 

 

そして二人は俺を受け止めることに成功する。

 

だが追撃として放たれた魔力弾が拡散弾のためか、俺達三人に直撃した。

 

すると同時に周囲に爆音が響き、大量の煙が立ち込めた。

 

直撃を食らってしまったが、幸いなことにそこまで大きなダメージはなかった。

 

すると奴が話しかけてくる。

 

 

「……お前達も……もう眠れ」

 

 

「いつかは眠るよ……だけどそれは今じゃない」

 

 

するとなのはは管制人格に力強い瞳を向けると同時にレイジングハートを向けた。

 

 

「レイジングハート、エクセリオンモード!」

 

 

レイジングハートがカートリッジを2発ロードする。

 

 

「ドライブ!」

 

 

ついになのはがフルドライブを発動させた。

 

なのはの身体が桃色に発光すると同時にバリアジャケットが修復され、新たな姿となる。

 

なのはの今までのバリアジャケットは全体的に白が基調とされ、青色で装飾されていたが、エクセリオンモードはジャケット部分が黒くなっていた。

 

そしてレイジングハートも変形し、槍を彷彿させる形状となった。

 

それを見たフェイトも管制人格にバルディッシュを向ける。

 

 

「バルディッシュ……フルドライブ……ブレイズフォーム」

 

 

するとバルディッシュから3発ロードされると、フェイトのバリアジャケットが新たな形態へと変化する。

 

いつもの黒いマントではなく、白いマントに変わる。

 

これがフェイトのフルドライブ時の姿……ブレイズフォームだ。

 

その姿はStrikersに登場するインパルスフォームに類似していた。

 

そしてバルディッシュの形状が巨大な大剣へと変化する。

 

それこそリニスが願った【すべてを断ち切る閃光の刃】を具現化したような形態……ザンバーフォームだ。

 

 

「悲しみも悪い夢も……」

 

 

「私達が……終わらせてみせる!」

 

 

なのはとフェイトがフルドライブを展開したのを確認すると、俺も呟く。

 

 

rev2(リヴィジョンツー)

 

 

俺もフルパワーになり奴を見据える。

 

 

「…………」

 

 

管制人格は涙を流したまま何も答えない。

 

すると奴は、闇の書を出現させると金色のスフィアが彼女を取り囲むように生成された。

 

 

《Photon Lancer Genocide Shift.》

 

 

「あれはフェイトちゃんの……」

 

 

「フォトンランサー・ファランクスシフト!?」

 

 

フェイトの攻撃魔法……

 

フォトンランサー・ファランクスシフトを自分の特性に合った形で変化させたのだろう。

 

フェイトの放つものより数も魔力の濃さも圧倒的に多かった。

 

それが奴のフォトンランサー・ジェノサイドシフトだ。

 

そして俺達を囲むようにさらにスフィアが生成されていく。

 

 

(完全に囲まれたか……)

 

 

だがなのは達に恐れはなかった。

 

逆に闘志をみなぎらせていた。

 

その意思の強さを示すかのように彼女達の足元に魔方陣が展開され、魔力の波動が拡散していく。

 

そしてそれを合図に金色のスフィアから魔力弾が次々と撃ち出された。

 

 

「レイジングハート!」

 

 

《Wide Area Protection.》

 

 

なのはは広域防御魔法ワイドプロテクションを発動させる。

 

膨大な量の魔力弾が一斉に迫ってくるが、パワーアップしたなのはの防御魔法がそれらを防ぐ。

 

魔力弾が結界に衝突し、爆音を響かせる。

 

 

「二人ともこれが撃ち終わったら一気に攻めて!!」

 

 

「おう!/分かった!」

 

 

そして魔力弾の嵐が終わると俺とフェイトは一気に攻めていく。

 

 

「はぁあああ!」

 

 

フェイトが大剣を横凪ぎに振るう。

 

 

《Blade Impulse.》

 

 

すると衝撃波ブレイドインパルスが管制人格へと放たれる。

 

管制人格が防御魔法を展開させてそれを防ぐが……

 

その間に俺は奴の真上から踵落としを放っていた。

 

 

剛炎の割撃(ブレイズスマッシュ)!」

 

 

だが奴は前に防いだときと同じく、それを片手で防ぐ。

 

俺は額の炎の出力を最大限にまであげて破壊力を上げる。

 

すると僅かに管制人格の姿勢が崩れる。

 

それをチャンスと見た俺は三重捕縛魔法(トリプルバインド)で奴を拘束する。

 

そして俺はなのはへと念話を送る。

 

 

『なのは今だ!』

 

 

「うん!セイクリッド……クラスターッッ!!」

 

 

するとなのはが拡散弾を放つ。

 

拡散弾が見事、管制人格に直撃する。

 

その影響で僅かに奴の動きが止まる。

 

その間に俺とフェイトが接近する。

 

そして俺は形態変化を使い、フェイトがバルディッシュザンバーで攻撃する。

 

 

灼熱の加速(バーニングアクセル)!」

 

 

閃刃(せんじん)!」

 

 

だが俺とフェイトの同時攻撃は奴の展開したシールドで防がれる。

 

 

「なるほど……先程よりもさらに強くなっているな。だが私を倒すには……まだまだ程遠い」

 

 

そして奴はバインドを破壊すると同時に俺とフェイトを弾き飛ばす。

 

だが俺達は諦めなかった。

 

俺達は体勢を整えると、再び高速で奴へ接近戦を仕掛けていく。

 

俺はバーニングアクセルの連撃を放ち、フェイトは閃刃の連撃を放つ。

 

だが管制人格はそれらを難なく防いでいく。

 

 

「諦めろ。お前達の攻撃は……私には届かない」

 

 

「……なら届くまで攻撃すればいいだけのこと!」

 

 

そして俺達はさらにスピードを早める。

 

俺達の激突の影響か僅かに火花が散る。

 

奴は超一流の戦士だ。

 

そのこともあって驚くほどの正確さで俺達の攻撃を捌いていく。

 

しかも少しでも隙があれば、鋭い一撃を放ってくるのだから尚、性質が悪い。

 

集中力を切らせば、俺達は何もできずに沈むだろう。

 

すると奴は槍射砲をこちらに向け収束させると、特大の一撃を放つ。

 

俺とフェイトに砲撃が迫る。

 

俺達は身体をひねりかわす。

 

僅かにかするが、特にダメージはない。

 

続けて管制人格が攻撃をしようとするが……

 

 

「エクセリオン……バスターッッ!!」

 

 

桃色の閃光が奴へと迫る。

 

それをすぐさま感知した管制人格は回避運動を行い、ターゲットをなのはへと切り替える。

 

迫り来る管制人格になのはは再び砲撃を放つ。

 

だが、管制人格は最低限の動きでそれを回避する。

 

そして下に潜り込んだ管制人格は、アッパー気味になのはへと槍射砲の一撃を叩き込む。

 

それをなのははなんとかガードするが、勢いが強いのか真上へと吹き飛ばされる。

 

そして重力を無視して上へと転がっていく。

 

だが見た目に反してダメージはそこまでなかったようで、なのははすぐさま体勢を整えると、隆起している岩盤の頂上に着地した。

 

すると管制人格がなのはに話しかける。

 

 

「一つ覚えの砲撃……通ると思ってか?」

 

 

「通すっっ!!」

 

 

なのはは九歳児とは思えないほどの覇気の強さで管制人格へと挑む。

 

砲撃が通るか、通らないかじゃない。

 

絶対に通す。

 

不撓不屈(ふとうふくつ)

 

それが彼女の……高町なのはの……

 

根本的な強さなのだ。

 

そしてなのはがカートリッジを2発ロードすると、レイジングハートの先端部分から桜色の翼が現れる。

 

それと同時になのはから発せられる魔力が段々と強まっていく。

 

そして高まった桜色の魔力が具現化したかのように……

 

レイジングハートの先端に(くれない)の魔力刃が展開された。

 

魔力刃と魔力翼を展開させたレイジングハートのその姿は……なのはの思いを貫く……貫き通すための槍のように思えた。

 

 

《ACS Stand by.》

 

 

「レイジングハートが……ヒエン君が……フェイトちゃんが……皆が力をくれてる!泣いてる子を救ってあげてって!!」

 

 

《Strike Flame.》

 

 

「エクセリオンバスターA.C.S……ドライブ!」

 

 

そして爆発的な加速でなのはは管制人格へと突っ込んでいく。

 

管制人格もその速度に回避することは出来ず、防御魔法を展開する。

 

二人の魔法が衝突するのと同時に凄まじい音が辺りに響く。

 

 

「ああああ!!」

 

 

「う、うぅぅ!!」

 

 

なのはは圧倒的な勢いで管制人格を後退させていく。

 

二人は岩盤をいくつも突き破り、巨大な岩盤で制止する。

 

なのはが押しているように見えるが、状態としては互角……いや僅かに管制人格が盛り返していた。

 

 

「届いて!」

 

 

レイジングハートからさらにカートリッジが3発ロードされる。

 

そして魔力翼も一段と大きくなる。

 

さらなる魔力で強化することによって莫大な力が働き、紅の魔力刃が防御魔法を貫こうとするが……

 

 

「はぁあああ!!」

 

 

突如、管制人格が()()()()()()()()を発すると完全にレイジングハートを押し返す。

 

 

(あれは俺の吸収した魔力!?)

 

 

「ま、負けない!!」

 

 

なのはも負けじと力を込めるが管制人格を押し返せない。

 

だが手ならある。

 

 

「相棒!調和の咆哮!!」

 

 

「ガァアアアアアアアア!!!!」

 

 

 

パリイイイィィィィィンン!!!!!!

 

 

 

なのは達の後を追っていた俺達の手によって管制人格のシールドを無効化したのだ。

 

 

「なに!?まさか!?」

 

 

管制人格がこちらを驚いた様子で見ている。

 

今の奴は隙だらけだ。

 

このチャンスを逃す手はない。

 

直ぐ様、俺はなのはに声をかける。

 

 

「今だ!なのは!!」

 

 

「ありがとうヒエン君!ヒッツ!ブレイクゥゥ……!」

 

 

「くっ……」

 

 

「シュートッッ!!」

 

 

なのはの掛け声と同時に圧倒的な威力の魔力砲が放たれた。

 

威力が大きすぎるのか一瞬で巨大な岩盤を砕き、崩壊させた。

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

 

「なのは大丈夫!?」

 

 

「あ、ありがとうフェイトちゃん」

 

 

エクセリオンバスターACSの反動で吹き飛んだなのはを、フェイトが受け止める。

 

それにしても……

 

ほぼ零距離からのエクセリオンバスターのバリアをぬいての直撃……

 

凄まじい威力だ。

 

それもカートリッジでさらに強化した砲撃でだ。

 

普通なら……あれで戦闘不能になっていてもおかしくないほどの威力だ。

 

その証拠になのはは左腕を押さえるほどのダメージを負っている。

 

それだけ反動が大きかったのだ。

 

リヴィジョンシステムで魔力運用が安定化されているといっても限界はある。

 

加えてなのはは、まだ九歳の女の子だ。

 

俺のような高校生ならまだしも身体が出来上がっていないにも関わらず、あれだけの攻撃を繰り出したのだ。

 

彼女の身体に対する負担は相当大きいはずだ。

 

俺はなのはに近付き、治癒魔法フィジカルヒールをかける。

 

これなら多少はマシになるはずだ。

 

 

「あ、ありがとう」

 

 

「気にするな」

 

 

そして俺達は奴が吹き飛んでいった方向に目を向ける。

 

するとゆっくりとある人影が空へと上がってくる。

 

 

「…………本当に……嫌になる」

 

 

そこには無傷の管制人格がいた。

 

ダメージがあるどころか、服に汚れすらついていない。

 

正直、あの攻撃で無傷となると……

 

あとはもう集束砲撃(ブレイカー)くらいしか手は残ってない。

 

だが俺もなのはもフェイトも集束砲撃(ブレイカー)クラスの攻撃となると、出来ても一回が限界だ。

 

 

「もう少し……頑張らないとだね……」

 

 

「ああ」

 

 

「……そうだね」

 

 

なのはの言葉に俺とフェイトは頷く。

 

すると俺はあることに気付く。

 

 

(あれは……ナハトヴァール?)

 

 

なんと蛇の塊……ナハトヴァールが奴の左腕に具現化していたのだ。

 

ナハトヴァールが手甲から蛇の塊に変わっているということは……

 

 

(暴走が近い……。もう時間がない)

 

 

そして俺達が構えると……

 

 

「うわああああぁあああ!!!!」

 

 

奴は悲鳴と思われるほどの雄叫びを上げ、突如こちらに殴りかかってきた。

 

無表情、いや少し哀しみのある表情の先ほどとは違い、怒りのような感情が奴の表情から読み取れた。

 

そして奴はこちらに一瞬で接近してくると俺に殴りかかる。

 

 

「はあ!」

 

 

「うおっ!?」

 

 

俺はそれを化勁でなんとか受け流していく。

 

奴の重い強化された拳を連続で受け流す。

 

その拳の重さは以前異世界で戦った黒化英霊(こくかえいれい)のバーサーカー、並行世界で戦った少年姿のデューンよりも重かった。

 

 

「ヒエン君!」

 

 

「ヒエン!」

 

 

すると俺の援護をするかのようになのはとフェイトが射撃魔法で奴に攻撃する。

 

それらが奴に数発命中する。

 

しかし、まともにくらったにも関わらず奴は止まらなかった。

 

奴は今、俺達を打ち倒すことだけしか考えていないのだろう。

 

 

「うおおっっ!!」

 

 

「っっ……」

 

 

俺は奴の拳を受け止めず、受け流すことだけに集中する。

 

 

「おりゃあああああ!!」

 

 

そして奴の腕をとると一本背負いで投げ飛ばした。

 

直ぐ様、追撃として砲撃を放つ。

 

だが奴は片手でそれを弾き飛ばし、俺の片足を掴むと岩に叩きつけた。

 

 

「ぐっ!?」

 

 

そして俺を何度も地面へと叩きつける。

 

 

 

ドオン!ドオン!!ドオン!!!

 

 

 

「ごほっ!?この……調子に……乗るな!!」

 

 

俺は奴の顔を両足で挟むと、そのまま頭から地面に叩きつける。

 

しかし奴はすぐに体勢を整えると拳に漆黒の魔力を収束させる。

 

そして連打を叩き込んできた。

 

俺はラウンドシールドを展開し、その拳を受け止める。

 

 

「貴様さえ……貴様達さえいなければ!!」

 

 

「ど、どうしたよ?やけに感情的じゃないか?自分は道具だったんじゃないのか?」

 

 

「黙れえぇぇぇぇ!!!!」

 

 

するとラウンドシールドが破壊され、奴の強力な拳が俺に迫る。

 

俺はその拳を奴を中心に動くことでかわす。

 

そして後ろから管制人格を羽交い締めにした。

 

 

「何をそんなに焦ってる?どうしてそんなに感情的になってる?」

 

 

「ぐう!ぐううぅぅぅぅ!!」

 

 

管制人格は力任せに俺をほどこうとするが、俺も額の炎の出力を最大限にまで高めて奴を拘束し続ける。

 

 

「ぐお……もしかして……予想外なことが起こったか?お前にとって都合の悪いことが……」

 

 

今まで冷静沈着いや……無表情に徹していたこいつがこんなに感情的になって暴れる理由……

 

考えられる理由は一つ。

 

 

「もしかして……()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

「!!……き、貴様ああああぁぁぁあああ!!!!!!」

 

 

すると奴の身体から突如、オレンジの魔力光が発せられる。

 

それと同時に奴の力が爆発的に増大した。

 

そして俺を強引に振りほどき……

 

 

「消えろおおおぉぉぉ!!!!」

 

 

強烈なパンチを放ってきた。

 

俺はそれをクロスガードで受け止めるが……

 

 

 

ボゴォオオオオオオオンン!!!!!!

 

 

 

「ごほおっ!?」

 

 

俺はガード事吹き飛ばされ勢い良く岩盤に叩きつけられる。

 

そして衝撃が強すぎたのか、思わず吐血する。

 

 

「「ヒエン君!?/ヒエン!?」」

 

 

それを見たなのはとフェイトが管制人格に怒りの形相を向ける。

 

 

「フェイトちゃん!」

 

 

「うん!よくもヒエンを!!」

 

 

そして二人で勢い良く攻めていくが……

 

 

「邪魔だ」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を、なのはとフェイトに直接ぶつけた。

 

 

「……灼熱の加速(バーニングアクセル)W(ダブル)

 

 

「「きゃあああああ!?」」

 

 

「なのは!?フェイト!?」

 

 

そして二人は岩盤に直撃し、気絶してしまった。

 

 

「貴様!!」

 

 

それを見た俺は管制人格に真っ正面からぶつかるとバーニングアクセルを放つが、片手で受け止められる。

 

そして俺はがら空きになっていた腹に……

 

 

灼熱の加速(バーニングアクセル)

 

 

「かはっ……」

 

 

バーニングアクセルをくらい、海面へと吹き飛ばされる。

 

そして回りこんできた管制人格にさらに蹴り飛ばされる。

 

俺は衝撃で真横に吹き飛び、海面を幾度も跳ねたあと岩盤に直撃する。

 

その直後に鎖状の魔力……チェーンバインドで拘束される。

 

そして管制人格は二つの岩を利用して俺を張り付け状態にすると、闇の書を出現させる。

 

すると上空に闇色の稲妻が走ると、次元が裂け巨大なドリルを彷彿させる特大の槍が出現した。

 

 

「眠れえぇぇぇ!!」

 

 

そして奴がその特大の槍を掴むと、槍は回転し始め、回転音を撒き散らしながら俺に向かってくる。

 

 

「くっ……オーバー……」

 

 

俺は反射的にオーバードライブを発動させようとしたが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷の剣(サンダーセイバー)!」

 

 

突如、俺に迫ろうとしていた槍が一刀両断される。

 

さらに……

 

 

「スティンガーブレイド・エクスキューションシフト!」

 

 

百本はあろうかという青い魔力刃が管制人格に放たれ……

 

 

「ふぉとんらんさ~まるちしょっと~ふぁいあ~」

 

 

幾つもの青白い電撃の槍も管制人格へと放たれた。

 

 

「お、お前ら……」

 

 

そして俺は()()()()()()()()()()に目を向ける。

 

 

「大丈夫ですかヒエン?」

 

 

「全く……君は相変わらずボロボロだな」

 

 

「ヒエン……たすけにきた」

 

 

そこにはリニス……クロノ……そして久遠の三名がいた。

 




闇の書編はあと数話で終わる予定です。

さて、管制人格に勝つことはできるのか?

はやてを救うことはできるのか?

逆転に次ぐ逆転の予定ですので乞うご期待。

次回お楽しみに。

では、また(・∀・)ノ

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