最近、逆転裁判6がほしくてたまらないです。
では、どうぞ(*´・∀・)つ
「ジェットスマッシャー!」
リニスの攻撃魔法ジェットスマッシャーが淡い黄色を纏って俺に迫る。俺は即座に防御魔法を展開させる。
「ラウンドシールド」
俺の前方にオレンジ色の魔方陣が現れジェットスマッシャーを防ぐ。だが防いだのは数秒程で大きな爆発が起こる。俺はその間に、大きく迂回しリニスの後ろに回り込む。
「
射撃魔法フレイムバレットの近距離広域攻撃版。オレンジの球体に螺旋状の回転を加え破壊力をアップさせた散弾銃のようなものである。俺は自分の周りに幾つもの球体を発現させ、リニスに向けて放つ。
だがリニスはまるで予想していたかのようにこちらに向き、鮮やかに笑う。
「まだまだ甘いですよヒエン」
するとリニスの姿が一瞬で消える。そのとき俺は背後に悪寒を感じた。直感に従い、両手に炎を灯し即座に上空へと回避する。
そして下を見ると、俺のいた場所を黄色い光輪が通過する。俺はそれを放ったとされる人物に目を向ける。リニスは俺から約50メートルは離れたところに待機していた。俺はファイアウィングの出力を上げ、リニスに猛スピードで近付いていく。
リニスはこちらの動きを見ながら、右手を自分の顔へと引き戻す動作を見せる。
するとヒッツから思念が飛んでくる。後ろから誘導弾が来ていると。どうやら先程の光輪がこちらに来ているらしい。俺は額の炎の出力を上げ、使用する魔法を強化できるようにしておき、そのままリニスに迫る。
「こちらに来るということは私を直接叩く気ですね。そして魔法を強化するために額の炎の出力を上げている。やはり厄介ですねその死ぬ気の炎というのは。ですが…」
俺の目の前に淡い黄色い魔法陣が現れる。これは!?
「零距離から砲撃を食らえば強化した魔法も出せないのでは?」
まずい。
今、防御魔法で防いだとしても簡単に破壊される。そしてかわそうにも距離が足りない。やられた…
さすがリニスだ。俺のやろうとしていることを察知し、それを迎撃する手段をすぐに構築する。こういうのは幾多もの戦闘経験から来ているんだろうな。さすがフェイトとアルフの師匠。だがそれでも勝負を諦める理由にはならない!
「すごいなリニスは。だが…俺もまだ手札は残ってる。ヒッツ
俺の右腕の籠手が変形し、黒いガントレットへと姿を変える。そして右手に炎を収束させる。
「それは…右手に炎が集まって?」
リニスが驚いているのが少し気分がいい……がそうもいってられない。
リニスの砲撃魔法ジェットスマッシャーを破るにはこれしかない。
リボーンの沢田綱吉、ツナのビッグバンアクセルほどの威力はないものの、俺の持つ砲撃魔法フレイムバスターと同程度の威力はある技だ。
「いくぞ!
そして俺のフレイムアクセルとリニスのジェットスマッシャーが激突した。
◆◆◆
「お疲れ様でしたヒエン」
リニスがスポーツドリンクを俺に手渡す。俺はそれを受け取り一気に飲みほす。
「ゴクゴクゴク…プハ~」
あー
運動した後のスポーツドリンクは格別だぜぇ~
「段々、動きも良くなってきています。1ヶ月前に比べて魔法の構築スピードも上がっていますし」
「そうかな?自分ではよく分からないな」
俺達は今、例の高台で模擬戦闘を行っていた。もちろん結界を使って。
「あ~今度こそ勝てると思ったんだけどなあ~」
「ふふふ。まだまだ私に勝とうなんて10年は早いです。でも最後の攻撃は意表をついた感じで良かったですよ。攻撃力も申し分なかったですし」
「そうか~」
結局、あの模擬戦は俺の敗北であった。リニスのジェットスマッシャーをなんとか打ち破ったはいいものの、その後、設置バインドで捕らえられ首もとに杖を突きつけられ降参したのだ。
というよりリニスも手加減してる節はあったのだが。
リニスと使い魔の本契約をしてから1ヶ月たつ。本契約をした影響か俺の魔力値はAAからAに下がった。
だがリニスが言うには、今は使い魔との魔力とのパスの影響で魔力値が下がっているが、次第に慣れてくるらしい。加えて俺は成長期なのですぐに元に戻るとのことだ。
確かに意識してみるとリニスと何かで繋がっているような感じがする。これが精神リンクというやつだろうか?
主と使い魔は契約すると精神がつながるらしくその影響か俺の感情などもリニスにダイレクトに伝わるらしい。
だが俺にはリニスの感情は伝わらない。というより伝わりづらい。なんだろう、なんか少しずるい気がする。
まあ、細かいことはいいか。話を戻すが、俺はリニスに魔法を本格的に教わっている。この1ヶ月は魔法の基礎を徹底的に叩き込まれた。今日はその成果を見るための模擬戦闘をしたのだ。
基礎と言っても、基本的にはミッドチルダの学校で習うような内容ばかりだが魔法の授業は楽しいので、俺は座学も実戦も嬉々として受けている。リニスもそんな様子の俺に教えがいがあるのかどんどん教えてくれる。
俺は主にミッドチルダ式魔法を使っている。死ぬ気の炎と遠近両用のミッドチルダ式の相性が良いのもあるが、俺的には近接特化のベルカ式よりも扱いやすいのだ。それにリニスがミッドチルダ式魔法の使い手ということもあって、非常に分かりやすく教えてくれる。なので必然的にそちらを重点的に習う形になっている。
あとリニスには俺の能力のことについて一通り伝えてある。死ぬ気の炎と超直感、そしてヒッツのことだ。
死ぬ気の炎については分かっているだけの情報を話した。属性や効果はもちろん、魔法を強化することなども。
超直感に関しては死ぬ気の炎を修得した際に身に付いたものであること、ヒッツに関しては俺の心が具現化したデバイスだと言っている。
リニス曰く、俺の能力はレアスキルに当たるらしい。ヒッツに関してもロストロギア扱いもやぶさかではないとのこと。まあ、あまり言いふらさない方が賢明だろう。
最後に、それらの知識はどこから得たのか聞かれたがヒッツと出会ったとき、頭の中で知識としてふと思い浮かんだ、ということにしておいた。
俺が転生者であることや、能力を神様から授けてもらったことなど今のところ言う予定はない。いつか俺の秘密を打ち明けたいが、正直まだ決心がつかない。なのでもう少し自分に勇気がついたら言おうと思う。
「それはそうと…前から気になっていたのですが」
と俺が考え事をしているとリニスが話しかけてくる。
「ヒエンが死ぬ気の炎を使っているとき、性格が少し変わっていませんか?」
「あー」
「いえ、性格が変わっているというよりは雰囲気が変わったといえばいいでしょうか?」
リニスの言いたいことはわかる。原作のツナも超死ぬ気モードになったとき、通常に比べて冷静沈着になり性格も落ち着いているため、二重人格に思われるが実際は違う。ただ普段抑えている攻撃的なツナが表に出ているだけである。
「あれは死ぬ気モードになることで普段よりも冷静沈着になるっていうのかな?簡単に言えば通常状態から戦闘状態に切り替える感じ?」
「なるほど…それはどれくらい維持できるのですか?」
「え?言われてみればどれくらい維持できるんだろ?」
そういえば俺は魔法を使うときしか死ぬ気の炎を使っていないのでどれだけ持つか全く分からない。
「ヒエンいくつか確認したいことがあります」
「な、なんでしょう?」
いつになくリニスが真剣だ。ここは真面目に話を聞いた方がいいだろう。
「死ぬ気の炎とは人間の生体エネルギーを圧縮して見えるようにしたものでしたね?」
「あ、ああ」
「使用している間、生体エネルギーつまりは体力を消費すると考えてもよいのですか?」
「ああ。そう考えてもらって構わない」
「なるほど。ヒエン休憩しているところ悪いのですが貴方には今からいくつか試してもらいたいことがあります」
◆◆◆
リニスに言われて死ぬ気の炎の持続時間を調べることとなった。まずは炎の出力を最大にまであげて維持することから始まった。
はい。
はっきりいって舐めてました。
これ体力の消費、半端ない!Σ(゜Д゜)
最初の1,2分は問題なくいけていた。が、3分過ぎた頃から汗が吹き出し、4分過ぎた頃には息もゼェゼェと出ていた。そして5分過ぎる頃には…
チーン…
リアルに返事がない、ただの屍のようだ状態である。
「だ、大丈夫ですか?」
リニスが心配して声をかけてくれるが、本当に今は返事をする余裕もない。というか指一本動かせません。今の状態を例えるなら、グランドを体力の続く限り全力疾走で走り終えたような感じである。
あまりにも動かない俺を見かねたのかリニスが回復魔法をかけてくれた。
そしてしばらくして…ようやく動けるようになった。
「ここまで体力を消費するとは…少々予想外です。仕方がないですね。少し休憩にしましょう。弁当を持ってきているので一緒に食べますよヒエン」
リニスさんマジ天使!
◆◆◆
俺達は高台の下でシートを引きながらリニスお手製の弁当を広げていた。ちなみに弁当の中身は、おにぎり(鮭、ツナマヨ、梅干し、ふりかけ)、ミートボール、タコさんウィンナー、卵焼き、ホウレン草のおひたし、プチトマトである。
「死ぬ気の炎を全力で使い続けると持って5分だ」
「そうですね。推測ですが今のヒエンの体力であれば死ぬ気の炎を通常通りに維持し続けるのは持って30分といったところでしょうか?」
「思ったより少ないな…」
そういえばツナも当初は死ぬ気モード5分しか持たなかったな。
「いえ、そうでもありません」
どういうことですリニスさん?
「少なければ増やせばいいのです。用は体力増強です。そうですね、これからはトレーニングに体力強化、肉体強化も増やしましょう。あとは近接戦闘も鍛えていきましょうか。これからビシバシ鍛えていくので覚悟してくださいねヒエン」
リニスがいい笑顔でこちらにいう。その顔を見たとき俺は咄嗟に逃げ出していた。
今でも正直いっぱいいっぱいなのに更に戦闘訓練!?俺の見立てではまだまだ先だと思ってたのに!
「どこにいくというのですヒエン?」
俺の右足には黄色いバインドが巻き付けてあった。いつのまに!?
「これでもあなたの家庭教師なのです。生徒をちゃんと育てるのが教師の務め。逃がしませんよ(ニッコリ)」
リニスさんめちゃめちゃいい笑顔してますねorz
「貴方には素質があります。私にはそれを導く義務があるのです」
「素質?俺に?」
「はい。なので自信を持ってください」
「あ、ああ」
「ですが先程逃げた罰として今日一日死ぬ気モードでいてくださいね」
「oh…」
「出力を最低まで下げれば今日一日は持つはずです。貴方はまず炎の出力を自在に操れるようになりなさい。そうすれば魔法の強化も今よりスムーズに行えるようになるはずです」
「わ、わかった」
とりあえず弁当を食べて体力の回復に専念する俺だった。
◆◆◆
トレーニングが終わった帰り、俺はリニスを連れてある所へと向かった。
そう、喫茶『翠屋』だ。
俺はリニスを翠屋に連れて来たことがなかったので紹介がてら連れてきたというわけである。ちなみにリニスの格好はあのコスプレの戦闘服ではなく、白いスカートに白いブラウス、白いぼうしといった清純派アイドルをイメージさせる格好となっている。
カランカランカラン
俺は店の扉を開ける。するとウェイター姿の恭也君が出迎えてくれた。
「いらっしゃいま……ヒエンか」
「久しぶり恭也君」
そうそう。
そういえば、俺と年も近いということで恭也君にはタメ口で話している。というか本人から敬語はやめてくれと言われたのだ。
「なのはなら、奥で手伝っているから声をかけておけ」
「わかった」
俺はリニスを連れて奥のテーブル席へと座る。するとリニスが話しかけてくる。
「ヒエンここは?」
「前に話しただろ?ここが話した俺がよく来る喫茶『翠屋』」
「なるほど、良い雰囲気の店ですね」
「だろ?」
「あらあら、ヒエンくんは美人の彼女さんと来店かしら?」
すると桃子さんが厨房からコーヒーとシュークリームを持ってこちらに来てくれた。
「ももこさ…「ち、違います!私とヒエンはそんな関係ではありません!むしろできの悪い弟のようなものです!」……あのリニスさん?」
誤解されまいと必死に言うのはわかったからね、できればそんな大きな声で言わないでもらえますかねぇ!?俺の男としてのプライドも傷ついてるからね!?それと何気に尻尾と耳がピョコンとでてるから!
(リニス!耳と尻尾でてる!)
(あ、あわわわ、す、すいません)
「あらあら~若いわねぇ~」
桃子さんはそんなリニスを見て笑顔で受け流す。
「彼と私は従姉です!」
「そうなのね。ごめんなさいね、からかったりして。私は高町桃子、この喫茶『翠屋』のパティシエです」
「これはご丁寧に。私はリニス・オオゾラ、ヒエンの従姉です」
リニスには俺の従姉として振る舞うように説明している。戸籍等の問題もあるがそこは万能なヒッツさんに、ハッキングしてもらい偽造してもらった。
え?犯罪?ばれなきゃよかろうなのだ~というわけで気にしちゃいけない。
「じゃあヒエンくん、私はなのはを呼んで来るわね」
「はい。お願いします」
ちなみに、なのはには俺が従姉を連れていくと既に連絡済みである。しばらくすると…
「あ、ヒエンくん~」
「おっす、なのはちゃん」
なのはが笑顔でこちらに向かってくる。翠屋の子供用の制服だろうか?かなり似合っている。
「来たんだ」
「うん。俺の従姉紹介しようと思って」
なのはの視線がリニスへといく。リニスはなのはに笑顔で自己紹介を始めた。
「初めましてなのはさん。私はリニス、リニス・オオゾラと申します。話はヒエンからよく聞いています」
「こちらこそ初めまして!高町なのはです!」
俺は仲良く話し始めた女子2人を見ながら、翠屋名物のシュークリームをいただいていた。
甘っ!
それからしばらくして…
「ヒエンたらいつもいつも…でしてね」
「そうなんですか~」
リニスがなのはに俺のことについて話している。いや、というより俺に対しての愚痴しか出ていない気がする。
まだ一緒に暮らしはじめて1ヶ月しかたっていないのにそんなにもストレス溜まってらっしゃったんでしょうかΣ(゜Д゜)
それになのはも終始ニコニコしながらその話を聞いている。
もうやめて!
俺のライフはもうゼロよ!
とりあえず、今日の晩御飯にリニスの苦手なものを入れてやろうとささやかな復讐を企む俺であった。
次回いよいよ原作突入!
…したらいいなぁ