最近、この小説の展開を考えすぎて夢になのはさんが出てきた男ぐっさんゼロです。
なのはさん出てきたときに「少し頭冷やそうか……」って言われてスターライトブレイカー撃たれたときは死ぬほど焦った((((;゜Д゜)))
思わず飛び起きたもの。
あのときのティアナの気持ちが少し分かったゼorz
案の定、汗だくでした。
汗だくだったのはストーブの前でうたた寝してたからでした。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
第三者side
時空管理局本局にて……
リンディは今回の騒動の件についての報告のために本局を訪れていた。
そして先程報告が終わり、同じく本局を訪れていたレティと合流した。
「グレアム提督の件は、提督の希望辞職ということで手打ちみたいね。故郷に帰るそうよ」
「……クラッキングと捜査妨害、後は管理局員への暴行、殺人未遂よね?裏取引でもしたのかしら?」
「管理局提督の不祥事ですもの。上層部が黙ってないわ。それにこんなスキャンダルを世間に公表できる訳がない。唯一の救いは誰も死傷者が出ていないこと。しばらくは魔力封印を行って監視しつつ、様子見ってところかしら?」
「そう……はやてさんのことはどうするつもりなのかしら?」
「今まで通りに援助は続けるって。あの子が一人で羽ばたける歳になったら真実を告げることになるだろうって」
「そう……あ、あと夜天の書の守護騎士達ね、当面は貴方に預けることになりそうよ」
「取り調べと裁判、その間の保護観察処分ね」
「ただはやてさんの件もあるし、できれば……」
「四人ともこっちでの拘束はしない方針よ。魔力使用制限と所在地認証はガッチリつけさせてもらうけど」
「ありがと」
「いいえ」
リンディは笑顔でレティにお礼を言う。
レティも優しく笑い返した。
「貴方もこれでご主人への報告にいけるわね。いついくの?」
「ええ、来週辺りクロノとフェイトさん、アリシアさん、リニスさん、アルフを連れて六人で一緒に」
「ご主人にはなんて?」
「そうね。たぶんいつもと同じよ。『相変わらずいろんな事がある毎日だけど、元気でやってますよ』って」
「そうか」
二人は廊下を静かに歩いていく。
「それに本当に忙しくなるのはここからよ。やることがまだまだあるもの」
「ヒエン君達の件ね?」
「ええ。あの子達も今回の件で色々思うところがあったみたいで、親御さんや友達に魔法について話そうということになったみたいよ。ヒエン君も行方不明になってた期間について打ち合わせとかもしないといけないしね」
「……本当にあの子はよくトラブルに巻き込まれるわね。結局、今回も事件の中心にいたんでしょ?」
「ええ。それにリニスさんの様子から見ても行方不明になっていた期間もどうやら別のトラブルに巻き込まれていたようだし」
「…………」
「…………」
二人は顔を見合わせる。
「……これからはなるべくヒエン君から目を離さない方が良さそうね」
「……そうね」
そしてどこか疲れたようにため息をついた。
第三者side end
◆◆◆
ヒエンside
「はい。あーん」
「あ、あーん」
俺は今、フェイトから昼ごはんを食べさせてもらっていた。
結局、数日前の検査で疲労が蓄積していたこともあって大事を取って入院することとなったのだ。
そして今日は昼に目が覚めたので身体を動かそうと試みたのだが、やはり全身筋肉痛で満足に身体が動かせなくなっていた。
これではごはんも食べられないと悩んでいたら、初日にお見舞いに来ていたなのはとフェイトが一言。
「「それじゃあ、私達が食べさせてあげるよ」」
と、おっしゃったのでお言葉に甘えている次第である。
俺はゆっくりと飲み込む。
すると俺の飲み込んだタイミングを見計らって、フェイトが病院食を再び口へと持ってくる。
「お茶いる?」
「うん」
そしてほどよいタイミングでお茶も飲ませてくれる。
うん。
もうこれ完璧に介護じゃねえか。
「ガァウ~」
「きゅ~」
そして俺の側では同じく美味しそうに昼ごはんを食べているオレンジの小ライオンと白いモコモコがいた。
そう。
相棒のヒッツさんと、新たに仲間に加わった夜天の書の元防衛プログラムのナハトさんである。
ちなみに小ライオンズは心の中でまったりしている。
相棒は俺の心の中で数日眠ったらすっかり元気になった。
ナハトに関しては、リインフォースの中に残っていた防衛プログラムが再生しているときに俺のダブルヒートバーナーを浴びたことで浄化されたらしく元に戻ったのだ。
そして防衛プログラムの
その影響か、元に戻してもらった恩義を感じているらしく俺によくなついている。
そこで俺はナハトを新たな仲間として迎えいれた。
もっぱらナハト
というかこのナハトさんかなり有能である。
さっそく俺の中に住み始めたと思ったら、俺の使う魔法の術式の改良、新魔法の開発を嬉々として始めたのだ。
俺の戦闘映像から戦闘傾向、戦闘パターンを分析し、俺専用の魔法を作っている。
それだけでなく俺のバリアジャケットの改良もしてくれている。
今は同時進行で現在俺の悩みの種であるオーバードライブの改良にも着手しているそうな?
さすが元防衛プログラム。
いきなりやることが規格外すぎてハンパネェゼ((((;゜Д゜)))
でもこれならオーバードライブの出力の問題も案外早目に解決しそうだな。
現代風に分かりやすく例えるなら相棒が大型のスーパーコンピューターであるとしたら、ナハトはそれを守るウィルス対策用ソフトのワクチン、小ライオンズはコンピューターの中にあるプログラムみたいなもんか。
あれ?
これもう最強じゃね?
ちなみにナハトさん、こう見えてもメスである。女の子だ。
「ガゥ~」
「きゅ~」
するとご飯を食べ終わって満足したのか、二匹はフェイトの両肩に乗り、甘えはじめる。
「く、くすぐったいよ二人とも」
そうは言いながらも嬉しそうにしているフェイトに和む俺であった。
「あ、そうだ。あのねヒエン……」
「ん?どうした?」
フェイトが食べ終わった食器を片付けながら俺に声をかけてくる。
「昨日すずか達から連絡があったんだけど、今日クリスマスパーティーをするから来てほしいんだって」
「え?」
なにそれ?
初耳なんですけど?
「それでね、私となのは、はやてと三人で話し合って決めたんだ。魔法のこと……皆に話そうって」
「それは……」
いよいよ打ち明けるということか。
「私が何者か、なんのためにこの地球へ来たのか、どうやってなのはと知り合ったのか……全部……話すつもり」
「そうか……」
「だからね、ヒエンも一緒にきてほしいなって」
フェイトは俺の目を真っ直ぐ見る。
だが俺はその視線に耐えきれず横にずらす。
そして頭を枕に静かに降ろした。
枕がボフンと小さく音を立てる。
「…………」
「…………」
皆に魔法のことを話す。
それは俺自身も考えていたことだ。
闇の書の件が終わったら話そうとずっと前から考えていた。
だがいざそのときが来るとなると、正直不安になってくる。
だからか、つい弱気な言葉を言ってしまった。
「そのクリスマスパーティーさ、俺も絶対行かなきゃダメか?」
「え?」
フェイトは驚いたように目を見開く。
俺がそんなことを言うとは欠片も思っていなかったのだろう。
「いやなんつーか、いずれ魔法のことは話さないとダメだなって思ってたんだけどさ、いざ実際にその事を考えるとな」
クリスマスパーティーには恐らく俺の両親も来るだろう。
闇の書事件も無事解決したし、リンディさん達も俺のことはある程度伝えているはずだ。
だが……物凄く会いづらい。
「それにずっと行方不明になってたから正直どんな顔して家族に会えばいいかわからないというか」
一度話し始めるとでるわでるわ。
俺は思っていた以上に神経質になっているようだ。
スッ
するとフェイトが俺の頭をゆっくりと撫でながら優しげな瞳で見つめてくる。
「不安なんだね?」
「いや別にそういう訳では……ってかフェイトさん?ちょっと恥ずかしいんですけど」
「ふふ。いつも頭撫でてくれるから今日は私が撫でてあげる」
「そ、そうっすか」
なんか最近フェイトがフェイトさん化してきた気がする。
彼女と話してるとタマに思う。
本当に九歳なのか?と。
なのはといい、フェイトといい、はやてといい……いや三人だけじゃない。
アリサもすずかも精神年齢が高すぎる気がする。
え?
アリシア?
あの子は年相応だと思う。(迫真)
俺はフェイトに撫でられながらポツリと呟く。
「フェイトって出会った当初に比べたらずいぶん明るくなったよな。積極的になったとも言うか」
「そ、そうかな?」
俺の言葉に顔を僅かに赤くさせるフェイト。
うん。
かわいい。(吐血)
俺は彼女と出会ったときのことを思い出す。
「うん。絶対明るくなった。だって俺あのとき言われたことまだ覚えてるし」
「え?私なにか言ったかな??」
「『私は貴方の敵…だからもう優しくしないで(キリッ』とか、『貴方は甘い。そんなことだといつか足元をすくわれる(キリッ』とか」
するとフェイトは顔を赤くさせて大きな声を出す。
「あ、あのときはその、色々必死だったから!そ、それに私、キリッなんて言ってないよ!!」
「キリッとした顔はしてました」
「もう……知らない!」
フェイトは撫でる手をやめるとプイッとあさってのほうを向く。
やばい。
かわいすぎて死ねる。(至福)
とそんなフェイトに俺が癒されていると……
コンコン
扉をノックする音が。
「どうぞ~」
「失礼しまーす」
「失礼するんやったら帰って~」
「あ、どうもすみませんでした~……って違うよ!」
ノックをしてやってきたのはノリツッコミに定評のある女の子、高町なのはさんその人である。
その手には車イスがあった。
それにしても吉本新喜劇のネタは偉大だと思う。(確信)
「……なんで車イス?」
「ヒエン君、今筋肉痛で動けないでしょ?だから借りてきたの」
「あ、なるほど」
「これでクリスマスパーティーにいけるよ」
俺がクリスマスパーティーに参加することは絶対なんですね。
まあ、行くけどさ。
え?
勇気がなかったんじゃないのかって?
既に過去の話さ!Σb( `・ω・´)グッ
あ、でも皆に全部話すならあのことも話さないとダメだよな。
「なあ二人とも、魔法のこと話すなら異世界で戦ったことも話そうと思うんだけど、どう思う?」
「「異世界??」」
二人は首を傾げる。
って覚えてないんかい!?Σ(゜Д゜)
「ほら、イリヤとミユと一緒に黒化英霊と戦ったときの」
「ああ!」
「そういえば!」
「あれもまとめて話すぞ?……たぶん滅茶苦茶怒られると思うけど」
「私は大丈夫だけど……フェイトちゃんは?」
「私も別に大丈夫。むしろ話した方がスッキリすると思う」
「だな。じゃあ話すってことで」
そして俺はなのはが持ってきた車イスに乗ろうとするが……
「…………」
身体が痛くて動かせぬ。
「きゅ~」
するとそれに見かねたナハトが補助魔法フロータで俺を浮かせると、車イスにソッと優しく乗せてくれた。
「ありがとうナハト」
ナハトは俺の肩に飛び乗ると頬を擦り寄せてくる。
うむ。
可愛いやつよのう。
そして俺はなのはとフェイトに上着を着せてもらう(身体が筋肉痛でうまく動かせないから)と、車イスを押してもらい部屋を出る。
ちなみになのはが車イスを押し、フェイトが相棒とナハトを預かってくれている。
「で、二人とも今からどこいくの?」
「え?すずかちゃんの所だけど」
「なにそれ聞いてない」
「だってヒエン君今パジャマ姿でしょ?それに筋肉痛で一人じゃ着替えられないからノエルさんとファリンさんに手伝ってもらおうと思って」
「え?いやでも別にこのままでもよくね?」
「ダメだよー。せっかくのクリスマスパーティーなんだからおめかししないと」
「……リニスは?」
今度はフェイトが答える。
「リニスはリンディ提督と出掛けてて今はいないよ。後から来るみたいだけど」
「マジっすか……orz」
つまり退路は絶たれたという訳だ。
くそ!
身体さえ動けばああああぁぁぁ!!!!
「じゃあ行くよー」
そして俺はアースラから月村家へと向かったのだった。
◆◆◆
「…………」
そして月村家のある一室で俺は燃え尽きていた。
「似合ってますよヒエン様」
「カッコいいです~」
俺は今オシャレなパーティー用のスーツを着ていたいや、着させられた。
この二人のメイド、ノエルとファリンによって。
「はぁ……」
もうすぐ月村家でクリスマスパーティーが始まる。
というかその前に色々なことがあった。
────────
──────
────
俺が月村家に到着して待っていたのは……
なつかしき人々との再会であった。
桃子さんに士郎さん、恭也君に美由希さん。
そして……
父さんに母さん。
六人は俺の姿を見ると目を見開いて驚き、一目散に駆け寄ってきた。
特に母さんが一番早かった。
車イスに乗っている俺を落とさないように、けど力強く抱き締めてきた。
何度も「無事で良かった」と泣きながら呟いていたのは記憶に新しい。
だから俺は筋肉痛で痛む身体を我慢しながら言った。
「心配かけてごめん。それと……ただいま」
それを母さんは笑顔で返してくれた。
「おかえり」
と。
そしてそれらの感動の再会は当然周りから隠れながら見られていた。
俺達のやり取りを見守っていた女性陣は涙ぐんでいた。アリシアに至っては号泣である。
少しいや、かなり恥ずかしかった。
そこからはまあお察しの通り、「今まで何をしてたんだ!?」とか、「どうして連絡してこなかったんだ!?」とか男性陣が詰め寄ってきたのだが、高町家のヒエルラキートップ大魔王桃子さん、そして俺のウルトラ母さんによって黙らされていた。
アイアンクローで((((;゜Д゜)))
「じゃあヒエン君はあっちで避難してましょうね~」
「いきましょ~」
そして俺は男性陣が黙らされているときにすずかの母である月村春菜さんと、アリサの母であるジョディ・バニングスさんに連れられ避難させられたという訳である。
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──────
────
「ではヒエン様、そろそろ向かいましょう」
「もうそんな時間なのか?」
「はい。パーティー開始の時間が17時ですので」
時計を見ると時刻は17時を過ぎて既に30分となっていた。
俺はノエルに車イスを押され、会場となっている部屋へと向かう。
月村家の廊下を進んでいく。
大きな廊下は初めて月村家に来たときと代わり映えしていなかった。
そして一際大きな部屋につくと、ファリンが扉を開けてくれた。
中に入ると既に全員揃っていた。
高町家からは士郎さん、桃子さん、恭也君、美由希さん、なのはの五名。
バニングス家からはデビッドさん、ジョディさん、アリサ、執事の鮫島さんの四名。ちなみにデビッドさんはアリサの父親である。
月村家からは俊さん、春菜さん、忍さん、すずか、メイド姉妹のノエルとファリン、いとこの綺堂さくらさんの七名。ちなみに俊さんはすずかの父親である。
アースラからはリンディさん、クロノ、エイミィ、フェイト、アリシア、アルフ、リニス、ユーノ、オペレーターのランディとアレックスの十名。
さざなみ寮からはオーナーの槙原 耕介さん、その奥さんの愛さん、漫画家の仁村真雪さん、女子高生の陣内美緒さん、世界的歌手の椎名ゆうひさん、超能力者のリスティ・槙原さん、退魔師の神咲 薫さんに那美さん、精霊の十六夜さんと御架月さん、医師のフィリス・矢沢さん、妖狐の久遠の十二名。
八神家からははやて、リインフォース、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラの六名。
我が大空家からは父の
そして驚いたことにはやての担当医である石田先生までいたのだ。
まさかの合計四十八人という大人数である。
俺としては八神家は大丈夫なのか気になったのだが、リンディさんとクロノが監視という名のお目付け役となっているので問題ないらしい。
レティ提督が色々手を回してくれたのだ。
はやても入院は大丈夫なのか気になったが、この日のために石田先生とフィリス先生がしっかり調整してくれていたとのこと。
まさに完璧という訳である。
「あ、ヒエン君こっちこっち~」
俺に気付いたなのはが大きく手を振る。
なのはの周りにはフェイト、はやて、アリサ、すずか、アリシアの五名が固まっていた。
皆、各々色んな料理を食べていた。
バイキング形式らしく、自分の好きな料理を食べれるらしい。
しかし俺は両手が筋肉痛で動かせないので食べさせてもらうことになる。
そこで俺の車イスを押していたノエルが軽めの料理を持ってきてくれた。ファリンは飲み物だ。
この二人は今回の俺のお世話係らしい。
「どうぞヒエン様」
「わ、悪い」
俺はノエルに食べさせてもらい、味わう。
テラウマシ。
俺が料理を楽しんでいると、アリサとすずかがこちらに近寄ってきた。
「どう?パーティー楽しんでる?」
「おー。料理うまいな」
「ふふ。喜んでもらえて良かったです」
俺は料理に
そのときアリサが何やらこちらを観察するように見ていることに気付く。
「どうしたアリサ?俺の顔に何かついてるか?」
「あんたって……本当に魔法使いだったのね」
「ぶっ!」
アリサの言葉に俺は吹きそうになる。
「なに驚いてんのよ?私達もうなのは達からある程度の事情は聞いてるわよ?」
「え、マジで?」
「マジよ」
そこにすずかも入る。
「それにアリシアちゃんとフェイトちゃん、はやてちゃんも自分のこと教えてくれましたので」
「……マジで?」
「マジです」
俺はなのは達に視線を向ける。
「あの、そこのお嬢さん方?魔法のこともう皆に話してたの?」
俺の質問になのはが答える。
「えっと……うん。その、ヒエン君が着替え終わったころにはその……もう話し終わってたといいますか」
「え?早くね?」
俺、着替えるといってもせいぜい三十分ぐらいしか抜けてないんだけど。
それでもう話し終わってたと?
するとフェイトが答える。
「実はリンディ提督とクロノがここにいる皆に事前にある程度説明してくれてて」
「え、あ、うん。それは予想してたけど。それじゃああれか?俺の父さんと母さんももう事情知ってるってことでいいのか?」
ここではやてが答える。
「えっと、うん。ヒエン兄ちゃんのお父さんとお母さんも知ってはるよ。私も石田先生に説明したし、なのはちゃんも家族にしっかり説明してたよ」
なんかもう既に現場がクライマックスを迎えそうになっていた件について。
俺の昼間の葛藤は一体なんだったというのかorz
「まあとりあえず今は料理食べちゃいなさいよ。せっかくのクリスマスパーティーなんだから楽しまないと損よ?」
「お、おう」
とりあえず俺は料理に集中することにした。
◆◆◆
そして料理もある程度無くなった頃、俺は父さんと母さん、リニスの四人で話していた。
「……あのさ二人とも」
「どうしたのヒィ君?」
俺の様子に首を傾げながら母さんが聞いてくる。
「俺が今まで……魔法使いだって秘密にしてたことはもう?」
母さんは俺の質問に僅かに驚いた表情を見せるとそのまま話し始める。
「……知ってるよ。リンディさん達が教えてくれたの」
「今回のことも?」
今度は父さんが答える。
「ヒエンが関わっていたことも……既に知ってるよ」
それを聞いたとき、俺は思わず謝っていた。
「今まで秘密にしてて……ごめん」
そのときリニスも一緒になって頭を下げた。
「私もお二人にはもっと早く事情を説明しておくべきでした。本当に申し訳ございません」
だが両親二人は首を横に振る。
「顔を上げて二人とも。私達は別に怒ってないよ」
「そうだよ。逆に謝らなきゃいけないのは俺達の方だ。息子を二年も一人にしていたんだから」
「いや別にそれは……」
「すまなかったヒエン」
「ごめんねヒィ君」
俺は思わず黙りこむ。
「それと……良く頑張った」
「えらかったね」
そして二人に優しく頭を撫でられた。
「…………」
俺は身体が熱くなるのを感じ、顔を俯かせる。
いやこれ皆見てる前で頭撫でられるとか、滅茶苦茶恥ずかしいんですけど。
「リニスちゃんも」
「良く頑張ったね」
リニスも両親に頭を撫でられていた。
俺と同じく顔を赤くさせて俯いていた。
「「…………」」
俺とリニスが羞恥の時間を耐えていると、クロノが小声で話しかけてきた。
「家族の
「どうした?」
「なのは達からある程度聞いていると思うが、ここにいる全員君達の事情はもう知っている」
「ああ。聞いたよ」
「そこでだ。物は相談なんだが君には行方不明の期間中どこで何をしていたかここで説明してほしい」
「……え?」
今、物凄いこと言われた気がするんですが。
「すまん。良く聞こえなかった。もう一度いいか?」
「君には行方不明の期間中どこで何をしていたかここにいる皆に説明してほしい」
聞き間違いじゃなかった。
「……なんでさ?」
「ここにいる全員、君の事を本当に心配していたんだ。君には説明する義務があると思うが?」
「うぐぅ」
「それにここにいる人達はただ者じゃない人ばかりだ。もしものために協力者は増やしておいても損はないだろう?」
確かにここにいる人達はただ者しゃない人ばかりだ。
裏の世界に詳しい人達もいれば、大企業の社長さんだっている。
精霊に吸血鬼、妖狐に退魔師、超能力者ときて魔法少女もいる。
うん(゜-゜)(。_。)
もはやなんでもありだな。
っていうか今気付いたけど、行方不明期間中のことを話すってことは、必然的に俺がプリキュア(仮)にならならきゃいけなかったことも話さなきゃいけないんじゃないの?
「…………」
泣いていい?
「沈黙は肯定と取るぞ。じゃあさっそくあっちで軽く打ち合わせだ」
「いきなり!?」
「こういうのは早い方がいいだろう。では、行くぞ」
「うぉおおおい!!」
俺は抵抗する間もなく連れていかれた。
そして気がつけば前の方にいた。
「はぁ……」
覚悟を決めるしかないようだ。
「相棒、映像頼む」
口で話すのは大変だからな。
今までにあった映像を流して見てもらおう。
すると突如前方に巨大なモニターが現れると周囲がざわつく。
そこには俺が映っていた。
これは相棒目線で撮られている映像である。
そしてモニターに映っている俺は突如、発光する。
『はぁ!?』
『ガゥ!』
『くぅ!』
数秒後、俺は部屋から消えてしまった。
周囲がさらにざわつくが映像を続ける。
続いての映像は大きな大樹が映っている映像である。
そこではある少女達が戦っていた。
「「「え、えぇ!?」」」
アリサ、すずか、アリシアが驚く声をあげる。
そこではハートキャッチプリキュアの面々がこころの大樹を守るためにダークプリキュアと戦っていた。
だがプリキュアの面々は次第に追い詰められていく。
が、そこで俺が乱入する。
高速で激突する俺とダークプリキュア。
拳を何度か打ち合わせた俺達は互いに距離を取った。
『貴様……一体何者だ?』
『はぁ……はぁ……ただの……通りすがりの魔導師だよ』
俺達は少し話してから再度激突する。
そこから彼女達と協力しあい、力を合わせることになる。
『花よ舞い踊れ!プリキュア・ゴールドフォルテバースト!!』
『『集まれ二つの花の力よ!プリキュア・フローラルパワーフォルテッシモ!!』』
ドォオオオオオンンン!!!!!!
爆発音が響く。
彼女達の奮闘で俺達はなんとかダークプリキュアから逃れることに成功する。
そしてこの後、俺が行方不明中に何をしていたかが語られることとなる。
次回はダイジェストでもうちゃっちゃっとプリキュア編は振り返って終わると思います。
キュアヒートに関してはもちろん触れますがね(無慈悲
あと、キュアヒートの活躍の場はこれからもある予定なのでタマにチョイチョイ出していきます。
後日談もあと二話で終了予定です。
そこから幕間『月村家
では、また(・∀・)ノ