大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

今回はノエルさんとの模擬戦闘。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百四十五話 ノエルとの模擬戦闘

ヒエンside

 

 

 

「さあヒエン様、どこからでもかかってきてもらって結構ですよ」

 

 

今、俺は月村家にてノエルと向き合っていた。

 

なぜこんな状況に陥ってるのか、それは数日前にまで遡る。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

五家族合同旅行を終えた俺を待っていたのは、久しぶりの学校かと思われたのだがなぜか月村家の屋敷に呼び出されていた。

 

高町家を出た瞬間にノエルが目の前にいたときは思わず心臓が飛び出るかと思った。

 

そしてあれよあれよと言う間に、車に乗せられ月村家へと連れてこられてしまったのだ。

 

連れ去られるとき、一緒に家を出たなのはと美由希さんの空いた口が塞がらないような表情は今でも鮮明に思い出せる。

 

でも登校日に学校に行かずに別の場所に来るのってなんだか無性に悪いことをしている気分に駆られるよね。

 

そしてノエルに案内されて屋敷の中へ入ると、中には忍さんとさくらさん、ファリンがいた。

 

後、もう一人俺にとっては見知った顔の人物がいた。担任の唯ちゃん先生こと、鷹城唯子(たかしろゆいこ)先生がいらっしゃった。

 

 

「あ、来たわねヒエン君」

 

 

「おはよう」

 

 

「久しぶりヒエン君!」

 

 

「おはようございます。あと先生はお久しぶりです」

 

 

この唯ちゃん先生、俺と美由希さんの担任の先生であり、保健体育を教えている。

 

身長170cm後半もある長身とモデルのような体型をしていることから男子生徒に非常に人気がある。

 

それだけでなく天真爛漫で話しやすいことから女子生徒にも結構慕われている。

 

そのこともあって皆が親しみを込めて唯ちゃん先生と呼んでいるのだ。

 

実をいうとこの唯ちゃん先生、俺の前世であった恋愛アドベンチャーゲーム【とらいあんぐるハート】に出てくるヒロインの一人でもある。

 

ちなみに俺がそのことに気付いたのはジェルシードの件でさざなみ寮の人達と知り合ってからである。

 

気付かないのも仕方ない。

 

仕方ないったら仕方なかったのだ。

 

しかしなぜ唯ちゃん先生がここにいるのか。

 

貴方今日始業式やで?

 

 

「唯ちゃん先生、なんでここに?」

 

 

「私が呼んだの」

 

 

とここでさくらさんが一言。

 

ってかさくらさん、仕事の方はいいのだろうか?

 

もしかして……ニート?

 

 

「ヒエン君何か言いたいことがあるならハッキリ言ってもいいのよ?」

 

 

「ナ、ナンデモアリマセン」

 

 

さくらさんが黒い笑顔で言ってくる。

 

だからなんでこの世界の女性陣は俺の考えていることがすぐに分かるのか。

 

全く訳が分からないよ。

 

思わずどこぞの魔法少女生産生物QBと同じことを言ってしまったゼ(困惑

 

 

「貴方のことをマスコミがまだかぎ回っていてね?風芽丘学園の校門前でも結構な人数が張り込んでるから学園側としてもなんとかしなきゃいけない事態になったのよ」

 

 

「マジっすか」

 

 

なんかさらに滅茶苦茶大事になっている件について。

 

 

「というよりさくらさんはなぜその事をご存知で?」

 

 

「あら、知らなかった?私あの学園の理事長よ」

 

 

「……マジっすか」

 

 

そういえばさくらさんのお祖父さんが風芽丘学園の創始者だとかなんとか設定集で読んだことがあるような?

 

 

「で、今回貴方の担任でもある唯子先輩にも来てもらったの」

 

 

「あー、なるほど。ってかさくらさんって唯ちゃん先生の後輩だったんですね。で、俺はどうすればいいんです?」

 

 

「そこからは私が説明するわ」

 

 

そこで唯ちゃん先生が説明する。

 

 

「ヒエン君のことは職員会議でも議題に上がっていてね?どうするかずっと話し合っていたの。それで君の処遇が決まったから伝えるわね」

 

 

なんだかちょっと緊張するぞおい。

 

すると唯ちゃん先生は言った。

 

 

「ヒエン君には特別処置としてしばらく月村家で授業を受けてもらうことになりました」

 

 

「……はい?」

 

 

え?

月村家??

なんで???

 

 

「学校じゃなくて……ですか?」

 

 

「ええ、それには二つ理由があります。まず一つ目はマスコミ対策。貴方もずっと見張られてたら息が詰まるでしょ?」

 

 

「まあ、確かに」

 

 

「そしてこれが重要な二つ目の理由なんだけど……」

 

 

「…………」

 

 

「授業……ついてこれないでしょ?」

 

 

学校に行く以前の問題だった。

 

 

「まあヒエン君の場合、理由が理由だから仕方ないわ。だからここで元の授業ペースに追いつくまで個人的にノエルが教えることになったから」

 

 

ノエルに教わるのか。

まあノエルって博識だから全く問題ないと思うけど。

 

 

「いやまあ、はい。そう決まったんなら従いますけど……でもこれ大丈夫なんです?いくらなんでもイチ生徒に過ぎない俺を優遇しすぎじゃないです?」

 

 

「逆よヒエン君。私達は貴方にそれだけのことをしないといけないの。貴方は今、世間から注目を浴びている。当然、私達学園側もどういう対応をするのか注目されているわ。ここで杜撰(ずさん)な対応をしてしまえばマスコミに弱味を握られ世間に醜態をさらすことになる。私としてはそれだけは断固として避けたいの。お祖父様から受け継いだ大切な学園を守るためにも……ね」

 

 

「な、なるほど」

 

 

俺が思っているよりも学園運営というのは大変なのかもしれない。

 

変な噂が流れて入学希望者が減ってしまえば、下手をすれば廃校になってしまう恐れもあるからな。

 

そんなことになれば某ライブアニメのアイドルグループみたいに廃校阻止のためにスクールアイドルとして動き出さなきゃいけないじゃない。(すっとぼけ

 

ちなみに俺の押しはことりちゃんです。

 

俺は話を続ける。

 

 

「ふと気になったんですけどマスコミにはどう説明するんです?それに先生達も俺が月村家で学ぶことによく納得しましたね?」

 

 

「マスコミには学園で用意した心理カウンセラー兼講師の方の授業を受けるという旨を伝えるので大丈夫。先生達も貴方の事情は理解しているので了解も得ているわ。……私達の事情を知っている貴方だから言うけど、学園の教師のほとんどは【夜の一族】の者達、つまりは私達の協力者だから大丈夫よ」

 

 

さくらさんが軽くウィンクしながら、衝撃的なことを言ってのけた。

 

つまり風芽丘学園の教師のほとんどは、吸血鬼であったらしい。

 

マジか。

 

もう一度言おう。

 

マジか。

 

 

「それで()()()()()()()()()勉強してもらうからよろしくね」

 

 

「ちょっと待たんかい」

 

 

そしてついに我慢できなくなった俺は思わず突っ込んでいた。

 

 

「あんたさっきから何言ってんの!?マスコミの対応とか俺の授業の問題とかは別にいいとしても……何さも重要なことサラリと言ってんの!?学園の教師のほとんどが実は吸血鬼だったとかどう考えても軽めに言えるランクの話題じゃねーだろ!?っていうかなんで住み込み!?」

 

 

「よく一息で言えるわね」

 

 

「見事なツッコミ!」

 

 

「ボケもこなせてツッコミもこなせるとは……やるわね」

 

 

さくらさん、唯ちゃん先生、忍さんが三者三様のリアクションを取る。

 

その光景に俺は肩をガックリと落とす。

 

俺の様子を見ていたノエルとファリンのメイド姉妹は苦笑いをしていた。

 

それからさくらさんに、なぜ住み込みなのか聞くと月村家で匿った方が色々と都合が良いらしい。

 

マスコミも馬鹿ではないらしく、そろそろ俺のお世話になっている高町家の居場所も割り出してくるだろうとのこと。

 

そう言われたら反論できん。

 

そして忍さんからもある提案を受ける。

 

 

「ずっと勉強だけじゃ退屈でしょ?どう?私達の所で執事として働いてみない?もちろんお給金も出すわよ」

 

 

月村家でお世話になる俺としてもこのまま学ぶだけではいけないと思っていたので、この提案は俺にとって渡りに船だった。

 

ちなみにメイドとしてキュアヒートを提案してきたのだが、断固としてそれは拒否をした。(迫真

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

お世話になった高町家の面々にお礼を言ってから俺は月村家へと生活の場を移す。

 

そして新学期から始まった俺の勉強兼、執事見習い生活。

 

午前中は執事として働き、午後から学校の範囲で習うとされる科目を習う。

 

午前中にやらなければいけない仕事を全て終わらせることで、後は勉強に集中するのだ。

 

だが思った以上に執事の仕事とはやることが多い。

 

ファリンが付きっきりで指導してくれるのだが、正直覚え切れるか全く分からない。

 

まだやり始めたばかりだということで、「まずは全体的な流れを大まかに覚えてくれる感じでいいですから」と彼女は言ってくれた。

 

そして数日が過ぎたある日、忍さんからある話を切り出された。

 

 

「すずかの付き人……ですか?」

 

 

「ええ。全体の仕事も覚えてきたみたいだし、そろそろ次のステップに進ませようかってノエルと相談していたの」

 

 

それがすずかの付き人という訳か。

 

 

「それにもうすぐウチで新年パーティーを開くから、その関係でヒエン君にはファリンと一緒にすずかの側にいて欲しいのよ。面倒な輩があの子に近付いてくることもあるからね」

 

 

「大体分かりました。要はそんな奴らの虫除けとして役立てばいいんですね?」

 

 

「言い方はあれだけど概ねそんな感じかしら」

 

 

「分かりました」

 

 

「すずかには私の方から伝えておくから」

 

 

忍さんは俺の持ってきた紅茶を飲み、一息つく。

 

するとふと何か思い付いたのか話し出す。

 

 

「そういえばヒエン君、貴方インターミドルっていう大会に出るのよね?」

 

 

「ええ、まあ。今はゴタゴタしてるから基礎的な訓練しかしてませんけど、落ち着いたら大会に向けて本格的に動き始めるつもりです」

 

 

「だったら腕試しとしてノエルと戦ってみない?」

 

 

「はい?」

 

 

いきなり何を言い出すのかこの吸血鬼(笑)は?

 

 

「貴方が並行世界で戦ってる映像を見てから魔法ってものに興味があったのよね。それにデバイスっていうの?なのはちゃんや、フェイトちゃんの物を見せてもらってから知的好奇心が止まらないのよ!」

 

 

「つまりはあれですか。ノエルと戦わせることで魔法を使わせデータ収集しつつ、可能であればデバイスの解析もしてみたいと」

 

 

「うっ……」

 

 

俺が半目で睨みつつ、忍さんの裏に潜んでいる言葉を読み取る。

 

言葉に詰まったということはその通りだったらしい。

 

 

「はあぁー」

 

 

俺は溜め息をつく。

 

忍さんのことだ。

 

知的好奇心で聞いてることは確かだろう。

 

俺達を利用しようなんて考えは微塵もないはずだ。

 

それにこれはある意味、この人を管理局(こちら)側へ引き込むチャンスかもしれない。

 

忍さんは自動人形であるノエルやファリンのメンテナンスができるほどの天才だ。

 

だとすれば……

 

知識をつければ、なのは達のデバイスもさらに強化してくれるかもしれない。

 

それだけじゃない。

 

更なる既存の発想を超えるようなデバイスを作ってくれるかもしれない。

 

俺達の力になってくれることは間違いないだろう。

 

 

「いいでしょう。忍さんにデバイスや魔法の知識を教えます。ですが俺もまだまだ勉強中なので基礎的な知識でよければ……ですが」

 

 

「ホント!?ありがとうー!!」

 

 

すると忍さんはテンションが上がったのか俺に抱きついてきた。

 

非常に柔らかかったとだけ言っておこう。

 

 

 

 

 

閑話休題(そんなこんなで)

 

 

 

 

 

 

模擬戦闘は少し後にやるとのことなので、一足先に俺は中庭にやってきた。

 

そしてあることをしていた。

 

それは月村家に仕掛けられている罠の解除だ。

 

月村家は豪邸であるため侵入者も多い。

 

そのため侵入者迎撃用の装置が庭の所々に仕掛けられている。

 

落とし穴や鉄球、まきびし、投網は当たり前。

 

中にはマシンガンやガトリングガンまである始末だ(中身はゴム弾)。

 

どこの要塞だと思わなくもないが、月村家は海鳴市を裏で牛耳る存在だ。

 

そのため狙われることも多いのだろう。

 

普段お昼の時間帯はトラップは作動しないようになっているのだが、万が一のこともあるので電源を切っておく。

 

勝負中にトラップでやられるとかカッコ悪くて死ねる。

 

そしてトラップの解除が終わると同時にノエルがやって来た。

 

その後ろにはすずかとファリンの姿もあった。

 

 

「お待たせしましたヒエン様」

 

 

「大丈夫だよ。俺も数分前に来たばかりだから」

 

 

するとノエルが気付く。

 

 

「庭に設置されているトラップは……電源を切ったのですね」

 

 

「ああ、ついさっきな」

 

 

そして準備を進めていく。

 

準備運動をして身体を軽くほぐす。

 

ノエルはというとジッとこちらを見ていた。

 

そして体操を終わらせた俺は起動詠唱(ワード)を唱える。

 

 

「セットアップ、スピリットフォーム改」

 

 

俺はセットアップを済ませる。

 

格好は前と違い少し変化している。

 

まず黒いジャケットをなくし、カッターシャツと黒いベスト、黒いネクタイと少し身軽になった。

 

ナハトが俺の戦闘データを解析してバリアジャケットの改良をしてくれているので防御能力自体は飛躍的に向上している。

 

それだけでなく既にフルドライブのフルパワー形態であるため、攻撃能力も前回のに比べて格段に向上している。

 

籠手の方も少し改良を加え機能を向上させ、死炎の籠手(ヒート・グローブ)改として装備を一新した。

 

格好のイメージとしては、ヴァリアー編のツナをイメージしてもらえれば分かりやすいと思う。

 

そして死ぬ気モードとなり、額に炎を灯す。

 

俺の変わる姿を間近で見ていた皆は、少なくないリアクションを取っていた。

 

 

「……タイミングは貴方達に任せるわ」

 

 

いつの間にか見学に来ていた忍さんが話す。

 

見れば忍さんの隣にはさくらさんもいたのだが、その側には()()()()()()()()がいた。

 

まあその中の一人は俺の担任の唯ちゃん先生なのだが。

 

ノエルの両腕からブレードが展開される。

 

俺もグローブに炎を灯し、構える。

 

両者共に準備が完了する。

 

 

「さあヒエン様、どこからでもかかってきてもらって結構ですよ」

 

 

「じゃあ遠慮なく」

 

 

そして俺達は激突した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

ノエルは戦闘用の自動人形、アンドロイドである。

 

だがその戦闘力は未知数である。

 

なのでまずは様子見としてこちらから攻めることにした。

 

 

 

ドンッ!!

 

 

 

俺は両手から炎を噴射させるとノエルに肉迫する。

 

炎を纏ったパンチを彼女の顔に放つが回避される。

 

俺はそのまま高速で攻めていくが、彼女は軽やかにかわしていく。

 

それに気のせいでなければ動きが段々と鋭くなっている気がする。

 

 

(これはまさか……)

 

 

「フッ!」

 

 

俺は戦闘パターンを変えて攻める。

 

今度は彼女の後ろに回り込み、回し蹴りを放つ。

 

ノエルは咄嗟にしゃがみかわすが、それを見越していた俺は跳躍するとその場で一回転し、踵落としを彼女の後頭部へと放つ。

 

だがそれを彼女は、後ろ向きのまま腕を真上にあげクロスガードで受け止めた。

 

 

 

ドガンッッ!!

 

 

 

俺の攻撃を受け止めた彼女の足場は少し陥没する。

 

その際に周囲に衝撃波のようなものが発生し、木々が揺れた。

 

 

「データ収集完了」

 

 

ノエルはそう呟くと、俺を勢いよく弾き飛ばす。

 

後方に吹き飛ばされるように着地した俺はすぐに前に向き直るが……

 

 

「ぐっ!?」

 

 

既に目の前にノエルが肉迫していた。

 

ノエルの放たれるブレードをグローブで受け止める。

 

 

 

ガキンッ!!!!!!

 

 

 

甲高い音が周囲に響く。

 

俺はノエルの予想以上のパワーに驚いていた。

 

 

(腕が少し痺れる……なんて力の強さだ)

 

 

そこから連続で斬りかかられるがなんとか捌いていく。

 

だが普段と違い、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

(超直感が……反応しない……っ!?)

 

 

そう。

超直感がうまく反応しないのだ。

 

いつもなら相手の動きに合わせて身体が勝手に反応してくれるのに、今回は全く反応しない。

 

だがその原因なら既に見当はついている。

 

超直感にも弱点はある。

 

それが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことだ。

 

超直感は簡単に言えば物事を感じ取る力だ。

 

俺は普段相手と戦うとき、相手の動きを感じ取りながら戦っている。

 

生身の人間だからこそ見せる動きや考えの予兆というものがある。

 

それを感じ取ることで、俺は今まで格上の相手とも相対することができたのだ。

 

だが相手は機械……

 

アンドロイド、自動人形のノエルだ。

 

俺とは根本的に相性が悪い。

 

 

「くっ……」

 

 

俺は態勢を立て直すために炎を目隠しのように前方に放つ。

 

そしてノエルから少し離れるが彼女は俺の動きを予測していたのか、俺の後方に既に回り込んでいた。

 

そしてブレードが横一線に振るわれる。

 

 

「なにっ!?」

 

 

思わず声を荒げる俺だが、グローブから勢いよく炎を噴射することでブレードを回避する。

 

だが彼女は俺の動きを読んでいるのか左手をこちらに向ける。

 

 

「カートリッジロード……フルバースト……ファイエル!」

 

 

なんと彼女の左手が飛んできたのだ。

 

まさかのロケットパンチである。

 

俺は思わずブリッツアクションを発動させて緊急回避する。

 

だが俺の後を追随するように左手は追いかけてきた。

 

再度回避するが、地面にいるノエルが今度は右手を向ける。

 

すると彼女の右手は変形し、ガトリング砲が現れた。

 

 

「マジか!?」

 

 

 

ドドドドドドドッッッッッ!!!!!!

 

 

 

俺は両手から炎を噴射し、ブースターのようにして高速で飛び回る。

 

そんななか俺は状況を分析する。

 

 

(……やはり間違いない。こちらの動きが完全に読まれている)

 

 

恐らくだがノエルは俺の動きを予測しながら攻撃している。

 

そう考えると次々と先手を打たれるのにも納得である。

 

俺は思考を続ける。

 

 

(ノエルに勝つためには……彼女の予測をも超える動きを見せるしかない)

 

 

俺は地面から撃たれる銃弾をノエルから距離を取りながら回避していく。

 

だが俺は忘れていた。

 

ロケットパンチの存在を。

 

 

「ぐおっ!?」

 

 

突如後方から強烈な衝撃が来たと思ったら、そのまま俺は地面へと吹き飛ばされてしまった。

 

俺は受け身を取り、地面への激突だけは回避する。

 

するとノエルが再びブレードを両手にこちらに高速で近寄って来ていた。

 

俺は()()()地面に手をつくと氷を展開させる。

 

ノエルは氷に足をとられ姿勢を崩した。

 

 

(ここだ!)

 

 

俺はその隙を見逃さず、形態変化を使いノエルにビッグバンアクセルを叩き込んだ。

 

彼女はそのまま吹き飛び、壁へと激突した。

 

 

 

ドガァアアアアンン!!!!!!

 

 

 

「やったか……?」

 

 

煙が晴れると彼女はどこか故障でもしているのか脇腹の辺りを押さえながら座り込んでいた。

 

すると小さな呟きが聞こえた。

 

 

「……参りました。降参です」

 

 

「は、ははは……」

 

 

俺はついその場に座り込む。

 

決着がついて安心したからか死ぬ気モードまで自動的に解けてしまった。

 

こうして模擬戦闘は俺の勝利で決着がついた。

 

 

 

 

 

 

余談ではあるが、ギャラリーの皆は俺とノエルとのあまりの予想を超えた模擬戦闘に言葉をなくしていたらしい。

 

皆さん曰く、軽い組み手だけだと思っていたそうな。

 

俺だってそう思ってたよ。

 

でもなんかやり始めたら二人ともマジになってたんだよ。

 

その後、二人揃って怒られたのは言うまでもない。

 




次回、新年パーティー。

すずかの付き人として参加する主人公。

だがそんなときある一人の男がすずかに話し掛けてくる。

その男は氷村遊と名乗る男だった。

では、また(・∀・)ノ

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