大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

今回は新年パーティー開始。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百四十六話 新年パーティー

ヒエンside

 

 

 

ノエルとの模擬戦闘の後、俺は新たに二人の人物と知り合った。

 

一人目が身長160cm前半の小柄な男性、相川真一郎(あいかわしんいちろう)さん、二人目が身長140cm前半のさらに小柄な女性、野々村小鳥(ののむらことり)さんである。

 

はい。

完全に【とらいあんぐるハート】の主人公さんと、そのヒロインさんです。本当にありがとうございます。

 

なぜ二人が一緒なのかというと、二人はさくらさんと唯ちゃん先生が呼んでいたらしく、今度参加する新年パーティーの打ち合わせをしに月村家にやってきたそうな。

 

そこに俺とノエルが模擬戦闘をすると忍さんから聞いたさくらさんが面白そうということで唯ちゃん先生と一緒に真一郎さん、小鳥さんを連れて見にやってきたのだ。

 

だが軽い組み手かなと思い見学に来たはいいものの、ふたを開けてみればノエルは両腕からブレードを展開し、俺は姿が変わり額から炎を出す始末。

 

挙げ句の果てには俺は空を飛び、高速で動き回り、ノエルはロケットパンチやガトリング砲まで出してしまう。

 

とてもイメージしてた組み手とは違ったものになったのである。

 

そのうえ模擬戦闘とはいえ俺がノエルに勝ってしまったというのも問題だった。

 

自動人形に勝つのは吸血鬼である【夜の一族】でも容易ではないらしく、そのノエルに勝った俺は前代未聞らしい。

 

いやまあうん。

今までの戦いで人外染みた奴らや、摩訶不思議な奴らと戦うのは慣れてるし。最近じゃ宇宙人と戦ったことがあると言ったら……

 

 

「「君(貴方)は一体普段どんな私生活を送ってる(の)んだ!?」」

 

 

と、知り合ったばかりの真一郎さんと小鳥さんにまで突っ込まれる始末である。

 

解せぬ。

 

俺の事情を知ってる忍さんとさくらさんはどこか遠い目をしていた。

 

なんだかとても失敬な気がする。

 

すると一人取り残されていた唯ちゃん先生が再起動すると……

 

 

「え?え?どういうことなのヒエン君!?」

 

 

と取り乱したので俺は簡潔に述べた。

 

 

「俺、実は魔導師、魔法使いなんですよ」

 

 

そんな俺の一言を他所に唯ちゃん先生、真一郎さん、小鳥さんは絶叫をあげた。

 

まあ論より証拠ということで俺は変身魔法を使い黒猫に変身した。

 

だが大きさは相変わらず相棒よりも少し小さかった。

 

今気付いたけど、これどう見ても黒猫レベルちゃう。

 

黒猫の赤ちゃんレベルや。

 

 

「カモン!相棒、ナハト、久遠!!」

 

 

「ガゥ!」

 

 

「きゅー!」

 

 

「く~!」

 

 

俺は心の中から相棒とナハトの分身体を呼び出し、久遠は最近やっと使えるようになった召喚魔法で呼び寄せる。

 

小動物四匹が集まった。

 

俺は三匹の前方に立ち、身長を比べてみる。

 

そして見事に惨敗した。

 

四つん這いになり落ち込む俺。

 

相棒はともかくナハトと久遠にまで負けてるのはショックだった。

 

下手したら小ライオンズ並、それ以下かもしれない。

 

そもそも変身魔法は意外と難しい。

 

他の人にもなろうと思えばなれる。

 

原作でもリーゼ姉妹がなのはとフェイトに変身していたし。

 

変身魔法に一番重要なのはイメージである。

 

イメージ通りに思い浮かべれば成功する確率は高い。

 

だが逆にイメージが確立できなければだいたい失敗する。

 

だからこればっかりは何度も練習して慣れるしかない。

 

俺はまずユーノのように動物に変身できるようになろうと思い、黒猫を思い浮かべている。

 

しかし魔力コントロールがうまくいかないのか、どうしても黒猫の赤ちゃんレベルになってしまうのだ。

 

 

「っは!」

 

 

するといつの間にか様子を見ていた女性陣に囲まれていた。

 

その目はキラキラと輝いていた。

 

しゃーないからモフモフさせてやった。

 

あ、ちなみに真一郎さんと小鳥さんは俺のことを知っていた。まあ今まさにワイドショーで騒がれてるしね。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

「いくのだ、すずか号」

 

 

「は~い」

 

 

俺は現在すずかの頭の上に座りながら月村家を移動していた。

 

相棒は真一郎さんの頭の上、ナハトは唯ちゃん先生の頭の上、久遠は小鳥さんの頭の上に乗っていた。

 

人の頭の上ってなんかいいよね。

 

ちょっとワクワクするっていうか、今ならユーノがフェレット形態でよく俺の頭の上に乗って来た気持ちが分かる気がする。

 

そしてある部屋にたどりつくと皆が椅子に座り、視線を俺の方へと向けてくる。

 

そこで俺はすずかの頭の上に立ちながら三人に説明した。

 

自分が魔導師という存在であること、魔法やデバイス、この世界のことについて簡単に説明した。

 

三人とも驚いていたがすぐに受け入れた。

 

元々夜の一族についても知っていたようで、さざなみ寮の人達とも面識はあったらしい。

 

さらにこの世界には超能力が使えるようになる病気、HGSが認知されている。

 

その関係もあってすぐに受け入れることができたのである。

 

しかし俺としては、小鳥さんの背の大きさの方が不思議で仕方がない。

 

身長が小学三年生のなのは達とそう変わらないのである。

 

話を聞けば小鳥さんはOLをしているらしく、真一郎さんと結婚を前提に付き合っているとのこと。

 

その話を聞いて「合法ロリ……だと」と呟いてしまった俺は悪くないと思う。

 

案の定、その呟きを聞いたすずかに両手で捕まれ笑顔で迫られたのは怖かったけど(震え声

 

しかしこの世界では真一郎さんは小鳥さんとくっついたようだ。

 

リア充爆発すればいい。

 

そこからは場の空気を和ますための俺の宴会芸が火を吹いた。

 

皆の反応としてはなかなかの好感触であった。

 

特に黒猫のままで空を飛び回り、アクロバティックな動きを見せたときは拍手をもらえた。

 

ちなみにナハトと久遠はこのときが初対面であった。

 

両者共に人見知りのため時間はかかったが、お互い女の子同士ということもあって仲良くなるのにそう時間はかからなかった。

 

その日はそれで解散となった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

数日後……

 

一月某日……

 

この日は月村家の屋敷にて新年パーティーが開かれる。

 

これは毎年開かれているものらしく、大富豪や政治家、芸能人、有名なスポーツ選手など大物達が参加する大きなパーティーとなっている。

 

招待されているお客様が多く来るため、当然それ相応のふさわしい格好もしなければならない。

 

ちなみになのは達もこのパーティーに呼ばれているらしく、昼から参加するそうだ。

 

そして俺はというと……

 

 

 

現在すずかを起こしに部屋までやってきていた。

 

 

「おはようございます、すずかお嬢様」

 

 

「おはようございますヒエンさん」

 

 

すずかは挨拶を返す。

 

その側では藍色のミニッツ、アイッツが眠っていた。

 

すずかはアイッツに毛布を静かに被せるとソッとベッドから降りた。

 

それにしてもベッドでかくね?

 

高級ホテルにあるやつよりも大きい気がするぞ。

 

するとすずかが何やら神妙そうな顔でこちらを見ていた。

 

どうしたん?

 

 

「あの、敬語だと変な感じがするので普段と同じように話してもらえませんか?」

 

 

「そうか?」

 

 

そんなに変か?

 

 

「いえ、その……いつも普通に話して下さるので敬語だと違和感を感じて……」

 

 

「あー……なるほど。じゃあ二人の時はいつも通りで話すよ。流石に人前では敬語でいくけど」

 

 

「はい。それでお願いします」

 

 

そして俺はすずかに朝食の準備ができていることを伝えると扉の前で待機しておく。

 

すずかが着替え終わるまで待たなければならないのだ。

 

執事ですから(キリッ

 

少し暇なので相棒を呼び、お喋りする。

 

 

「なあ相棒」

 

 

「ガゥ?」

 

 

「ずっと思ってたんだけどさ、夜の一族っていう吸血鬼一族の名前……卑猥(ひわい)じゃね?」

 

 

「ガァウ……」

 

 

「こいつはまた何を言い出すんだ……みたいな空気感出さないで。分かってるから。自分でもアホみたいなこと言ってるって分かってるから。でもさ、思わね?なんか街中にあるラブホテルみたいな名前だなって」

 

 

「ガォ」

 

 

「だよな。そう思うよな。そこはさ、もうちょっとネーミング凝ればいいのにって思うよな。夜の一族って名前なら、他にも朝の一族とか、昼の一族とかあるのかよって話になるしな」

 

 

「ガゥ」

 

 

「本人達を目の前にそれは言わない方がいいと思うって?言わないよ。それはそうと最近すずかの付き人してて思ったんだけどさ、すずかって将来……絶対小悪魔になると思うんだ」

 

 

「……ガウゥ」

 

 

「どうした相棒?急に黙って。いやだってね?さくらさんといい、忍さんといい容姿に優れてるし美人だろ?ということはその血を引いてるすずかも将来無数の男を誘惑して引っ掛けそうな気がする訳よ。それも無自覚に」

 

 

「……どうしてそう思うんですか?」

 

 

「え?だってあの子、控えめそうに見えて実は独占欲強いタイプよ?清純そうに見えて実は嫉妬深いタイプよ?そういうタイプって一途な子が多いからな。男って単純だからそういう女の子に弱いのよ。それにあの子自体、結構イイ性格してるし。結構笑顔で毒吐くし。そのギャップでやられる男は多いだろうな。以上のことから言える。あの子は将来絶対に!無数の男を手玉に取ると!!」

 

 

「……ヒエンさん私のことずっとそんな風に思ってたんですか」

 

 

そのとき超直感が警報器を鳴らしたかのように頭の中に鳴り響く。

 

俺は現状を理解したと同時に後悔した。

 

またやってしまったと。

 

どうやら俺は話に夢中になると余計な一言を言ってしまうことがあるようで、それが原因で何回もOHANASHIになったことがある。

 

見れば部屋からは着替えたのか、すずかが薄いピンクのスカートに、空色のシャツに、薄い紫のブラウスを着ていた。

 

 

「す、すずかお嬢様……よ、よくお似合いで」

 

 

「ありがとうございます。じゃヒエンさん、一緒に行きましょうか♪」

 

 

するとすずかは笑顔(もちろん目は笑ってない)で俺の手を取ると一緒に歩いていく。

 

普段の彼女ならば絶対にしない行動なのが逆に怖い。

 

それに力も絶妙に加減されてるのか片手での拘束がうますぎて抜け出せないっていう。

 

というかいつの間にか相棒が消えている。

 

野郎逃げやがったな!?

 

彼女は歩きながら言う。

 

 

「さっきヒエンさんが言ってた話、詳しく聞かせて下さいね?」

 

 

「……もしかして最初から全部聞いてた?」

 

 

「それはもう。あと知ってました?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

「え?」

 

 

ちょっと待て。

 

ということは、俺の話はもしかして……

 

 

「つまり……()()()()()()()()()()()()()()()と思いますよ?」

 

 

「oh……」

 

 

そのあと朝食を取りながら月村家女性陣にこってりと絞られた。

 

 

 

 

 

 

閑話休題(数時間後)

 

 

 

 

 

 

俺はすずかの付き人、執事として新年パーティーに参加していた。一応、眼鏡をかけて簡易的に変装している。

 

すずかは薄い紫色のドレスに着がえ、髪型をポニーテールにしている。

 

その影響か少し大人っぽく見えた。

 

彼女は母親の春奈さん、父親の俊さんと共に挨拶回りに回っていた。

 

お二人とも月村家の経営する月村重工のツートップなので挨拶回りは重要な仕事なのだ。

 

忍さんはというと、さくらさんと共に夜の一族の重要人物なのか、その人達に話しかけられており、笑顔で対応していた。

 

その側には婚約者である恭也君がいた。

 

それだけでなく、さくらさんの側には美由希さんもついていた。

 

二人は厳しい顔をしながら周囲に気を配っていた。

 

どこか警戒している様にも思える。

 

もしかしたら二人のボディーガードをしているのかもしれない。

 

 

(そういえば屋敷の警護も厳重だったな……)

 

 

さくらさんの話に寄れば月村家の警護は知り合いの忍者に頼んでいるらしい。

 

なんでも日本の忍者は国家認定資格を有しているそうな。

 

正式には総合諜報・戦技資格と言う。

 

さくらさんの知り合いの忍者は超人的な運動神経があるそうで、100mを11秒で走る走力を持ち、クルミも3個握りつぶせるほどの握力、多人数を同時に相手にできるほどの格闘能力などを持つらしい。

 

それにどこにでも潜入できるようにありとあらゆる資格を持ち、様々な乗り物の免許も持っている。

 

まさに万能の職業らしい。

 

 

(念のために俺も死ぬ気化しておくか……)

 

 

俺も周囲に注意しつつ、できるだけすずかの側にいるようにしておく。

 

すずかは側にいるファリンと楽しそうに話していた。

 

だが彼女は一度アリサと共に誘拐されている。

 

もしかしたらまた彼女を狙う輩がどこかにいるかもしれない。

 

まあアリサの周りにはなのは達がいるだろうし、側には鮫島さんが控えている。

 

心配はいらないだろう。

 

それよりもこの会場のどこかにいるなのは達を探してみるか。

 

友達と一緒にいる方がすずかも落ち着くだろうし。

 

 

「ん?」

 

 

そのとき俺はどこからか()()()()()()()()()()ことに気付く。

 

周囲をそれとなく確認してみるが、人が多く断定できそうにない。

 

だが一人の男がこちらにゆっくりと歩み寄ってくる。

 

その男は真っ直ぐに()()()()()()と向かっていた。

 

すずかもその男の存在に気付いたのか、一瞬表情を強張らせるとこちらを不安そうに見上げる。

 

俺はすずかの頭にポンと手を優しく置くと、彼女の耳に顔を近付け小声で伝えた。

 

 

「できるだけ相手から見えないように、俺の後ろにいろよ」

 

 

「は、はい」

 

 

そして俺は男とすずかの間に割り込むように身体を滑らせた。

 

 

「……なんだ君は」

 

 

「いえ、すずかお嬢様に何か用がおありでしたら私が承りますが」

 

 

男は茶髪で痩せ型の美男子であった。

 

見ればホストででも働いてそうな風貌であった。

 

 

「……君、少し無礼ではないかな。僕はそこにいる月村家のご令嬢に挨拶に来ただけだよ」

 

 

「誠に恐縮なのですが……すずかお嬢様は少々体調が優れませんので、代わりに私が受けさせていただきます」

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

俺と男のにらみ合いが続く。

 

するとそこで声をかけてきたのは意外にもすずかであった。

 

 

「ヒエンさん、私は大丈夫です。ありがとうございます」

 

 

すずかは俺の隣に立つと、男に名乗る。

 

 

「初めまして。私は月村家次女、月村すずかと申します。よろしくお願い致します」

 

 

「これはご丁寧に。僕は氷村家当主、氷村遊。貴方の伯父に当たる。以後よろしく」

 

 

俺は男の名前を聞いたとき、目を見開いた。

 

 

 

氷村遊(ひむらゆう)

 

 

 

とらいあんぐるハートに出てくる悪役のような男である。

 

その正体は、夜の一族の純血の吸血鬼であり、さくらさんの義理の兄でもある。

 

この男は自分が吸血鬼であることを誇りに思っており、その影響か人間を下等生物、劣等種、家畜と蔑んでいる。

 

性格は傲慢かつ残忍であり、女性のことを性奴隷としてしか見ておらず、その証拠にとらハでは夜の一族の能力を使って洗脳し、何人もの女子生徒に手を出した下衆野郎である。

 

だがこいつは確かゲームの最後では洗脳が解けた女の子達にボコボコにされるんだが……

 

この世界での奴の立ち位置はどうなっているのだろう。

 

すずかに話しかけてきたということは何か目的があるのだろうが……

 

 

「すずか嬢、さくらの奴に伝言をお願いできないかな?僕はこの後、やらなければならないことがあってね」

 

 

「はい。なんでしょうか?」

 

 

「サプライズを用意しておいたから楽しんでくれたまえ……と。じゃあ頼んだよ。おい、いくぞ」

 

 

すると()()()()()()氷村の後ろには金髪の女性が立っており、こちらに頭を下げると奴と一緒に去っていった。

 

それを俺達は静かに見送るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その十数分後……

 

月村家は炎に包まれていた。

 




次回はなぜ炎に包まれているのか?

その原因は?

では、また(・∀・)ノ

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