外伝続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
俺達がスタジオへ行くと、人で溢れていた。
イスに座っている観客、収録の準備をしているスタッフ、今回の企画の参加者達など……まるでお祭りのようであった。
そして俺達は番組のプロデューサーに挨拶した後、二手に別れる事となった。
騎士カリムは用意されたゲスト用の席に、俺とシスターシャッハは数字の書いたバッジを受け取ると観客席へと座る。
ちなみにシスターシャッハの番号は488、俺の番号は80である。
この番組は、お昼の時間帯に流れているバラエティ番組であり生放送されている。
ミッドチルダでは結構人気らしく、視聴率も高いそうな。
俺自身、あんまりミッドの番組は見ないから分からないが。
そして他のゲスト達もどんどんとスタジオ入りしていくと、いよいよ放送時間が迫ってきた。
司会者もスタンバイが完了すると、放送開始時刻となり、遂に番組がスタートした。
ミッドチルダでも有名なキャスターが司会を進行していく。
そしてゲスト紹介へと移り、騎士カリムの紹介がされると、観客席が一段と盛り上がる。
彼女はそこらのアイドルよりも容姿が優れているし、オマケに愛想もいい。
人気がない訳がなかった。
続けて番組の内容説明に移る。
簡単に説明すると、番組に募集した挑戦者50人が賞金を目指して、用意された四つのステージを制限時間内にクリアするというもの。
そして、そのステージにある様々なミッションや謎解きもしなくてはならない。
当然、ミッションや謎解きをしている最中も制限時間は刻一刻と迫るし、それらをクリアしなければ先には進めない。
中々に攻略度が高い番組である。
ちなみに、肉体強化や魔力付与といった類の技は使用禁止であり、素の身体能力だけでクリアしなくてはならない。
すると、ここで驚きの情報が知らされる。
なんと観客からの飛び入り参加も可能らしく、くじ引きで選ばれた5人がステージ攻略に挑む事が出来るのだ。
だから番号の書いたバッジが配られていたのかと納得していると、のんきに見学していた俺に最大の衝撃が襲う。
なんと、その5人の中に俺も選ばれてしまったのだ。
「なんでさ……」
俺は思わず呟く。
つい助けを求めて騎士カリムとシスターシャッハの二人に念話を送るが、なぜか笑顔で却下された。
解せぬ。
予想外の事が起こったが、いよいよステージの攻略が始まった。
1stステージは挑戦者のあらゆる実力が試される関所であり、50人プラス5人の合計55人が挑戦することになる最初のステージ。
ここをクリアするだけでも、人並み以上の身体能力が必要になる。
俺の順番が回ってくるまでまだ時間はあったので、攻略を見学していると失敗する人は多かったが、クリアしている人達もチラホラいた。
なんとなく前世で見ていたSAS〇KEを思い出す。
ぶっちゃけ落ち着いてやれば、クリア出来ない訳ではない。
そしていよいよ俺の番が回ってきた。
制限時間は90秒。
最初のステージだからか、ミッションや謎解きはない。
つまり純粋な時間との勝負。
開始の合図がされると、俺は死ぬ気化して勢いよくスタートを切った。
◆◆◆
最初のコースは真ん中に軸が通った鈍角三角形のシーソーを渡る。
モタモタしているとシーソーが傾いて落ちてしまうのでさっさと渡る。
続けてのコースは、丸いローラーのような道がゆっくり回りながら、左右から大きな丸太が四つ設置されている。
左右から迫る丸太に注意しながら、ローラーに足を取られないようにタイミングを計って一気に渡り切る。
こう見えても体幹はしっかりしているのでこの程度のコース、わけはない。
続いてのコースは斜めになっている足場を走り、回転する棒に飛びつく。
難易度としてはそこまでではないので、楽々クリアする。
次のコースは反時計回りに電動で回転する2つのオブジェクトを渡っていく。
回るスピードが違うので渡る時は少し足を取られそうになったが、すぐに立て直して大股に移動しながらクリアする。
続けてのコースはトランポリンが設置されており、その先には二本のバーがあった。
このコースは、トランポリンでジャンプすると一本目のバーを掴んでレールを滑り降り、その後二本目のバーに飛び移り、再びレールを滑降。
そこから更に足場に着地する必要がある。
最初のバーの下りで強烈なGがかかる上、そこから二本目に即座に飛び移らなければならない。
中々、難易度の高いコースである。
だが、こんなものリニスの鬼畜トレーニングに比べれば屁でもない。
断崖絶壁の崖を登るよりは断然マシだ。
俺はトランポリンに飛び降りると、そこからマリオの如く大ジャンプ。
一本目のバーを掴むと、そのままレールを滑り降り、一気に二本目に跳び移る。
そしてタイミングを計って足場へ無事着地する事に成功する。
パルクールと体幹トレーニングをしといてマジで良かったと思った瞬間である。
続いてコースは、三つの設置された小壁を押していくというもの。
確か事前の説明では、手前から240kg、300kg、320kgの計860kgの小壁を押し進んでいかなければならない。
俺は全身の力を入れて、ゆっくりと小壁を押し出していく。
「パワーぁあ!!」
なかやまきん◯君のような掛け声をあげながら、一気に押していく。
自慢ではないが、俺の素の身体能力はオリンピックにも出れるレベルだと自負している。
この程度、押し出す事など造作もないわ!
そして押した後、小壁を登ると最後のコースへと足を進める。
1stステージの難所エリア。
実力者の行く手を阻む最大屈指の壁。
俺の目の前には数多の出場者のゴールを遮ってきた反り立つ壁があった。
これをクリアするには、反り立った斜面を駆け上がって天辺を掴まなければならない。
垂直跳びをイメージさせるエリアだ。
俺は深呼吸してから気合を入れる。
「スゥー……フゥー……死ぬ気でクリアする!!」
俺は勢いよく駆け上がって、壁の天辺で体を反転させてバックフリップしながら登りきった。
制限時間を見ればまだ50秒以上は残っていた。
そして俺はゴールに設置されているボタンを押し、余裕を持ってクリアした。
それから続けて2ndステージ、3rdステージもクリアしていく。
そこまで行くと、謎解きやミッションまで増えていくため難易度もどんどんと上がっていく。
特に辛かったのは、ミッションでの女性を喜ばせるシチュエーション3選である。
日常でのふとした瞬間の気遣いやギャップ、非日常の特別感を演出するデート、思い出に残る記念日や誕生日といったサプライズの演出など……これ完全に番組の主旨と関係ねぇだろというシチュエーションのミッションが続けて課されたのだ。
それもわざわざ転送魔法まで使って、そのセットが作られたであろう別スタジオに跳ばされるという入念ぶり。
ただでさえ、体力消費をしているにも関わらず頭を使わされるのは別の意味で辛かった。
制限時間もあったので、マルチタスクと超直感をフルで使ってクリアした次第である。
しかし、何が悲しいってこれお昼の生放送番組なのよな。
絶対皆に見られてるよ、これ。
特にはやてさんなんぞ、膝を叩いて爆笑してるだろうなきっと。
その証拠に、あの騎士カリムやシスターシャッハまで笑っていたくらいだからな。
周囲には気付かれていなかったが、俺には分かる。
口にお上品に手を当てていたが、二人とも内心では確実に面白がっていた。
ちくせう。
そんなこんなでいよいよ俺は最終ステージに挑む事となった。
ちなみに残っている人数は俺を含めて3人しかいなかった。
いや、本当どうしてこうなった?
モデルは完全にSASUKEですはい。
では、また( ゚д゚ )クワッ!!