大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

今回から【第三章 世界への挑戦:インターミドル・チャンピオンシップ編 前編】始まります。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第三章 世界への挑戦:インターミドル・チャンピオンシップ編 前編
第二百五十話 史上最強の魔導師を目指して


ヒエンside

 

 

 

季節は冬から春へと変わり、温かな風が海鳴市内を吹き抜ける。

 

月日も四月へと入り、俺も無事高校三年生へと進級することができた。

 

月村家でノエルに二ヶ月ほどみっちり教えてもらったこともあり、なんとか授業のペースに追い付くことができたのだ。

 

後はワイドショーを賑わせていた俺のこと(人身売買組織から生還した奇跡の高校生という設定)は、数ヶ月も経てば世間ではすっかり忘れ去られた。

 

だがそのおかげでもう気にすることなく街中を歩ける。

 

あの氷村が起こした月村家襲撃事件からも早三ヶ月が経ち、俺の生活習慣も今では元に戻っている。

 

そしてあの事件解決後からリニス考案【インターミドル特別メニュー】を本格的に取り組み始めた。

 

リニス曰く、「基礎体力の向上と、特技の徹底強化をしてもらいます」である。

 

俺の特技ってなんぞ?とリニスに聞くとこう言われた。

 

 

「それは死ぬ気の炎と超直感の二つです」

 

 

俺の強さの源とは死ぬ気の炎である。

 

死ぬ気の炎は生命エネルギー、つまりは体力を消費するので体力の強化は必須事項。

 

そして俺の強さを支えるもう一つの強力な才能(スキル)、超直感の強化である。

 

後は基礎的な修練を繰り返していくことで全体的な底上げをしていくらしい。

 

一回リニスにオーバードライブを使えば誰にでも楽に勝てるんじゃね?と言ったことがあるのだが……

 

 

「貴方はバカですか?オーバードライブなんて負担が大きすぎる技を何度も使用したら身体を壊すに決まっているでしょう?それに構わず何度も使用しては、いずれ取り返しのつかない大ケガをしてしまいますよ?」

 

 

と黒い笑顔で言われてしまっては何も言えない。

 

オーバードライブは今の俺では短時間使用するだけならまだしも、長時間使用するとなると強力過ぎるが故に器、俺の身体が耐えられないらしい。

 

という訳で身体の強化は必須なのだ。

 

しかしこれでは切り札としての機能も発揮することができないと悩んでいると、リニスが一言。

 

 

「まあ今の貴方でもギリギリ耐えられる出力に設定し直せば、長時間使えないこともありませんが……」

 

 

リニスのその言葉を聞いたとき、思わず「それだー!!」と叫んでしまった。

 

すかさず俺は今も心の中でオーバードライブの改良をしてくれているナハトへと提案。

 

しかしナハト自身、そのことを既に考えていたため案自体は意味のないものになってしまったが。

 

ナハト曰く、今は俺の身体データの詳細を毎日記録しているらしく、それをオーバードライブの出力データと照らし合わせることで少しずつ誤差をなくしていく作業をしているそうだ。

 

だからオーバードライブの改良が済むまではもう少しだけ待ってほしいと、子供を諭すような思念で言われた。

 

うん。

ナハトよ、俺は別にそんなソワソワなんてしてないからね?

 

まあ今はオーバードライブのことは置いておくとして、本格的にインターミドルへの練習を開始した俺なのだが……

 

再びリニスから一言。

 

 

「今からインターミドルの選考会まで寝る時以外、ずっと死ぬ気モードでいてください」

 

 

「は?」

 

 

思わず呆けちゃったよ。

 

 

「死ぬ気モードは貴方の潜在能力を解放している状態でしょう?ならずっと解放したままにしなさい」

 

 

「……なぜに?」

 

 

「死ぬ気モードを維持し続けるには()()()()()()、体力を消費し続けますね?それならばずっと解放したままにしておき、その状態に完全に慣れれば貴方の身体への負担も最小限で済むハズです。貴方はこの二年の基礎修行と、数々の激戦を乗り越えてきたことで()()()()死ぬ気モードの持続時間はかなり延びました。ならばその次は持続時間を()()()()()()維持できるようにさらに延ばすのみ。()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()が貴方が短期間でさらに強くなる近道です」

 

 

「鬼か!?」

 

 

という訳で日常生活でもずっと死ぬ気化してます。

 

だが最近のリニスにはどこか違和感を感じる。

 

なんと言えばいいのだろう?

 

無理をしているというか、何か鬼気迫るような雰囲気を醸し出している。

 

そういえばこの前こんなことを言われた。

 

 

「ヒエン……強くなりなさい。どんな厳しい状況もはね除け、どんな困難な状況をも切り抜けられるような強い魔導師に。逆境や定められた運命すらも飛び越えられるような……最強のストライカーに。そんな『史上最強の魔導師』になりなさい。そのためなら私は貴方をどこまでも支え……教え……導きます」

 

 

リニスが言ったストライカーという言葉。

 

技術が優れて華麗で優秀に戦える魔導師をA's(エース)と呼ぶならば……

 

その人がいればどんな困難な状況をも打破できる、どんな厳しい状況でも突破できる、そんな信頼を持って呼ばれる名前……

 

 

 

Striker(ストライカー)

 

 

 

リニスは最強のストライカーになれと俺に言ってきた。

 

『史上最強の魔導師』になれと言ってきた。

 

なぜ彼女がそんなことを言ってきたのかは分からない。

 

だが彼女からは強い覚悟……それこそ必要であれば命を捨てることも辞さない……そんな迫力を感じた。

 

何が彼女をそこまでさせるかは分からない。

 

だが彼女は()()()()()()()だから言ってきたのだ。

 

リニスは無駄なことは一切しない。

 

ならば俺はそれを信じるのみ。

 

 

「とか思ってたんだけど……これ何?」

 

 

「見ての通り……崖ですが?」

 

 

「まさかとは思うが、これを登れとか言う訳ではあるまいな?」

 

 

「そのまさかです。登って下さい」

 

 

まさかのまさかだった。

 

というか既にここに来るまでにロープでくっつけたタイヤにリニスを乗せながら山までランニングしてきたから既に満身創痍なんですけど!?

 

ちなみに朝と夕方に海鳴市の商店街の周りを三ヶ月ほどランニングしているので、俺とリニスは今ではすっかり有名である。

 

 

「最初に言ったでしょう?基礎体力を重点的に鍛えると。これが最も効率よく効果的な鍛え方なのです。安心しなさい。落ちても魔法で保護しているので死ぬことはありません」

 

 

「ヘエェ。サスガリニスサン」

 

 

幸か不幸かリボーン原作でもツナも同じような修行をしていた。まさか俺も崖を登ることになるとは欠片も思わなかったが。

 

 

「それより早く登って下さい。今の貴方の体力なら半日もあれば登れるはずです」

 

 

「…………」

 

 

「どうしました?早く登らないとあっという間に日が暮れてしまいますよ?」

 

 

「ええい!死ぬ気で登ってやる!!」

 

 

そして俺は少し半泣きになりながら崖を登り始めた。

 

登り終わったときは思わず生きることの素晴らしさを実感した。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

四月になってからは、なのは達も小学四年生へと進級した。

 

フェイトに続いてなのはとはやての二人も嘱託魔導師として管理局に登録している。

 

そのため一緒に任務をすることも必然的に多くなった。といっても俺の場合この子達の保護者役も兼ねているのだが。

 

闇の書事件からそろそろ五ヶ月が経とうとしているが、はやての魔法の成長が著しい。少なくとも魔法の基礎理解は既に終了している。

 

足の方も調子は良いようでそのうち歩けるようにもなるとのこと。

 

ヴォルケンリッターも各々元気に過ごしている。

 

各自の分野に適した任務を割り当てられているようで、随分と活躍しているようだ。

 

クロノ達アースラ組は、拠点を地球へと完全に移し、任務についている。

 

それと少し小耳に挟んだのだが、地球に新しく臨時支局ができるかもしれない。それも新宿。

 

マジかと思った。

少なくとも俺の知ってるリリカルなのはの知識ではそんな展開はなかった。

 

恐らく映画の世界だけの展開……なのかもしれない。

 

そして俺はというと学校に行きつつ、特訓しつつ、タマに任務をしつつという中々にハードな日々を過ごしている。

 

最近に至っては、超直感の強化という名目でほぼ毎日誰かと戦わせられる。

 

俺との模擬戦に嬉々として参加するのが主に四人。

 

なのは、フェイト、ヴィータ、シグナムである。

 

なのはとフェイトに関しては、俺の戦闘パターンを覚えてきたのか、二人に敗北することも次第に多くなった。

 

というか初めて俺に勝ったときの二人の喜び様と言ったら凄まじいものがあった。

 

「そんなに嬉しいか?」と聞いたら俺に勝つことを目標としていたそうで、「嬉しいよ!!」となぜか力説された。

 

ヴィータとシグナムに至っては、一人の騎士として俺との戦いには決着をつけたかったそうだ。

 

それを聞いたら俺としても男として負ける訳にはいかないということで、あの手この手で使うことで見事二人に勝利することに成功する。

 

だがそのことが、この守護騎士二人を本気にさせてしまった。

 

それ以来というもの暇さえあれば模擬戦を挑んで来るので、俺も向きになって相手をしていたのだが……まあ何度も戦ってたらそりゃ対策も練られるよね。

 

例のごとく負ける事も多くなった。

 

というか二人の影響かザフィーラとも組手をすることが多くなった。

 

リニスはインターミドル対策として強者と戦える機会があるのは良いことだと思っているようで基本的には止めない。

 

あとは生身の状態での格闘にも重きを置いている。

 

高町兄妹との組手はもちろん、神咲薫さんとの武器戦闘、後は新しく知り合った忍者である御剣いづみさんと、警察官僚の千堂瞳さんとも組手をしている。

 

いづみさんと瞳さんは、氷村遊の件で事情聴取されてからの付き合いなのだが基本的にこの二人も容赦ない。

 

さくらさん達が見守る中で一度組手をしたのだが、いづみさんに至っては忍者であるからか身のこなしがやたらと早く、反射速度も人間の限界を超えている。

 

恭也君や美由希さんの神速ほどではないものの、度々姿を見失うので相手をするのに苦労した。

 

瞳さんに至っては合気道の使い手であるからか気付いたら投げられているということが多かった。

 

だが古流武術の使い手はプリキュア世界で何度も戦ったことがあるため(太陽のプリキュアの実家が武道場)、善戦できた。

 

基本的に最近の俺には安息日がない。

 

ああー……

 

休みがほしいよー(切実

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「だはぁー」

 

 

俺は翠屋のカウンターで沈む。

 

今日の分の特訓が終わったので糖分摂取に来たのだ。

 

 

「桃子さん、シュークリーム五個とオレンジジュースプリーズ」

 

 

「はいは~い。いつものメニューね。どうぞー」

 

 

桃子さんが笑顔で応対してくれる。

 

うぅ。

癒されるよー。

 

 

「桃子さんの笑顔だけが最近の俺の心のオアシスです」

 

 

「もうー。そんなこと言ったって何も出ないわよ~」

 

 

そう言いながらも笑顔でチョコレートパフェを出してくれる。

 

そんな桃子さんが俺は大好きです。

 

 

「そういえば人手って足りてます?足りないならいつでも言ってくれれば手伝いますけど」

 

 

俺はパフェをつつきながら桃子さんに話す。

 

桃子さんは答える。

 

 

「心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ?バイトの子達も増えてきたし、ローテーションも安定してきたから。それにヒエン君、特訓で忙しいでしょ?疲れてるのに悪いわ」

 

 

「いやでも晩御飯とかご馳走になってますし」

 

 

「そんなのいいのよ~。もうウチとは長い付き合いでしょー!!」

 

 

桃子さんが笑顔で俺の背中をパシパシ叩きながら言ってくる。

 

ちょっとだけ痛いです桃子さん。

 

というか今日はやけに機嫌がいいような?

 

 

「なんか嬉しそうですね?何か良いことでもありました??」

 

 

「あ、分かっちゃう?実はそうなの。今日からある子がウチに泊まりにくることになっててね~」

 

 

「そうなんですか。それって俺も知ってる人です?」

 

 

「知ってるも何も凄い有名人よ。ヒエン君も絶対一度はテレビで見たことあるくらい」

 

 

「うーん……誰だろう?」

 

 

「そろそろここに来る時間なんだけどねぇ」

 

 

 

カランカランカラン……

 

 

 

そのときお店の扉が開く音がする。

 

 

 

俺達は視線を向ける。

 

 

 

その瞬間、俺は目を見開く。

 

 

 

そこには綺麗な女性がいた。

 

 

 

その女性はベージュ色の綺麗な長髪で白い清楚なワンピースを着ていた。

 

 

 

女性は女神のような微笑みで話しかけた。

 

 

 

「久しぶり……桃子」

 

 

 

その人は世界的に有名な歌手で歌姫として人気を博している女性であり……

 

 

 

そしてとらいあんぐるハート3のヒロインの一人でもある。

 

 

 

「お帰りなさい……フィアッセ」

 

 

 

フィアッセ・クリステラと呼ばれる女性が笑顔で立っていた。




とらハ3のヒロインの一人、フィアッセさん登場。

この出会いが何をもたらすのであろうか?

では、また(・∀・)ノ

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