続き書けたで候。
美沙斗さん登場回。
あと今回から新しいエネルギー系態『気』が登場します。
『気』の説明は【史上最強の弟子ケンイチ】から参照させていただきました。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
俺は翠屋の近くの路地に着地するとバリアジャケットを解除すると同時に額の炎の炎圧も下げる。
常時死ぬ気化訓練の成果か戦闘後に一気に疲れることはなくなった。
どうやらずっと死ぬ気化していた影響で身体も丈夫になってきたらしい。
健康体そのものだ。
そして俺は翠屋の扉を開け入った瞬間……
「ごふぅ!?」
外へと吹き飛ばされてしまった。
鳩尾と腹に、それも同時に的確にいいのが入った。
死ぬ気化しててもダメージあるって相当だぞ。
口から魂が抜けそうになるのを必死にこらえながら吹き飛ぶ原因となったものを見る。
俺の腹に茶髪と金髪のツインテール少女もとい、なのはとフェイトが乗っていた。
ってなのフェイロケット!?
え?
っていうかなんで二人とも半泣きになってるん?
「もう!心配したんだよ!?」
「なんで電話に出ないの!?私、何か嫌われるようなことした!?」
なのはさん?
別に心配するようなことは特に……ないこともなかったけど別に今言うことではないよな。
それとフェイトさん?
俺が君を嫌うことなんてあり得ないよ?
とまあ言いたいことは多々あるのだが先に……
「まずはどけてくれないか二人とも?」
「「あ、ごめんなさい」」
起き上がった二人にずれてもらい、俺も起き上がる。
そして再度翠屋へと入るとお客さん達がいなかった。
昼が落ち着いたとはいえ、こんなことはありえない。
それよか関係者達が勢揃いしていた。
皆が俺の方を見る。
「ヒエン君帰ったか」
「あ、はい」
士郎さんが話しかけてくる。
が、気のせいでなければ店の中が少しピリピリしているように思える。
しかしこちらにも譲れない事情がある。
俺は心配そうにこちらを見ている桃子さんとフィアッセさんに話しかける。
「桃子さんにフィアッセさん」
「どうしたの?」
「どうかした?」
俺はキリッとした顔で言った。
「腹が減りました」
まずは腹ごしらえをさせて下さい。
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桃子さんとフィアッセさんが作ってくれた料理四人前を軽くたいらげるとお腹をさする。
「ふ~食った食った」
さすがに朝から何も食べてないのはきつかったからな。
「す、すごい。あんなにあった料理をペロリとたいらげた」
「食欲が前より上がっているな」
美由希さんと恭也君の高町兄妹が驚いている。
別に俺がたくさん食うことは知ってるだろうに。
「それでヒエン君、君に聞きたいことがある」
「あ、はい。なんでしょう?」
「待ってくれ士郎兄さん。そこからは私が彼に話そう」
と、入り口から聞き慣れない声が聞こえた。
俺が視線を向けるとそこには一人の女性が立っていた。
美しい女性だった。
黒に近い紫のスーツに身を包み、背中までの髪を後ろで束ねた美女。
その女性を見た美由希さんが声をあげる。
「お、お母さん!?」
その言葉を聞いたなのはが驚く。
「え!?お姉ちゃんのお母さん!?でもウチのお母さんはお母さんであって、もう一人のお母さんもお母さんなの!?」
「落ち着けなのは。何を言っているのかまるで意味が分からんぞ」
混乱するなのはを恭也君が落ち着かせる。
「久しぶりだな美沙斗。戻ってるなら連絡くらい寄越さないか」
「さっき海鳴についたばかりでね。連絡を入れるタイミングがなかったのさ。それと桃子さんにフィアッセも久しぶり」
「美沙斗さん久しぶり」
「久しぶり美沙斗!」
桃子さんとフィアッセさんも返事を返す。
「三年ぶりくらい?」
「ああ、そうなるね」
美沙斗さんは美由希さんと話した後、俺の方を一瞥すると皆に言った。
「……店の一角を借りてもいいかな?そこの彼に用があってね。しばらく二人っきりで話をさせてほしい」
なんか話をすることになった。
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「大空氷炎君だね?私は香港国際警防隊の御神美沙斗という。君が先ほど駅で戦っていた
俺は美沙斗さんと向き合っていた。
「その前に二つだけいいでしょうか?」
「なんだい?」
「なぜ俺の事をご存知なのかということと、駅での戦いを知ってるんです?」
「その様子では知らないようだね?君が戦うところをテレビカメラで撮られていたんだよ」
「……マジか」
俺は頭を抱える。
まさか撮られていたとは……。
そういえばテレビ局のロケバスがあった。
恐らくその近くにテレビカメラがあったのだろう。
「そして私達はその映像を分析して君にたどり着いたという訳だ。君のことは美由希から事前に聞いていたが……まさかこんな形で会うことになるとは全く予想していなかったよ」
俺もやがな。
てっきり襲撃に来るのは貴方だと思ってました。
もしかしたら戦うかもしれないということで御神対策にめっさ励んでました。
「話に戻るが、君が戦っていた
「そうでしたか」
「そして奴を追っていたら君が目についたという訳だ。ヒエン君、単刀直入に聞く。君は一体何者なんだ?少なくとも裏の世界の殺し屋と互角に戦う高校生など聞いたことがない」
「…………」
これはごまかせる雰囲気じゃないな。
少なくともここにいる皆は俺のことについて知っているし、他言無用しないように言えば大丈夫だろう。
「分かりました。俺が何者か説明します」
そして俺は美沙斗さんに説明する。
魔法使い……魔導師と呼ばれる存在であること。
時空管理局嘱託魔導師として戦闘経験を積んでいたので奴と戦えたこと。
それらを包み隠さず話した。
話を聞いた美沙斗さんは案の定驚いていた。
「ま、魔法使いとは……これまた予想外だな」
「まあ裏の世界に詳しい美沙斗さんならご存知かもしれませんが、この世界には超能力者や退魔師、吸血鬼も存在するんです。魔法使いの一人や二人いてもおかしくないですよ」
「……君はずいぶんと落ち着いているな」
「いやまあ、色々慣れてますから」
ええ本当に(切実
「話を戻しますが
「…………」
「奴の目的は恐らく
「…………」
「奴と戦って分かったことがあります。奴の強さはあまりにも人間離れしている。俺は今まで色んな奴らと戦ってきましたが、奴の強さはその中でもトップクラスです。言いにくいんですが士郎さんはともかく……」
「今の恭也や美由希では太刀打ちできない……かい?」
「……はい」
俺が懸念しているのがそれだ。
奴は生身でありながらセットアップしている俺と互角の強さだった。
つまり今の恭也君や美由希さんでは、とてもじゃないが勝てる相手ではない。
士郎さんは何か力を隠している
「……やはり君もそう思うか」
「ということは予め予想していたんですね?」
「ああ、奴が君と戦う前の言葉を聞いてもしやとは思ったが……」
「俺は魔法で身体を強化できるので人間離れした動きをすることも可能です。だから
奴の強さの秘密が分からない。
悩んでいる俺に美沙斗さんが助け船を出してくれた。
「奴の強さの秘密……それは『気』と呼ばれる体内エネルギーを操っているからだ」
「え?『気』??」
俺はつい呆ける。
いや、当たり前やん。
『気』だよ。
あの『気』だよ?
「武術を嗜んでいる者はある一定のレベルにまで達すると、『気』を操る術を自然と身につける」
「えっと、つまり奴の強さの秘密はその『気』を常に纏っているからと、そういうことですか?」
「ああ。『気』には三つの段階があってね。第一段階の『発動』、第二段階の『開放』、第三段階の『掌握』が存在する。達人クラスともなれば『掌握』まで既に修得している。少なくとも
「なるほど。魔導師は常に魔力を身に纏っている状態ですから、必然的に俺は気でいう第二段階の『開放』状態だったと」
「そういうことだ。そしてそれらを操る術を持つ者を裏の世界では『
「え?それってつまり……」
「そう私達兄妹も達人クラスということだ。だが兄さんは長らく現場から離れていたから戦闘勘は鈍っているだろうね。だが問題は恭也と美由希だ。今の二人は第一段階の『発動』レベルだ。これでは
「そ、そうなんですか?」
「ああ、君は御神流のことについて知っているみたいだから説明するが、御神流には『神速』と呼ばれる奥義が存在する」
「あ、はい。知ってます」
「なら話が早い。神速の正体は極限まで高めた集中力で、全体の三割しか使えない脳のリミッターを強制的に外し、その処理速度を極端に上げる技だ。これにより思考及び判断能力、知覚能力が爆発的に上昇する」
「…………」
要は生身でクロックアップできるんですね。
「そしてその脳のリミッターを外す方法というのが、『気の発動』なんだ」
「あー……」
「だがそれだけではすぐに身体の方にガタがきてしまう。だからこその、第二段階の『気の開放』だ。つまり……気を身体に纏わせれば神速を何度使用しても、身体への負担は常に最小限で済む。あの
「……そ、そうだったんですね」
「奴の狙いは一ヶ月後に開かれるフィアッセのチャリティーコンサートだ。それまでに恭也と美由希をなんとしてでも第二段階の『開放』まで修得させる」
「ということは奴の狙いはフィアッセさんの命?」
「ああ。そして恐らくヒエン君……君も奴と、いや
「?」
「君はあの
「……マジっすか」
マフィアに命狙われるってツナじゃねえんだからあぁぁぁ!!
俺はつい天を仰ぎ見た。
うん。
マジどうしよう?
「……ヒエン君。提案なんだが、しばらく私の助手をしてみないか?」
「はい?」
「私の目的はその『
「へ?」
「一緒に『
「え?」
「なら早速動き始めないとな。来なさい。今から模擬戦だ。君の力を見る」
なんかトントン拍子で模擬戦することになってマフィアの支部に殴り込みにいくことが決定したのだった。
次回、美沙斗さんと模擬戦闘。
完成された御神の剣士……
では、また(・∀・)ノ