大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

書けたので投稿。
先日、貞子vs伽椰子見てきました。
はい。
足が震えるほど怖かったですΣ(゜Д゜)

特にラストはビックリしました。


気になる人は劇場へ。

それでは、どうぞ( ゚д゚)ノ



第十五話 ジュエルシード

ヒエンside

 

 

 

俺は即座に死ぬ気の炎の出力を上げ、射撃魔法フレイムバレットを発動させオレンジの球体を3つ生み出す。そして思念体三体に向けて放った。

 

「「「ヴォオオーーー!!!」」」

 

球体は思念体達に当たり、体の一部を消滅させた。俺はその隙をついてなのはとユーノの二人を抱え、上空へと回避する。

 

しかし二人は未だにポカーンとなっているようで、このままでは話もできないので屋根の上に着地した。

 

「おーい」

 

「「はっ!?」」

 

「大丈…「ヒエンくんなんでここにいるの!?それにその額の炎なに!?」夫みたいだな…」

 

なのはの矢継ぎ早に聞かれる質問は後で答えるとして…

 

「あの、あなたは?」

 

ユーノが俺へと話しかける。

 

「ああ、俺はそこの少女の友達でフリーの魔導師さ」

 

「そ、そうなんですか!?い、いやまずはお礼を言わないと!あの、助けて下さってありがとうございます。それとあの、ここに来てくれたのはもしかして…」

 

「ああ、声が聞こえたからな」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「もう!二人だけで盛り上がるなんてズルいの!私も入れて!!」

 

「悪かったよ」

 

俺はお詫びになのはの頭を撫でる。

さらさらして撫で心地が良い。

 

「な、なんだかヒエンくんがクールなの」

 

「それはまた後で説明する。それよりなのは、フェレット君。動けそうか?」

 

俺は二人に確認をとる。

 

「はい、大丈夫です。」

 

「大丈夫なの」

 

よし。

まずは現状把握……

といきたかったが、そううまくはいかないようだ。

 

体を再生させた思念体達が再び、俺達に攻撃をしかけてきたからだ。

 

俺となのはは、再び上空へと回避する。ユーノはなのはの肩に捕まっているようだ。

 

「フェレット君、なのはのサポートをしてやってくれ。俺は時間を稼ぐ!」

 

「はい。レイジングハート、サポートしてあげて!」

 

《了解しました》

 

少し心配であったが二人ともなんの問題もなく動けるようだ。

 

すごいな…

普通なら泣いたりすると思うんだが。

 

俺は二人がこのまま動くことができそうになければ、転移魔法で俺の部屋へと移動させ待機させておくつもりだった。

 

咄嗟の判断とはいえ、動けるのだから大したものだ。これで双方とも九歳というのだから末恐ろしい。俺は二年前から魔法に関わっているとはいえ、実は実戦は今回が初めてだったりする。だが、こんなに小さな子達が頑張っているのだから年上の俺が良いところを見せなければカッコが悪い。

 

俺は牽制として再びフレイムバレットを放つ。そして思念体達の体が一部消滅した。と同時にフレイムバインドでまとめて拘束する。そしてその鎖を引っ張り、奴らをまとめてハンマー投げの要領で上空へと放り投げた。

 

「おらあ!」

 

「「「ウォアアアー!!!」」」

 

思念体達がまとめて吹っ飛んでいく。魔力で肉体を強化しているからこそできる芸当だ。

 

「今だ!」

 

「はい!」

 

《シュートバレット》

 

するとなのはの射撃魔法が思念体三体に炸裂した。思念体達は消滅したと思われたが…

 

「あ、逃げちゃう!」

 

かろうじて生き残ったのか体のサイズが小さくなりながらも逃げ延びていた。その影響かスピードも上がっている。厄介な…

 

そして奴らはビルが建ち並ぶ方面へと逃げていく。このままでは無関係の一般人が巻き込まれるのも時間の問題だ。

 

「……あっちは…ッ!」

 

なのはは咄嗟に飛んで後を追いかけるが思念体達のスピードの方が早く追い付けない。

 

「落ち着けなのは」

 

俺はなのはを一旦止め、落ち着くように言い聞かせる。ここで俺はユーノに話を振る。

 

「フェレット君、あいつらを止める策はあるか?」

 

「はい。奴らを封印すれば止めることができます」

 

「封印?」

 

《そこからは私がお答えしましょう》

 

するとなのはの持っている杖の赤い宝玉が光る。

 

「この声は…」

 

「レイジングハート?」

 

俺となのはは赤い宝玉に注目する。

 

《あれらは生き物ではありません。ロストロギアの異相体です》

 

「ロストロギア…」

 

なのはが呟く。

 

《今は時間がありませんので説明は省きます。あれらを封印するためには接近による封印魔法の発動か、大威力魔法が必要です》

 

「………えと………っ?」

 

《あなたの思い描く『強力な一撃』をイメージしてください》

 

「そんな急に言われても!」

 

なのはが戸惑ったような声を出す。

 

《ですがこのままでは無関係な一般人が巻き込まれますよ?それでも良いのですか?》

 

「そんなわけないよ!」

 

《あなたの力があればそれを止めることができます。どうか私を信じてください》

 

俺はなのはとレイジングハートのやり取りを黙って見守る。なのはは一度目を閉じ、数秒後再び目を開ける。その表情は何か決意したかのようだ。

 

「レイジングハート、さっきの光、遠くまで飛ばせる?」

 

《あなたがそれを望むなら》

 

「ヒエンくんここは任せてほしいの」

 

「分かった」

 

俺達はとあるビルの屋上に着地する。俺はユーノと共に後ろに下がりなのはを見守る。

 

《まずは心を落ち着かせてください。そして魔力の流れを自覚してください》

 

するとなのはの足下に桃色の魔方陣が現れる。

 

《そうです。そして胸の奥の熱い塊を両腕に集めて》

 

なのははレイジングハートを構える。

 

《モードチェンジ カノンモード》

 

するとレイジングハートが変形を始めた。カノンモードと呼ばれるソレはまるで槍のような形状で先端にピンク色の羽根が生えている。そして新たに持ち手にトリガーが追加されていた。見様によってはスナイパーライフルのようにもみえる。

 

「まさか封印砲…!?この子…砲撃型ッ!?」

 

ユーノが驚いている。確か砲撃魔導師は数が少ないんだったか?

 

《直射砲形態で発射します》

 

ブワッ!

 

なのはを中心に桜色の魔力の風が吹き荒れる。

 

《ロックオンの瞬間にトリガーを》

 

なのははじっと思念体がいる方角を見続ける。そしてトリガーを引いた。

 

 

「!!」

 

 

ドンッ!ドンッ!ズドンッ!!

 

 

なのはの放った砲撃は見事、思念体三体に直撃した。そして思念体は消滅した。

 

《Nice shoot!》

 

「…一撃で………封印した……」

 

ユーノはなのはの砲撃を見て茫然としていた。無理もない、俺だって内心は茫然としているのだから。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

思念体を倒した俺達は、青い宝石ジュエルシードのそばまで来ていた。

 

「これがジュエルシードです。レイジングハートでふれてみて」

 

「こう?」

 

なのはが三つのジュエルシードにレイジングハートを向ける。

 

《Receipt No.18 20 21》

 

すると三つのジュエルシードはレイジングハートの赤い宝玉に吸い込まれていった。

 

そしてなのはのバリアジャケットが解除される。直後、なのはの体がふらついたので俺は彼女の小さな体を支える。

 

「大丈夫か?」

 

「だ……大丈夫…大丈夫…だと思う…」

 

「おつかれさん」

 

俺はなのはの頭を撫でた。

なのはは少し恥ずかしそうに顔を俯かせた。

 

 

 

 

 

 

俺達はある小さな公園のベンチに座っていた。俺は自動販売機で飲み物を二つ買い、一つをなのはに渡す。

 

「ありがとう」

 

俺は缶コーヒーのプルタブを開けて一口飲み、そして話を切り出した。

 

「さて、とりあえずお互いに話したいこととか聞きたいこととか色々あると思うけど、軽く自己紹介からしておこうか。まずは俺から。俺の名前はヒエン。大空氷炎だ。よろしく」

 

「わたしなのはっていいます。高町なのは」

 

「えと、僕はユーノです…ユーノ・スクライア…」

 

「私の事は名前で呼んでねユーノくん」

 

「俺も名前で呼んでくれ」

 

「……うん。なのは、ヒエンさん」

 

ユーノは少し恥ずかしそうに俺達の名前を言う。

なんというかフェレット姿で照れている姿を見ると、非常に和むな。

 

「先ほどは助けてくれてありがとうございました」

 

「ううん気にしないで!」

 

「俺も助けたいから助けただけだよ」

 

「それでもありがとうございます」

 

ユーノが再び頭を下げる。そして話を続ける。

 

「信じてもらえるか分からないけど…ボクはこの世界の外……別の世界から来ました。さっきなのはが使ったのは『魔法』……ボクの世界で使用されてる技術です。そして二人が戦ってくれたのはボク達の世界の危険な古代遺産…ロストロギア『ジュエルシード』。ちょっとしたきっかけで暴走してさっきみたいに暴れ出すこともある……危険なエネルギー結晶体」

 

「そんなものが…なんでうちの近所に?」

 

「ボクのせいなんだ……」

 

ユーノの話によると、彼の一族スクライア一族は故郷で遺跡発掘の仕事をしていたらしい。古い遺跡の中でジュエルシード二十一個を発掘したユーノは、時空管理局に保護を依頼。しかし手配した次元船が事故に合い、この海鳴市に二十一個のジュエルシードが散らばってしまったのだ。

 

俺となのはは、ユーノの話を黙って聞いていた。そして俺はその話を聞いて…

 

ユーノの頭を軽く小突いた。

 

「あう」

 

「ユーノ、お前の言いたいことはよく分かった。だから言ってやる。それはお前のせいじゃない」

 

「でも!ボクがジュエルシードを発掘なんてしなければ!」

 

「未来のことなんて誰にも分からない。次元船が事故に合うなんてトラブルも予想すらできない。それにもし仮にユーノがジュエルシードを発掘していなくても誰かが掘り出していたかもしれない」

 

「それは…」

 

「それに俺はジュエルシードを掘り出してくれたのがユーノで良かったと思ってる」

 

「え?」

 

俺の言ってる言葉の意味がわからないのかユーノは首を傾げる。

 

「言うなればこの第97管理外世界『地球』はユーノにとっちゃなんの関係もない世界だ。この世界がどうなろうが基本的に君には関係ない。だけどユーノは己の責任を果たすために来てくれた。ジュエルシードが危険な物だと分かってたから来てくれたんだろ。それを頭ではわかっていても、行動に移すなんて普通はできない。それに俺達は君が来てくれたおかげでジュエルシードがこの付近に散らばったという情報も得ることができた」

 

「………」

 

「今の君にこんなことを言っても正直慰めにしかならないかもしれない。だけど俺はユーノと知り合えて良かったと思ってる。もしユーノ以外の人がジュエルシードを発掘していたと思うと正直ゾッとする。ユーノ、君は自分が思ってる以上にしっかりと自分の責任は果たしてる」

 

「………」

 

「だからこれ以上、自分を責めるなユーノ」

 

俺はユーノの頭を撫でる。

彼にとっちゃこんなの慰めにもならないかもしれない。だけど十歳にも満たない子供が己の責任を果たすために頑張っているんだ。そんな子をどうして責めることができようか?何度も言うが彼は悪くない。事故が起きたのだからむしろ被害者といってもいいのだ。

 

だが、彼はそんな都合の良い考えはしないだろう。考古学者として、ジュエルシードを発掘したものの責任として、自分を責めるだろう。

 

そしてもし仮にジュエルシードで地球が滅んだとしたらユーノは自分を絶対に許せないだろう。

 

ユーノはそんなタイプの人間だ。

 

「それに今のお前は一人じゃないぞ」

 

「そうだよユーノ君」

 

ここで俺達のやり取りを黙って見守っくれていたなのはも話に加わる。

 

「わたしもジュエルシードを集めるの協力する。わたし学校と塾の時間はムリだけど…それ以外の時間なら手伝えるから」

 

「だけど………今日みたいに危ないことだってあるんだよ…?」

 

「だってもう知り合っちゃったし話も聞いちゃったもの。ほっとけないよ。それに今日みたいなことがご近所でたびたびあったらご迷惑になっちゃうし…ね」

 

「いいの?」

 

「ユーノくんひとりぼっちで…助けてくれる人いないんでしょ?……ひとりぼっちは寂しいもん……わたしにもお手伝いさせて?……わたしはユーノくんを助けてあげられるんだよね……?魔法の……力で」

 

「多分……ボクなんかより君はずっと才能がある」

 

「……そ…そうなの?自分ではよくわかんないんだけど。でも…困っている人がいて助けてあげられる力が自分にあるならその時は迷っちゃいけないって…これうちのお父さんからの教えなの。いろいろ教えて…?わたしがんばるから」

 

「……うん……ありがとうなのは」

 

「ちなみに俺もいるからな?」

 

「はい。ヒエンさんもありがとうございます」

 

「まあ何はともあれ、これからよろしくなユーノ」

 

「これからよろしくねユーノくん」

 

「こちらこそよろしくおねがいします」

 

ふむ。

親交も深められたので今回はこれくらいにしておこうか。

 

そして俺はケータイを取り出し時間を確認する。時刻は日付の変わる三十分前だった。

 

「なのはちゃんや時間やばい」

 

と俺はなのはにケータイを見せる。

 

「え?あ、あわわわわ…」

 

「ちなみにご家族にこのことは?」

 

「言ってないの…」

 

「はぁ、しゃーない。俺も一緒にいくから二人で謝ろうか?」

 

「え、ホント!?」

 

「うん、それにユーノのこともあるし」

 

「それなら大丈夫なの。ユーノくんウチで預かるから!」

 

「そうなんだ」

 

俺となのはは歩きながら話す。すると俺の前を行くなのはが笑顔でこちらに振り向いた。

 

「あ、あと聞くの忘れてたけど、またヒエンくんのこともキッチリ教えてね?」

 

「は、はい」

 

笑顔で言われてるんだけど、なんなのだろうこの迫力は…

 

こ、怖い((((;゜Д゜)))

 

とりあえずなのはを怒らせてはいけないと本能的に俺は理解した。

 

そのあと俺は若干、ビクビクしながら高町家を目指すのであった。

 




どうだったでしょうか?

また書いていきます。

ではまた( ̄0 ̄)/

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