大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

7月からシンフォギアXV始まりますが、5期もやるってシンフォギアというアニメの人気が凄いことが分かりますよね。

こんなに人気なら映画化すれば絶対いけると思うんだけどなあ。

映画化とかしないですかね?

もしかしたらXVの終わりで発表とかあったりして。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百六十二話 歌い舞い踊る戦姫Ⅲ

ヒエンside

 

 

 

俺達は今、S.O.N.Gと名乗る彼らの本拠地へと向かっている。

 

2tトラックの荷台の上についているソファに座らせてもらい、休憩しているのだ。

 

意外とこのソファの座り心地が良くてなんともいえんとです。

 

話に戻るが俺達が現在いる所はバルベルデ共和国という南米に位置する国らしく、内戦状態に陥っているらしい。

 

そんな訳でこんな所に俺達を放置する訳にもいかないので事情聴取という形で彼らの本部へ行くことになったのだ。

 

まあなのはや、フェイト、はやてといった十歳の少女達もいるのだ。S.O.N.Gとしても放っとく訳にはいかないのだろう。

 

しかしバルベルデ共和国なんて聞いたことないぞ。

 

少なくとも俺達の世界にそんな国は存在しなかった。

 

それだけでもここが俺達の知る地球ではないことが分かる。

 

 

「ねぇヒエン君、さっきあの女の人達と何話してたの?」

 

 

そのとき隣に座るなのはが話しかけてきた。

 

ちなみに皆、バリアジャケットを解除し、私服姿に戻っている。

 

はやてがユニゾンを解いてリインフォースが現れたときは、S.O.N.Gの面々が声を出して驚いていたのは記憶に新しい。

 

俺は膝の上でゆっくりしている久遠を撫でながら答える。

 

さらにちなみに俺の前には久遠に視線を奪われている三人のシンフォギア装者がいる。

 

 

「……あいつらが何者か情報収集しようと思ってな?結局分かったのは奴らの名前と、所属先と思われる名称くらいだ」

 

 

「名前?」

 

 

「ああ。パヴァリア光明結社の幹部、錬金術師のサンジェルマン、プレラーティ、カリオストロ……らしい。あとはあの不死身の蛇の名前、ヨナルデパズトーリだったか」

 

 

「ヨナルデパズトーリですか?」

 

 

そのとき側にいたフィリス先生が反応する。

 

 

「知ってるんですか?」

 

 

「はい。少しだけですが。ヨナルデパズトーリとはメキシコに伝わる伝説の神、悪魔です。邪神テスカトリポカの化身と言われている冥界の悪魔で、真夜中に悪寒を走らせるような音を立てると伝えられています。その音を聞いた者は病にかかり、またヨナルデパズトーリに見つかった者は魂を抜かれてしまう……とまで言われています」

 

 

「魂を……ですか」

 

 

あの光の球体……。

 

サンジェルマンはヨナルデパズトーリを光の球体へと戻していた。

 

あの光の球体からは凄まじいまでの生命エネルギーの波動が感じられた。

 

あれがフィリス先生の言う伝承通りの物であるとするならば、奴らが封じた魂ということになるのだろうか?

 

 

「デ、デデデデデエェェェェス」

 

 

「切ちゃん落ち着いて」

 

 

すると俺の前の席に座っている金髪少女、暁切歌(あかつききりか)さんがデスデス言いながら小刻みに震えていた。

 

なんかちょっと面白い。

 

 

「大丈夫か?」

 

 

「だ、大丈夫デスよ。こ、これはそうデス、あれデス!武者震いというやつデス!!」

 

 

「一体何と戦うんだよ……。怖いなら怖いって素直にそう言えばいいじゃないか」

 

 

俺が呆れながら言う。

 

 

「べ、別に怖くなんてないデス!」

 

 

「そんなに震えながら言われても説得力皆無デェス」

 

 

「ちょっと真似しないでほしいデス!さっきからお兄さん無礼デス!!」

 

 

「マジ、スイマセンデシタデェス」

 

 

「謝る気これっぽっちもないデスね!!」

 

 

「…………じぃー」

 

 

両手をあげてフンガーと言っている切歌さんを他所に、黒髪のツインテール少女月読調(つくよみしらべ)さんがなぜかさっきからこちらをジーッと見てくるが突っ込まない。

 

俺は突っ込まんぞおおぉぉ!!!!

 

すると小腹が空いたのか腹の虫がなってしまった。

 

 

「あー、少し腹減ったな」

 

 

「そういえば駅前の喫茶店行く前に()()()()()来ちゃったもんね?」

 

 

「「「「「っ!!」」」」」

 

 

なのはが何気なく言った言葉にS.O.N.Gの面々が小さく反応したことに気付いた……が俺は気付かないフリをする。

 

どうせ遅かれ早かれ話すことになるだろうし。

 

 

「あ、そうだ」

 

 

俺は小さな魔方陣を展開させるとそこに腕を突っ込む。

 

俺の仲間達はこのことは既に知っているため驚かないが、S.O.N.Gの面々は目を見開いている。

 

まあ、いきなり空中に魔方陣出てきたらそりゃビックリするわな。

 

ガサゴソと目的の物を探す。

 

桃子さんとフィアッセさんが作りすぎてお裾分けしてもらったシュークリームとケーキ、後は箱買いしてた缶コーヒーがあったはず。

 

こんなこともあろうかと精神世界(アンダーワールド)に食料品をぶちこんどいて良かったと思う今日この頃。

 

調和の空間だから賞味期限が切れることもないのだ。

 

そう考えると俺の心の中って四次元ポケットか何かだろうか?

 

いやそれもあながち間違ってない気がする。

 

ロストロギア関連の物もいくつも封印しているし。

 

 

 

……これは誰にも言わない方がよさそうだ。

 

バレたら実験動物にされてもおかしくない。

 

 

「お、あったあった」

 

 

俺は目的の物を探し当てると魔方陣から手を出す。

 

そこには翠屋のお土産用の箱と缶コーヒーの箱があった。

 

なのはは予想していたのか呆れた目でこちらを見てくる。

 

 

「やっぱり……」

 

 

「言っておくが余り物をネコババした訳じゃないぞ。ちゃんと桃子さんとフィアッセさんにもらったものだ」

 

 

「ヒエン貴方……ネコババなんてしていたのですか」

 

 

「失敗作や売れ残った物をもらってただけだ」

 

 

捨てる前の物をいただいてただけです。

 

つまり全く問題ないのだ!

 

俺はトラックに乗っている皆に配る。

 

もちろんS.O.N.Gの面々にもだ。

 

決してお菓子で釣って心象を少しでも良くしようなんて狙いはないよ?全くないよ?

 

本当だよ?(目そらし

 

するとピンク髪の女性、マリアさんが困惑した様子で聞いてくる。

 

 

「これは何かしら?」

 

 

「この子の家が喫茶店経営してまして。そのシュークリームとケーキです。缶コーヒーは俺が箱買いしたものです。良かったらどうぞ」

 

 

俺が箱を開けるとシュークリームとショートケーキが入っていた。

 

それを見た切歌さんは目を輝かせ、調さんは無表情であるが喉をゴクリとならし、マリアさんは驚いていた。

 

ふははははは!

女性なんぞ甘いものを渡しておけばたいていのことは甘く見てくれるわ!!

 

甘味(かんみ)なだけになあ!!

 

 

『ガゥ……』

 

 

『きゅー……』

 

 

すると心の中にいる二匹から『何思ってんのさ……』と言った思念が届く。

 

あ、言っとくけどお前ら、今日のおかし抜きね。

 

 

『ガゥ!ガゥガゥ!!』

 

 

『きゅー!きゅきゅ!!』

 

 

じゃかあしい!

俺があの三人に包囲されたとき真っ先に避難した恨みを一日のおかし抜きでチャラにしてやると言っとるに!

 

諦めて心の中で大人しくしとけい!!

 

 

「ガァウ!!」

 

 

「きゅー!!」

 

 

すると二匹は分身体を生み出し、俺の前に現れ飛びかかってきた。

 

 

「うお!何をする!?」

 

 

「ガゥー!」

 

 

「きゅー!」

 

 

俺はなんとかかわすがこのままではシュークリームやケーキが何かの拍子で潰れてしまうかもしれない。

 

そのうえここはトラックの上なので狭い。

 

ならば!

 

 

「黒猫フォーム!」

 

 

俺も黒猫となり奴らを迎え撃つ。

 

仁義なき小動物の戦いじゃあー!!

 

 

「さっきから……何をしてるんですかあああぁぁあぁ!!!!!!」

 

 

そのときフィリス先生のサイコキネシスで三匹もろとも捕らえられる。

 

ちなみに久遠は、隣にいたなのはがちゃっかり保護してました。

 

俺は空中で宙ぶらりんになりながらフィリス先生に怒られる。

 

相棒とナハトはリニスに怒られていた。

 

 

「先程から見ていましたが、なぜ皆さんの前でさも当然のように魔法を使っているんです!?あとトラックの上で暴れない!落ちたら危ないでしょう!!」

 

 

「いやほら、この人達もただ者じゃないっぽいですし、どうせこの後事情説明しなきゃいけないんなら別に気にしなくてもいいかなって」

 

 

「そこで開き直らないで下さい!S.O.N.Gの皆さんも唖然としてるじゃないですか!!」

 

 

「そういうフィリス先生も普通にフィン展開して超能力使ってるじゃないですか」

 

 

そうなのだ。

フィリス先生も紫の羽根を展開させて現在進行形で超能力を行使しているのである。

 

 

「わ、私はその、大人だから別にいいんです!」

 

 

「理由になってねぇです」

 

 

俺達があーだこーだ言い争っていると見かねたマリアさんが仲裁に入ってくれた。

 

最初はどこか警戒してたのに五分も経たない内に普通になってた。

 

たぶん俺達のやり取りを見ていて警戒してるのがバカらしくなったのだろう。

 

さすが俺。

意図せず相手の警戒心を自然と下げていたようだ。

 

それに話してて分かったがこの人、オカン属性強い。

 

 

「うぅ……うちのヒエン君がどうもすみません」

 

 

「貴方も苦労してるのね……」

 

 

なのはがマリアさんに謝ってた。

 

そしてマリアさんは、そんななのはに同情してた。

 

なんか無性にごめんなさい。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

俺達はある港に連れていかれ、そこに停泊している潜水艦へと案内された。

 

中に入ると潜水艦とは思えないほどの広さであり、多くの作業員、職員と思われる人達が動き回っていた。

 

広さはアースラ程ではないが、それでも負けていない気がする。

 

前を歩くマリアさんを先頭に俺達も後をついていく。

 

ちなみに相棒を切歌さんが、ナハトを調さんが抱いている。

 

心なしか二人の表情は生き生きしている。

 

やはり世界は変わっても可愛いは正義らしい。

 

ちなみに俺は元に戻って歩いてます。

 

 

「ここがメインルームよ」

 

 

そして一際大きな自動扉をくぐったとき……

 

 

 

パァン……パパァン……

 

 

 

と目の前を紙吹雪が舞っていた。

 

見れば職員と思わしき人達がクラッカーをこちらに向けていた。

 

そして俺達を見る目がやけに温かった。

 

なして?

 

 

「ようこそ!超常災害対策機動部タスクフォースS.O.N.G.へ!!」

 

 

俺達は唖然とする。

 

事情聴取されると思っていたのに歓迎ムードであったからだ。

 

すると一際大きな赤髪の男性がこちらへとやってくる。

 

身長は190はある。

 

俺は戦慄する。

 

抑えてはいるが身体全体から迸る野獣のような気配、鋼のように鍛えられた体躯、そして彼の背後に鬼、オーガのような生き物を見た気がした。

 

 

「まずは礼を言わせてくれ。部下達を救ってくれてありがとう。君達があそこで庇ってくれなければ、少なからず犠牲者も出ていただろう」

 

 

そして頭を下げた。

 

代表してリニスが対応する。

 

 

「頭を上げてください。こちらとしてもあの状況を放っておく訳にはいきませんでしたので」

 

 

「寛大な対応感謝する。さすがは時空管理局の魔導師の皆さん……といった方がいいのかな?」

 

 

男性の言葉になのは達は目を見開く。

 

すると男性は笑顔で話す。

 

 

「そこの彼の会話を聞かせてもらっていたのさ」

 

 

『もう一度聞く。貴方は一体何者?こちらが名乗ったのだから、そちらも名乗るのが礼儀ではないかしら?」

 

 

『失礼した。時空管理局嘱託魔導師、大空氷炎だ』

 

 

俺とサンジェルマンとの会話が大きなモニターにて再生される。

 

恥ずかしいからやめてくれません?

 

 

「君達の事情もおおよそながら把握している。まずはお互いの情報交換といこうか」

 

 

そして相手側から自己紹介を始めた。

 

このS.O.N.Gの司令を務める風鳴弦十郎(かざなりげんじゅうろう)氏。

 

S.O.N.Gのエージェントである緒川慎次(おがわしんじ)氏。

 

男性オペレーターの藤尭朔也(ふじたかさくや)氏。

 

女性オペレーターの友里(ともさと)あおい氏。

 

錬金術師兼S.O.N.G専属研究者のエルフナイン氏。

 

シンフォギア【アガートラーム】の使い手、マリア・カデンツァヴナ・イヴさん。

 

シンフォギア【シュルシャガナ】の使い手、月読調(つくよみしらべ)さん。

 

シンフォギア【イガリマ】の使い手、暁切歌(あかつききりか)さん。

 

他にも後三人のシンフォギアの使い手がいるらしいのだが、今は別件の任務についており、いないらしい。

 

そして俺達も自己紹介しようとしたとき……

 

 

 

突如、メインルーム内のブザーが鳴り響いた。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

第三者side

 

 

 

エスカロン空港にて、錬金術師カリオストロはアルカ・ノイズを用いて騒ぎを起こしていた。

 

 

「全く、サンジェルマンったらティキの回収を忘れてたからって、このあーしを囮に使うだなんて……人使い荒いわ~」

 

 

「……派手に暴れて装者達を引きづりだすワケだ」

 

 

カリオストロの隣にプレラーティが現れる。

 

 

「あら、手伝ってくれるの?」

 

 

「私は楽しい方優先。ティキの回収はサンジェルマンに押し付けたワケだ。ん?」

 

 

そのとき彼女達の上を一つのヘリが通過する。

 

そこには三人の人影の姿があった。

 

 

「待ち人来たり♪♪」

 

 

三人はヘリから飛び降りると、赤いペンダントを掲げ起動聖詠を唱える。

 

 

「Seilien coffin airget-lamh tron」

 

 

「Various shul shagana tron」

 

 

「Zeios igalima raizen tron」

 

 

マリア、調、切歌がそれぞれのギアを纏っていく。

 

マリアがカリオストロに、切歌がプレラーティに向かっていくなか、調はまず周囲のアルカ・ノイズを一掃していく。

 

 

α式(アルファしき)百輪廻(ひゃくりんね)

 

 

ツインテール状のヘッドギアから複数の小型円盤ノコギリを射出する。

 

それを食らったアルカ・ノイズ達は消滅していく。

 

 

「始めからおおっぴろげなワケだ。ならばさっそく!?」

 

 

「さっそく捕まえたデース!!」

 

 

プレラーティがヨナルデパズトーリを召喚しようとしたとき、それを察した切歌が、身に纏うイガリマの一部を鞭状に延ばすことで拘束する。

 

 

「もう!何やってるのよ!?」

 

 

「ふっ!はぁああ!!」

 

 

カリオストロはマリアと交戦する。

 

 

「ようやく会えたわねパヴァリア光明結社!!今度は何を企んでいるの!?」

 

 

「革命……とだけ言っておこうかしら」

 

 

手のひらに青色のエネルギー弾を展開させて放つが、マリアは素早い身のこなしで全てかわしていく。

 

 

「アガートラーム、シュルシャグナ、イガリマ、敵と交戦!」

 

 

「適合係数安定しています」

 

 

S.O.N.Gの作戦本部でも戦いの様子はモニターしていた。

 

 

「皆さん……」

 

 

その様子を金髪の幼い少女、エルフナインが心配そうに見つめる。

 

さらにその後ろではその様子を見ている三人の少女もいたりする。

 

 

「今度はこっちで無敵のヨナルデパズトーリを……」

 

 

「はぁああ!!」

 

 

今度はカリオストロがヨナルデパズトーリを召喚しようとするが、マリアのパンチによって吹き飛ばされる。

 

 

「あの蛇は確かに強力よ。攻撃の無効化、鉄壁の防御。だけど貴方は……無敵じゃない!」

 

 

「きゃああ!?」

 

 

切歌と調もプレラーティへと本格的に攻めていく。

 

そんななかマリアは思考する。

 

 

(繰り出す手数であの怪物の召喚を抑えてしまえば……やれる!!)

 

 

マリアはパヴァリア光明結社との戦いに備えて、事前に少年達とヨナルデパズトーリの戦闘映像を見返していた。

 

よってヨナルデパズトーリの危険性は初めから知っていたのだ。

 

しかし三人の動きが僅かに止まる。

 

 

「「「っっ!!」」」

 

 

「適合係数急激に低下!まもなくLiNKERの効果時間を超過します!!」

 

 

マリア達はギアを纏うとき、適合係数を上げるためLiNKERを使用している。

 

だが個人で調整されたものではないため効果時間は短かった。

 

そして間の悪いことに……

 

 

「司令!シュルシャグナとイガリマの交戦地点に滑走中の!」

 

 

「航空機だとおぉ!?」

 

 

アルカ・ノイズに追われている航空機が調、切歌が戦っている交戦地点にやってきたのだ。

 

 

「調!」

 

 

「切ちゃんの思うところはお見通し!」

 

 

「行きなさい!後は私に任せて!!」

 

 

「了解デース!」

 

 

「うん!」

 

 

マリアが二人の意図を察して航空機へと向かわせる。

 

それを見ていたプレラーティが一言。

 

 

「あの二人でどうにかなると思ってるワケだ」

 

 

「でもこの二人をどうにかできるかしら?」

 

 

そしてマリアが攻めようとしたとき、()()()が響いた。

 

 

 

 

 

「できるさ」

 

 

 

 

 

 

そのときマリアの隣にオレンジの魔方陣が現れる。

 

 

 

 

 

 

そこから現れたのは額に炎を灯した少年であった。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

俺はバリアジャケットへと換装すると同時に死ぬ気モードとなる。

 

そして呆気に取られている彼女の隣に立つ。

 

 

「ヒエン!?」

 

 

「助太刀するぜマリア」

 

 

「貴方……どうして?」

 

 

「別に大した理由なんてない。強いて言うなら……困ったときはお互い様だろ?」

 

 

すると俺の答えに彼女は呆れたような反応を返す。

 

 

「貴方、相当なお人好しね」

 

 

「そんな褒めるな」

 

 

「褒めてないわよ……」

 

 

すると俺達の様子を見ていたカリオストロとプレラーティが話す。

 

 

「あら?あのときの炎の坊やじゃない♪♪」

 

 

「ここに現れたということは……シンフォギア装者の仲間にでもなったワケか?」

 

 

俺は前方の二人を見据える。

 

 

「俺はカリオストロの相手をする。プレラーティを頼んでもいいか?」

 

 

「元々、一人でやるつもりだったんだけどね……。ただ気を付けなさい。相手は裏の世界で暗躍していた凄腕の錬金術師。その強さは伊達ではないわ」

 

 

「心配するな。こっちもそれなりに修羅場は経験してる。それじゃあ……いくぜ!!」

 

 

俺はグローブから炎を噴射し、カリオストロに肉迫する。

 

俺の炎の拳をカリオストロはシールドのようなもので受け止める。

 

 

「あらあら、いきなりねぇ」

 

 

俺はさらに連続で攻めていく。

 

だがカリオストロは両手にシールドを展開させると俺の攻撃を的確に防御していく。

 

いや、受け流していく。

 

 

(……攻撃を逸らすのがうまい。こいつ、何か格闘技をやっていたな?)

 

 

「プレゼントをどうぞ!」

 

 

するとカリオストロは両手に青色のエネルギー弾を収束させると、散弾銃のように放ってきた。

 

俺は炎熱疾走(フレアドライブ)を発動させて高速で動き回り、エネルギー弾をかわしていく。

 

 

「それそれそれぇ!」

 

 

こちらも隙を見てヒートカノンを放つが、うまく相殺される。

 

横目でマリアの方を見てみれば、プレラーティに高速で斬りかかることで次第に追い詰めていた。

 

するとカリオストロとプレラーティの二人が横に並ぶ。

 

それを見たマリアが声をあげる。

 

 

「下がりなさいヒエン!」

 

 

「っ!……おう!」

 

 

HORIZON†CANNON

 

 

マリアは左腕のアーマーを砲身に変形させると銀色の砲撃を放った。

 

その威力は俺のヒートバーナーにも引けを取らない威力だった。

 

俺は航空機の方にも視線を向ける。

 

無事飛び立ったようで夜空にその姿が確認できた。

 

調と切歌の二人は航空機を守りきったようだ。

 

 

「二人もうまくやったみたいだぞ」

 

 

「そうみたいね。それよりさっきから気になってたのだけど、貴方口調が……」

 

 

「「マリア!!」」

 

 

そのとき調と切歌の二人がやってくる。

 

二人は俺の姿を確認すると驚く。

 

 

「お、お兄さんではないデスか!?」

 

 

「貴方は本部にいたはず……どうやってここまで?」

 

 

そして三人の姿が元に戻る。

 

俺は事情を説明しようとするが、突如爆発音が響いた。

 

 

 

 

 

 

ドガァアアアアアアアンン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

目を向ければ未だ健在しているカリオストロとプレラーティの姿があった。

 

どうやらマリアの放った砲撃を無傷で凌いだらしい。

 

傷一つついていないどころか、(ほこり)一つすらついていない。

 

恐らく障壁を最大展開させて防いだのだろう。

 

 

「チッチッチッ」

 

 

カリオストロがこちらに笑いかけてくる。

 

その笑顔はどこか憎たらしい。

 

 

「まだ戦えるのですか……」

 

 

「だけどこっちはもう……」

 

 

俺は三人を庇う様に前に出る。

 

 

「三人とも下がってろ」

 

 

そしてカリオストロは右手をこちらに向ける。

 

 

「おいでませ、無敵のヨナルデパズトーリ!」

 

 

一筋の光が上空へと迸る。

 

 

 

「ヴォアアアアアア!!!!!!」

 

 

 

再び蛇の怪物、ヨナルデパズトーリが俺達の前に姿を現した。

 

 

「くっ……時限式ではここまでなの」

 

 

マリアが弱気な発言をしてしまうが喝を入れる。

 

 

「まだだ!まだ負けた訳じゃない!!」

 

 

そして俺が攻撃を開始しようとしたとき……

 

 

 

「うわぁああああああ!!」

 

 

 

上空から雄叫びをあげながらやってきた女の子がヨナルデパズトーリに攻撃を仕掛けた。

 

 

(あの子はまさか……)

 

 

「ふっ。攻撃は効かないワケだ」

 

 

だが……

 

 

 

「ウォ……ウォアアア……」

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

それを見た調と切歌の士気が上がる。

 

 

「それでも無理を貫けば!」

 

 

「道理なんてぶち抜けるデス!!」

 

 

うん。

どこぞの心の兄貴の如くイケメンな女の子である。

 

 

「わぁあああああああ!!!!!!」

 

 

そしてヨナルデパズトーリは身体を貫かれ()()()()

 

 

「どういうワケだ……!?」

 

 

「もう!無敵はどこいったのよおぉ!!」

 

 

そしてやってきた少女、立花響は言う。

 

 

「だけど私はここにいる!」

 

 

ここで俺もいると言いたくなったのは秘密である。




次回こそ事情説明だー!!……あとちょっとOHANASHI。

では、また(・∀・)ノ

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