大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

続き書けたで候。

今回ちょっと短いです。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第二百六十九話 歌い舞い踊る戦姫Ⅹ

第三者side

 

 

 

『当機は間もなく着陸態勢に入ります。安全上のためシートベルトの着用をお願いします』

 

 

三人を乗せた飛行機が日本へと着こうとしたとき、それは起こった。

 

 

 

ドガァアアアアアアンン!!!!!!

 

 

 

「なに!?」

 

 

マリアと翼が窓へと視線を向ける。

 

そこには……

 

 

「アルカ・ノイズ!?」

 

 

敵からの襲撃があった。

 

 

「着陸直前の無防備な状態を狙われるなんて……」

 

 

「日本まで追ってきたということか」

 

 

そして二人は気付く。

 

 

「……そういえばヒエンは?」

 

 

「……さっきまでそこで機内食を食べていた筈だが」

 

 

少年が座っていたとされる座席へと視線を向ける二人。

 

だが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

端的に言えば……()()()()()()()()()()()

 

 

「ヒ、ヒエンー!?」

 

 

「オオゾラー!?」

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

所変わって襲撃をしかけた錬金術師の二名、カリオストロとプレラーティは空港の管制塔上で高みの見物と洒落込んでいた。

 

 

「うふふ、命中命中~。さて、攻撃の第二弾三弾といきましょうか~」

 

 

「出迎えの花火は派手で大きいほど喜ばれるワケだ」

 

 

すると二人の思惑通り、アルカ・ノイズは更なる追撃を仕掛けた。

 

 

 

────────

──────

────

 

 

 

「特別機206便、反応途絶!」

 

 

「翼さん、マリアさん、ヒエン君の脱出を確認!ですが……」

 

 

当然S.O.N.G陣営でも三人の乗る飛行機に襲撃があったことは伝わっていた。

 

そしてモニターに映るのはケースを抱えたまま吹き飛ぶマリアの姿であった。

 

ちなみに少年は脱出した訳ではない。

 

吹き飛ばされただけだ。

 

 

「このままでは海面に叩きつけられてしまいます!」

 

 

緒川が焦って叫ぶが……

 

 

「いや、大丈夫だ」

 

 

弦十郎が安堵の声をあげる。

 

そこにはマリアを空中で受け止める額に炎を灯す少年の姿があった。

 

 

 

第三者side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

気付けば外に投げ出されていた。

 

下から物凄い風圧が押し寄せる。

 

だが今はそんなことどうでもいい。

 

 

「お、俺のビーフアンドチキイイイィィィィィィン!?」

 

 

食べ損なった豪華な機内食が無惨に落ちていったのだから。

 

 

「……あー」

 

 

なんだろうこの気持ち。

 

人間、食べ物の恨みは恐ろしいと言うが、今ならその気持ちも分かる気がする。

 

腹の底からフツフツと沸き上がるようなこの黒い感情。

 

そう。

俺は間違いなく怒っている。いや、イライラしている。

 

 

「まだメインディッシュ食ってなかったんだよおおおおおぉぉぉぉ!!!!」

 

 

心からの叫びだった。

 

あの機内食は豪華な食材が使われている。

 

まだ食べてる途中だったけど、かなり美味しかった。

 

まだ食べてる途中だったけど。

 

大事なことなので二回言いました。

 

 

「ガゥガゥ!」

 

 

すると肩に相棒が現れ、『今はそんなことどうでもいいから早くセットアップ!』との思念が送られてくる。

 

あ、そういえばそうだった。

 

現在進行形でものすんごいスピードで落ちてるんだった。

 

 

「セットアップ、スピリットフォーム改」

 

 

俺はバリアジャケットへと換装すると、炎の翼を広げて飛翔する。

 

手に持っていたままのナイフとフォークを炎で溶かしてから、そのまま上へと向かう。

 

すると飛行機に奇妙な生き物達が襲いかかっていた。

 

あれらには見覚えがある。

 

 

「アルカ・ノイズ!?」

 

 

アルカ・ノイズの集団が飛行機に攻撃を仕掛けていたのだ。

 

 

「あれは……マリア!?」

 

 

すると飛行機から吹き飛ばされるマリアを発見する。

 

その手にはバルベルデ政府の機密資料が入ったケースが抱えられていた。

 

咄嗟に俺はグローブから炎を噴射し、猛スピードで飛んでいくと同時に射撃魔法を発動させてマリアの周辺にいるアルカ・ノイズを消し飛ばしていく。

 

そして俺は落ちてきたマリアをお姫様抱っこで受け止めた。

 

 

「おっと」

 

 

「ヒエン!?無事だったのね!」

 

 

「おう。あと一言言わせてもらうとだな、無茶するなこの野郎」

 

 

「貴方に言われたくないわ!」

 

 

「へいへい。とりあえず舌噛まないようにジッとしてろよ」

 

 

「前から思っていたけど、額に炎がついてるときの貴方って少し攻撃的になるわよね」

 

 

「ほっとけ」

 

 

俺はマリアを抱えたままなので両手が塞がっている。

 

なので砲撃魔法は使えない。

 

ならばある程度、コントロールがきく射撃魔法で素早く迎撃していくしかない。

 

 

火炎の銃弾(フレイムバレット)verライフル!」

 

 

自身の周囲に炎のスフィアを展開させる。

 

そしてスフィアから15発の魔力弾を連続で放つ。

 

こちらに迫るアルカ・ノイズを貫通して消滅させていく。

 

するとある声が聞こえた。

 

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

 

その直後、飛行機が爆発する。

 

あの爆発ではパイロットは無事ではないだろう。

 

 

「翼!?」

 

 

マリアが焦るように叫ぶ……が大丈夫だ。

 

翼がギアを纏って外へと飛び出してきたからだ。

 

 

「~♪」

 

 

翼は歌いながら刀を大剣へと変えると斬撃を放つ。

 

 

 

蒼ノ一閃(あおのいっせん)

 

 

 

脚部のバーニアを吹かせて空中を駆け回り、素早くアルカ・ノイズを斬り伏せていく。

 

アルカ・ノイズは瞬く間に消滅していく。

 

しかしあの子、蒼ノ一閃、好きだよね。

 

 

「無事だったかオオゾラ」

 

 

「おかげさまで」

 

 

俺と翼は空中で短い言葉をかわしつつ、アルカ・ノイズを迎撃する。

 

しかし突如、アルカ・ノイズ達が猛攻撃を仕掛けてきた。

 

俺はそれをラウンドガーターを円球上で展開することで、受け止めて逸らす。

 

そして威力のあるverバズーカで纏めて吹き飛ばした。

 

 

「オオゾラ!私の下に来い!!」

 

 

「……っ!おう!!」

 

 

翼が大声で俺を呼ぶ。

 

それを聞いた俺はすぐに翼の下へと避難した。

 

 

 

千ノ落涙(せんのらくるい)

 

 

 

上空から大量の青い剣がアルカ・ノイズを吹き飛ばしていく。

 

俺達の周りにいたアルカ・ノイズは全滅した。

 

そして翼は海面にゆっくりと着水する。

 

俺は翼の横に並走するように飛んでいく。

 

 

「手厚い歓迎を受けてしまったわね」

 

 

「果たして連中の狙いは私達装者か、それとも……」

 

 

翼はマリアの持つケースへと視線を向ける。

 

そんななか俺は超直感による気配感知にて、二つの視線をキャッチする。

 

 

「これは……視線が二つ?」

 

 

俺の言葉にマリアと翼が驚く。

 

 

「視線……どこかから見ていると言うの?」

 

 

「……あそこだ!」

 

 

翼が大声をあげる。

 

その視線は空港の管制塔に向けていた。

 

俺達も視線を向けると、バルベルデ共和国で見たパヴァリア光明結社幹部の錬金術師、カリオストロとプレラーティの姿があった。

 

俺は即座にフレイムバレットを放つが、二人は転移で消え去ってしまう。

 

こちらに笑顔で手を振るカリオストロと、得意げににやけるプレラーティの姿が妙に腹立たしかった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

日本に到着した俺達はすぐにS.O.N.G本部の潜水艦へと向かった。

 

到着後、メインルームへと足を伸ばすと数分後に響達となのは達が出迎えてくれた。

 

そして始まるブリーフィング。

 

話題となったのは、やはりバルベルデにてサンジェルマン達が求めていた代物である。

 

友里さん達が見せてくれたモニター映像には、オレンジのクリスタルの中で眠る人形のような物があった。

 

響達が言うにはオートスコアラーというらしい。

 

以前、俺が月村家のパーティーで戦ったアンドロイドの自動人形のような物だろう。

 

風鳴司令の話に寄れば、前大戦時ドイツは化石燃料による代替エネルギーとして多くの聖遺物を収集していたという。

 

そのとき幾つかの物が当時の同盟国として日本にも研究目的として持ち込まれた。

 

それが響の持つガングニールに、クリスのイチイバル、あとはネフシュタンの鎧だ。

 

ちなみにネフシュタンの鎧はシンフォギア第一シリーズ、ラスボスのフィーネが纏っている代物である。

 

話に戻るが、戦後に亡命したドイツ高官によって南米にも多くの聖遺物が渡った。

 

このオートスコアラーもそういった経緯でバルベルデに渡った物かもしれないのだ。

 

そしてこれらの謎を解く鍵がバルベルデ政府が所有していた機密資料だ。

 

パヴァリア光明結社の錬金術師二人が俺達を襲ってきたことを考えれば、十中八九目的はこの資料だろう。

 

あわよくば俺達も始末できれば良かったのだろうが……。

 

風鳴司令からは錬金術師達が既に日本に潜伏している可能性を考慮して、各自十分に警戒するように言われた。……特に俺は念入りに。

 

なんで俺だけそんなに言うのか聞いたら呆れたように返された。

 

曰く、宣戦布告していることによって奴らに優先的に狙われるから……かもしれないらしい。

 

完全に自業自得だった。

 

そしてブリーフィングが終わり、各自自由時間となったのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆、紹介するよ!こちら私のルームメイトで親友の……」

 

 

「皆さん初めまして。響の親友の小日向未来です。そして貴方が響がよく話してた……」

 

 

「オ、オオゾラヒエンデス。ドウゾヨロシク、コヒナタミクサン」

 

 

数分後には響の嫁である393と飯を食っていた。

 




やめて!響!貴方の天然な行動で393の機嫌が悪くなったら、既に精神的に追い詰められてるヒエンの精神が燃え尽きちゃう!

お願い、死なないでヒエン!

あんたが今ここで倒れたら、誰がパヴァリア光明結社を止めるの?

ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、393に勝てるんだから!


次回「ヒエン死す」デュエルスタンバイ!

では、また(・∀・)ノ

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