続き書けたで候。
今回は393と対面回……とはいっても別に普通です。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
俺は今、ファミレスにいた。
ブリーフィングが終わった後に腹が空いたので、予定の空いてる皆できたのだ。
だが俺としては内心では帰りたい気持ちでいっぱいであった。
「皆、紹介するよ!こちら私のルームメイトで親友の……」
「皆さん初めまして。響の親友の小日向未来です。そして貴方が響がよく話してた……」
「オ、オオゾラヒエンデス。ドウゾヨロシク、コヒナタミクサン」
響の嫁である393と飯を食わなきゃならなくなったからなあああああぁぁぁぁぁっっっっ!!!!
◆◆◆
戦姫絶唱シンフォギアシリーズに登場するヒロインの一人である。
黒髪のショートで、後頭部の大きな白いリボンがチャームポイントの少女である。
響とは小学校時代からの幼馴染であり、何かと彼女の世話を焼く保護者役でもある。
性格は控えめでおしとやか。
内向的な面もあるが、響の影響を受けているのか、困っている人を見ると放っておけない。
中学時代に陸上部に入って短距離走に打ち込んでいたが、高校に入ってからはやめていた。しかし走る事に対する情熱は未だ健在な模様。
過去にツヴァイヴィングのライブでガングニールの破片、欠片が響に打ち込まれるきっかけを作ってしまった少女でもある。
ライブに誘ったはいいものの、彼女自身当時は家庭の事情で行く事が出来なかったのだ。
だがそのおかげでノイズによる被害は免れる……が、代償として響が重傷を負う事になり、罪悪感を感じているのもあってか、それらが彼女が響に世話を焼く切っ掛けとなっている。
俺の前世の世界のシンフォギアシリーズ、公式からは響の嫁と呼ばれており、ファンからも夫婦と呼ばれるほど。
本編やキャラソン、CMや映像特典等からも響に友情以上の感情を抱いていることが分かる。
その証拠に本編でもわざわざ二段ベッドの同じ段で
つまりそれだけ響LOVEな女の子なのだ。
「高町なのはです!」
「フェイト・テスタロッサです」
「八神はやてです~」
俺の後に続くようになのはが元気よく、フェイトが静かに、はやてが落ち着いた声音でそれぞれ挨拶した。
ここにいる面子は俺、なのは、フェイト、はやて、響、未来さんの六人である。
俺としてはバルベルデから戻ってきた直後というのと、豪華な機内食が食べれなかったというショックもあって食堂で気が済むまでやけ食いしようと思っていたのだが、響の「今から夕御飯、一緒に食べに行こう!」の一言により、あれよあれよと連れてこられてしまったという訳である。
響さん、コミュ力高過ぎ。
ちなみにリニス、フィリス先生、リインフォースはマリア、切歌、調の三人に街を案内してもらっている。
なんでも生活必需品を買うための場所を把握しておくのと、そうでないのとでは雲泥の差なのだとか。
だがここで予想外だったのが393もとい、未来さんの存在である。
まさか待ち合わせをしていたとは……。
どおりで遠目から見たとき、超直感が反応した筈だ。
俺達を一目見たときの彼女から感じた感情は驚愕であった。
そしてなのは、フェイト、はやてを見ると少し落ち着き、最後に俺を捉えると目を見開き、一気に緊張状態へと陥ってしまった。
うん。
三人と反応違いすぎない?
そりゃ大事な幼馴染がどこの馬の骨とも分からない男を連れてきたときは焦ると思うが……。
というかこれあれだよね?
完全に警戒されてるよね?
男にとって初対面の女子ほど気まずいものはない。
俺はここで置物又は人形の如く、微動だにしないでおこう。
そう思っていた時期が俺にもありました。
「あ、ヒエン君、顔にご飯粒ついてるよ」
と俺の席の前にいた響が俺の頬についているご飯粒をヒョイと取ると、なんとそのまま口へと運んでしまったのだ。
その行為に俺は思わず唖然とする。
おいやめろ。
そういうのってあれだから。
恋人同士の男女がする行為だから。
っていうかこの子なんなの?
そんなに俺に勘違いさせたいの?
そんなに俺を
なんならこのまま便乗して告白しちゃうまである。
そして振られる。
結局振られるのかよ。
「ひ、響さん!」
「…………///」
「だ、大胆やなあ」
すると俺の隣に座っている魔法少女三人娘は顔を赤くさせてこちらを見ていた。
「どうしたの三人とも?」
しかし流石は響さんなのか、小首を傾げて質問する。
これを素でやっている訳なのだから、この行為で勘違いして告白する男子が今までどれほどいたことだろう。
だが俺は騙されない。
これでも恋愛は二回ほど経験がある。……二回ともフラれたけど。
それらの経験から言わせてもらうとだな……
完全にこれは天然でやっている!!
そして俺を過去に振った女友達マジ許すまじ。
何が「私達、友達の方がいいと思わない?」だ。
何が「やっぱり貴方のこと、男として見れないの……」だ。
お前達の方が女として見れないわ!ばぁーか!ぶぁーか!!
さて、現実逃避はここまでにしてそろそろ現実を見ようか。
響の隣に座っている響LOVEな女の子……
小日向未来さんの目のハイライトが段々と消えているから(震え声
とりあえず頭の回転早めるために死ぬ気化しとこ。
◆◆◆
「響……」
未来さんの声が静かに響くと、俺は自分の心臓がビクンッと跳ね上がるような錯覚に陥る。
すると未来さんの顔は途端に満面の笑みに変わり、響にやんわりと注意する。
「もう~。ヒエンさんが困ってるよ。そういうのは相手に伝えるだけでいいの」
「あ、そっか~。ヒエン君ごめ~ん。えへへへ」
右手を後頭部にあてながら苦笑いする。
可愛いなおい。
だが未来さんのこっちを見る目がちょっと怖い。
満面の笑みが怖い。
つーか精神的にヤバイ。
胃が痛い。
しかし恐ろしいことに人とは慣れる生き物である。
つまりこの状況にも短時間で適応してきている自分がいた。
端的に言えば、死ぬ気化することで胃の痛みにも耐えられるということさ(迫真
もはや俺すげぇと自分で自分を自画自賛する程である。
そして俺達は自分達の身の上話をしながら、食事を進めていく。
ありがたいことになのはとはやてが積極的に話してくれるおかげで、俺は合いの手を入れるだけで済んでいた。
ちなみに未来さんに名前で呼んで下さいと言われたので未来さんと呼ばせてもらっている次第である。
そして全員が食べ終わり、各々コーヒーを飲んだり、デザートを食べたりしていたときだった。
響が話し始める。
「あーあー、クリスちゃん達も来れれば良かったのに」
そこで未来さんが反応した。
「バルベルデでのこと?」
「うん。クリスちゃん、あれからずっと落ち込んでるみたいだし、何とか元気付けてあけだいんだけど……」
「大きなお世話だ」
「うぇえ!?」
そのとき俺達の後方から声がする。
見ればクリスが後ろの席から顔を上げてこちらを見ていた。
っていうかいたんかい。
「その言い草はないだろう雪音。二人はお前を案じているんだ」
「うぇえ!?翼さんもいるー!!」
翼までいたようだ。
お前らいたなら声くらいかけろよ。
そしてさっきから響のリアクションが面白すぎる。
「私達だけでなく、皆、雪音のことを心配している」
「分かってる!けど放っといてくれ!私なら大丈夫だ。ステファンのことはあーするしかなかったし、同じ状況になれば私は何度でも同じ選択をする」
「それが雪音にとっての正義の選択という訳か」
「ああ」
「正義の……選択?」
そういえばクリスのことについては友里さんが秘密裏に教えてくれた。
俺達がこの世界に来たとき、丁度響・翼・クリスの三人は任務の真っ最中であった。
その任務がバルベルデに
そしてそのアルカ・ノイズを裏で操っていたのがバルベルデの小さな村の化学兵器プラントの工場長であった。
その工場長はアルカ・ノイズで村全体を包囲し、自身は幼い少女を人質にして卑劣な交渉を持ちかけたらしい。
だが響達がプラントで出逢ったステファン少年の活躍によって少女は救出される。
しかし1体のアルカ・ノイズが彼の右足を攻撃してしまったことで状況は一変。
このままではステファン少年が灰になってしまうところだったのだが、クリスが咄嗟に彼の右足を撃ち、身体と切り離したことで事なきを得る。
しかし彼の姉ソーニャ氏がクリスのこの行動を涙ながらに批判。
どうやらステファン少年はサッカーをやっていたらしく、右足が無くなったことにソーニャ氏は怒っていたのだ。
クリス自身も責任を感じているのか、甘んじてそれを受け止めていたらしい。
それにどうやらソーニャ氏とクリスは元々互いに既知だったようで色々確執などもあるらしかった。
そういえばバルベルデって確かクリスが幼少期の頃にいた国じゃなかったか?
もしかしたら記憶をサルベージすればその辺りの原因も分かるかもしれない。
そして俺は会話には参加せず、やり取りを見守っていた。途中なのは達がどうするか視線を向けてきたので、俺は首を横に振った。
それだけで俺の意図は伝わったのだろう。
三人とも様子を静かに見守っていた。
あと気になったといえば、未来さんが俺達のやり取りを興味深そうに見ていたのが気になるが。
「そういやお前、まだ夏休みの宿題を提出してないらしいなあ?こいつらとご飯を食べるのが楽しいのは分かるが……そんな暇があるのかあ?」
「ギョッ!?」
するとクリスが反撃とばかりに響へと話しかける。
それを響は芸人張りのリアクションで反応する。
さかなクンですね分かります。
「そうだったあぁ!どうしよう未来~!!」
「頑張るしかないわね。誕生日までに終わらせないと」
意外とスパルタですね未来さん。
「立花の誕生日は近いのか?」
「はい。13日です」
「はぁー。あと二週間もねぇじゃねえか。このままだと誕生日も宿題に追われて……」
そのとき電子音が鳴る。
鳴っていたのは響の電子端末であった。
「はい響です!え、アルカ・ノイズ!?」
どうやら楽しい食事の時間はこれまでのようだ。
◆◆◆
アルカ・ノイズが出現した場所はファミレスの近くであったらしく、響・翼・クリスの三人は急いで現場へと向かっていった。
俺達も一緒に行こうとしたのだが止められてしまった。
どうやら彼女達の中では俺達は一般人の枠組みらしく、いくら戦う力があるのだとしてもよっぽどの緊急性がない限り、戦うべきではないと言われてしまった。
正論過ぎてぐうの音も出なかった。
なので俺達は大人しく、S.O.N.Gの潜水艦へと戻っていた次第である。
俺達の前の方ではなのは達が楽しそうに話している。
その後方で、俺と未来さんは二人で歩きながらその様子を見守っていた。
「…………」
「…………」
誰か助けて。
無理やって。
これあかんて。
かれこれ五分くらいこの沈黙が続いてるんだけど。
何話したらいいか全然分からないんだけど。
いや、話そうにも未来さん少し考え事してるのか、地面見ながら歩いてるから話せないんだよ。
そもそも初対面の女子と二人きりっていうこの状況があかんて。
「あの……」
見れば未来さんがこちらを見上げながら話しかけてきた。
というか俺の方が身長は高いので必然的に彼女は上目遣いでこちらを見ることになるのだが、その破壊力が凄まじかった。
「……どうした?」
死ぬ気化しといて良かった。
普通に返せた。
「ヒエンさんとなのはちゃん達は魔法使い……なんですよね?」
「ああ」
そして未来さんが言葉を続けようとしたとき、
パキン……
何か小さな物が割れる音がする。
気付いたときには時既に遅く、俺達は囲まれていた。
「ヒエン君!?」
「これって……」
「アルカ・ノイズ!?」
なのは達は驚き、足を止める。
俺は直ぐ様指示を出す。
「三人とも未来さんを守れ!」
そして俺達は未来さんを囲むように構える。
周りを見ると多くのアルカ・ノイズに包囲されていた。
数を数えるのも億劫になるほどの多さだ。
そして俺達の前方に見知った人影が三名現れる。
「はぁ~い」
「やっと見つけたワケだ」
「しばらく振りね、大空氷炎」
パヴァリア光明結社幹部の錬金術師、カリオストロ、プレラーティ、サンジェルマンの三人が俺達の前に姿を現した。
次回は魔導師vs錬金術師。
主人公vsサンジェルマン、なのはvsカリオストロ、フェイトvsプレラーティでお送りします。
では、また(・∀・)ノ