続き書けたで候。
今回は軽くvs統制局長。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
「統制局長……アダム・ヴァイスハウプト……どうしてここに!?」
サンジェルマンが叫ぶ。
そのときアダムと呼ばれた男性は不敵に笑うと白いシルクハットを投げ捨てる。
そして黄金の球を少し膨張させるとスーツが焼け焦げ、全裸になった。
「……は?」
俺は目をこすり、もう一度男の方を見る。
「…………」
疑い様もなく全裸だった。
「何を見せてくれるワケだ!?」
「決まっているだろう。金を錬成するのさ。錬金術師だからね、僕達はッ!!」
「相棒」
「ガゥ。ガァアアアア!!!!」
とりあえずあの変態野郎が何かヤバイことをしようとするのを悟った俺は、相棒に調和の咆哮を撃たせる。
すると黄金の光は綺麗に霧散した。
「ぬっ?」
「なっ……局長の黄金錬成を!?」
「へぇ」
「中和したワケか!?」
アダム、サンジェルマン、カリオストロ、プレラーティがこちらを驚きながら見る。
咄嗟に中和できたから良かったものの、もし膨張させようものなら、確実に調和の咆哮で中和できる出力を超えていた。
するとマリア達の声が聞こえてくる。
「今のうちに三人の救出急ぐわよっ!!」
「待ってマリア!空に人がって……は、裸!?」
「な、なんてものを丸出しにしているの!?見ちゃダメよ調!切歌!」
「あっちも抜剣♂してるデスよっ!?」
「いけない切ちゃん!それ以上は!?」
「恥じらいを焼却して惜し気もなく抜剣♂してるデスよおおおぉぉぉ!!??」
とりあえずウチの三色団子がいい具合に暴走しているので、俺は元凶となっている変態野郎をぶっ飛ばすために視線を向ける。
うん。
抜剣♂している。
俺はこのとき、ある確信を持った。
あのアダム・ヴァイスハウプトという男……
間違いなく第四シリーズのラスボスであろう。
理由なら三つある。
一つ目はサンジェルマンが言っていた統制局長という役職。つまりパヴァリア光明結社のトップであると思われる。
二つ目は先程見せた黄金の球がとてつもない魔力量を含んでいたこと。……奴自身の魔力ランクはオーバーSランク、恐らくSSSはあると思われる。
そして三つ目の理由。
これが最も根拠となる理由。
それは奴自身が全裸であるということっ!!
シンフォギアシリーズのラスボスにはある共通点が存在している。
それは全員露出狂だということ。
第一シリーズラスボス『終わりの名を持つ者』、フィーネはネフシュタンの鎧が
第二シリーズラスボスのネフィリム・ノヴァは、元々
第三シリーズラスボスの最強の幼女錬金術師、キャロル・マールス・ディーンハイムはファウストローブが
このようにシンフォギアシリーズのラスボスは個人差はあれど、
そして恐らく第四シリーズの最中であろうこの世界のラスボスと思われる男は、
つまり俺の知ってる全シリーズ中、肌の露出度は一位なのだ。
だがネフィリムは動物みたいなものだから仕方なかったとしても、流石に野郎の全裸はダメだろう。
ただ思う。
ここになのは達がいなくて本当に良かったと。
特に純粋なフェイトなんぞ、奴の裸姿を見ただけで気絶するだろう。
というか、何が悲しくて野郎の抜剣♂状態を下から見なくてはならないのか。しかも俺より立派でおおき……ゲフンゲフン。
とりあえずやることは一つ。
「全世界の子供達の情操教育のために……死ねええええええぇぇぇぇぇっっっ!!!!!!」
俺は今までの八つ当たりの意味も込めて奴の股関にヒートスマッシャーを放った。
わざわざ目の前に弱点をぶら下げているのだ。
なら狙わない理由なんてないよね(真顔
「ふん」
だが奴は右手を向けてシールドを展開させてヒートスマッシャーを防ぐ。
様子見で放ったとはいえ、オーバードライブ状態の砲撃を防ぐとは……こいつ変態野郎にしてはなかなか強いぞ。
「躊躇なく……」
「狙ったワケだ……」
するとカリオストロと、プレラーティの二人が俺を恐ろしい者でも見るかのような目で見てくる。
どうしたんだおい。
「ほう。そこの少年、君が彼女達の言っていた異世界から来たという魔導師か?」
「ああ、そういうあんたはパヴァリア光明結社の親玉か?」
「いかにも。この僕こそがパヴァリア光明結社統制局長、アダム・ヴァイスハウプトその人さ」
「そうか。ならあんたをここでぶちのめせば、パヴァリア光明結社は瓦解する訳だ」
「これは滑稽だ。この僕を倒す気でいるのか?ただの人間の君が……この僕に?」
「敵の親玉がわざわざ目の前にいるんだ。そのチャンスを逃すほど、俺は甘くないぜっ!!」
俺は奴に
予想通り、奴は再度シールドを展開させて防ぐ。
しかしそれこそが俺の狙い目。
砲撃を目隠しに奴の背後へと回り込む。
「ふん、甘いよ」
だがアダムは俺の行動を予測していたのか、背後に複数の火炎弾を放つ。
しかもその強さはサンジェルマンの放つ物より強力と来た。
俺はそれらを拳で弾きつつ、射撃魔法で攻撃する。
だが奴は華麗に翔ぶように炎のスフィアをかわしていく。
攻撃が当たらない。
いや、それよりも
(こいつ……もしかして人間じゃない?)
俺は疑問に思いながらも攻撃を仕掛けていく。
「チェーンバインド!」
十にも及ぶ魔方陣からオレンジの鎖が空間中に放たれる。
アダムはかわしていくがさらにバインドの数を増やしていく。
すると奴の片足を拘束することに成功する。
「ぬっ!?」
そこからさらに拘束していく。
右腕、左腕、右足、左足。
四肢をチェーンバインドで拘束する。
その姿は
俺はチャンスとばかりに突貫する。
狙いは男の弱点!
たとえどれだけ屈強な男でも狙われれば、悶絶するほどのダメージを受ける箇所!!
言うなれば背中に弱点を持つジークフリートの如く!!!
そう!!!!
それすなわち股関っっっ!!!!!
「
「甘くみるなよ人間っっ!!」
だがアダムは拘束されながらも黄金のエネルギー弾を目の前に生み出し、前方へと放つ。
俺のビッグバンアクセルと黄金のエネルギー弾が激突し、爆発が起こる。
ドガァアアアアアン!!!!!!
爆発が起きた影響で奴を拘束していたチェーンバインドも壊れてしまった。
俺は目の前にいるアダムを観察する。
(やはりこいつ……)
「アダム、あんた人間じゃないな」
「なに?」
「なんですって?」
「なんだと?」
俺の言葉にサンジェルマン、カリオストロ、プレラーティの三人が反応する。
「あんたからは生き物であれば当然感じる……生の気配というものをまるで感じない」
そのとき俺はある可能性に気付く。
「そうか……あんた人形、
「人形……だと?」
するとアダムの声音が低くなる。
先程まで余裕
「今、人形といったか小僧おぉぉ!!」
「なに……ぐっ!?」
アダムは両手をこちらに向けて黄金のエネルギー弾を連射で放ってくる。
俺は高速で飛来するエネルギー弾を拳で弾き飛ばしながら後ろへと後退する。
ここに来て攻めが激化した。
どうやら人形という言葉が奴の琴線に触れたらしい。
「この完全で完璧な僕を……人形
「こんな小僧一人倒せない結社の親玉が完全で完璧だと?笑わせるな!不完全で欠陥の間違いだろうが!!」
こちらも両手を向けてヒートカノンの連射で対抗する。
「「おおおぉぉぉぉぉ!!!!」」
互いにエネルギー弾が数発当たり、ダメージが蓄積されていく。
「甘いんだよ!小僧ぉぉぉ!!」
「なにっ!?ぐぁあああ!?」
すると急に背中に衝撃が走り、姿勢が崩れる。
その隙をつかれて至近距離からエネルギー弾を食らってしまった。
見れば後ろに魔方陣のようなものがあった。
あれでエネルギー弾を転移させたらしい。
俺は地面へ吹き飛ぶも、受け身を取る。
「ヒエン大丈夫!?」
「大丈夫デスか!?」
「無事ですか!?」
その近くにマリア、切歌、調の三人がいた。
背中にそれぞれ翼、クリス、響を背負っていた。
俺は三人に告げる。
「三人とも下がってろ。分かってるとは思うが奴らのラピス・フィロソフィカスの力のせいでイグナイトは通用しない。それに響、翼、クリスも気を失っている今、撤退するしかない」
「それはそうだけど、貴方はどうするの!?」
「俺は
「そんな無茶デスよ!?相手は幹部だけでも三人、そのうえ統制局長って奴までいるのデスよ!?」
「安心しろ」
俺は分身を三人出す。
「人数の差はこれでなくなる」
「だからそういうことを……」
「言ってるんじゃないデス!!」
すると調が二人を説得してくれる。
「落ち着いてマリア、切ちゃん。この数日でヒエンさんがいかに頑固かはよく分かってるでしょ?それに今は撤退するしかないよ。私達までやられたら後がなくなる」
そのとき……
「くたばれ小僧おおおぉぉぉぉぉ!!!!」
アダムが再び黄金のエネルギー弾を収束させていた。
「またあれを撃つつもりか!?……相棒!」
「ガゥ!ガァアアアアアアア!!!!」
再び調和の咆哮を放つが……
「そんなもので防げると思うなあぁぁ!!」
エネルギーは格段に膨張し、調和の咆哮で打ち消せる範囲を越えてしまった。
「死ねええぇぇぇぇぇ!!!!」
そして地面へいる俺達へと放ってきた。
「くそったれ!!」
俺は真っ正面からそれを受け止める。
「く……二人とも!局長の黄金錬成に巻き込まれる前に!」
するとサンジェルマン達は転移ジェムを使って、この場から消え去ってしまった。
奴らがいなくなった今、あとはアダムだけだが……強烈な重量と膨大な熱量が俺を襲う。
「い、今のうちに逃げろ三人とも!早く!!」
「で、でもお兄さんを置いていけないデスよ!!」
「今はそんな悠長なこと言ってる場合じゃないだろうが!?いいから早く行け!!」
「で、でも……」
「でももなにもねぇ!俺もこれをやり過ごしたら直に撤退する!だから……早く行けえぇぇ!!」
「……いくわよ切歌、調。ヒエン約束しなさい。必ず帰還するのよ!」
「おう!」
そしてマリア達は撤退していった。
「あ、あとはこれをやり過ごせば……」
額の炎の質を柔から剛へ切り替え、押し返す。
「こんなもの……なのはのスターライトブレイカーに比べれば!!」
「ほう?これを押し返すか。だが無駄だ。アリがいくら努力しても象には勝てないだろう?それと一緒さ。たかだか人間風情が……この僕に勝てる訳がないだろうが!!」
「ごちゃごちゃうるせぇな。調子に乗っていられるのも今のうちだ!!」
俺は両手から砲撃を撃って対抗する。
「お、おおおお!!」
「その程度の攻撃で僕に勝てると?図に乗るなよ人間!!」
すると黄金のエネルギー弾はさらに膨張し、肥大化していく。
「さらに大きくなって……」
俺の砲撃は徐々に押され、地面へと押し付けられていく。
「ぐっ!?」
俺はさらに魔力を込めていくが、奴のエネルギー弾の方が圧倒的に強かった。
「こうなったらナハト、リミッター解除だ!!」
『きゅ!』
俺は心の中にいるナハトにオーバードライブの制限を解くように言うが……時既に遅かった。
「これで終わりだ!死ねぇ!!」
ドゴォオオオオオオオオンンン!!!!!!
「ぐ……ぐぁあああああああ!?」
そして俺は強大な黄金の塊を受けきれずに、呆気なく飲み込まれてしまった。
俺の意識はそこで途切れた。
黄金錬成に飲み込まれてしまった主人公。
さてどうなったのか?
では、また(・∀・)ノ