もう夏休みですね~
あー
旅行いきてえー
でもお金ない。とりあえず貯金がんばります。
では、どうぞ( ゚д゚)ノ
ヒエンside
現在俺達は、早朝の海鳴公園に来ている。朝早いのもあってか人は俺達以外誰一人としていない。
そんな中で今日もなのはの魔法の基礎訓練は続いている。
「そう、集中して。心の中にイメージを描いて」
「うーん…」
キイイイイイン
なのははレイジングハートを横に構え、目をつむりながら集中する。足元に描かれた魔方陣が目映いピンク色を放つ。
「そのイメージをレイジングハートに渡して」
「うんお願い!」
《Standby ready.》
「イメージに魔力を込めて呪文と共に杖の先から一気に発動!」
「えーと…捕獲魔法発動!」
レイジングハートからピンク色の球体が放たれる。
「やった!成功!?……いやしてない!」
ピンク色の球体は前方に飛んだと思ったら、旋回しなのはとユーノの元に向かっていく。
「…え?」
「はぁぁぁぁ??!!」
それを見た俺は即座に防御魔法を展開する。
「
なのはとユーノの眼前にオレンジ色の炎が盾となってピンク色の球体を防いだ。
「はぁ、大丈夫か?」
俺はなのは達へと近付いていく。
なのはは驚いたのか尻餅をついており、ユーノがわたわたと慌てている。
「なのは!?なのは!?大丈夫?」
「びっくりしたぁ」
俺はユーノをつまみ上げ肩に乗せ、なのはに手を差しのべる。
「立てる?」
「うん。ありがとう」
なのはは俺の手をとり立ち上がった。
「魔法なかなか上手くいかないね」
「いや、でもすごいよ。たった数日でここまでできるようになってるんだから」
「うーん、そうなのかな?」
ユーノがほめるが、どうやら比較対象がいないのが災いしたのかなのはは、自分が本当にうまくできているかわからないようだ。
ここで俺は助け船を出すことにした。
「なのははここ数日で確実にうまくなってるよ。俺なんて捕縛魔法使えるようになるまで数週間はかかったし」
「そうなの?」
「ああ、だから自信もっていいと思う」
「うん。分かった。それより…」
ピピッ ピピッ ピピッ
そのときベンチに置いていたなのはの携帯のアラームがなった。
「あ、もう朝御飯の時間だ」
「じゃあ今朝はここまでってことで」
早朝の訓練も時間となったので俺達は帰り支度を始める。
「ありがとうレイジングハート。またあとでね」
《Good by.》
なのははレイジングハートを戻し帰り支度が整ったので俺達は歩き始めた。
「…攻撃や防御の魔法はなんとかコツがわかってきたんだけどなあ」
「なのははエネルギー放出系が得意みたいだからね。元の魔力が大きい分、収束とか圧縮とか微妙なコントロールが苦手なんだよ。でもとりあえず大丈夫。捕獲や結界の魔法はボクがサポートできるはず。少しは魔力も戻ってきたし元々そっち系の魔法は得意なんだ」
「俺は基本的に不得意な魔法はないからな。援護とかは任せてくれ」
「ありがとうユーノくん、ヒエンくん」
話ながら歩いているといつの間にかなのはの家の前までついていた。
「じゃあ俺は帰るよ」
「え?朝御飯食べていかないの?」
「いやこんなに朝早くにお邪魔しちゃ悪いでしょ?」
うん。
普通は迷惑なはずである。
「そんなことないよ。それにお姉ちゃんから聞いたよ?コンビニ弁当ばっかり食べてるって」
「………」
否定できないのが痛いところである。
「そうだぞ。男子たるもの自分の体のことも気遣わないとな」
「そうだよー。気にしてないで食べていきなって」
すると門の向こう側から声が聞こえてくる。
「恭也君、美由希さんまで」
「ただいまお兄ちゃん、お姉ちゃん」
「おかえり」
「おかえりなのは」
なのはが俺の後ろに周り、家へと入るように背中を押す。まあここまで言ってくれてるんだしお世話になろうか。
「えーと、おじゃまします」
◆◆◆
そしてなぜか俺は今、プールへと来ている。朝食を高町家でごちそうになっていた俺は高町ファミリーの面々と楽しく話していた。すると今日は、皆で新しくできた温水プールに遊びにいくことになっていたそうで…俺もどうかと誘われた。
誘ってくれるのは嬉しいが俺は基本的にインドア派なので丁重にお断りしたのだが、そのときのなのはの一瞬寂しそうな顔がよぎった瞬間…
ブワッ!
凄まじい殺気が俺へと向けられた。
娘思いの父親と、妹思いの兄によって。
こんな濃厚的な殺気を受けて断れるだろうか?
いや確実に無理だ。
それに目が語っていた。
『ナノハヲナカセタラ……シアルノミ』
こうして急遽俺のプール行きが決定したのだった。
そして学校が終わったあと俺は美由希さんに首根っこを捕まれ、売りにいかれる子牛の如く連れていかれた。クラスメート達がドナドナド~ナド~ナ~と唱えていたのが記憶に焼き付けられている。
そして校門前に迎えに来ていた月村家のメイド、ノエル&ファリンに乗せられ温水プール施設に直接向かったというわけである。
そして着替えること数分後…俺は先に水着に着替え終え、皆を待つこととなった。
今回の温水プールの面子は高町家から恭也君、美由希さん、なのはの3名。月村家からは忍さん、すずか、ファリン、ノエルの4名。バニングス家からはアリサ。そして急遽誘われた俺の計9名である。いや、ユーノも入れると10名だ。フェレットだけど。
だが男女比率が大変なこととなっている。ユーノはフェレットだから除外するとしても男女比率2:7である。ある意味、第三者から見た俺はリア充かもしれない。
だが想像してほしい。
ほとんど女の子ばかりで、男子一人だけポツンとしている姿を。
居づらいわ!
俺が待っていると、聞き覚えのある声が聞こえてくる。というよりも今回の元凶の声である。
「はーい、そこの君達!ごめんねープールサイドでは周りに気を付けて遊んでねー」
目を向けると、少年2人に注意する忍さんと、その側に立っている恭也君がいた。
そういえば2人とも今日はプールの巡視員のアルバイトだったっけ?
「あらヒエンくん1人?」
忍さんはこちらに気付いたようで俺の側までかけてくる。お胸についている立派な果実2つを勢いよく揺らしながら…。
「ブハッ!」
なんという破壊力!?
ただ走るだけであれだけの攻撃力を持つというのか!?
俺はなんとか鼻を押さえ、忍さんを見ないように真上を見る。
数秒たって少し落ち着いたので横目でチラッと確認すると、忍さんは俺のそんな様子に最初は怪しんでいたが合点がいったのか、ニヤリと笑い面白いオモチャを見つけたかのような表情となった。
「あらあ~どうしたのかしら~?いきなり上なんて見・ち・ゃ・っ・て」
忍さんが背中から俺に向けていきなり抱きついてきた。
え!
アンタいきなり何やってんの!?
彼氏いるでしょ!?そんな彼氏の前で何やってんの!?ほら見なさいよ!貴方のいきなりの行動で恭也君ポカーンなってますやん!!
そしてポカーンとなっていた恭也君が俺に殺気を向けてくるのは当然の帰結であった。
てか本当にやめてください。
背中の感触がやわらかかかかかかかかかかかかかかかかかかか!!!!!!?????
「ふふふ、ウブなのね。かわいい~」
俺が背中の柔らかい感触に喜びと興奮、後ろから感じる殺気に寒気を覚えていると
「何やってるのかなヒエンくん?」
空気が凍った。
いつの間にか後ろにくっついていた忍さんも恭也君の近くに戻っており、恭也君はこちらを見ながら合掌していた。
ってコノヤロウ!
だがそんなことはどうでもいい。
今はこの危機を乗り切る方が先決だ。
俺が意を決して振り向くとそこには水着姿の女性陣の姿があった。
なんと言葉で現せばよいのか?華やかさがそこにはあった。皆、各人各々楽しそうに話している。…なのは一人を除いて。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
な、なんという迫力…
笑顔だが目が笑っていない。
この子まだ9歳だよね?
小学3年生で出せる威圧感じゃないぞ。
さ、さすが未来の白い魔王様…もうその一端が垣間見えるとは……
め、めちゃくちゃ怖い…
っていうかなんでこんなに怒っているんだ?
「何やってたのかなヒエンくん?」
「えーと皆を待ってましたです、はい。」
「ふーん」
「えーとなのはさん?」
「なにかな?」
「なんでそんなに怒ってらっしゃるんです?」
「え?別に怒ってなんていないよ?」
ウソだー
だったらその迫力はなんなんでしょうかー!?
「ヒエンくん、忍さんにくっつかれて随分嬉しそうだったね~」
「あー、いやあれはなんというか…てか見てたんだ」
「鼻血まで出してたし」
「返す言葉もございません」
ダメだ。
勝てる気がしねぇorz
「ヒエンって変態なのね」
「アリサちゃん…言い過ぎだよ」
そこにアリサとすずかがやってきた。しかし、小学3年生とはいえ女の子に変態と言われるのは結構厳しいものがある。先に言っておこう。俺は断じてMではない。
「それよりヒエン!アンタ私達に何か言うことあるでしょ!」
「へ?」
「「うんうん」」
アリサの言葉になのはと、すずかも頷く。
な、何を言えと?
「えーと、とりあえず遊びにいく?」
「「「ハァ~」」」
なぜにため息!?
「はぁ。ヒエンに期待した私がバカだったわ。いい!?女心の分かってないアンタに教えてあげる!男なら女の子の水着をまずは褒めなさいよ!」
「へ?」
「へ?じゃないわよ!このスカポンタン!そこに正座なさい!」
「え?」
「え?じゃない!早く座る!」
「………はい」
なぜ俺はプールで小学3年生の女の子に女心について説教されているのだろう?
いつの間にか、女性陣全員混ざってるし…
そして手始めにまずは少女漫画を読むように言われましたorz
◆◆◆
「お姉ちゃん新調した水着似合ってる!」
「そう?ありがとうすずか」
気を取り直し皆で仲良く話し始める。俺はまだ足が痺れて痛いが…
俺は改めてメンバーに目を向ける。こうしてみてみるとやっぱり美女美少女揃いである。さっきからやけに男性客の目線を引いている。凡人の俺は居づらいので端っこの方でじっとしておくとしよう。
「ここすごいね。飛び込み台も流れるプールもあるし」
「あっちにはお風呂もありましたよ!」
「それは素晴らしい」
「ノエルお風呂好きだもんね」
美由希さんとファリン、ノエル、すずかが話している。
風呂があるのか。
あとでいってみるかな。
「美由希ちょっと…」
「え?」
「昨夜も話したが荷物回りは気を付けるんだぞ」
「うん」
恭也君が美由希さんに話しているがなにかあったのだろうか?
「どうされたんですか?」
ここでノエルが聞いてくれた。
「実はここのプール、近頃女子更衣室が荒らされたり着替えや水着が無くなる事件があって…更衣室事件の犯人は捕まえたんだけどプール側も警備強化を…」
「それは物騒ですね…」
確かに…
犯人は捕まったのに水着や下着だけが無くなる…ね
「でもせっかく遊びに来たんだし楽しんでいってね」
「はーい/はい」
俺達は返事を返し、それぞれ遊び始める。
そういえばユーノはどこにいったのだろう?
◆◆◆
バシャバシャバシャバシャ ザバッ!
「ぷはぁ!」
俺は今、50メートルあるプールを二往復し終わったところだ。俺はそのままプールから上がり備え付けのベンチに座り込む。
あっちのプールではすずかと美由希さんが競争をしていた。驚くべきはすずかの身体能力の高さである。美由希さんもウチのクラスでトップクラスの身体能力の持ち主なのだが、その彼女に迫る程だ。
さすが『夜の一族』ってところか?
ピピ~
「熱戦の末、美由希さんの勝ち~‼」
ファリンがホイッスルを吹きながら元気よく声をあげる。
ギリギリ美由希さんが勝ったようだ。
「お姉ちゃん、すずかちゃんお疲れ様」
「ふぅ危なかったよ~…」
「はいタオル!」
「ありがとう…うう残念……」
美由希さんにはなのはが、すずかにはアリサがそれぞれタオルを渡している。
「しかしすずかちゃん本当に速いね…」
「すずかちゃん運動がすごく得意なんだよ~」
なのはよ…
そういう問題ではないと思うんだが…
そのとき…
超直感が反応した
これは…ジュエルシード!?
俺は反応したところまで急いで走る。
『なのは!ヒエンさん!』
するとユーノから念話が流れてくる。
『どうしたのユーノくん?』
『なのは!ジュエルシードだ!すぐ戦闘になる!ごめん二人とも。せっかく楽しんでるところなのに』
『大丈夫。私達は三人一組のチームだもの。一蓮托生、勇気凛々!いいよいつでもOKだよ!』
『安心しろ。そう言うと思ってもう既に向かってる。もうすぐ着く!』
『ありがとう、なのは、ヒエンさん』
俺は人混みも気にせず走る。すると周りの人達が急に消えた。
ユーノが広域結界を展開したか。
俺は直ぐにセットアップし高速で移動する。そして現場に到着すると…
水が形を為し、お化けのような姿となった。
俺は即座に魔法を放とうとしたが…
「うわあ大きい!水のお化け?」
「ごめん二人とも!なんとか結界は展開できたけど…切り取り範囲が広くて中にまだ何人か人が残ってるんだ」
「ええ~‼」
なのはとユーノも到着したようだ。
「きゃあああああ!?」
「アリサちゃんとすずかちゃんの声!?」
まさか!?
残ってるのはあの二人か!
俺達は声が聞こえた方に一斉に目を向ける。するとそこには…
水のお化けに水着を掠め取られそうになっているアリサとすずかがいた。
「な、何?なんなのコレ?いやあああああ!やらしい動きするなぁ!」
「ぬ、脱がされちゃう…」
俺とユーノはさっと目をそらした。
ユーノはまだしも俺が二人の姿を直視するのは色々と不味い。結構、切実に。
「……命の危険ってわけじゃなさそうだけどあれなに?どうなってるの?」
「あああああ…見てはいけない見てはいけない…!」
「ユーノ落ち着け」
まあまだ9歳だし無理か。
「…あ、その想像なんだけどジュエルシードを発動させた人間。捕まったっていう更衣室荒らしの願いと興味が形になったんじゃないかなと…」
「ふえ?」
「つまり女の子の服を集めたいっていう願いだから…」
「なるほど。要は変態的な願いに反応したと」
でもジュエルシードってそんな抽象的な願いまで形にするのね。
「ヴオオオオオ!!」
「「きゃああああああ!!」」
そのとき水のお化けが二人をプールへと放り投げた。俺は魔方陣を使い、二人をケガさせないようにうまく着地させる。
しかし、水のお化けは二人に津波のような波を向けてきた。
「「きゃあああああ!!」」
「
俺は二人の周りを炎の壁で守り、波が入ってこないようにする。水で炎は消えないのかよ?という突っ込みが聞こえてきそうだが死ぬ気の炎をなめちゃいかん。
そもそも水程度で消えるならば発動すらできん!
「アリサちゃん!すずかちゃん!」
なのはがセットアップしている隙に俺は二人を避難させることにする。超簡易版の転位魔法を発動しプールからベンチ付近へと移動させ、ユーノが魔法で眠らせた。
ナイスユーノ!( ̄ー ̄)b
「趣味や興味はそれぞれですが人様に迷惑をかける変質的行動はどうかと思います!…というわけで…!」
《カノンモード セットアップ》
そのときなのはが水のお化けに、レイジングハートを向けていた。
「封印すべきは忌まわしき器ジュエルシード……」
「ウオオオオオ!!」
「……あれ?なんだか違和感が…」
なのはがジュエルシードを封印しようとしていたがどうやら様子がおかしい。
「な、なんだかよくわからないけどとりあえず封印!」
《シューティング》
レイジングハートから砲撃が放たれた。しかし…
「止まった…」
「…でも水着と下着はたくさん出て来たけど……ジュエルシードが出てこない…」
そうなのだ。
肝心のジュエルシードが出てこない。本体を倒したとすれば核となるジュエルシードは必ず出てくるはずだ。だとすれば…
「分裂しているのかもしれない」
「ヒエンさんもそう思いますか?」
「ああ」
「じゃあ急いで反応の方に…」
俺とユーノは急いでいこうとするが…
「待って」
なのはが呼び止めた。
どうかしたのか?
「ユーノくんは怪我が治ったばかりだし今も魔力使って疲れてるでしょ?無理しないで!」
なるほど。
広域結界を展開したユーノが心配だったのか。優しい子だ。
「わたしの肩は今日からユーノくんの指定席!いくよユーノくん!」
「…ありがとうなのは」
うん。
いいコンビだ。
俺達は反応のある場所に急いで向かった。
◆◆◆
俺達が反応のあった場所に向かうと水のお化けが5体もいた。
「うわ…たくさんいる」
「分裂して増殖してる!まとめて封印しないとまた増えちゃう!」
「どうすれば?」
二人が悩んでいる。
ここで俺の考えも言ってみるか。
「砲撃でまとめて停止させるか、捕縛して動きを止めるか、あるいは両方ってところかユーノ?」
「はい。ですがなのはには、まだ大型の魔力砲は無理ですし、複数のロックオン系の魔法は用意してないし…ここはたのんでもいいですかヒエンさん?」
「おう」
さてやるか…と気合いを入れようとしたとき…
「あの!」
「どうしたなのは?」
「それって要は動きを止めてひとつにまとめるんだよね?ちょうど今朝教わった魔法の応用編。私やってみるよ」
なのはが俺に真剣な表情で見てくる。俺は考える。この子はやがてフェイト・テスタロッサと戦わなければならない。ならば、今のうちにある程度経験しておいた方が良いかもしれない。
「わかった。ただし俺もやる。フォローは任せてくれ」
「ありがとう!」
俺となのははゆっくりと並び立つ。
「イメージを魔力に乗せて…」
なのはは集中している。俺もいつでもフォローできるように準備をしておく。
「こっちに気付いた…なのはを狙ってる!」
「大丈夫さユーノ。だから落ち着け」
俺はユーノに声をかける。
「これは…魔力が一気に収束して…」
「捕獲の…魔法………そして固定の魔法…!」
《レストリクトロック》
すると水のお化け5体がピンク色の輪っかに拘束される。俺も念のためにフレイムバインドでさらに拘束する。
「攻撃対象の完全固定…収束系の上位魔法!」
とっても分かりやすい説明をどうもありがとうユーノくん。
「そこでそのまま固まってて!いくよレイジングハート!ヒエンくん合わせてね!」
《OK!》
「ああ」
「…今度こそ…シュート!!」
レイジングハートからピンク色の砲撃が、俺の籠手からはオレンジ色の砲撃が共に放たれた。
ドオオオオオオオンンンンンンンンン!!!!!
爆音がプール内に響く。
「出てきたよなのは、ヒエンさん!ジュエルシードだ!」
「うんっ!」
なのはがジュエルシードにレイジングハートを近づける。
《Receipt No.17》
そしてジュエルシードはレイジングハートへと吸い込まれた。
「成功?」
「うん。今度はバッチリ!」
「ああ」
《Good job!》
俺達は三人と一機?で喜び合う。
「あ、服と水着が戻っていく」
「魔法が解けたから持ち主の所に戻るんだ」
「そっかよかった…」
「うん…」
(なのはの魔法のセンスってどうなってるんだろう?ボクよりずっと大きな魔力、すごい才能、だけど器用なのか不器用なのか全然わからないし…。それにヒエンさんもまだまだ本気じゃないっぽいし)
ユーノはなにか考えているようだ。まあ、とりあえず皆の所に戻ろうか。
◆◆◆
あのあと俺達はゆっくり遊んだ。眠っていたアリサとすずかは、ジュエルシードのことは夢だと思っていたようで、起きたあとに何かモジモジしていた。
このことにはあまり触れない方がいいだろう。アリサが俺に烈火の如く燃えるような視線を送ってきたから。
そして俺達のジュエルシードのプール事件は無事解決したのだった。
そして翌日…
俺は朝のトレーニングも兼ねて普段とは違うコースをランニングで走っていた。
早朝の河川敷は随分と気持ちが良い。
そして俺は休憩も兼ねて河川敷に降りる。近くにはサッカー用のグランドもあった。
俺は座り込み、休憩する。
するとそばに青く光る宝石のようなものが落ちていた。
というか現在、絶賛探索中のジュエルシードであった。
………は?
いやいやいやいやいや。
こんなにあっさり見つかるのかよ!?
あ、そういえばこれテレビ版ででてくるジュエルシードじゃね?
まぁ、とりあえず封印しようとそれを手にとったとき…
「それを渡してください」
突如、透き通るような声が俺の耳に響いた。俺は、その声が聞こえてきた方向に目を向ける。
そこには金髪のツインテールに赤い目、そして黒いワンピースに黒いブーツを着た女の子が一人いた。
その少女は一言で言えば、可憐であった。幼い印象から打たれ弱いイメージがあるが、その眼に宿す意志からは覚悟のようなものを感じた。
将来、『金色の閃光』と呼ばれる少女…
フェイト・テスタロッサが俺の目の前に現れた。
ついに出たフェイト。
ここから先どうなるのか?
ではまた( ・∀・)ノ