大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうもΣ(゚Д゚)

ヒープリ編続き書けたで候。

物語の整合性のためにちょっとオリジナル設定入ってます。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


ミラクルリープ 皆との不思議な一日⑩

ヒエンside

 

 

 

「……あれ?」

 

 

俺は意識を覚醒させる。

 

周りを見渡すと、宿泊している旅館の部屋だった。

 

 

「……はっ!」

 

 

すると、向かい側に座っている冷火も意識を覚醒させた。

 

 

「冷火、何があったか覚えてるか?」

 

 

「ええ、はい。恐らく、リフレインが時を巻き戻したのですよね……」

 

 

俺達が時計を見ると、時刻は07:30となっていた。

 

そして()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

俺はそこに大きな違和感を覚えた。

 

 

「てっきり日付だけ進めてこの一帯だけループさせるかと思ってたんだが……一体どういうことだ?」

 

 

今までの奴なら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

だが今回は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「そういえば……確か言ってたな」

 

 

自分は『昨日』を司る精霊だと。

 

そして先程、奴はこうも言っていた。

 

 

 

 

 

 

『永遠に今日を繰り返すのですから』

 

 

 

 

 

 

「あー……なるほど。そういう事か」

 

 

つまりは方針を切り替えたのだ。

 

俺達を倒して、確実にミラクルンを確保するために。

 

だから、()()()()()()()()()

 

恐らく、奴は基点となる時間を設定する事で、二十四時間以内であれば、何時間前でも時を巻き戻す事が出来るのだろう。

 

だが、それを実行するには強力な条件があると見た。

 

まず時を戻すのに必要な物が、あの大きな装置であるダークライト。

 

時を巻き戻すのだから、装置発動にはきっと膨大なエネルギーが必要なハズ。

 

そして、エネルギーが溜まるまでにかかる時間は約一週間。

 

設定した時間が来れば、自動的に発動する仕組みになっているのだろう。

 

その設定された時間が、お昼の12:00。

 

そして、それを発動する事で、()()()()()()()()()()

 

きっと、それが()()()使()()()

 

だが、俺達が来る前は()()()()()()()()()()()()()していた。

 

すこやか市周辺に限定にしていたのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そう考えれば、全ての辻褄が合うのだ。

 

すこやか市周辺と、その周りの地域の時間差のついていた理由が……。

 

真相はこうだ。

 

一週間経つとダークライトのエネルギーが溜まり、装置が発動……また一週間前に戻る。

 

また一週間経つとダークライトのエネルギーが溜まり、装置が発動……またまた一週間前に戻る。

 

無限ループの完成だ。

 

こうすれば、すこやか市の時間だけは止まり、その周りの時間だけは進んでいく。

 

そして、奴がこうまでしてループを重ねる理由……それはきっと……

 

 

「あの小学校……だろうな」

 

 

あの校舎には誰もいなかった。

 

廃校したのだろう。

 

だとすれば、奴の正体も自ずと分かる。

 

きっとリフレインは、あの小学校の時計に宿る精霊だろう。

 

日本には古来より付喪神(つくもがみ)という概念がある。

 

百年などの長い年月を経た道具や物に魂、精霊が宿り、意思や妖怪のような変化を持つようになった存在である。

 

単に器物が付喪神になるだけでなく、これらが人間をたぶらかす妖怪化する概念も含まれる。

 

煤払いで捨てられた古道具の復讐を描いた『付喪神絵巻』が有名だ。 

 

恐らく、あの小学校の取り壊しでも決まったのだろう。

 

それを知った奴は、明日が来ないようにするためにミラクルンを閉じ込めた。

 

だが、ミラクルンは隙を見つけてリフレインから逃亡。

 

そこで俺達と鉢合わせたってところか。

 

 

「……って、そういえばミラクルンは?」

 

 

周りを見渡すが、あの小さな精霊の姿が見えない。

 

 

「さあ、少なくともここにはいないようですが……」

 

 

冷火も探しているが見つからないようだ。

 

多分、プリキュアの誰かの所にいるのだろう。

 

まあ、見つからないものは仕方がない。

 

 

「とりあえず朝飯食おうぜ」

 

 

「そうですね」

 

 

俺達は用意されている朝飯を食べ始めた。

 

美味である。

 

時間が戻ったからか、俺の魔力残量も戻っていた。

 

ということは、必然的にダークライトのエネルギー残量も戻っている。

 

タイムリミットは、12時00分だ。

 

それまでにプリキュアの子達と合流、情報共有しなければ。

 

 

「ヒエンさん!冷火ちゃん!!」

 

 

その時、血相変えたちゆが勢いよく俺達の部屋にやって来た。

 

その様子を、俺達は味噌汁を飲みながら見ていた。

 

 

「あ、ちゆ……さっきぶり」

 

 

「ちゆさん……さっきぶりです」

 

 

そんなノホホンとした様子の俺達を見たちゆは、なぜか膝から崩れ落ちた。

 

なんか無性にゴメン。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

ご飯を食べ終わった後、俺達はさっそくちゆと共に行動する。

 

しかしちゆのご機嫌が、現在進行系でとてもナナメであったので、俺達は謝罪していた。

 

 

「ごめんて」

 

 

「ごめんなさいです」

 

 

「もう。二人とも本当に心配してたんですからね」

 

 

不貞腐れるちゆをなんとかなだめた後、彼女の肩に乗る妖精?に挨拶する。

 

 

「そういえば、こうして話すのは初めてだな。俺はヒエン、大空氷炎だ。よろしくな」

 

 

「わたしは冷火、小道冷火と申します。よろしくお願いします」

 

 

「僕はちゆのパートナーで、ヒーリングアニマルのペギタンだペエ。二人ともよろしくペエ」

 

 

「ヒーリングアニマル?」

 

 

「ヒーリングアニマルは地球のお手当てを使命としているんだペエ」

 

 

ペギタンが言うヒーリングアニマルとは、緑豊かな秘密の世界【ヒーリングガーデン】に暮らし、地球のお手当てを使命としているらしい。

 

要は地球の生態系のバランスを保つために、地球自らの意志によってヒーリングガーデンが生み出され、そこに暮らすヒーリングアニマル達が人知れず地球を癒やすことで、その環境が保たれているのだ。

 

しかし、ヒーリングガーデンはビョーゲンズの襲撃に遭い、環境が破壊されてしまう。

 

ヒーリングガーデンの女王で、ラテの母親でもあるテアティーヌ様が、ビョーゲンズの長であるキングビョーゲンと戦い、なんとか引き分けたもののその代償は大きく、テアティーヌ様は力を失った。

 

そこでビョーゲンズに対抗するために、地球に行ってプリキュアを見つけ出すように伝えると、日本のすこやか市に降り立ち、そこでそれぞれのパートナーと出会ったのだという。

 

 

「なるほど」

 

 

状況は理解した。

 

間違いなく、ペギタン達はまだテレビアニメでいう序盤辺りの回の時系列だ。

 

そして思った。

 

 

(これ、多分映画のストーリーに巻き込まれてるな……)

 

 

ヒーリングっど♡プリキュアの他にも後二組のプリキュアがいる事から確かであろう。

 

二組とも戦い慣れているし、明らかに先輩プリキュアだ。

 

そして今回の黒幕……そのボスがリフレインなのだろう。

 

そう考えると、あの強さにも納得だ。

 

あと、さっきから気になってたんだが……

 

 

「ここで何かあるのか?」

 

 

現在、俺達は大きな木の下にて立ち止まっている。

 

周辺は簡素な住宅街で、近くには郵便局もある。

 

 

「えっと、さっきのどかから連絡があって、ここで待ってると、HUGっと!プリキュアのはなさんが来るって……」

 

 

「ああ、はなちゃんか」

 

 

俺達がミラクルンライトを渡した一人である。

 

そして待つこと数分……

 

地図を持ってデカいリュックを背負って、半泣きになりながら歩いているはなちゃんがやって来た。

 

 

「うぅ……皆、どこぉ〜」

 

 

「本当に来たよ……」

 

 

俺はその様子を唖然としながら見つつも、彼女に声をかけた。

 

 

「……さっきぶりだな、はなちゃん」

 

 

「うぇえ?……あ、ヒエンさん!?」

 

 

俺の名前をちゃんと覚えていたらしい。

 

なんというか印象としては、ちょっと素直そうというか、前向きそうな子だな。

 

 

「皆とはぐれたのか?」

 

 

HUGっとだけに……と、下らない事を考えつつ質問をする。

 

 

「うん、地図見てたから、皆とはぐれて迷子になっちゃって……めちょっく!?」

 

 

「恐らく、めちゃショックの略ですね」

 

 

冷火が冷静にツッコミを入れる。

 

 

「あの、すこやか温泉って知ってます……?」

 

 

はなちゃんが半泣きになりながら聞く。

 

 

「あ、それなら私が知ってるわよ、はなさん」

 

 

そこに場を見守っていたちゆが答えた。

 

 

「えっ!?本当!?」

 

 

「ええ。良ければ案内するわ。それに、そこに行けば、他のプリキュアの子達もいるんでしょ?」

 

 

「うん!ありがとう!!」

 

 

こうして俺達は、はなちゃんを連れてすこやか温泉へと向かう事に。

 

話題はやはりリフレインの事に。

 

 

「やっぱりはなちゃん以外の皆は、さっきの時間軸の事は覚えてないのか?」

 

 

「……うん。それとなく聞いてみたけど、誰も覚えてなかったよ。きっと私が覚えてたのは、このライトのおかげ」

 

 

そう言うと、はなちゃんはポケットからピンク色のライト、ミラクルンライトを取り出した。

 

 

「私もこのライトのおかげで覚えてたわ」

 

 

ちゆもポケットからライトを取り出した。

 

 

「そうか。でもはなちゃんが覚えてるなら、ひかるちゃんも確実に覚えてるだろうな」

 

 

「あ、彼女達の所にはひなたが今行ってます」

 

 

「そうなのか。もしかして、すぐ合流出来るようにか?」

 

 

「はい」

 

 

その時、冷火がある事に気付く。

 

 

「あれ?ちゆさん……のどかさんはどうしたんです?」

 

 

「さあ……ただ、電話で話した感じでは物凄く慌てて……」

 

 

「……なにかあったんでしょうか?」

 

 

のどかの心配をしながら歩く面々。

 

すると……

 

 

「あー!いたのです!!」

 

 

川にかかっている小さな橋の所に、女の子達がおり、赤い服の小学生くらいの女の子が声を張り上げる。

 

 

「はな先輩!こっちなのでーす!!」

 

 

「あー!みんな~!どこ行ったのかと思ったよ!!」

 

 

「それはこっちのセリフなのです!」

 

 

「気付いたらいなくなっとったわ」

 

 

「ママ〜迷子~」

 

 

赤い服の女の子は大声でツッコミを入れ、少しチャラそうな男性は呆れ、赤ちゃんが楽しそうに笑う。

 

 

「タハハ……道に迷っちゃって、この人達が案内してくれたの」

 

 

さっきの時間軸で会ったとはいえ、ほぼ初対面に近いので俺達は会釈する。

 

しかし、こう見るとカラフルな面々が多いな。

 

 

「貴方は……」

 

 

「ん?」

 

 

すると、青紫色の髪をした少女が意味深にこちらを見る。

 

え?

 

なに??(困惑。

 

 

「朝に浜辺で組手をされていましたね」

 

 

「あ、ああ。トレーニングの日課でな」

 

 

「……身のこなしから、かなりの使い手と見ました」

 

 

「まあ、それなりには」

 

 

なんか随分警戒されてないか?

 

 

「あ、ヒエンさん!紹介するよ!!この子達が私の仲間のプリキュアの子達だよ!!!」

 

 

「「「「「えぇっ!?」」」」」

 

 

はなちゃんがいきなりそんな事を言うもんだから、連れの面々は驚いている。

 

はなちゃんは、そんな中、意気揚々と紹介を始める。

 

キュアアンジュこと薬師寺さあやさん、キュアエトワールこと輝木ほまれさん、キュアマシェリこと愛崎えみるちゃん、キュアアムールことルールー・アムールさん、関西弁を話すネズミ男ことハリハム・ハリー、元気な赤ん坊はぐたん、そしてキュアエールこと野々はなちゃんである。

 

 

「なるほど。言われてみれば、皆、変身した後の面影が残ってるな」

 

 

「私は以前の時間軸で、一度皆さんと会っています」

 

 

「あ、そういえば一緒に来てたわね」

 

 

俺と冷火、ちゆの三人はウンウン頷きながら話していると、ハリーが切れた。

 

 

「はながいきなり俺らの事言うたんもあれやけど!?あんたらは一体誰やねん!?俺らの事知っとる口振りやけど!?」

 

 

「えっとね……「あ、いいよ、はなちゃん。俺が説明する……いや、見せる」……え?」

 

 

俺ははなちゃんの肩に手を置くと、彼女達に手を繋ぐようにお願いする。

 

 

「とりあえず皆、聞きたい事はあるだろうが……まずは手を繋いでほしい。君達の知りたい事を今から見せる」

 

 

「「「「「…………」」」」」」

 

 

皆は胡散臭そうな表情をしつつも、渋々手を繋ぐ。

 

とりあえず、手っ取り早く説明するために皆に記憶の共有をしてもらうことにした。

 

 

「ちゆは、はなちゃんの肩に手を置いてくれ」

 

 

「分かりました」

 

 

ちゆにも説明するために、記憶の共有を受けてもらう。

 

 

「相棒」

 

 

「ガァウ」

 

 

俺の肩の上に相棒が現れる。

 

ハグプリの面々が驚くが、相棒ははなちゃんの頭の上に乗る。

 

 

「皆は目を閉じてくれ。じゃあ頼む、相棒」

 

 

「ガゥ!ガァオオオ!!」

 

 

そして皆は目を閉じると、俺の軌跡を辿る。

 

今回は俺が何者かの映像と並行世界の秘密、プリキュア世界で戦ってきた日々、そして以前の時間軸であったことを集約して見てもらっている。

 

要は総集編みたいな感じだ。

 

今回ははぐたんのような赤ん坊もいるため、刺激の強い映像は軒並みカットしている。

 

ちなみに桜さんの件も秘密である。

 

だがそれでも、びっくりはするかもしれない。

 

そして全員の目が開き、一言叫んだ。

 

 

「「「「「色々詰め込み過ぎっ!?」」」」」

 

 

すると、なぜかちゆが詰め寄ってきた。

 

 

「っていうかヒエンさん!?この世界の人じゃなかったんですか!?」

 

 

「あ、うん。俺と冷火、異世界人。もう一つの並行世界の地球出身。あれ?言ってなかったっけ??」

 

 

「微塵も聞いてません!!」

 

 

「じゃあ、今言ったからそれでチャラで」

 

 

「いや、軽過ぎやろ!?」

 

 

俺達のやり取りについハリーがツッコミを入れる。

 

そんな彼に俺はサムズアップする。

 

 

「それが俺クオリティ」

 

 

「だまらっしゃい!」

 

 

直後、冷火にハリセンで後頭部をはたかれた。

 

解せぬ。

 

まあ、気にせず次いこうか。

 

 

「それじゃ、HUGっと!プリキュアの面々と情報共有も出来たし、次はスター☆トゥインクルプリキュアの面々と合流しようか」

 

 

と、俺が伝えると現状を把握出来たであろう彼女達は、色々詰め寄りたそうにしていたが、時間がないという事を理解しているのだろう。

 

素直に指示に従ってくれた。

 

そして今度は皆を引き連れてバス停へと向かう。

 

すると、そこには……

 

 

「あ、きたきた!おーい!ちゆちー!!」

 

 

「ヒエンさん達だ!!」

 

 

ひなたとひかるちゃんが、こちらに大きく手を振っていた。

 

その後ろにいるであろうスター☆トゥインクルプリキュアの面々は、驚いた様子でこちらを見ている。

 

なんかデジャヴだなこれ。

 

そして案の定、この二組は既に面識があった。

 

やっぱり映画の世界線が濃厚だこれ。

 

改めてひかるちゃんは、チームの皆を俺に紹介してくれた。

 

キュアミルキーこと宇宙人の羽衣ララさんに、キュアソレイユこと天宮えれなさんと、キュアセレーネこと香久矢まどかさん、そしてもう一人の宇宙人であるキュアコスモことユニさん、宇宙妖精のフワとプルンス、で彼女達のリーダーのキュアスターこと星奈ひかるちゃんである。

 

時間もないので、例の如く、さっそく記憶の追体験をしてもらう。

 

スター☆トゥインクルプリキュアの面々に手を繋いでもらうのと同時に、ひかるちゃんの肩の上にひなたにも手を置いてもらう。

 

そして相棒がひかるちゃんの頭の上に移動すると、一鳴きした。

 

 

「ガァオオオ!」

 

 

皆の表情が険しくなっていき、目を開くと一言。

 

 

「「「「「色々詰め込み過ぎ(ルン)(よ)(です)!!」」」」」」

 

 

やっぱり叫んだ。

 

 

「……そんなに驚くことか?皆も摩訶不思議な経験なんぞ色々してるだろうに」

 

 

「いやいやいや!?ヒエンさんの場合は、スケールが違いすぎるんだよ!?もう一つの並行世界の地球出身とか、魔導師とか、時空管理局とか!!あげくの果てには、今まで巻き込まれた事件の規模とか!!!」

 

 

ひなたが叫ぶ。

 

 

「ツッコミどころが満載過ぎるんだよ!!!!」

 

 

そんな彼女に俺は言う。

 

 

「まあ、気持ちは分かるけど……今は落ち着け、ひなた」

 

 

とりあえず調和の波動をこの場にいる全員に流す。

 

波動として流すことで、一種のリラックス効果を与えるのだ。

 

 

「「「「「ほわあ〜」」」」」

 

 

なんか面白いぐらいに落ち着いた。

 

 

「これが調和の能力かいな。便利やの〜」

 

 

「まあな。結構重宝してる」

 

 

俺がハリーと話していると、丁度のどかの声が聞こえてきた。

 

 

「遅れてごめんなさ〜い!」

 

 

のどかが走ってこちらへとやって来た。

 

 

「「のどかちゃん!!」」

 

 

ひかるちゃんと、はなちゃんがのどかへと駆け寄る。

 

 

「ひかるちゃん!はなちゃん!!」

 

 

のどかも嬉しそうに二人の手を取った。

 

 

「また集まれた!」

 

 

「うん!」

 

 

「だね!」

 

 

三人が嬉しそうにしているのを、他の面々も優しい眼差しで見ていた。

 

 

「ミラミラ〜」

 

 

「あ、ミラクルン」

 

 

「のどかさんと一緒にいたんですね」

 

 

もしかしたら、ミラクルンは本来のどかの所で保護される予定だったのではないだろうか?

 

だが、なんの手違いか、俺達が介入した影響でのどかとミラクルンが出会うタイミングがズレてしまったのかもしれない。

 

すると、俺達がミラクルンと戯れている間に、のどか達は話を終えたらしい。

 

丁度良いと思った俺は、のどかへと話しかけた。

 

 

「そういえばのどか……一人で何かしてたみたいだけど何かあったのか?」

 

 

「あ、はい。その、前の時間軸で交通事故に遭いそうにあった子がいたので……それを思い出して……」

 

 

「助けにいってたのか」

 

 

「はい」

 

 

「なるほどな」

 

 

だから、ちゆとの電話でも慌ててたんだな。

 

そりゃ慌てる。

 

俺だって慌てる。

 

やっぱりこの子は優しい子だ。

 

 

「よし、のどかも合流出来たし、これで……「ちょおおぉぉっと待ったああぁぁ!!」……あん?」

 

 

その時、ひなたが声を上げる。

 

 

「のどかっちだけ、ヒエンさんのあれ、受けてないよ!」

 

 

いや、言い方よ。

 

変な誤解を生みそうな言い方はやめなさい。

 

 

「あれ?」

 

 

のどかが首を傾げる。

 

 

「いや、あれは他のプリキュアの子達に手っ取り早く説明するためにしただけで……」

 

 

「だったら、のどかっちにもヒエンさんが何者か知ってもらわないと!一人だけ仲間外れは駄目だよ!!」

 

 

「そ、そうね!私達だけ知って、肝心ののどかが知らないのは駄目だと思います!!」

 

 

「分かった分かった!のどかにも見せるから、そんなに迫ってくるな!!」

 

 

ひなたとちゆの二人の圧力に押された俺は、キョトンとしているのどかの前に立つ。

 

俺は彼女の両肩に手を置いて話す。

 

 

「のどか、ちょっとだけ目を閉じてくれるか?」

 

 

「え?……ふえぇぇぇ!?」

 

 

すると、なぜか彼女は顔を赤くさせる。

 

 

「いや、あの、えっ、えぇ!?……そ、そんないきなり!?み、皆が見てる前でですか!?」

 

 

「あ、ああ。別にすぐ終わるし、そんな大した事じゃないしな」

 

 

「ふ……ふぇえええ!?た、大した事じゃないんですか!?」

 

 

「ああ。今まで何度もやってるし、心配しなくても大丈夫だぞ」

 

 

「えぇ!?何度も!?他の人にもやったってことですかっ!?」

 

 

「ああ。なんならこの子達にもしたしな」

 

 

「えっ……」

 

 

すると、なぜかのどかは唖然とした表情をする。

 

その表情は、まるで予想外の事を聞いたと言わんばかりの顔だった。

 

 

「そ、そんな……ヒエンさん……嘘……ですよね?」

 

 

「いや、あの、のどかさん……?」

 

 

そして目に涙を溜めて、今にも泣きそうな表情をしていく。

 

 

「本当に……本当に……皆にしたんですか?」

 

 

「ああ。説明するために、皆にしたあぁぁ!?」

 

 

直後、スパーンッ!!と、良い音が俺の後頭部付近から鳴った。

 

見れば冷火がハリセンを持って、勢いよく振り抜いていた。

 

 

「このバカ兄!何、絵に描いたようなすれ違いコントかましてるんですか!?びっくりし過ぎてついツッコミを入れるのが遅れてしまったではないですか!!」

 

 

「は?すれ違いコント??」

 

 

何を言っているんだこいつは?

 

 

「あげくの果てには、のどかさんにあらぬ誤解を生むところでしたし!ちょっと反省して下さい!!」

 

 

「……さっきから何を言ってるんだ?」

 

 

どうやら何か誤解を生むような言動を俺がしていたようだが……俺はある事に気付く。

 

 

「うっ……」

 

 

周囲にいる女性陣が、まるで養豚場のブタでもみるかのように冷たい目をしているのだ。

 

 

「追体験でも見たけど……」

 

 

「これはねぇ……」

 

 

「駄目なのです!」

 

 

「……なるほど」

 

 

「言葉が出ないルン……」

 

 

「ヒエンさんはもっとこう……」

 

 

「女心を学ぶべきです!」

 

 

「こういうの他の子にもやってるんでしょうね……」

 

 

それぞれさあやさん、ほまれさん、えみるちゃん、ルールーさん、ララさん、えれなさん、まどかさん、ユニさんが呟く。

 

居た堪れなくなった俺は、ハリーとプルンスに愚痴る。

 

 

「……俺、なんかやっちゃった?」

 

 

「それはもう盛大になぁ……」

 

 

「フォロー出来ないほどにやらかしてるでプルンス……」

 

 

すると、ちゆとひなたに何かしら伝えられたのか顔を真っ赤にさせたのどかが、俺の前へとやって来る。

 

 

「そ、そのごめんなさい!私、色々勘違いしちゃって……」

 

 

「あ、ああ……悪い。俺も色々言葉足らずだった」

 

 

俺の言葉に、その場にいるほぼ全員が頷く。

 

おい。

 

なお、はなちゃんとひかるちゃんはなんの事か分かっていない模様。

 

 

「ちなみにその勘違いってどういううぅぅぅ!?」

 

 

再び、スパーンッ!!と、良い音が俺の後頭部から鳴る。

 

冷火がハリセンを持って、再度勢いよく振り抜いていた。

 

 

「もう!蒸し返さないで下さいお兄様!!本当にデリカシーという概念が根本から無さすぎるというか、人の心に土足で踏み込んで荒らしていく天才というか!!!」

 

 

「いや、ちょっ……叩きすぎ!?これ以上、バカになったらどうするんだ!?」

 

 

「安心して下さい!お兄様は元から大馬鹿者です!!」

 

 

それからスパンスパンという音が、しばらく周囲に鳴り響くのだった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

場所は移ってひなたの実家である平光アニマルクリニック前……の、側にあるカフェワゴンで出されている特製グミのフルーツジュース片手に俺は話す。

 

 

「さて、肝心の情報共有も済んだという訳で……さっそく今回の件について話しておきたいと思う」

 

 

「そのまま進めるんかい」

 

 

俺の様子を見たハリーがツッコミを入れる。

 

あの後、無事のどかにも記憶の追体験をさせる事が出来た。

 

のどかもなんとか落ち着いたようで、いつものホワホワした感じに戻っていた。

 

ちなみにちゆとひなたなら、のどかが勘違いした内容を教えてくれると思ったので聞いたのだが、顔を横にブンブンと勢いよく振ったので断固として教えないという意志を見せていた。

 

いや、なんでさ?

 

と、思いつつもこれ以上は触れない方が良いと判断する。

 

のどかが秘密にしたいという事は、余程触れられたくない事なのだろう。

 

やめておくのが賢明だ。

 

気を取り直した俺は今回の件について、改めて皆に説明する事にする。

 

 

「まあ、皆も俺の記憶の追体験で俺がここにやって来た理由も既に分かってると思う。のどか、ちゆ、ひなた……もうこのすこやか市で起こってる異常は認識してるな?」

 

 

「はい」

 

 

「リフレインが起こしている……」

 

 

「時間のループ……だよね」

 

 

「そうだ」

 

 

俺は頷く。

 

そして俺は先程、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「それで今回の件について……『ヒエン、そこからは私がお話します』……お願いします」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

突如響いた第三者の声に皆が驚く。

 

見れば俺の頭の上に乗っている相棒の紅の額から光が展開されると金髪の女性が投影される。

 

女性は長髪で銀色の鎧のようなものを纏っていた。

 

彼女が俺の依頼人であり、転生者の先輩……キュアアンジェ事、アンジェ先輩である。

 

 

『初めまして、現代のプリキュアの皆さん。私の名はキュアアンジェ、歴代プリキュアの一人です』

 

 

皆は未だに驚いているのか、硬直している。

 

 

「キュアアンジェ……凄いオーラの持ち主や」

 

 

「歴代プリキュアって凄いでプルンス……」

 

 

「すごい〜すごい〜」

 

 

「すごいフワ〜」

 

 

「綺麗な人ラビ……」

 

 

「ペエ〜……」

 

 

「なんかスッゲー偉そうな人っぽいな」

 

 

ハリー、プルンス、はぐたん、フワ、ラビリン、ペギタン、ニャトランといったマスコット組も驚いている。

 

やっぱり歴代プリキュアって凄い存在なのだろう。

 

まあ、こう見えてもアンジェ先輩って四百年前に活動してたプリキュアだしな。

 

でもそう考えると、歴代プリキュアの皆さんって全員年取ってるってことだよな。

 

それってつまり……

 

 

『誰がオバサンプリキュア、略してオバキュアですか?ヒエン……』

 

 

「はっ!?」

 

 

良い笑顔をしたアンジェ先輩が目の前にいた。

 

しかし、その目は笑っていない。

 

相棒も呆れたような視線を俺に送っている。

 

そんな視線をするなら助けてよ。

 

 

『……前に言いましたね?貴方はヒッツと魂で繋がっている。そして私はそんなヒッツを介して、貴方と話している。つまりは思念通話……私と貴方、お互い思考するだけで話せるということです。私が何か言いたいか……もうお分かりですね?』

 

 

「……口に出してないからセーフじゃ駄目なんですかね?」

 

 

『駄目に決まっているでしょう。だいたい乙女に向かってなんて事を思ってるんですか』

 

 

「え?いやだって歴代プリキュア全員もう乙女って年じゃ……」

 

 

『あ?』

 

 

「誠に申し訳ございませんでした」

 

 

俺は流れるように土下座をした。

 

プライド?

 

そんなもん犬にでも食わせてしまえ。

 

 

『全く……くだらない事を考えているからです』

 

 

「いや、ちょっと思っただけじゃないですか。拾われると思いませんて」

 

 

『そもそも、そういう事を考える事自体がいけないのです。だから未だに彼女の一人も出来ないんですよ』

 

 

「あ?」

 

 

今なんつった?

 

このキュア天使(笑)?

 

 

「それは今関係なくないですか?歴代プリキュアって言う割には、結構つまらない事言うんですね。あー……すみません。気遣いが出来てませんでした。アンジェ先輩って友達少なそうですもんねー」

 

 

『はい?いっぱいいましたが?滅茶苦茶いましたが??ファンクラブまでありましたが???ラブレターだって毎日有り余るほど貰ってましたが????』

 

 

「え?そういう妄想ですよね??彼氏だっていた事ないんじゃないの???」

 

 

『は?取っ替え引っ替え出来るほどいましたが??ヒエンと違って私、モテモテでしたので。あ、勘違いしないで下さいね?私はちゃんと夫と大恋愛した末に、結婚して、子供も産んで、家族に囲まれて、幸せに死にましたから。大・往・生!しましたので!!』

 

 

「その割には器ちっせ……」

 

 

『あ?ブチ殺しますよ、クソガキが……』

 

 

「あ?やれるものなら、やってみろよオバキュアが……」

 

 

いつの間にか謝罪から罵倒の仕合、果てには睨み合いにまでなっていた。

 

そこで慌てた冷火が俺達の間に入る。

 

 

「ちょっと!ちょっと!!なんで話し合いをしようとした矢先に互いに罵倒し合ってるんですか!!!」

 

 

『「だってコイツが!!」』

 

 

「そういうところ、本当に息ピッタリですよねお二人とも!!」

 

 

互いに落ち着くのに十数分かかったのだった。




次回は再びリフレインと激突。

では、またく(`・ω・´)
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