最近、クーラーがないと生きていけないと感じる今日このごろ。
夏はアイスを食べることが格段に多くなりました。
太らないようにしていかないとなぁ。
では、どうぞ( ゚д゚)ノ
ヒエンside
フェイトとの邂逅、ジュエルシードをかけての戦いそして共闘といった早朝から濃い時間を過ごした俺は家に帰って一眠りしていた。
プルルルル…
すると家の備え付けの電話が鳴り響きその音で目を覚ました。出ないという選択肢もあったが、いつまでも鳴りやまない電話に少しイライラしてきたので観念して出ることにした。
「はいもしもし…大空です」
俺は少し低い声で電話に出る。
はい。
完全に寝起きです。
「あ、ヒエンくん。やっとでたの」
「あー、なのはちゃんか…」
電話の相手はまさかのなのはであった。
「もしかして今起きたの?」
「うん。だって土曜日だし」
週末っていいよね。
土日の休みがあるだけで金曜日の授業はノリで乗りきれる。
「もう~今12時頃だよ」
「なのはちゃんの方がどっちかというと寝坊多い…」
「私は最近早起きしてます!」
「すいません」
即座に謝る。
それが世間を生きていく上での一つの方法だ。
え?
プライド?
そんなもの最低限しか持っとらん。
全部捨ててるわけじゃない。これ重要。
「はぁ~まぁいいの。それよりあのね、今日の13時からすずかちゃんのお家でお茶会するんだけど良かったらヒエンくんもどうかなあって」
「お茶会?」
「うん。私とすずかちゃん、アリサちゃんにユーノくん。あとお兄ちゃんもついてきてくれるんだけど、忍さんに会いにいくから」
「ふむふむ」
思うんだけどあれだよね。
小学生3人の女の子の中に高校生男子1人混じるってなかなかのカオスだよね。あ、でもユーノがいた。フェレットだけど。
「お昼ご飯食べてからでいいかな?」
「それには及ばないの!どうせヒエンくんのことだからラーメンとかコンビニ弁当でしょ?」
「………ソンナコトナイヨ」
「片言なの」
なぜだろう?
電話口なのにジト目をしているなのはが容易に想像できる。
「すずかちゃんの家でお昼ご飯食べることになってるから早く来てね!」
「はい」
ガチャ…
俺は受話器を電話に戻す。
とりあえず準備するか。
俺はさっそく着替えることにした。
◆◆◆
頭にライオンモードから子猫モードになっているヒッツをのせながら、月村家へと向かう。
俺は考え事をしながら歩いていた。
あ、事故には合わないようにマルチタスク駆使しながら歩いてるから心配はいらない。
考えていたのはこの世界のことである。この世界は魔法少女リリカルなのはのアニメが元となる世界だ。
いや違うな。この世界で起きる出来事がアニメとなっているだけか。それを並行世界の住人達がテレビという媒体を使って見ているといったところか?
神様は言っていた。
俺達の住んでる世界は並行世界同士、影響を与えあって物語として互いに認知していると。
俺は前世でこの世界で起きる出来事を原作知識として知っている。俺の持つ原作知識はある意味ではジョーカーとなるだろう。なんせある程度とはいえ未来を知っているのだから。
だがその考えは甘いかもしれない。その考えに至ったのは今日のお茶会に誘われてからである。今日のお茶会はおそらくであるがアニメ版で語られていた話と同じだろう。ならば十中八九、厄介事がおこる。
ジュエルシードの存在だ。
アニメ版では、なのはとフェイトは初めてここで邂逅する。そしてここから互いに戦い絆を深めていくのだ。
だがここで疑問が俺の中で残る。それはなのはのバリアジャケットについてだ。
前に語ったと思うが魔法少女リリカルなのはにはアニメ版と映画版の2つが存在する。いや漫画も混ぜれば3つか?
まあそこらへんはいいとして、この世界でのなのはのバリアジャケットは映画版の方となっている。
そしてお茶会なのだが映画版では語られておらず、あるのはアニメ版の方だけだった。いや、可能性としてその描写がなかっただけで実際にはあったのかもしれないが…
以上の2つのことから俺はある結論に達した。
この世界はアニメ版と映画版の
ということだ。
ここは並行世界だ。
アニメと映画と全てが同じなわけではない。そこには細かな差異があって当たり前だ。ということは1つの可能性として両方が混じりあった世界もなきにしもあらずである。
まあ、色々語ってみたが全ては俺の推測なんですがね?だからと言って俺のやることが変わるわけではない。
俺は俺のできることをしていくだけだ。
と、そんなことを考えながら歩いていると月村家の門の前についた。
俺は頭に乗っているヒッツと共にボケーッと屋敷を眺める。
相変わらずでけぇ。
庶民派の俺としてはこの門の前に立つだけで少し緊張する。
インターホンを押そうとしたら門がひとりでに開く。
これはあれか?
入ってこいという合図でよいのだろうか?
いやまて…。もしかしたら勝手に空いて故障したのかもしれない。さすがに人様の家に勝手に上がるのは気が引ける。だがもう待ち合わせの時間はそろそろ迫って…「さっさと入ってきなさい!このアンポンタン!」
と考え込んでしまっていたのか家の中からアリサ、すずか、なのはがやってくる。
「もう!ファリンとノエルが気を聞かせて開けてくれたっていうのにアンタは何ボケーッとしてるのよ!?」
「いや、故障なのかなあと」
「そんなわけないでしょ!このバカちん!」
「それに勝手に人様の家に上がるのに少し抵抗が…」
「何度か家に遊びにきてるじゃないですかヒエンさん…」
アリサは少し興奮ぎみに、すずかは少し苦笑しながら俺に言う。そして我らが未来の魔王様は…
「にゃははは…」
呆れて笑っていました。
そんなこんなで俺は大きなテーブルがある一室に通される。
ここは食事をする場所か?
キョロキョロと見渡すと庭にはテラスが見える。すると俺の足下にクルクルと回る2つの影が。
一方はフェレット姿のユーノで、もう一方は灰色の猫であった。ユーノは俺の体に飛び移りすぐさま肩にまでやってきた。
なんかお疲れ様です。
『はい。ちょっと疲れました…』
ユーノに挨拶の念話を送ったあと、俺は3人が座っている丸テーブルの席へと案内された。
そこには豪勢なお昼ご飯が並んでいた。
だがしかしハンバーグであった。
「………」
俺は少し顔をひきつらせながらも愛想笑いを浮かべる。
思いっきり朝に食べちゃったよおぉ!!
とは言えないのでありがたくいただくことにする。
「ヒエン君よく食べるからハンバーグにしてもらったんだよ!!」
とここでなのはさんから善意の笑顔攻撃!
やはりあなた様でしたか。
とはいえお腹が空いているのでありがたくいただく。俺はナイフとフォークを使い一口食べる。
「!?」
う、うまい!
俺はあまりの旨さに食べるスピードを緩めず、5分ほどでハンバーグを食べきってしまった。ちなみにヒッツも俺と同じ量のハンバーグを食べている。そういやお前さんライオンだったね。
その様子を3人はポカーンとした表情で見ていた。
「さすが高校生ね。あの量を5分で…というかヒッツまで食べてるし」
「早かったねー」
「よっぽどお腹が空いてたんだね~にゃははは」
アリサ、すずか、なのはの3人が俺の食べている様子を見て、それぞれ感想を言っていた。
うん。
恥ずかしい限りです。
「ヒエン様、ヒッツ様おかわりならいくらでもありますから遠慮なくおっしゃってください」
すると俺の後ろからノエルが声をかけてくる。
いつの間にいたんですかねえ!
全く気配を感じなかったんですけど!?
「メイドの嗜みです」
そうですか!
というかナチュラルに心読まないでください。
「メイドの嗜みです」
さいですか。
ちなみにヒッツはお腹いっぱいになったのかノエルに抱かれてグデーとしている。ノエルも嬉しそうな表情でヒッツの頭を優しく撫でている。その内寝そうだな相棒。
「お飲み物どうぞー」
すると表の扉からお茶を持ってきたファリンがやってくる。
あれ?
でもファリンって確か…
ファリンはお盆をヨタヨタと危なげに持ちながら歩く。そこにタイミング悪く月村家の飼い猫の1匹が前を横切る。
「わ、わわわ!?」
ほら!
言わんこっちゃない!
俺は即座に動き出そうとしたが、既に動き出していていた3人組によって事なきを得る。
アリサ、すずかが咄嗟にファリンを支え、なのはが飛んでいくお盆とお茶セットを見事にキャッチしていた。
そしてその光景を見た俺は驚愕していた。
「ふー。あぶなかったね~」
なのはが机にお茶セットとお盆を置き、右手で汗を拭う。
「昔からなのはって空間把握能力ずば抜けてたもんね」
「そういえば前にもアリサちゃんに飛んできた野球ボール咄嗟にとってたもんね」
アリサとすずかが現状を分析していた。
だが俺は別の意味で驚いていた。
「な、なのはちゃんが…あのどんくさいなのはちゃんが……まともに運動できているだと!?」
「ヒエンくんそれどういう意味なのかな?」
と思ったことをつい、声に出してしまっていたらしくそこには笑顔の怖い未来の魔王様がおられた。
いやでも…
普段の生活から見てるとこの子本当に運動苦手なんだなと言うことがよく分かるほど、なのはは運動が苦手であった。
それを普段から見ていた俺は少し感動していたというわけだ。だがしかし…
「あちゃー…アンタは本当に一言多いのよ」
「あははは…」
アリサとすずかは俺達から少し離れ…
「うふふふ。仲がよろしいですね」
「あわわわわ」
ノエルはこちらを生温かい目で見守り、ファリンは少し慌てていた。
いや皆さん!
そんなところで見てないで助けてくれませんかねぇ!?
ゴゴゴゴゴゴ…
あれ?これ前にもなかった?
なんかデジャブなんですけど…
「ヒエンくん」
なのはが俺に覇気を纏いながら、ザッザッザと近付いてくる。
やべえ。
超コエェー( ; ゜Д゜)
そのとき…
ジュエルシードの魔力の波動を俺達は感じた。
それを感知した俺達は即座にアイコンタクトを実施。3人で互いに頷き早速行動に写す。
「あ、ユーノくん!」
ユーノが入り口の扉から抜け出していく。それをなのはが追いかけていった。
「あ、なのは!」
アリサが咄嗟になのはの名前を呼ぶ。
「ごめーん!ユーノくんちょっと見てくるー。」
「アンタ1人で大丈夫なの!」
「大丈夫ー!」
なのはは無事抜け出すことに成功していた。俺も行動するため立ち上がる。
「ちょっと俺も見てくるよ」
「あー、そうね。ついでにさっきのこと謝ってきなさいよ?」
「おう。じゃあいってくる」
というか今思ったけど小学3年生の女の子に諭される高校生ってどうなのよ?
と少し落ち込みながらも俺は部屋を出ていくのだった。
◆◆◆
俺はジュエルシードの反応があった場所へと走る。そして遠目からでもその場所はよく分かった。
なぜなら巨大な猫がその場に佇んでいたからだ。
そしていつの間にか広域結界が展開されていた。この魔力の感じはユーノだな。そして俺はその場めがけて行こうとしたとき…
突如、悪寒が走った。
俺は直ぐ様、上空へと飛び上がる。すると俺が先程までいた場所から爆音が響いた。
クルリと回りながら地面に着地した俺は、襲いかかってきたであろう敵を見定める。
おそらくなのはのところにはフェイトが行ってるはず。だとすれば…残る人物はただ1人。そいつは土煙の中から現れた。
「アンタかい。フェイトが言ってた炎の魔導師ってのは?」
そいつは赤毛の髪の毛で年相応な俺と同年代の少女に見える。だが頭から見える2つの獣の耳から人間でないことが分かる。
そしてそいつは狼のように鋭い視線を向けてこう言い放った。
「フェイトの邪魔だけはさせないよ!」
フェイトの使い魔アルフが俺の目の前に立ち塞がった。
次回はvsアルフ。
デュエルスタンバイ!