外伝続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
第三者side
少年とリフレインが睨み合う。
二人を見ながら冷火は言う。
「皆さん、二人の戦いをよく見ておいて下さい。強者同士の戦いというものを……」
冷火の言葉に誰かが唾を飲み込んだ。
そして、二人の戦いは唐突に始まった。
少年が両手から炎を噴射した瞬間、リフレインの前に現れる……が、その直後、リフレインの背後へと現れ、回し蹴りを放つ。
「速いっ!?」
プリキュアの誰かが驚く。
そのまま少年は真上へと飛び、回転しながらリフレインの頭上から踵落としを繰り出した。
しかし、リフレインは少年の攻撃を上手く受け流していたようで後退していた。
そこからは一進一退の攻防が続く。
少年が捕縛魔法や幻影魔法で隙をついて攻撃するのに対し、リフレインはそれらに冷静に対処していく。
そして、少年の動きを見切ったのか、雷を纏わせた光の剣で少年を校庭へと叩き落とした。
「がはっ!?」
ドォオオオオオン!!!!!!
「「「「「ヒエン(さん)!?」」」」」
「お兄様!?」
少年が真上から落ちてきた事に驚いたのか、皆が声を上げる。
「……お兄様の動きが完全に見切られていますね」
「おいおい!それヤバイんとちゃうんか!?」
冷火の言葉にハリーが焦るが、冷火は冷静だった。
「落ち着いて下さい。お兄様にとって、このような状況はこれまでいくらでもありました。それにあの目を見て下さい。とても諦めている者の目ではないでしょう?今は黙って様子を見ましょう」
そしてここから変化が起きた。
少年の額の炎がオレンジからピンク色に突然変わったのだ。
「オレンジからピンク色に変わった!?」
その後、突如として少年の全身からピンク色の炎が湧き出たのだ。
「ヒエンさんの全身から……」
「ピンク色の炎が……」
「出てる……?」
冷火、エール、スター、グレースの四人が驚く。
「あれはもしや……死ぬ気の到達点!?」
冷火の言葉にフォンテーヌが質問する。
「死ぬ気の到達点って……確かヒエンさんの記憶で見たやつよね?」
「ええ。別の並行世界の地球で戦った錬金術師、アダム・カドモンという敵に対抗するために、お兄様が至った境地です。お兄様曰く、死ぬ気の到達点は、全身の細胞が死を覚悟することで到達する死ぬ気モードの最終形態、その極致だと……」
「そもそも、死ぬ気モードって一体なんなんや?」
冷火にハリーが質問する。
「死ぬ気モードとは、お兄様が潜在能力を解放している状態……要は火事場の馬鹿力を意図的に発揮出来る状態になっている事です。より詳細に言えば、脳のリミッターを外してる状態とでも言えばいいでしょうか」
「なんやそれ!?滅茶苦茶凄いやないか!?」
「そう便利な物でもないらしいですよ?当初は反動が凄まじくて、三日三晩、筋肉痛で痛くて悶えていたらしいですし」
「人は普段、脳がリミッターをかけることによって、身体と生命を守るための防御機能として存在しています。人間が本来持つ身体能力を100%出してしまうと、筋肉や骨が自身のパワーに耐えきれず破壊されてしまうため、脳が意識的に力をセーブしているんです。それを無理矢理外しているんです。三日三晩、筋肉痛になったという話も納得です」
話を聞いていたアムールが解説する。
彼女はアンドロイドのため、人間の能力を上回る数多くの特殊な機能が内蔵されているため、この手の情報もお手の物である。
「しかし、一体いつの間にあの技を……」
冷火が困惑して見る。
「……先程チラッと聞こえたのですが、彼は『疑似・死ぬ気の到達点』と呟いていました。推測ですが、疑似と言うことは、今はまだあのピンク色の炎でしか使えないのではないでしょうか?」
「そうか……だから疑似・死ぬ気の到達点……。未だ完全には再現出来ないからこそ、という事ですか」
冷火が納得する。
そして、そこからの勝負は一方的だった。
なのはを彷彿させる魔法の数々であっという間にリフレインを追い詰めたのだ。
「まだやるか?」
少年がリフレインへ確認を取ると、リフレインは不敵に笑った。
「ククククッ……何をもう勝った気でいるんです?絶望するにはまだ早い。勝負はまだまだこれからですよ?」
その時、リフレインが全身に赤黒いオーラを纏うと、巨大な竜巻が奴を覆う。
「なにっ!?」
「「「「「くううぅぅっっ!?」」」」」
覆った竜巻から強風が吹き、様子を見ていたプリキュア達も吹き飛ばされそうになる。
「ちっ!?冷火!!」
「はいっっ!!」
冷火は少年の意図をすぐに理解したのか、防御結界魔法ラウンドガーターを発動させて、プリキュア達を守る。
そのとき、強風が止むとリフレインの姿が変貌していた。
「ウオオオオォォォォ!!!!!」
リフレインは、骨の模様がある漆黒の巨大な怪物のような姿となって少年達の前に立ちはだかった。
第三者side end
◆◆◆
ヒエンside
「まだこんな力を隠していたのか……」
俺はリフレインが真の力を解放した事に驚く。
「フキトベ!」
「ぬっ!?」
リフレインが巨大な右腕を振り下ろす。
咄嗟にラウンドシールドで受け止めるものの、簡単に叩き落とされてしまった。
「ぐあっ!?」
「「「「「ヒエン(さん)!?」」」」」
「だ、大丈夫だ……」
しかし、凄い力だ。
一撃受けただけでかなり体力を消耗したぞ。
「ダレニモワタシノジャマハ、サセナイ!」
続けてリフレインは左手を上げて、パンチを放つ。
防御結界は簡単に破壊された。
「ルンッ!」
「はぁっ!」
直後、ミルキーとアンジュが前に出てバリアを展開するが、すぐに打ち破られ爆発が起こる。
「アンジュ!?ミルキー!?」
エールが二人に呼び掛けるが、攻撃の余波で俺達も吹き飛ばされてしまった。
「……ホールディングネット!」
咄嗟に補助魔法ホールディングネットを展開して、皆を受け止める。
「お兄様!さすがにこの状況では、私達も動きますよ!!」
冷火がそう言うと、プリキュア達も動き出す。
「いくよ!」
エールの合図で、冷火とハグプリとスタプリのメンバーがリフレインに向かって跳ぶ。
しかし、リフレインは頭上に五つの魔法陣を展開させると赤黒い電撃を放つ。
「「「「「きゃああああ!?」」」」」
「皆!?」
冷火達に電撃が直撃し、彼女達は倒れてしまう。
「さすがに温存してる場合じゃないな!」
この力の規模になれば、オーバードライブでなければ対抗出来ないだろう。
「
俺はバージョンアップしたオーバードライブの黒コートをマントのように身に纏う。
ジョット、又の名を沢田家康、ボンゴレ
極限まで強化する新型オーバードライブと、疑似・死ぬ気の到達点の重ねがけだ。
これが今の俺がとれる最強形態である。
「エクセリオンバスター!」
俺は直射砲撃エクセリオンバスターを放つ。
オーバードライブで強化された直射砲は、ある程度弱体化しているとはいえ、並の砲撃よりはずっと強い。
「グアアアアァァァ!?」
効いている。
「はっ!」
俺は砲撃を放ちながら、リフレインの周りを飛び回る。
とりあえずウザイ羽虫をイメージをするが如く、奴の邪魔をしまくる。
「コノ……ジャマヲスルナアァァァ!!!!」
「それは出来ない相談だ!!」
近過ぎず離れ過ぎずを意識して攻撃する。
学校の時計を見れば、時間は11:45を指していた。
十二時になれば、また時間が巻き戻る。
そうなると、リフレインを止める事がさらに難しくなる。
なんとしてもこの時間軸で奴を止めねばならない。
「二人とも!」
「ええ!」
「うん!」
すると、グレース達もそれぞれの必殺技を放ち加勢するが……
「ウォオオオオオオ!!!!」
リフレインは赤黒い巨大な雷を展開すると、グレース達のビームを飲み込んでしまった。
「そんな……!?」
「私達の攻撃が……」
「飲み込まれた!?」
グレース達は驚いたのか、動きが硬直してしまう。
その隙を見逃すリフレインではなかった。
「トドメダ!!」
「まずい!?」
俺は咄嗟に超加速魔法ソニックアクションを使用し、グレース達の少し上に現れると、巨大なマルチラウンドシールドを展開させる。
周りには倒れている面々もいるため、この攻撃だけは絶対に通す訳にはいかない。
直後、リフレインは先程よりも大きな黒雷を放ってきた。
「ぐ、ぐぉおおおおお!!!!」
俺は魔力強化でマルチラウンドシールドを満遍なく強化する。
大空の炎が全体的な強化をもたらすなら、夕の炎は内部から補強するイメージだろうか?
魔力運用をミリ単位まで完璧に行うことで、細部まで強化していく。
その後、凄まじいまでの爆音と衝撃が俺達を襲った。
「ぐっ!?ふぅー……ふぅー……」
少し息が切れるものの、意識もしっかりあるし、身体も五体満足である。
なんとか乗り切ったらしい。
後方を見れば、グレース達も無事だった。
だが、俺の様子に気付いた三人が声を上げる。
「ヒエンさん!頭から血が……!?」
「それに服もボロボロに……」
「私達を守るために……」
三人が泣きそうな表情をしている。
「し、心配するな……見た目ほど酷い怪我じゃない」
俺は三人の心配を他所に、頭では冷静に状況を分析していた。
映画の世界線で考えれば、今の状況は間違いなくクライマックスシーンだ。
だとすれば、ストーリー上、そろそろ一打逆転の手が来てもおかしくない。
「ミラ……ミラ……」
その時、今まで状況を見守っていたミラクルンの様子がおかしい。
その瞬間、超直感が反応する。
俺は悟った。
(きたか……!!)
ミラクルンは俯いていた顔を上げると、吠えた。
「ミラ……ミラアアアァァ!!!!!!」
直後、エール達とスター達、マスコット組の手の中に
「あれって……」
「ミラクルライトの光ラビ!」
グレースと、ステッキ状態のラビリンが驚く。
「リフレイン!もう……もうやめるミラ!!永遠に今日を繰り返しても、貴方が辛いだけミラ!!!」
ミラクルンは泣きながら、リフレインを説得する。
「ソンナコトアリマセン。ジカンガモドレバ、エイエンニアスハヤッテコナイノデスカラ」
リフレインは淡々と語る。
「アスガヤッテコナケレバ、コノショウガッコウガナクナルコトモナイ。ナニゴトモナカッタカノヨウニ、ヘイオンニキョウヲクリカエスノデス」
その言葉を聞いていた俺は思わず呟いていた。
「哀れだな」
「ナ二……?」
「お前が哀れで仕方がないよ、リフレイン」
「コノワタシガ……アワレ……ダト?」
「時間が戻れば、永遠に明日はやって来ない……何事も無かったかのように、平穏に今日を繰り返す……だったか?無理だよ、そんなことは」
俺はリフレインを見上げる。
「同じ時間を何度も繰り返す……その行為に一体なんの意味がある?形あるものはいつか壊れる。この世のすべての存在は絶えず変化するんだ。そして、それはお前も同じだよ、リフレイン」
俺は校舎の方へと視線を向ける。
「仮に今日をずっと繰り返したとしても、それが永遠に続くなんてことはあり得ない。その前に確実に……お前の心が壊れるからな。だから哀れだと言ったんだ」
そして俺は校舎に手を向け、魔力弾を放った。
「キサマ!!!!」
リフレインは障壁を発動させて魔力弾を防いだ。
これで奴の標的は確実に俺一人になっただろう。
「俺が憎いか?」
俺はリフレインを見ながら、ゆっくりと上昇していく。
「だったら、俺を殺してみろよリフレイン」
俺はリフレインと話す一方で、冷火に念話で指示を出す。
『聞こえるか、冷火』
『は、はい。聞こえています』
『俺が時間を稼ぐから今の内に、そのライトでグレースを強化するんだ』
『強化……?一体どういう事です??』
『そのミラクルライト、いやミラクルンライトにはプリキュアを強化する力がある。そして、その力と最も相性が良いのは恐らくグレースだ』
ミラクルンは学校の桜に宿る精霊だ。
ならば、花の力を宿すグレースと一番相性が良いハズ。
それにヒープリの主人公は彼女だ。
映画のストーリー的にも、彼女がパワーアップしてリフレインを倒すのだろう。
というか、状況的に考えて今はそれしか手がない。
『それじゃ、頼んだぞ!!』
『ちょっと!?お兄様!?』
俺は念話を切って、リフレインへと意識を集中させる。
「キサマダケハ……キサマダケハ……カクジツニコロシテヤル!!」
「やれるものなら……やってみろ!!」
そして俺はリフレインの正面に陣取ると、ある魔法を発動させる。
「フォトンランサー・ファランクスシフト!」
フォトンランサーのバリエーションにして、無印時点でのフェイトの最大攻撃魔法。
フォトンランサー・ファランクスシフト。
フォトンランサーの一点集中高速連射魔法で、無印でのフェイトは最大38基展開させ、毎秒7発の斉射を4秒継続することで、合計1064発のフォトンランサーをなのはに叩きつけていた。
俺はというと、フェイトが使っていた時よりも12基多い、50基出していた。
そして合計1400発のフォトンランサーをリフレインに叩きつける事になる。
「ファイア!」
ピンク色の槍のような魔力弾が高速で次々と発射される。
夕の炎の『安定』の効果だからこそ使える荒業である。
「クッ……コザカシイ!!」
リフレインが両腕を使ってガードする。
そりゃこざかしいだろうな。
そうなるように狙ってるんだから。
今の俺の目的は、グレースがパワーアップする時間を稼ぐ事である。
一瞬下を見れば、皆がグレースに向けてミラクルンライトを向けていた。
しかし、パワーアップにはまだ時間がかかるようだ。
もう少し粘らねば。
俺一人でこいつを浄化するには、少し厳しいものがある。
なんせ新型オーバードライブも、疑似・死ぬ気の到達点も今回が初運転だからか、些か不安が残るのだ。
だったら、多少時間がかかってでも確実に浄化出来る方法を選ぶ。
そして魔力弾を全て撃ち終わったからか、少し気が抜けたのがいけなかったのだろう。
直後、俺は四肢を黒いバインドのような物で拘束されてしまった。
「しまった!?」
「ククククク……ヨウヤクツカマエマシタヨ」
リフレインは赤黒いエネルギーを収束させる。
「デハ、シニナサイ!!!!!!」
そして、巨大なビームとして俺に放った。
俺は咄嗟に全魔力をバリアジャケットの防御に満遍なく回す。
直後、俺の視界を黒が覆ったと同時に激痛が身体全体を襲った。
「ぐっ!?がああああっ!?」
あまりにも重い一撃。
あまりにも濃いエネルギーの密度。
新型オーバードライブと、疑似・死ぬ気の到達点の重ねがけでこれなのだ。
だが、耐えられない程ではない。
一瞬とも永遠とも思える時間が終わると、俺は前を見る。
そこには信じられないといった表情のリフレインがいた。
怪物のような姿なのに、なんとなくだが恐れを抱いているような感情が伝わってきた。
「ナゼ……ナゼ……イキテイルンダ!?」
「はぁ……はぁ……ああ?」
俺は身体の調子を確かめながら、動く。
よし、ボロボロだがまだ動ける。
四肢を拘束していたバインドも壊れてる。
先程の攻撃で消し飛んだみたいだ。
「サキノイチゲキハ、トテモニンゲンガタエラレルシュツリョクノモノデハナイ!ナノニ……ナノニ……ナゼ、マダキサマハイキテイルンダ!?」
「ああ、そういうことか……」
どうも様子がおかしいと思ったら、さっきの一撃で俺を消し飛ばす気だったらしい。
しかし、俺が普通に耐え切った事で無自覚にもこいつに恐れを抱かせてしまったようだ。
だが、この状況は使える。
俺は方針を切り替える。
とりあえず、奴を挑発する事にする。
「……どうしたリフレイン?俺を殺すんじゃなかったのか??」
「ダマレ!!!!」
リフレインは赤黒いエネルギーの弾幕を俺にぶつけてくる。
おい、やめろ。
最大出力に耐えたからって全く痛くない訳じゃないんだぞ。
「シネシネシネシネシネシネェ!!!!!!」
「……お前の力はその程度かよ?」
「ダマレトイッテイル!!!!!!」
あげくの果てには、巨大な両腕で俺をひたすら殴りつけてきやがった。
「がっ……ごっ……がはっ……どう……したよ?そんなもの……なのか??お前の……力は???」
しかし、俺はそれにひたすら耐えて、奴を睨みつける。
「見てくれが変わっただけじゃ……俺には勝てないぞ……もっと……本気を出せ……もっと……殺す気でこい」
そして、俺は大声で怒鳴った。
「そんな事じゃ……この俺を殺す事なんて出来やしねえぞ!!!リフレイイィィィィィィィィィン!!!!!!」
その時、優しい桜色の光が視界の端で爆ぜた。
次回でミラクルリープ、終わります。
では、またく(`・ω・´)