大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

かけたので投稿。
クーラーかけたまま部屋でじっとしてちゃダメですね。
若干、風邪っぽい。

では、どうぞ( ゚д゚)ノ


第二十二話 使い魔との戦闘

ヒエンside

 

 

 

月村家の広い庭にて俺はフェイトの使い魔アルフと対峙していた。

 

俺はジッとアルフの様子を見る。

 

ぴたっとしたひし形のシャツを着て、豊満な谷間が見える。鍛えているのか腹筋も綺麗な形をしている。そして紫色の短パンをはき健康的な太ももがあられもなく出されている。

 

なんというか言葉通りに魅力的な体を披露していた。

 

あれか?

テスタロッサ家は基本的に露出しないと気がすまないのだろうか?これから戦いをするとはいえ、正直男として目線のやり場に困る。

 

俺はすぐにバリアジャケットを展開させ構え、同時に死ぬ気モードとなる。これでいつ戦闘が始まっても大丈夫だ。

 

「へえ。話に聞いてた通り本当に額に炎がつくんだねぇ。それに雰囲気も変わったみたいだ」

 

フェイトが予め俺の情報を話していたのかアルフは面白そうな顔でこちらをみている。

 

俺のことを知っているとすれば、俺がどのような魔法を使うのかも知られていると考えた方がいいだろう。

 

それにこれは少々まずい展開かもしれない。

 

早朝のフェイトとの戦い、そしてジュエルシードとの戦闘で俺はまだ満足に魔力が戻っていない。通常時の半分といったところだ。

 

どうする…?

 

「アンタの事はフェイトからある程度聞いてるよ。助けてくれたことも、共闘したことも」

 

「………」

 

「だけどアタシ達にはやらなきゃいけないことがあるんだ。フェイトを助けてくれたことには感謝してる。だけどそれとこれとは話は別だ。アンタがジュエルシードを持っていくっていうならアタシは容赦しないよ」

 

「そうか」

 

俺はその話を聞いて短く答えるだけに留めた。俺は彼女達がどうしてジュエルシードを集めているか知っている。だがそれは傍観者としての位置から見ていたからだ。

 

必死にジュエルシードを集めている彼女達にぽっと出の、それも他人の俺が言えることなど何もありはしない。だから短く答えるだけに留めた。

 

「何も聞かないのかい?」

 

「ああ。別に聞いた所で何も答えてくれないだろ?だったら聞かない。それに他人の俺があーだこーだ言ったところで何も変わらない。それにお前にやらなきゃいけないことがあるように、俺にも通さなきゃいけない筋ってものがある」

 

「そうかい」

 

アルフも俺の返答に短く答え構えた。

 

「………」

 

「………」

 

俺達は互いににらみ会う。

 

 

そして互いに地をかけ拳を激突させた。

 

 

 

ドゴオオオオオォォォォォォォォンンンンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!

 

 

 

俺とアルフの拳の激突で地面が少し陥没する。そしてアルフが連続でパンチを放つ。俺はそれを化勁(かけい)で受け流す。

 

化剄とはありとあらゆる攻撃に対応できる防御の技術であり太極拳のお家芸だ。その動きは柔らかな球を描くことで、相手の力に逆らわず受け流すのである。

 

俺は近接戦闘の技術として太極拳を習っている。その秘密がこれだ。化剄はあらゆる攻撃を受け流すことに適している。なおかつ日本中に広まっている武術なので習うのにはそれほど苦労しなかった。

 

一時期リニスと一緒に太極拳教室に通いつめ、基礎を徹底的に鍛えたこともある。俺の使う魔法と相性が良かったので太極拳を始めたというわけだ。

 

俺はアルフの連続パンチを受け流したあとアルフの左側頭部に右足蹴りをはなつ。だがそれはアルフの左腕によってガードされる。

 

それを予想していた俺はアルフの顔めがけて左手で掌底をはなつ。だがアルフは首を少し曲げることでそれすらもかわす。攻撃が空振りになった俺は少し体勢を崩してしまう。

 

その隙を見逃さずにアルフは強烈な右ストレートを俺の体に炸裂させた。

 

 

 

ドオン!

 

 

 

ズザザザザザザザ!!!

 

 

 

「へぇ。あの状態からガードしたのかい?なかなかやるじゃないか」

 

俺は5メートル程後方に吹き飛ぶが、即座に右腕を間に入れることで防御することに成功した。

 

(思った以上にパワーが強い。女性だからといって甘く見ない方が良さそうだ)

 

アルフは女性とはいえ狼の使い魔だ。素の身体能力の高さを考えれば、今は人型になっているとはいえ俺より上と考えた方がいいだろう。

 

俺は再びアルフに接近し顔に拳を放つ。アルフも俺の顔目掛けて拳を放ってきた。両者の拳が交差する。鈍い音が互いに響きそこからは殴り合いに発展する。

 

互いに拳を放ち、防ぎ、かわし、受け流し、反撃する。それは泥臭いケンカのように見える。

 

 

 

ドゴオン!

 

 

 

俺は腕でガードを構えアルフから放たれた跳び蹴りをガードする。

 

 

 

ズザザザザザザザ!!!

 

 

 

俺は再び後方に吹き飛ぶが何とか立ち止まる。

 

「ぜぇぜぇ…」

 

俺は息をはきながらアルフの様子を見る。少し疲れているようだがまだまだ動けるみたいだ。

 

俺は深呼吸し息を整える。

 

「ハァースゥーハァー」

 

よし落ち着いた。

そして確信した。

今の魔力や体力を消費している俺ではアルフの相手は厳しい。そしてこのまま長期戦を行えば間違いなく不利だ。

 

勝つには短期決戦でいくしかない。

 

俺は額の炎の質を、柔から剛へと切り替える。そして同様に両手のグローブにも剛の炎を灯す。

 

 

ボオオオオオ!!

 

 

アルフは俺のそんな様子を見てニヤリと笑う。

 

「へぇ。次は魔法戦って訳かい。上等だよ!」

 

「悪いが時間がないんでな。早目にきめさせてもらう!」

 

そして俺達は再び激突した。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

ユーノside

 

 

 

僕たちはジュエルシードの反応がしたので急いで現場へと向かっていた。

 

そしてその現場についたわけなんだけど…

 

そこには巨大化した子猫がいたんだ。

 

流石に予想外なのか、なのはも目をパチクリとさせ、僕も呆然としてしまった。

 

「にゃあ~」

 

子猫の大きな鳴き声が聴こえる。気のせいでなければ声も少し低くなっているような…

 

「あ、あああ 、あ…れは?」

 

「た、たぶんあの猫の大きくなりたいって思いが正しく叶えられたんじゃないかなと…」

 

「そ、そっか」

 

なのはは左手を頭に抱え、疲れた表情で答えた。

 

何となくわかるよその気持ち。

 

「だけどこのままじゃ危険だから元に戻さないと」

 

「そ、そうだね。さすがにあのサイズだとすずかちゃんも困っちゃうだろうし…」

 

僕となのはが話してる間にも巨大化した子猫はドシンドシンと歩き回りキョロキョロと辺りを見回している。

 

「にゃあ~」

 

「襲ってくる様子はなさそうだしササッと封印を…じゃあ、レイジングハート!」

 

となのはがレイジングハートを構えたそのとき…

 

突如、金色の閃光が子猫に炸裂した。

 

 

ドオオオン!

 

 

「にゃああああ」

 

 

子猫は驚いたように鳴く。

 

なのはが飛んできた方向に向くとそこには黒衣をまとった金髪の少女が電柱の上に立っていた。

 

「バルディッシュ。フォトンランサー連撃」

 

《Photon lancer. Full auto fire.》

 

金髪の少女の前に小さな金色の魔方陣が現れ、フォトンランサーと呼ばれたスフィアが連続で放たれる。

 

それは全て子猫に当たった。

 

「にゃあああ~」

 

子猫は苦しげに鳴く。

 

「あれはやっぱり魔法の光…そんな」

 

(あの金髪の女の子は…おそらく僕の世界と同じ住人!)

 

「レイジングハートお願い!」

 

《Standby ready. Set up.》

 

なのははレイジングハートを構え白いバリアジャケットを纏う。でも今のなのはじゃあの子にはおそらく…

 

なのはは走り出し飛翔魔法フライアーフィンで靴から光の羽根を出し子猫の元へと飛んでいった。

 

僕も子猫の元へと走り出す。

 

そしてなのははフォトンランサーの前に飛んでいき、レイジングハートを構える。

 

《Wide Area Protection》

 

広域防御魔法ワイドエリアプロテクションで子猫をフォトンランサーから守る。

 

よしその調子!

 

「魔導師?」

 

金髪の少女はなのはを見て首を傾げながらも、狙いを猫の足元に変え転ばせた。

 

子猫は大きな鳴き声をあげながら倒れてしまう。

 

なのはは少し子猫のことが気になっているみたいだけど…今は余裕がないみたいだ。

 

なのはは地面にうまく着地したあとレイジングハートを構え、じっと金髪の少女を見据える。

 

(そろそろ驚かなくなってきたみたいだけど…僕がなのはに教えることはもう何もないのかも…)

 

そして僕は金髪の少女へと目を向ける。

 

金髪の少女はなのはの目の前にある木の枝の上へと着地したみたいだ。

 

「同系の魔導師。ロストロギアの探索者か」

 

「え?」

 

やっぱり間違いない。僕と同じ世界の住人。それにこの子ジュエルシードの正体を…

 

「バルディッシュと同系のインテリジェントデバイス」

 

「バル…ディッシュ」

 

なのはがゆっくりと呟く。

 

「ロストロギアジュエルシード」

 

そのとき金髪の少女は黒い斧バルディッシュを横にサッとふった。

 

《Scythe form.》

 

するとバルディッシュから金色の魔力刃が現れる。それは鎌のように見えた。

 

「申し訳ないけどいただいていきます」

 

金髪の少女がなのはへと迫る。咄嗟になのははフライアーフィンを展開し、上空へと回避する。だけど金髪の少女の攻撃はそれだけじゃなかった。

 

《Arc Saber》

 

アークセイバーと呼ばれる魔力の光刃が飛ばされる。光刃はブーメランのように回転しながらなのはに迫り爆発した。

 

「なのは!」

 

そのときプロテクションでうまくガードしたなのはが更に上空へと回避する。でも…

 

金髪の少女はなのはに一気に迫っていた。なのはは驚きながらもレイジングハートで鎌を受け止める。

 

 

ガキン!

 

 

「なんで…なんで…なんで急にこんな…」

 

「答えても多分意味がない」

 

「く…」

 

そのとき両者が後方へと吹き飛ぶ。

 

なのはは地面に、金髪の少女は木の上に着地した。

 

《Axe form. Photon lancer,get set.》

 

《Cannon mode. Divine buster,standby.》

 

両者は共にデバイスのモードを変え、射撃魔法を発動させようとしていた。

 

(きっと私と同い年くらい…。綺麗な瞳と綺麗な髪、だけど…この子)

 

そのとき気絶していた子猫が目を覚まし動き出す。なのははそちらに一瞬気を取られ、隙を生み出してしまう。

 

「ごめんね…」

 

《fire.》

 

そのときなのはにフォトンランサーが炸裂し、なのはは天高く吹き飛ばされてしまった。

 

「なのは!」

 

まずい!

いくらバリアジャケットを着ているとはいえ、あんな高さから落ちたら!?

 

僕は急いで走り出す。

 

でも間に合うか!?

 

そのとき上空から轟音のようなものが聞こえる。

 

この魔力の感じは!

 

「なのはあぁぁぁ!!!!」

 

僕が空に目を向けると猛スピードでなのはに近づいていくヒエンさんの姿があった。

 

 

 

ユーノside end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

俺とアルフは再び拳を激突させる。

 

 

 

ドガアアアアアァァァァァァンンンンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!

 

 

 

だが拳の激突を制したのは俺であった。アルフが勢いよく吹き飛んでいく。俺は追撃するために両手に炎を灯し追いかけた。

 

「く…なんてパワーだい。さっきと全然違うじゃないか。こりゃアタシも本気でいかないといけないみたいだね」

 

するとアルフは吹き飛びながらも姿勢を整える。そして目付きを変え全身に魔力を循環させる。

 

あれは…肉体強化か!

 

アルフは勢いよくこちらに迫る。俺は右手に炎のエネルギーを貯める。そして再び拳を放つ。

 

剛炎の衝撃(ブレイズインパクト)!」

 

「甘いよ!」

 

すると俺の拳は空をきる。アルフは咄嗟にしゃがみ俺のパンチをかわしたのだ。

 

「ほら、くらいな!」

 

そのとき俺の腹部に強烈な衝撃が襲う。アルフが俺を真上に蹴りあげた。

 

「ゴフッ!」

 

俺はそのまま上空へと吹き飛ぶ。

 

俺は吹き飛びながらも下にいるアルフに広域砲撃魔法を放った。

 

剛炎の砲撃 拡散(ブレイズバスター ディバージ)

 

「な!?」

 

アルフは俺を追い抜き下に蹴るつもりだったようだが、そう簡単にいかせるか!

 

アルフは俺の砲撃をまともにくらう。だが直前にラウンドシールドを張ることでダメージを軽減させていた。

 

逃げられないように広い範囲を砲撃魔法ではなったが、はなっからアルフはかわす気などなかったようだ。

 

その証拠にラウンドシールドを展開させながら真っ直ぐ俺のところに向かってきているのだから。

 

「無茶苦茶だなお前!」

 

「はっ!乙女の柔肌に砲撃食らわせるようなやつに言われたくないよ!」

 

「ぬかせ!」

 

俺は咄嗟に砲撃魔法を解除し、上空へと回避する。

 

アルフはそのまま俺を追いかけてくる。俺は高速で飛びながら射撃魔法をはなつ。

 

剛炎の銃弾(ブレイズバレット)verミサイル!」

 

俺の回りに5つのスフィアを展開させアルフに誘導弾を放った。これは自動的に相手を追いかけるスフィアである。

 

「ちっ!」

 

アルフは舌打ちしながら同じように射撃魔法を展開させた。

 

あれはフェイトと同じフォトンランサーか!

 

アルフはverミサイルをうまく相殺させた。だが俺の狙いはそれじゃない。

 

「どんなもんだい!」

 

「ああすごいな。だが、がらあきだ!」

 

「な、いつのまに…」

 

俺の目の前には驚愕しているアルフの姿があった。

 

俺がやったことは簡単だ。

誘導弾でアルフの視野を狭め、迎撃させてる間に近付く。それだけだ。

 

「悪いな。だがこれで終わりだ。ブレイズ…」

 

俺がアルフに攻撃を仕掛けようとしたそのとき…

 

俺の視界の端に白い何かが見えた。

 

俺はそれに気付くと驚愕する。

 

「なのは!?」

 

俺はそれがなのはだと気付くと猛スピードで飛んでいく。

 

まずい!

あんな高さから落ちたら…大ケガじゃすまないぞ!

 

 

くそ!

 

 

間に合え!

 

 

間に合え!!

 

 

間に合え!!!

 

 

間に合えぇぇーーー!!!!!!

 

 

俺はなんとかなのはの下に到着することに成功し、落ちてくるなのはを無事受け止めた。だがなのはの落下スピードが思ったより大きかったためそのまま地面へと一直線に落ちて行く。

 

俺はなのはをギュッと抱き締め、衝撃にそなえた。

 

だが予想していた衝撃はこず、代わりに柔らかい何かに受け止められる感触だった。

 

目を向けるとそこにはユーノが俺達を魔方陣で受け止めている姿だった。

 

「ぶ、無事で良かったです…」

 

「あ、ああ。サンキューユーノ。助かった」

 

俺は地面に座り込む。

するとどこからか視線を感じる。

俺が視線を向けるとそこにはフェイトとアルフの姿があった。

 

そしてその手にはジュエルシードがあった。

 

フェイトは無表情で、アルフは何やら敵意剥き出しで俺を見ている。そして俺達を一瞥したあとどこかへ飛んでいった。

 

俺とユーノはその姿を黙って見届けるのだった。

 




遂に出会ったなのはとフェイト。

しかし破れてしまったなのは。

さて、これからどうなる?

では、また( ・∀・)ノ

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