続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
いよいよ午後の試合が迫ってきたとき、リニスが言ってきた。
「訳あって、私は試合を見ることができません」
「え?」
ちょっと待って?
マジ?
「先程クロノから連絡がありまして、少しばかり大きな事件が発生したらしく、私は今からヴォルケンリッターの四人と共に、急いで現場に向かわねばなりません」
「あー……それなら仕方ないな。ってヴォルケンリッターは一緒なんだ。なのは達は?」
「なのは達は今夏休みを満喫中でしょう?ですから、基本的に緊急時以外は大人達で対処しようということになったのです」
「な、なるほど……」
「貴方なら心配いらないと思いますが、五回戦のときのように油断は禁物ですよ?」
「大丈夫。油断なんてできる相手じゃないし」
「朗報を待っていますよ。それでは」
そしてリニスは事件現場へと向かっていった。
リニスがいなくなってから、俺は控え室で時間ギリギリまで座禅を組んで、精神統一をしていた。
なんせ次の予選六回戦、決勝戦の相手は世界代表戦準優勝者であるボンちゃんだ。
このボンちゃんに勝たねば、俺は都市本戦へ進むことができないうえに、さらにオカマにならなくてはいけなくなるというオマケ付き。
絶対に負けられない。
死んでも負けられない。
主に俺の未来のために。
「スゥー……ハァー……」
鼻からゆっくりと息を吸って、口からゆっくりと吐き出す。
余分な力が入らないように脱力していく。
りきんでしまっては力を発揮できなくなる。
ほどよくリラックスできたことを自覚すると、閉じていた目を開ける。
「ヒエン君、そろそろ時間だよ」
「ん」
そして丁度よいタイミングで時間が来た。
肩の上に相棒が現れる。
「行くか」
「ガゥ」
俺達は試合会場へ向かった。
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『皆様大変お待たせ致しました!いよいよ予選2組エリートクラス六回戦、選手入場です!レッドコーナーからは、世界準チャンピオン!オリジナル戦技「オカマ拳法」の達人!我らがオカマの中のオカマ!「
「「「「「ボンちゃあぁん!!!!!!」」」」」
「「「「「シハアァァァン!!!!!!」」」」」
観客とキャンディーズが一斉に声を上げる。
ボンちゃんはその歓声に答えながら、テンション高めに入場していく。
「勝つわよぉおおお!!」
そしてボンちゃんは、側を飛ぶイワさんに視線を向ける。
「いくわよ、イワさん!」
《やるよ、ボン・ボーイ!》
「オカマアップ!」
ボンちゃんがバリアジャケットへと換装する。
顔は独特のメイクに変わり、青いワイシャツの上から白鳥のコートを着用すると、続けて青いカボチャパンツに、トゥシューズを装着、イワさんが胸に吸収されるとオカマアップが完了する。
背中には大きな文字で『オカマ
『ブルーコーナーからは、今大会一番のダークホース!「炎熱」と「凍結」の使い手でありながら、多種多様な魔法を使いこなす額に炎を灯す男!「
そして俺も恭也君と美由希さんを引き連れて入場する。
「「「「「ヒエンキュウゥン!!!!!!」」」」」
そのとき野太い声が聞こえ、俺は思わず背筋をビクリとさせる。
見ればキャンディーズがチームヒエンの隣に座っており、俺の方を応援していた。
「ヒエン君がんばって!!」
「ファイトだよー!!」
「勝ちなさいー!!」
なのは達も負けじと声を出して、応援してくれていた。
『ヒエン選手、オボン・クレー選手の応援団にも凄い人気です!……はい?ええっと、なんですか?これを読めばいいんですか??』
うん?
なんか実況席が騒がしいような??
『な、な、な……なんとヒエン選手!この試合でオボン・クレー選手に敗れてしまうと……オカマにならなければならないとのこと!なんでもヒエン選手にはオカマの素質があり、オカマ拳法の適正も備えているらしいです!!』
おいいいいいいいいぃぃぃぃ!?
なんで実況者までそのこと知ってんだああぁぁ!!??
「良い機会だから、あちしがDSAAスタッフに教えといたのよぅ!!」
またお前かぁ!?
このオカマがあああぁぁぁぁぁ!!??
「ガァウ!」
「っ!?……すまん。落ち着いた」
肩の上に乗っている相棒が、俺に調和の波動を流すことによって落ち着けた。
「……悪いがオカマになることはない。試合には俺が勝つからな」
「この程度じゃ、心を乱さないってことねい。さすがヒエンちゃん」
いや、滅茶苦茶取り乱してたけど……
これ以上ないくらい取り乱してたけど……
そのことは言わないでおこう。
「セットアップ、スピリットフォーム改」
俺は白いカッターシャツに黒いネクタイ、黒いベストに黒いスラックスといったスーツ型バリアジャケットに換装する。
そして上腕部を保護する黒い篭手と、下肢を保護する黒い脚甲も装備すれば準備完了だ。
俺とボンちゃんは開始線前に並ぶ。
『さて、それでは気を取り直しまして……六回戦は4分4R規定ライフは25000。五回戦よりライフが5000上がります』
俺達は向かい合う。
ボンちゃんは不敵に笑っていた。
『果たして勝利を手にするのはどちらなのか?戦いのゴングが今……鳴りました!!』
そして戦いのゴングが鳴った。
「食らいなさい、ヒエンちゃん!
先手はボンちゃんからであった。
右手を手刀で構えると、白鳥の形をした砲撃を放ってきた。
即座に俺もストレートバーナーを放ち相殺するが、なんとボンちゃんが爆発の中を突っ切ってきたのだ。
そのまま魔力を纏わせた拳を繰り出してくる。
「どうぞオカマい
俺も拳に剛の炎を纏わせると、それを迎え撃った。
「
ゴッッッ!!!!!!
俺の剛炎の拳とボンちゃんの魔力拳が激突し、凄まじい衝撃波が迸る。
それを合図に、俺達は接近戦へと移行する。
「アン!ドゥ!!オラァ!!!」
ボンちゃんが拳の連撃を打ち込んでくるが、俺はそれらを化剄で受け流していく。
そして反撃の蹴り技を繰り出すが、ボンちゃんも負けじと蹴り返す。
「
「オカマい
互いの蹴り技が激突し、両者の動きが止まる。
「……やるな」
「……そっちもねい」
予選の決勝戦がついに始まった。
さて、どうなるのか。
では、また( `・∀・´)ノ