こうも暑いとダラダラしたいですね。
はぁ~
では、どうぞ( ゚д゚)ノ
ヒエンside
黒い狂犬はさらに体が大きく、牙や爪なども更にパワーアップしていた。
どういうことだ?
もしかして俺の魔法を食べたからパワーアップしたのか?
「どう思う相棒?」
「ガウウ」
俺の肩にヒッツが現れる。
おそらくそれで間違いないと思念で送られてきた。
なるほど。
だけどどうするか?
射撃魔法はもう使わない方がいいだろう。下手に撃っても吸収されてパワーアップされるだけだ。
するとヒッツからさらに思念が飛んでくる。
なになに?
物理的に殴ってダメージ蓄積させるか、至近距離で砲撃撃って吸収できない量を放てばいい?
なるほど。
様は小さくダメージを与えていくか、大きな一撃を食らわせるかのどちらかってことか。
というか今思ったけどあの犬、死ぬ気の零地点突破・改みたいなことしてるんだよな?
そう考えるとなぜか少しだけイラッときた。
俺は沢田綱吉、ツナの技を再現するために魔法をいくつか考案した。俺がよく使う
その他にもツナの使う技を再現するためにこの2年間必死に努力した。だが未だに再現できない技もある。
それが死ぬ気の零地点突破・改だ。
この技は特殊な構えを取ることにより相手の死ぬ気の炎を吸収するという効果がある。俺の場合はおそらく魔力になるのだろうが、この技が難しいのなんの!
まずその特殊な構えというのを、ツナのを真似してやってみた。だが吸収なんて全くできない。何回、リニスの砲撃の直撃を食らったことかorz
ツナの真似がダメならば俺なりの構えを考えればいいじゃない!というわけで考えて見たものの、なぜか某金髪赤チビの錬金術師の錬成ポーズになったり、某ラーメンの具の名前の忍者がよく使う影分身の術のポーズになったりと、自分だけの構えというものを考案することすら俺にはできなかった。…まあ単純に思い付かなかっただけなんだけど。
その背景があるせいか、俺はこいつが物凄く羨ましい。こいつは俺のできないことをアッサリとやってのけたのだ。
「絶対に負けん」
そのとき俺の魔力が膨れ上がった。いつの間にか炎の質も柔から剛に変わっていた。
「いくぞ駄犬」
俺の言葉が理解できるのか、その言葉を聞いた瞬間黒い狂犬は真っ直ぐに突っ込んできた。
俺はそれを両手でいなすようにかわす。
そして飛び上がり狂犬の頭上をとる。そこから思いっきり奴の頭に踵落としをお見舞いしてやった。
狂犬はそのまま地面に倒れる。地面にヒビが入っていたので、魔力で強化した蹴りが少しくらい効いているかと期待したのだが…
奴は何事もなかったかのように立ち上がった。
俺は再び構える。
狂犬は爪に黒い魔力を纏わせ、再びこちらへと突っ込んできた。だがスピードが先程とは段違いであった。俺はグローブに剛の炎を灯し奴の爪に対抗した。
ガキン!
腕をクロスして爪を受け止める。
だがその瞬間、凄まじい重さが俺を襲ってきた。
(一撃受けただけで腕が痺れた!?こっちは攻撃用の剛の炎を使って対抗してるってのに…なんて攻撃力だ!?)
そこからは爪の応酬であった。爪だけでなく牙にも魔力を纏わせ、破壊力を増大させていた。それだけでなく、シッポをも巧みに使い俺を追い詰めてくる。
俺は超直感と化勁を駆使してなんとか攻撃を受け流す。
爪を受け流し、牙をかわし、死角から攻撃されるシッポを察知し受け流す。
なんとか反撃したいがいかんせん、狂犬の攻撃が凄まじく隙が全く見当たらない。
「ぐ!?」
俺はもう何度目か分からない奴のシッポをかわし空中へと逃れた。
がしかし予想外なことが起きる。狂犬が翼を展開して空中に飛んできたのだ。
「犬が飛べるとかそんなのありかよ!?」
俺は高速で飛びながら苦し紛れに
狂犬を1度は拘束することに成功するものの爪に魔力を纏わせ鎖を薙ぎ払った。
(一応その鎖、強化してるんだがアッサリと切りやがって…)
そして考え事をしていたせいか狂犬の接近を許してしまう。
(まずい!)
「ヴォアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
狂犬はシッポに魔力を纏うとグルンと周り俺に地面に向けてシッポを叩きつけてきた。
俺は即座に防御魔法ラウンドシールドを発動させる。そして死ぬ気の炎で強化するが…
ガード毎地面へと叩きつけられてしまった。
ドガアアアアン!!!!
「ごはっ!?」
俺は何とか起き上がり狂犬を見上げる。
「ハァハァハァ」
(まずい。予想以上にスタミナを消耗してる。こいつ相手に勝つにはもうあれを使うしかない)
そう。
何より予想外なのがこの黒い狂犬の接近戦への対応力だった。ジュエルシードを取り込むと知性でも上がるのだろうか?俺の攻撃や防御などに段々と対抗してきたのだ。
(だったらあの技を使ってみるか。あの技ならこいつを捕らえられるはずだ)
俺は幻惑魔法フェイク・シルエットで自分の幻影を10人ほど呼び出す。そして空中にいる狂犬に攻撃を仕掛けた。
1人…2人…3人…4人…5人
と一人また一人と幻影の数が減っていく。そして残りの5人で狂犬へと一気に突っ込んでいく。
狂犬はシッポに魔力を纏わせそれを一気に横に薙ぎ払った。
幻影は一気に消え、狂犬は残った俺を視界に捉えた。
そしてふらついている俺に一直線に突っ込んできた。
「ヴォアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
万事休すかと思われたそのとき…
パキイイイイン
俺の眼前に突如氷の固まりが現れる。そしてそれは狂犬の強力な体当たりを受け止めた。
ドゴオン!と大きな激突音が響く。氷は少し欠けてしまったが地面からまた生えており徐々に狂犬を包み込んでいく。
「ヴォアアア!!ヴォアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」
狂犬は必死に暴れまわるが氷の拘束が強く身動きがとれなくなっているようだ。
「零地点突破・ファーストエディション」
そう。
俺の隠し球とは、この零地点突破・ファーストエディションであった。
正式名称は
『死ぬ気の零地点突破・ファーストエディション』
なのだが…
俺が使っているのは死ぬ気の炎に似ているだけであって、正確には魔法の変換資質を持った『死ぬ気の炎』である。
純粋な死ぬ気の炎とは少し違うので区別するために技名からは『死ぬ気』を抜いている。
と話はここまでにして戦いに戻ろうか。
俺は黒き狂犬を拘束することに成功する。だが時間をかければまた抜け出される可能性があるためここは早めに決めなければならない。
「オペレーションヒート」
俺は両手をクロスさせ、ワードを唱える。そして背中に炎の翼を広げ、右手を前方に突き出す。
すると俺の眼前に大きな魔方陣が現れる。そこからオレンジ色の大きな砲撃魔法が発動した。
「ヒートバーナー!!」
ヒートバーナーは黒き狂犬を勢いよく飲み込む。狂犬も魔力を吸収しようとしているのか必死に抵抗している。だが大きすぎる魔力攻撃を吸収することなどできるはずもなく、呆気なく飲み込まれるのだった。
ドオオオオオオンンンン!!!!!
凄まじい爆風が俺の頬を叩きつける。爆風が収まるとそこには倒れた小さな犬と、空中にポツンと浮かんでいるジュエルシードの姿があった。
俺はそれを掴むと魔方陣の中にしまいこむ。
「ジュエルシードシリアル14封印完了っと」
最後に使ったヒートバーナー。
あれが俺のとっておきだ。本来は右手を前方に出すと、威力調整のため左手も後ろ側へ出さなければならない。
だがその役目をおっているのが背中の炎の翼だ。背中の炎の翼は柔の炎を纏っているため、威力調整する際はその背中の炎の出力を微調整してやればいい。
家庭教師ヒットマンREBORN!ではツナが使っていた技、イクスバーナーを参考に考案した。ツナもイクスバーナーを使用する際にはそのあまりの威力に試行錯誤していた。
俺も俺なりに試行錯誤した結果、この方法にいきついたというわけである。この魔法が完成したときはかなり喜んだものだ。
だがしかし…
今回ばかりは流石に疲れた。
俺は地面にヘナヘナと座り込む。それと同時に結界も解除される。荒れた景色が元通りになっていく。
俺はいつの間にかなっていた夕暮れにそっと目を向け勝利を感じるのだった。
どうだったでしょうか?
また感想、評価などお願いします。
では、また( ・∀・)ノ