今日は嬉しいことが。
水樹奈々さんの甲子園のライブチケット当選した。
奈々さんのライブ初めてやから楽しみであーる。
では、どうぞ( ゚д゚)ノ
ヒエンside
あの黒い狂犬との戦いから5日がたった。
あのあと倒れていた女性と子犬は無事に目を覚まし帰路についた。途中女性は何度も首を傾げていたが…
あの黒い狂犬についても覚えてる素振りはなさそうだったので夢だと思ったのだろう。問題はなさそうだった。
あのあと異変を察知したなのは達やフェイト達が来ると思っていたが結局来なかった。俺が即座に結界を発動させたせいか、異変を察知できなかったのだろう。まぁ、また今度報告すればいいだろう。
それとは別に少し気になることがあったんだ。
封印したジュエルシードがかなりの光を帯びていたのだ。ヒッツに解析してもらった結果、かなりの純粋な魔力を帯びているとのこと。
純粋な魔力?
というとあれか?
大空の炎の『調和』が付与された砲撃を浴びたから純粋に綺麗な魔力だけが吸収されたってことか?
うーん
わからん!
とりあえずそれはまた今度考えよう。
それはそうと俺は今、河川敷にあるサッカーグランドにきている。そう、あの巨大なGと戦ったときにフェイトと共闘した場所だ。
なぜ今日はそんなところにいるのかというと、丁度学校が終わった時間帯になのはから電話がかかってきたのだ。
曰く、「今日はお父さんの監督しているサッカーチームの試合があるから一緒に見にいかない?」と。
どうやらなのは達仲良し3人組は士郎さんにサッカーの試合の応援に行く約束をしており、そこに帰宅部で確実に暇であろう俺を巻き込んだという訳らしい。
いやまぁ、うん。
別にいいんだけどさ。
何かツッコミたい衝動に駆られたが我慢するとしよう。
分かる人には分かると思うが、このサッカーの試合はアニメ第3話の内容で出てくる。
本来ならここでゴールキーパーの少年がジュエルシードを拾い、それをマネージャーの女の子にプレゼントで渡してしまったことが原因で、暴走したジュエルシードは巨大な樹木のような形態を取り、地面や建物を割って町中にその根を広げていってしまう。
だが俺が以前、ジュエルシードを拾い、フェイトに戦利品として渡してしまったことでそれが起きることはない。…代わりに巨大なGと戦ったけど。
というわけで俺は気兼ねなく士郎さんの監督している『翠屋JFC』の試合を見に来たというわけである。
で見に来たはいいものの…
「ははは。お前ら高校生相手に練習なんてできる機会なんてなかなかないんだからなー!!しっかりぶつかっていけー!」
「いっけー!あいつからボールを奪えー!!」
「ヒエさん覚悟!」
「おらあああ!!!」
なぜか士郎さんからの提案で11人相手に試合前のウォーミングアップの練習相手をさせられていた。
俺は自分のボールを確保し、襲いかかってくる11人の鬼相手にかわしまくる。というか小学生相手に負けたら高校生の立つ瀬がない!
くそ!
さすが高町家の大黒柱!
鬼!鬼畜!悪魔!!デーモン!!!
というかお前ら!
差し入れを持ってきてやった俺に対する仕打ちがちょっとひどいんじゃないんですかねぇ!?
「高校生だから大丈夫大丈夫!」
「僕たちいたいけな小学生。なんのこといってるかサッパリ」
「決してヒエさんが俺達の女神3人と仲が良いからって八つ当たりしてるわけじゃない」
ウオーイΣ(゜ロ゜)
最後の方、本音駄々漏れじゃねーか!
そんなに気になるなら自分から話せばいいじゃない?
「「「自分達、不器用ですから」」」
ああそう。
っていうかヒエさんってなにさ?
「ニックネーム」
「ヒエンだからヒエさん」
「中二病……ププッ」
よし。
最後のやつちょっと前に出てこようか。俺の魂の熱いシュートを見せてやろうじゃないか。
「にゃはははは。なんかとっても仲良さそうなの」
「そう?精神年齢低いだけなんじゃないの?」
「まぁまぁ、アリサちゃん」
なのは、アリサ、すずかの仲良し3人組がはしゃぐ高校生1人を温かい視線で見守っていた。
この3人の今の気持ちはこうなっていた。
出来の悪い弟を見守る姉のような心境。
3人の方が身体年齢的には妹であるが…こういう友情もまあ……あるのではないだろうか。
◆◆◆
俺は激闘のウォーミングアップを終え、翠屋JFCvs桜台JFCの練習試合を見ている。
「「がんばれ~がんばれ~!」」
アリサとすずかが元気に応援している。
若いな…
『これってこっちの世界のスポーツなんだよね?』
『うん?うん。そうだよ。サッカーっていうの』
するとユーノから念話が届く。なのはがそれに答える。
その間に、翠屋JFCが1点を決めた。
『ボールを足で蹴って相手のゴールに入れたら1点。手を使っていいのはゴールの前にいる1人だけで』
『へぇ。面白そうだねぇ』
なのはが先程のゴールを例にユーノにサッカーの簡単な説明を行う。その間にも試合は続く。相手の桜台JFCも負けてはいない。後ろから、相手のコースの意表をつくシュートをはなった。
だが我が翠屋JFCの守護神が見事横とびでシュートをキャッチするという見事なプレーを発揮する。
「わあ~キーパーすご~い!」
「ほんと~」
アリサとすずかもそのプレーに惚れ惚れとしているようだ。
俺は側に座っているマネージャーちゃんをチラッと見る。その視線は愛しい人を見守る聖母のような表情をしていた。
うむ。
完璧なリア充である。
っていうか試合のレベル高くね?
君たち本当に小学生?
『ユーノくんの世界にはこういうスポーツとかあるの?』
『あるよ。僕は研究と発掘ばっかりであんまりやってなかったけど』
『にゃはは。私と一緒だ。スポーツはちょっと苦手』
まぁそりゃなのははどんくさいからなぁ。何もないところでコケているところを見ると笑うのを堪えるのは何気に苦労する次第である。』
とそんなことを考えているとユーノから念話が届く。
『ヒエンさん!ヒエンさん!』
何やら焦っているような。
どうしたよ?
『思考が念話で漏れてます!』
『へ?』
俺はチラッと横を見る。
とそこには笑顔のなのはの姿が…
俺は冷や汗をダラダラと流す。
なのはは俺の側までくると
「ふん!」
と思いっきり俺の足を踏んだ。
「あいた!」
俺はあまりの痛みに思わず立ち上がる。
「べーだ!」
なのはがアリサとすずかの元に戻っていく。アリサから「アンタ今度は何やったのよ?」という視線をいただいた。
とりあえず「怒らせちゃいました」と視線で伝えておく。
このあとの試合の打ち上げで翠屋でケーキを奢らせられたのは言うまでもない。
余談ではあるが見事、翠屋JFCは試合に勝った。…代わりに俺はなのはの怒りを買ってしまったが。
とりあえず謝ろう。
◆◆◆
翠屋JFCの勝利を兼ねて翠屋で打ち上げが行われた。お店の中は翠屋JFCの少年達でいっぱいで貸切状態だ。
俺達は外にある丸テーブルに4人で座ってケーキを食べている。もちろん俺の奢りで。
話題はユーノについてだ。
「キュ」
「それにしても改めて見ると、なんかこの子フェレットとはちょっと違わない?」
「「へ!?」」
なのはさんにユーノさんや。
そんな露骨にリアクションしたら怪しまれますよ。
「そういえばそうかな?動物病院の院長先生も変わった子だねって言ってたし」
「ううっ…」
それにしてもさっきからなのはとユーノのリアクションが面白いのでヒッツに録画をたのんでいる。
フェイトがなのはと仲良くなったら秘密裏に見せてあげよう。そしていずれ会うことになるだろうクロノにもネタとして提供してあげよう。
これで皆、更に仲良くなることだろう。決して面白そうと思ったわけではない。断じて。
フハハハハハ(゜▽゜*)
「あぁ、えーと、ちょっと変わったフェレットってことで!ほらユーノくんお手!」
「キュ!」
心なしかユーノの目がキリッとしてるように見える。
「わあああ!かしこいかしこい~」
「あぁーかわいい~」
アリサとすずかはユーノのそんな姿にメロメロである。頭をかなり撫でられている。
『ごめんねユーノくん』
『だ、大丈夫…』
かなりお疲れ気味に聞こえる。
『あとでなんかおごるよ…』
『あ、ありがとうございます…』
その時、翠屋の入り口のドアが開く。
カランカラン
「「「「「ごちそうさまでしたぁ!!!!」」」」」
「「「「「ありがとうございましたあぁ!!!!」」」」」
どうやら選手達が出てきたようだ。
「皆!今日はすっげー良い出来だったぞ!来週からまたしっかり練習がんばって、次の大会でもこの調子で勝とうな!」
「「「「「はい!!!!」」」」」
士郎さんが監督らしく選手達を鼓舞する。
うむ。
青春である。
「じゃあ皆解散!気を付けて帰るんだぞ!!」
「「「「「ありがとうございました!!!!」」」」」
皆それぞれ解散していく。
俺はチラッと例のゴールキーパーの少年を見る。
「お疲れ様~」
「おつかれさま」
ゴールキーパーの少年はマネージャーの女の子と仲良く帰っていった。
異常はなさそうだな。
別のジュエルシードを拾っているという可能性も考えていたが、見る限り大丈夫そうだ。
まあ街がメチャクチャになるのを防げただけでも良しとするか。
「はぁ~おもしろかった!はいなのは!」
「え?」
俺が再び会話に意識を向けるとそこには撫でられすぎて目を回したユーノの姿が。
「キュウ~」
「あぁ~」
あとで回復魔法かけてあげよう…
するとアリサとすずかはおもむろに立ち上がる。
「さて、じゃあアタシ達も解散!」
「うん。そうだね。」
「そっか。今日は、このあとから用があるんだよね」
「お姉ちゃんとお出かけ!」
「パパとお買い物!」
皆予定あるんだ。
なかなかアウトドアな小学生達である。
俺はもちろん家でゴロゴロしたい派です。
「いいね。またお話し聞かせてね?」
「お?皆も解散か?」
そのとき士郎さんがやってくる。
「あ、お父さん!」
「今日はお誘いいただきましてありがとうございました!」
「試合カッコよかったです」
アリサとすずかは士郎さんにお礼を言う。
すずかはともかく、あのアリサが敬語を使っているという事実に俺は驚愕していた。
そして俺の考えを予期していたのかアリサが俺の足を士郎さんにバレない位置で踏んできた。
痛いです。
「ああ、すずかちゃんもアリサちゃんもありがとな~応援してくれて。帰るんなら送っていこうか?」
「いえ、迎えにきてもらいますので」
「同じくです~」
「そっか。なのははどうするんだ?」
「う~ん。ヒエンくんともう少しのんびりしてる!」
「そうか。父さんは家に帰ってひとっぷろ浴びてまたお仕事再開だ。ヒエンくんもゆっくりしていってな」
「はい」
俺はケーキをポリポリと食べるのを再開するのだった。
「「じゃあねえ~!!」」
「また明日~!」
「おつかれ~」
アリサとすずかが手を振ってきたので、俺となのはも手を振る。
そんななのはを見て士郎さんがぽつりと呟く。
「なのはまた少し背伸びたか?」
「ふぇ?おとうさん、こないだも同じこと聞いたよ~そんなに早く伸びないよ~」
「ははっそうか~」
なのはが頬を膨らませて士郎さんに指摘する。
士郎さんは左手を頭の後ろに持ってきて思わずやっちまったという表情を浮かべて苦笑した。
俺はそんな光景を見て、今は外国で仕事をしている父と母のことを思い出していた。
(久しぶりに会いたいな…)
翠屋でアリサとすずかと解散したあと俺達は例の高台へと来ていた。
それはなぜか?
今から俺となのはが模擬戦をするからだ。
俺達は既にセットアップを済ませている。
「ヒエンくん手加減しないでね」
「ああ、全力でいかせてもらう」
俺がそう答えるとなのはが俺の顔をジーっと見ている。
どうしたんだろうか?
ヒエンside end
◆◆◆
なのはside
なのははセットアップを済ませ、ヒエンと対峙する。
(ヒエンくんの瞳の色……橙色に変わってる?なんだか透き通ってて綺麗だなあ)
なのははヒエンの表情を見てそんなことを思っていた。
今思えば戦闘中はマトモに顔を見る余裕がなかったので、今日初めて正面から見る。改めて見る額に炎を燃やす少年の姿は少女の目線では立っているだけで、かなりカッコよく見える。
少年は鋭い眼光でこちらを睨み、威圧感を放つ。なのはは今からそんな少年と戦うのだ。正直、かなり緊張するが不思議と怖いとは思わなかった。むしろ温かくて優しい何かに包まれている安心感さえ覚えた。
(いけない!今から戦うんだ!しっかりしなきゃ!!)
「なのは大丈夫か?」
「う、うん大丈夫なの!」
両者が構える。
ユーノは審判である。
「準備はいい二人とも?」
「大丈夫!」
「同じく」
「じゃあ模擬戦開始!!」
ユーノが合図と同時に結界を展開した。
「いくよレイジングハート!」
《All Light. Master》
「いくぞヒッツ」
「ガウガウ!」
ここでなのは対ヒエンの模擬戦闘が始まろうとしていた。
次回vsなのは
勝者はどっちだ!?